東方混沌記   作:ヤマタケる

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アヌビスとの戦いに勝利した悠岐達。


第49話 変わり果てた有頂天

玄武の沢ではユニ、霊夢、魔理沙が有頂天に行くのに備えて準備をしていた。と、ユニが口を開く。

 

「他のみんなは、大丈夫かな?」

 

「きっと大丈夫だぜ。私も霊夢も悠岐がどれくらい強いのか理解しているしな。」

 

「確かにそうかもしれないけれど魔理沙、あんたは分かってないようだけど敵はそう甘くはない筈よ。」

 

「それに、月の人達もこの幻想郷に来ているみたいだからカオスの影響はかなりのものよ。」

 

「・・・。あ、そうだ!!」

 

突然何かをひらめいた霊夢がユニを見ながら口を開いた。

 

「ねぇ、ユニ。知恵のあるあの人を呼んでくれないかしら?」

 

「知恵のあるあの人って霊夢、お前まさか!!」

 

「あの人しか頼れないでしょ?魔理沙。」

 

「ま、まぁ確かにそうかもしれないが・・・。」

 

「う~ん、一応やってみるわね。」

 

そう言うとユニはスペルカードを取りだし、発動する。

 

「呼符コールザエニー。」

 

しかし何も起こらない。本来ならスペルカードが光るのだが今回は光らない。そんな中、魔理沙が言う。

 

「どうした?ユニ。呼べないのか?」

 

「おかしいわね、どうしても呼び寄せられないわ・・・。」

 

「まさかこれもカオスの影響だって言うの?」

 

「いいや、ネザーでカオスと対面した時に啓介君を呼びせられたからそんなことは無いと思うの。」

 

「じゃあ一体どういうことなんだぜ?」

 

「コールザエニーにも欠点(デメリット)があってまず近くにいる人は呼び寄せられないということよ。」

 

「近くにいる人?」

 

「そう、今の霊夢や魔理沙のように私の近くにいる人は呼び寄せられないのよ。ちなみにコールザエニーの範囲は私から100m範囲内だけよ。」

 

「つまり、奴はこの近くにいると言うのか?」

 

「そう言うのも過言ではないわ。」

 

「だったらすぐに探しましょうよ!」

 

「ダメよ霊夢。探している途中でカオスが何をやるのか分からないんだから。」

 

「そっか・・・・。」

 

「仕方がない、私達で行くしかないな。」

 

「・・・そうね、行きましょう!」

 

霊夢が言った瞬間、魔理沙は箒に股がり、宙に浮かび上がる。そしてユニと霊夢は普通に空を飛ぶ。そのまま三人は有頂天へと向かう。と、魔理沙が二人に言う。

 

「さっさと終わらせようぜ。天子と衣玖が危ない。」

 

「そうね、二人のことも心配だしね。」

 

「さっさとカオスをぶっ倒して、宴会でも開きましょう。」

 

「あ、あぁ!これが終われば楽しい宴会が私達を待っているぜ!」

 

「それまでに生き残れたらの話だけどね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嘘・・・。」

 

「何だよ、これ・・・。」

 

「これが、有頂天と言うの?」

 

有頂天に到着したユニ達は目の前に広がる光景を見て絶望する。そこにはユニ達が見ている有頂天ではなく、闇のオーラに包まれた巨大な城が立っている、ただの天空の闇の城だった。それを見た霊夢が口を開く。

 

「・・・天子と衣玖はどうなったのかしら?」

 

「カオスによって何処かに閉じ込められたかあるいは喰われたか・・・。」

 

「ユニ、そう言うのはあまり想像しない方がいいぜ。」

 

「そ、そうね。」

 

「さ、中に入りましょう。」

 

霊夢が言った瞬間、二人は深く頷いた。そしてそのまま三人は城の中へと入っていった。中に入ると早速広い通路が三人の目の前に広がる。そのまま三人は辺りを見回しながら奥へと歩く。と、ユニが口を開いた。

 

「変ね。これほど面積が広い城だと言うのに静か過ぎるわ。」

 

「・・・本当だ、話し声も化物の声も何一つ聞こえないぜ。」

 

「・・・カオスの手下は何処へ行ったの?」

 

「恐らく地上に行って侵略を開始しているかもしれないわ。なんせ、アヌビスもペルセポネもいたんだから。」

 

そんな中、魔理沙は城を見てあることに気がつく。城の所々には小さな蜘蛛の巣が張られていた。雰囲気を漂わせているのか、元々あったのか、彼女には理解出来なかった。そして三人が一番奥の部屋の前に着いた瞬間、ユニは扉のドアノブを掴み、二人に言う。

 

「い、行くわよ。」

 

「えぇ。」

「準備OKだぜ。」

 

その瞬間、ユニは猛烈な勢いで扉を開けた。扉はロックされておらず、そのまま開いた。部屋の中は円の形になっていて所々天井に穴が開いていて回りには右腕を上げている石像が置いてあった。三人は回りを見渡しながら部屋の真ん中へと歩いていく。と、その時だった。三人の前に照らされていた光が何かによって防がれた。

 

「?」

 

「霊夢、魔理沙、あれを見て!!」

 

そう言うとユニは霊夢と魔理沙が見えるように天井を指差す。天井を見た瞬間、二人は思わず目を大きく見開いてしまう。天井にいたのは体長6mほどで全身黒く、背中には赤い目がついている巨大蜘蛛がいた。それを見た魔理沙が口を開く。

 

「な、なんだあれは!!」

 

「あれはシェルドゴーマよ!」

 

「シェルドゴーマ?」

 

「元々ハイラル王国にいた悪の化身、ガノンドロフが育んでいた怪物の一つよ。まさかカオスがこんな奴を育んでいたなんて・・・。」

 

ユニが言った瞬間、シェルドゴーマはガサガサという大きな音を立てて天井を移動し始めた。それを見た霊夢と魔理沙が咄嗟に武器を構える。そんな二人にユニが本を見ながら言う。

 

「無駄よ、奴に弾幕は通用しないわ。」

 

「じゃあどうするって言うんだ!!」

 

「本によると、弓矢を使って倒すみたいなのだけど、私の知り合いには弓矢を使う人なんて居ないわ。」

 

「お!それなら私が知っているから教えようか?そいつはとびきり弓の実力が優れものなんだ!」




ユニ達の前に現れたシェルドゴーマ。魔理沙が思いついたある人物。果たしてその招待とは!?
次作もお楽しみに!

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