東方混沌記   作:ヤマタケる

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支配される有頂天。次に支配されるのは・・・。


第36話 紅魔館奇襲

カオスによって支配された有頂天はあっという間に闇に包まれたカオスの領域となっていた。そこにはカオスの城が建っていた。中ではカオスが玉座に座っていた。そして独り言のように口を開く。

 

「アヌビス、ペルセポネよ。お前達ならすぐに我が指示した場を支配してくれることを期待している。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオスの命令により、紅魔館へ向かっていたアヌビスは湖の近くまで辿り着く。そして、ある方向を見ながら言う。

 

「あれが紅魔館か・・・。成る程、噂していた通り、紅き月の気配を感じる。」

 

そう言うとアヌビスは湖を飛び越えて紅魔館の目の前に降り立つ。と、彼の目線にあるものが映った瞬間、アヌビスは目を細める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来たわね、カオスの下僕。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこにいたのはレミリアに妹のフラン、さらにはパチュリー、咲夜、美鈴、小悪魔がいた。その瞬間、レミリアの力により、幻想郷の空が紅い雲で覆われた。それに気にせずアヌビスが口を開く。

 

「成る程、私が来ることを予期していたからこのようにいつでも対応出来たという訳か。そして吸血鬼が苦手な太陽をあの紅き雲で覆い、力を発揮するというわけだな。」

 

「その通りよ、冥狼神アヌビス。この紅魔館の主である私があなたのことを追い払ってやるわ。」

 

「力の差を見せてくれると言うのだな。面白い、是非とも見せてみろ。」

 

そう言うとアヌビスはトトの頭の形をした杖を取り出した。それと同時にレミリアはグングニルを、フランはレヴァーテインを、咲夜はナイフを構え、戦闘体勢に入る。

 

「行きますよ。」

 

先に先陣を切ったのは美鈴だった。彼女はアヌビスの方へ走って向かうと彼の腹にパンチを入れる。

 

「遅い。」

 

そう言うとアヌビスは美鈴の腕に手を乗せ、そのままレミリア達の背後に回る。その瞬間、パチュリーがスペルカードを発動する。

 

「日符ロイヤルフレア!」

 

それを見たアヌビスは杖を前に出し、バリアを作ってパチュリーの攻撃を防ぐ。その瞬間、彼の背後にフランがいて、口を開く。

 

「ギュッとして・・・」

 

「?」

 

「どかーん!」

 

「なっ!?」

 

そう言うとフランは右手に握り拳を作り、アヌビスの顔を殴り付ける。そのままアヌビスはレミリアの方へ飛ばされる。

 

「!?」

 

何かに気づいたアヌビスは目を大きく見開いた。いつの間にか彼の回りには大量のナイフが彼目掛けて放たれた。

 

「くっ・・・」

 

アヌビスはバリアを作ろうとしたがその瞬間に小悪魔が弾幕を放つ。

 

「ぐあっ!」

 

ナイフに夢中になりすぎた彼は弾幕を食らい、そのまま彼の体に大量のナイフが刺さった。さらにレミリアがスペルカードを発動する。

 

「神槍スピア・ザ・グングニル!」

 

彼女の攻撃がそのままアヌビスの方へ向かっていく。そして彼にぶつかった瞬間、激しい爆発が辺りを襲った。フラン達はそれに咄嗟に気づき、避ける。そんな中、レミリアが上がる煙の中にいるアヌビスに言う。

 

「呆気ないわね、冥狼神。あんなにあった自信は一体何処へ行ってしまったのかしらねぇ・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ。危なかった、危なかった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如背後から聞き覚えのある声が聞こえたため、レミリア達は後ろを振り返る。そこには所々体から血が垂れているものの、平然と立っているアヌビスがいた。それを見たパチュリーが口を開く。

 

「どうして!?さっき小悪魔と咲夜とレミィが殺った筈なのに・・・。」

 

「そこにいる悪魔と人間の攻撃にはやられたものだ。あの時は本当に死にかけたよ。もし吸血鬼の小娘が攻撃を放った瞬間に私が自分の能力を使用していなかったら、間違いなく私は死んでいただろう。」

 

そう言うと彼は自分の胸に手を置いた。その瞬間、彼の体が紫色に光だし、そのまま彼の体の傷が癒えた。それを見たレミリア達は驚きを隠せなかった。そんな彼女達とは別にアヌビスが再び口を開く。

 

「私の能力は『能力を倍にする程度の能力』。つまり、私は攻撃力や速度、防御力を倍にすることが出来る。」

 

「面倒な能力ね。」

 

「少し見てみるか?まずは4倍だ。」

 

そう言うとアヌビスは咲夜の持つものとは異なるナイフを取り出し、そのままレミリアに向かって投げつける。

 

「お嬢様!」

 

その瞬間、美鈴がレミリアの目の前に出て、左腕でアヌビスの投げたナイフを受け止める。その瞬間、美鈴の左腕から血が飛び散る。

 

「美鈴!!」

 

その様子を見たアヌビスが関心したような表情を浮かべ、言葉を発する。

 

「ほう、4倍の速度を見破れるとはな・・・。中々の腕前だ。ならば少し力を入れるとしよう。16倍でお前達に圧倒的な力を見せつけてやる。」




レミリア達に力を見せつけようとするアヌビス。果たしてその力とは!?
次作もお楽しみに!

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