東方混沌記   作:ヤマタケる

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紅魔館に来たのはメルト・グランチだった。しかし彼はレミリアを助けた。


第57話 6人の強者

「うわぁぁぁぁぁぁっ、助けてぇ!」

 

場所は変わって人里。そこではカオス軍である四角世界(マインクラフト)の敵mob達が人里の人達を襲っていた。

 

「みなさん!早くこちらに避難してください!」

 

そんな中、稗田阿求は人里の人達を子供を優先して避難させていた。

 

「ヴァー・・・。」

 

四角世界(マインクラフト)の敵mobは様々いるがその中でカオスが呼び寄せたのはゾンビ、スケルトン、エンダーマン、ウィッチである。

 

「そろそろ完了したかな・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「助けてぇ!」

 

阿求が人里の人達を全員避難させたと思った瞬間、村から一人の男の叫び声が聞こえたため、彼女はすぐさまその方向を振り返る。そこには数体のゾンビに囲まれている男がいた。

 

「なっ、あんなにたくさんのゾンビが!?」

 

それを見た阿求は思わず声を上げてしまう。そんな中、男が彼女に向かって叫ぶ。

 

「阿求さん、助けてください!!俺はまだ死にたくありません!」

 

「で、ですが・・・。」

 

阿求は何とかして男を助けようとしたが霊夢や魔理沙とは違ってあまり力のない彼女はどうすることも出来なかった。

 

「グォー。」

 

「ヴァー!」

 

「いやだぁぁぁぁぁぁ!」

 

男は叫んだがゾンビ達に言葉が通じる筈なかった。そのまま男ゾンビ達は男に食らいついた。

 

「あ、あぁ・・・。」

 

阿求はそれをただ頭を抱えて見ていた。

 

「グォー・・・。」

 

男を食い終えたゾンビ達は阿求の存在に気付き、ゆっくり近づく。

 

「ひっ!」

 

それに気づいた彼女はすぐさま逃げようとする。

 

「グガァ・・・。」

 

「フッフッフッ。」

 

「カランカラン。」

 

その行く手を遮るかのようにエンダーマン、ウィッチ、スケルトンが彼女の前に数体現れる。

 

「あ・・・。」

 

その瞬間、阿求は涙を流しながら地面に膝をつく。そんな彼女に敵mobが囲む。そんな中、彼女は心の中で言う。

 

(終わった・・・。こんな状況じゃ逃げられない。)

 

自分が逃げられないと悟った彼女は下を向きながら涙を流す。

 

「グォー!」

 

「カランカラン。」

 

そして敵mob達が一斉に彼女に飛びかかった。

 

「・・・ヴァ?」

 

その瞬間、ゾンビ達が首を傾げながら起き上がる。

 

「フウー?」

 

それを見てウィッチもその場所を見る。そこには先程までいた阿求の姿が無くなっていたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オイ、テメェら。一人を数体で襲うのは卑怯じゃないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如屋根の上から声がしたため、敵mob達は一斉に上を向く。そこにいたのは黒い髪に紅い瞳、黒いコートに黒いズボンを履いていて右手には黒き刀を持っている青年、西田悠岐がいた。彼は左腕で阿求を担いでいた。と、悠岐が敵mob達に言う。

 

「まぁ、カオスの思うがままにしか動かないテメェらには言葉なんて理解できないんだろうな。人を襲う気持ちも理解出来なくもない。だがな・・・。」

 

その瞬間、悠岐は突如屋根から飛び降り、見えない速さで敵mob達を斬りつけ、敵mob達から少し離れた場所に降り立つ。その瞬間、敵mob達の体から鮮血が飛び散り、そのまま敵mob達が倒れた。それを見た悠岐が言う。

 

「少しは人の立場になってみろ。」

 

そう言うと彼は阿求を優しく下ろし、言う。

 

「大丈夫だったか?阿求。」

 

「はい、ありがとうございます。悠岐さん。」

 

「心配ねぇよ。それよりも敵mob達はこれだけか?」

 

「いえ、まだいると思いますが・・・。」

 

阿求が言った瞬間、悠岐の背後からゆっくりとゾンビが近づいてくる。それに気づいた阿求が彼に言う。

 

「悠岐さん、後ろ!!」

 

「後ろ?あぁ、分かってるよ。あいつが殺ってくれるから大丈夫だ。」

 

