東方混沌記   作:ヤマタケる

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ユニとレミリアの戦闘の中、ユニは彼女の因縁の相手である綿月依姫を呼び寄せた。そして再びレミリアと依姫が対峙する。


第3話 コールザエニー、綿月依姫

「わ、綿月依姫?」

 

パチュリーの言葉を聞いてフランは首を傾げながらユニが呼び寄せた少女、綿月依姫の名前を言う。それを聞いた咲夜が彼女に言う。

 

「はい、そうです。あれはお嬢様に圧倒的な力を見せた月人です。」

 

「呑気に話してる場合じゃないわ。早く手助けしないと。」

 

そう言うとパチュリーはレミリアの元へ降り立った。彼女に続いてフラン、咲夜、美鈴、小悪魔も彼女の元へ降り立つ。それを見た依姫は溜め息を吐き、ユニに言葉を発する。

 

「やれやれ、次々と雑魚が・・・。私を呼び寄せし地上の民よ、残りの者達もやってよいのですね?」

 

「どうぞ。でも、殺すのと建築物の破壊は控えてもらいたいわ。」

 

「中々厳しいことを言いますね。」

 

「ごめんなさいね、いろいろあって。でも、あなたなら出来ると信じているわ。」

 

「ならその期待を叶えてみせましょう。」

 

そう言うと依姫は刀を構えてレミリア達を睨む。レミリア達も武器を取りだし、戦闘体制に入る。

 

「久しぶりですね、吸血鬼。」

 

「ええ、本当に久しぶりね。あなたを倒したくて毎日ウズウズしていたの!」

 

そう言うと彼女は早速スペルカードを取りだし、発動した。

 

「神槍スピア・ザ・グングニル!」

 

その瞬間、彼女の右手にグングニルが作られた。そして彼女はそのまま依姫に放った。それを見た依姫は素早く回避した。レミリアの放ったグングニルはユニ達の元へ飛んできていたのだ。

 

「げっ!」

 

「や、ヤバイ!」

 

それに気づいた霊夢と魔理沙はすぐさまその場から離れた。そんな中、ユニはグングニルを見ながらスペルカードを取りだし、発動した。

 

「現符シャドウルーム。」

 

彼女が言った瞬間、突如としてグングニルの前に黒い空間が現れ、グングニルはそのまま空間の中へ吸い込まれていった。それに気にせずに霊夢と魔理沙はレミリアと依姫の戦いを見つめる。

 

「はあっ!」

 

レミリアは依姫を切り裂こうとするが容易く避けられた。さらに依姫は刀を空へ向けた。その瞬間、激しい雷鳴と共に雷が依姫の刀に落ちた。

 

「行きますよ。」

 

そう言った瞬間、依姫は刀を縦に振った。

 

「っつ、みんな避けて!」

 

パチュリーの言葉を聞いて一同はその場から離れた。その瞬間、雷を纏った一撃が辺りを襲った。例え離れたとしても爆風の衝撃でレミリア達は吹っ飛び、壁に叩きつけられた。

 

「まだよ!」

 

まるで壁に叩きつけられた衝撃がなかったかのようにレミリアはグングニルを作り、依姫に振り下ろす。依姫も彼女の攻撃を祇園の剣で受け止める。そのままグングニルと祇園の剣がぶつかり合う音が辺りに響く。そんな中、パチュリーはあることを思っていた。

 

(何て力なの、綿月依姫。レミィを圧倒している・・・。悠岐、あなたは人間?それとも・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「パチュリー様?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小悪魔の呼び掛けによりパチュリーは我に返った。そしてスペルカードを取りだし、発動した。

 

「日符ロイヤルフレア!」

 

彼女の放った攻撃は依姫の方へ向かう。それに気づいた依姫はレミリアの背後まで移動するとそのまま彼女を掴み、パチュリーの方へ投げ飛ばした。

 

「あっ・・・」

 

美鈴があることに気づいたが、遅かった。既にレミリアはロイヤルフレアを食らった。それを見て怒り狂った咲夜とフランはすかさずスペルカードを発動する。

 

「禁忌レヴァーテイン!」

 

「殺人ドール!」

 

