東方混沌記   作:ヤマタケる

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何かを企むカオス。一体何を企んでいるのか。


第54話 vsカオス②

と、カオスは両腕に力を入れ始めた。それを見た妖夢が口を開く。

 

「あの構え・・・。どこかで見覚えがあります!」

 

「何があるって言うんだ!?」

 

妖夢の言葉を聞いて魔理沙は咄嗟に口を開く。そんな彼女に妖夢は再び口を開く。

 

「あれは私がかつてとある悪魔と戦った時もあのようなポーズをとっていました。」

 

「じゃあ奴は何かをしてくるってことなんだな。」

 

「その通りだ。」

 

魔理沙の問いに答えたのは妖夢ではなくユニ達の背後へ突如として移動していたカオスである。その瞬間、ユニは反射的に振り返る。

 

「フン、甘いな。」

 

そう言うと彼は巨大な左手に拳を作り、そのままユニを殴り飛ばした。

 

「かひゅ・・・。」

 

カオスの突然の攻撃に反応しきれなかったユニはそのまま壁に打ちつけられ、吐血する。

 

「ユニ!」

 

すぐに霊夢が彼女の名前を叫ぶ。そんな彼女とは別に咲夜がスペルカードを発動していた。

 

「時符プライベートスクウェア!」

 

その瞬間、カオスの回りに何千本ものナイフが彼めがけて放たれた。だが、カオスは何もせず、ただ笑みを浮かべているままである。そんな彼に咲夜が言う。

 

「今の状況を見てあなたはかなり危険な状態に見えるのだけれど?」

 

「危険ではない。むしろ好都合だ。」

 

そう言った瞬間、カオスめがけて放たれた筈のナイフが咲夜達めがけて放たれていたのだ。

 

「なっ!?」

 

霊夢、魔理沙、咲夜はなんとか避けようとするが数本体に刺さり、逆に妖夢は楼観剣で自分めがけて放たれたナイフを全て弾く。

 

「い、一体何が起こったと言うのよ!」

 

「単純な話だ、博麗の巫女。我はただナイフの方向を変えただけだ。」

 

「ナイフの方向を変えたですって!?そんなこと出来るわけ・・・。」

 

「出来るから我はこのように無傷でいられたのだ。」

 

そう言うとカオスは左手に力を込め始めた。その瞬間、彼の手のひらに紫色の光が溜まった。それを見た魔理沙が言う。

 

「私がやる!」

 

そう言うと魔理沙はカオスが紫色の光を放つのと同時にスペルカードを発動した。

 

「恋符マスタースパーク!」

 

「ま、魔理沙さん。いきなりマスパを2回放つなんて・・・。」

 

「これしか方法がないんだよ!」

 

そう言った瞬間、魔理沙の渾身のマスタースパークとカオスの紫色の光の攻撃が衝突する。その瞬間、魔理沙の放ったマスタースパークを貫き、カオスの放った攻撃が魔理沙達を襲った。

 

「きゃあ!」

 

「うわぁぁぁぁぁ!」

 

あまりにも衝撃が強かったのか、四人は壁に打ちつけられる。

 

「まだよ!」

 

まるで壁に打ちつけられなかったかのように霊夢が飛び上がり、スペルカードを発動する。

 

「夢想封印・瞬!」

 

彼女の放った攻撃は真っ直ぐカオスに向かっていく。それを見たカオスは左手を前に差し出し、受け止める体勢に入った。

 

「残念だったな、博麗の巫女。」

 

そう言うと彼は霊夢の放った夢想封印を素手で受け止めた。

 

「何ッ!?」

 

それを見た霊夢は思わず目を見開く。そんな彼女とは別にカオスは瞬時に霊夢の目の前に移動する。

 

「ひっ!」

 

突然目の前に現れたため、霊夢は思わず声をあげてしまう。そんな彼女とは別にカオスは彼女を蹴りつけた。

 

「ぐはっ!」

 