彼が言った瞬間、彼に近づこうとしたゾンビに腰まで伸びる黒髪に悠岐と同じ紅い瞳、氷のオーラを漂わせる刀を持つ少女がゾンビの頭を斬り落とした。

 

「よくやった、楓。」

 

悠岐が言った瞬間、ゾンビを倒した少女、楓が彼の隣に降りた。と、楓が悠岐に言う。

 

「まだたくさんいるみたいだな。」

 

「あぁ、さっさと倒さないとな。」

 

悠岐と楓が同じ方向を見た瞬間、爆発音が辺りに響く。そして敵mob達が吹っ飛んで来る。それを見た楓が口を開く。

 

「どうやら、手伝ってくれる人がもう二人いるみたいだな。」

 

「そのようだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたの?こんな程度じゃ面白くないわよ!」

 

「次々と雑魚が・・・。面倒ですね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人が見る方向には敵mob達の血が服に付着している幽香と依姫がいた。

 

「なんだか似合わない組合わせだな。」

 

悠岐達の存在に気がついた幽香と依姫は二人に近づいた。そして口を開く。

 

「お久しぶりです、黒き刀。」

 

「久しぶりだな、依姫。」

 

「あなたが悠岐の友達の楓ね。」

 

「初めまして幽香。私は出野楓だ。」

 

四人が話している中、突如空中にネザーゲートが出現したのかと思うとその中から啓介とピンが飛び出してきて一部の敵mob達を踏みつけた。

 

「ふぅ、やっと幻想郷に戻ってこれたぜ。」

 

「ナンカテキモブタチガイルヨ。」

 

「啓介、ピン!」

 

楓が二人の名前を叫ぶと二人は楓達の方を見る。と、何かを思い付いた悠岐が口を開く。

 

「どうだお前ら。この6人でどれだけ多くの敵mob達を倒せるか競ってみないか?」

 

「面白い。」

 

「大賛成よ。」

 

「乗ります。」

 

「殺ろうぜ、殺ろうぜ。」

 

「ボク、ゼッタイニマケナイ。」

 

6人が言った瞬間、敵mobの軍勢が一斉にやって来たのを阿求が見つけた。と、楓が言う。

 

競争(ゲーム)の始まりだな。」

 

「さぁ、行くわよ!!」

 

幽香が言った瞬間、6人同時に敵mobの軍勢に突っ込んでいく。阿求はそれを呆然と見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫ですか?阿求。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如女性に話しかけられたため、阿求は背後を振り返る。そこにいたのは腰まで伸びる赤い髪にヘッドフォンをかけていて紅い瞳の女性がいた。

 

「あ、あなたは?」

 

「私の名前はビオラ。現実世界の女王を勤めております。」

 

「女王様なんですか!?」

 

「話は後にしましょう。今は私と共に人里の方々の元へ行きましょう。あそこにいては危険です。」

 

「は、はい。」

 

そのまま阿求はビオラと共に人里の人達がいる博麗神社の元へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オラオラどうしたぁ!テメェらの力はこんな程度かぁっ!」

 

悠岐達は楽しそうに敵mobの軍勢を倒していた。

 

「お、これ使えそうだな。」

 

そう言うと彼はエンダーマンから出てきた緑色の玉を楓に近づこうとするゾンビ目掛けて投げた。そしてゾンビに緑色の玉が触れた瞬間、悠岐がゾンビの背後に移動し、ゾンビの胸を貫く。それを見た楓が悠岐に言う。

 

「エンダーパールを使ったのか。」

 

「勿論さ。」

 

そんな中、幽香と依姫は互いに助け合うことなく敵mob達を倒していた。

 

「はいこれで20体目ェ!」

 

「私もです!」

 

啓介とピンは互いに協力しあいながら敵mob達を倒していた。

 

「クソッ、数が多すぎる。」

 

「マダダイジョウブダ!タエルンダケイスケクン!」

 

6人が敵mob達を倒すのに夢中になっている時だった。突如空を覆っていた黒い雲に渦が現れ、雷鳴が鳴り響く。と、幽香が言う。

 

「この感覚・・・まさか!!」

 

幽香と同様、雷鳴と渦巻く雲を見た啓介が口を開く。

 

 

「天明の雷・・・。2年前と同じだ。」

 




突如鳴り響く雷鳴。その正体とは!?
次作もお楽しみに!

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