二人は同時に攻撃を放ち、美鈴と小悪魔も後に続いて弾幕を放った。が依姫はそれらをかわすとスペルカードを発動した。

 

「終の神剣ヒノカグツチ!」

 

その瞬間、依姫の持つ祇園の剣が炎に包まれた。彼女はそのまま刀を振り下ろした。その瞬間、激しい爆発が起こり、パチュリー様はその爆風に巻き込まれた。爆風が収まり、依姫はゆっくりとレミリアの元へ歩み寄る。そして刀を構えて言った。

 

「あの時は逃がしてしまいましたが今回は逃がしません。ここで朽ちてもらいます。」

 

「お嬢様!」

 

すかさず咲夜がレミリアを助けようとするが間に合う距離ではなく、さらに時を止めることも忘れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが依姫はレミリアを斬りつけようともせず、そのまま刀をしまってしまった。そして再び口を開く。

 

「ですが私を呼び寄せし地上の民の願いであなたを朽ちさせるのは二の次とさせてもらいます。それではまた。」

 

そう言うと依姫はユニの元へ近寄った。そして彼女に笑みを浮かべ、言葉を発する。

 

「私はお役に立てましたか?」

 

「ありがとう、十分にたったわ。本当にありがとね。」

 

「いえいえ、これくらいは何ともありません。あの奥義を覚えるための第一歩と思えばいいのですから。」

 

「あの奥義?」

 

依姫の言葉に一同は思わず反応してしまう。そしてユニが再び口を開いた。

 

「ねぇ、依姫。あの奥義って?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、無間の扉です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉を聞いた瞬間、レミリア達はピクリとなった。何故ならこの技を使える人物が思い当たるからである。そんな6人とは別に依姫が話を続ける。

 

「あの奥義は月の民を守護する私が覚えなければならない奥義だと姉様から教えてもらいました。あの技さえ使えるようになれば私は強くなれるかもしれないんです。」

 

「そうだったの、色々と大変ね。」

 

「はい。ですが私は『無間の扉』を使えるように頑張ります。」

 

「頑張ってね、応援してるわ。」

 

そう言うとユニは彼女の前に空間を出現させた。それを見た依姫はユニに頭を下げながら言った。

 

「ありがとうございます。それではまた会いましょう。必要な時になったらいつでも呼んで下さい。」

 

「ありがとう、そうするわ。」

 

そのまま依姫は空間の中へ入っていった。依姫が行った後、ユニは空間を閉じた。そして、レミリア達の元へ行き、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と土下座しながら謝った。突然の彼女の行動を見てレミリア達は驚きを隠せなかった。そして少し慌てながらもレミリアは答えた。

 

「うん、まぁ紅魔館やフランが傷ついてないから・・・」

 

「こんなことやるつもりはなかったの!ほんの少しの私の欲求が目覚めてしまってあなたの心を覗いた挙げ句、あんなに強い人を呼んでしまって、本当にごめんなさい!」

 

「まあ、落ち着いて。顔を上げなさい。私達は許すから、そんなに言わなくていいの。」

 

彼女の言葉を聞いた瞬間、ユニはすぐさま立ち上がり、レミリアの手をとり、言った。

 

「ありがとう!あなたは優しいのね。」

 

「え?うんまぁ、ね。あはは・・・」

 

そしてユニはレミリアから放れるとフラン達の元へ近づいた。そして一人ずつに言う。

 

「あなたがフランね。私はユニ、よろしくね。」

 

「ユニ姉ちゃんって呼ぶね。これからよろしく!」

 

「あなたが咲夜ね、敬語は使わなくていいからね。」

 

「最初からそのつもりだから。ユニって言うのね、よろしく。」

 

「あなたが引きこもりのパチュリーさんだったかしら?」

 

「引きこもりは余計よ。あなたがユニね。よろしく。」

 

「あなたが小悪魔ね、立派な翼が羨ましいわ。」

 

「あ、そうですか?褒められるとなんか嬉しくなっちゃいます!」

 

「えーっと、あなたは・・・中国さん?」

 

「ちょっ、違いますよ!私は紅美鈴ですよ。中国って呼ばないで下さい!」

 

「あはは、ごめんごめん。あ、そうだ!」

 