そのまま霊夢は天井に打ちつけられ、そのまま地面に落ちる。

 

「霊夢さん!」

 

すかさず妖夢が彼女の元へと駆け寄る。

 

「こ、これは・・・。」

 

霊夢の元へと来た瞬間、妖夢は思わず言葉を失ってしまう。何故なら先程のカオスの一撃により、霊夢の左足があらぬ方向に曲がっていたからだ。そんな中、カオスが笑みを浮かべて言う。

 

「理解したか?これが力の差というものだ。」

 

「酷い・・・足が折れてる。」

 

「ハッハッハッ、哀れだな。先程までの我を倒すという自信は一体何処へ消えたというのだ?」

 

「強い。今まで戦ってきた相手の中で一番面倒な相手だぜ。」

 

「あぁ、そうだな。少しハンデを貴様らに与えなくてはな。まぁまずは我の能力を紹介しよう。我の能力は『食らった者の力を使う程度の能力』だ。分かりやすいだろう。」

 

彼の言葉を聞いた瞬間、何かに気づいた咲夜が彼に言う。

 

「カオス!まさかさっき私が放ったナイフは・・・。」

 

「そう、あれはペルセポネの能力を使わさてもらった。割とあやつの力も使えるな。」

 

「じ、じゃあ私のマスタースパークを止めたのは・・・。」

 

「あれはアヌビスの力を使わさせてもらった。」

 

「面倒になってきますね。こんな時に幽々子様がここへいらしてたら・・・。」

 

「たとえ誰であろうと我はその者達を打ち砕いていく。エリュシオンを越えられるまではな。」

 

その瞬間、妖夢と咲夜が同時にカオスに襲いかかる。

 

「見え見えだ。」

 

そう言うとカオスは背後から攻撃を仕掛けてきた妖夢と咲夜を殴り飛ばした。

 

「ぐはっ!」

 

「がはっ!」

 

そのまま咲夜と妖夢は壁に打ちつけられ、気を失ってしまう。

 

「咲夜、妖夢!くっ・・・。」

 

咄嗟に魔理沙が口を開くが、マスタースパークを2回放った反動で体が思うように動かすことが出来なかった。それを見たカオスはゆっくりと魔理沙に近づきながら言う。

 

「丁度良い。貴様に真相を教えてやろう。現世の大魔王と恐れられた黒田輝宗を復活させ、幻想郷に送ったのは我だ。」

 

「なん・・・だと!?」

 

衝撃的な発言をされた魔理沙と霊夢は思わず目を見開いてしまう。そんな二人とは別にカオスは魔理沙の目の前まで来ると再び口を開く。

 

「四季映姫の記憶を変えることは難しかったがそれ以外は容易いことだった。」

 

「あんた・・・映姫まで利用してまで!!」

 

「魂だけを動かすということは我にとって難所であったがそれにより復活を遂げることが出来たので満足だ。」

 

そう言うとカオスは座り込む魔理沙を掴み、自分の顔の前まで寄せる。

 

「くっ、放せ!」

 

「魔理沙!!」

 

「安心しろ、貴様らはこの世界を支配したあとの我の食事として後回しとしてやる。だから今は大人しく寝ていろ!!」

 

そう言った瞬間、カオスは魔理沙を地面に叩きつけた。その瞬間、彼女の体からは鮮血が飛び散り、ゴキッという鈍い音が辺りに響き、そのまま魔理沙は動かなくなった。

 

「魔理沙!!」

 

慌てて霊夢は魔理沙の元へと駆け寄ろうとするが先程のカオスの攻撃で足を折られたため、動けなかった。

 

「さぁ、後は博麗の巫女。貴様だ。」

 

そう言うとカオスは霊夢にゆっくりと近づく。

 

「え、これって・・・。」

 

その瞬間、霊夢はある光景を目の当たりにし、目を見開く。




霊夢が見た光景。果たしてそれは一体何なのか!?
次作もお楽しみに!

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