突然何かを思い出したかのようにユニが声を上げた。そして霊夢と魔理沙に近づき、言った。

 

「私、今行きたい場所があるんだけど、いいかしら?」

 

「私は別に構わないぜ!」

 

「魔理沙が言うなら私もOKよ。それで、何処へいきたいの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「太陽の花畑に行きたいの!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女の言葉を聞いた瞬間、霊夢と魔理沙の頭の中にとてつもない衝撃が走った。無理もない、何故なら太陽の花畑には誰もが恐れる妖怪、風見幽香がいるからである。そんな彼女に霊夢が言う。

 

「ね、ねぇユニ。流石に太陽の花畑は辞めたほうがいいんじゃないかしら?私達もあまりあそこには行きたくないのよ。」

 

「あなた達が行きたくなくても私は行きたいの。だって幽香にまた会いたいんだから!!」

 

「幽香に会いたいって言う人、私初めて見たぜ。」

 

「さ、話してる暇はもうないわ。さっさと行きましょう!」

 

「はぁ、面倒臭いわね。」

 

そう言うと霊夢はレミリア達を後にして空へ舞い上がった。それに続いて魔理沙もユニを箒に乗せて空に舞い上がった。そのまま三人は太陽の花畑を目指して行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太陽の花畑に着いた時点で既に夕方だった。そんな中、霊夢達は花を踏まないように花畑へ降りた。と、ユニは花畑の奥へ歩いていった。そんな彼女に魔理沙が言う。

 

「お、おいユニ!そんなに早く行くと花を踏んじゃうぞ。」

 

「大丈夫よ、もう慣れてるから。おーい、幽香ぁー!」

 

歩きながらユニは幽香の名前を叫ぶ。その姿を見て呆れた二人は彼女の後を行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、誰かと思えばユニじゃない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然二人の背後から女性の声が響いた。思わず二人は腰を抜かしてしまう。そこには緑髪で赤い瞳に日傘をさしている女性、風見幽香がいた。彼女の存在に気がついたユニは幽香の元へ駆け寄る。その時には一輪も花を踏まなかった。そしてユニは幽香に言葉を発する。

 

「久しぶりね、幽香。ずっと会いたかったよ!」

 

「ええ、本当に久しぶりね、ユニ。私が見ない内にこんなに大きくなっちゃってね。昔は私の腰辺りしかなかったのに。」

 

そう言うと彼女はユニの赤紫色の髪を空いている左手で撫で始めた。続いてユニの頬にも触れる。そして笑みを浮かべ、言う。

 

「大きくなってもユニはユニのままね。変わったらところなんて、一つもないわ。」

 

「えへへ。」

 

二人の語り合いを黙って見ていた霊夢と魔理沙はどうすることも出来なかった。と、魔理沙が霊夢に言った。

 

「なぁ、霊夢。どうする?」

 

「どうするって、何もしようがないわよ。二人で話してるんだから。とゆうか本当に馴れ馴れしいわね、あの二人。」

 

「た、確かに。」

 

霊夢と魔理沙が話している内にユニは幽香との話を終えていた。そしてユニは霊夢と魔理沙に言う。

 

「さっき幽香に聞いたんだけど、夜の幻想郷は迷いの竹林がお薦めって言ってたわ。早速向かいましょう。」

 

「迷いの竹林ねぇ。またあの二人がやってるかも。」

 

「ああ、そうだな。」

 

「あの二人?あの二人って?」

 

「後から会うわよ。さ、行きましょう。」

 

そう言うと霊夢は空へ舞い上がった。それに続いて魔理沙もユニを箒に乗せて空へ舞い上がった。それを見ていた幽香はユニに言った。

 

「またいつでもいらっしゃい。紅茶を入れて待ってるわ。」

 

「ありがとう!また行くね!」

 

彼女が言った瞬間、霊夢と魔理沙は迷いの竹林へ向かった。ユニは幽香に手を振った。彼女も手を振りながら霊夢、魔理沙、ユニの様子を最後まで見届けた。

 




迷いの竹林に着いた霊夢達はそこである戦いに巻き込まれてしまう。果たして、その戦いとは!?
次作もお楽しみに!

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