まず始めにユニがスペルカードを発動した。
「剣符アームストライク。」
その瞬間、彼女の右側に直径1mほどの空間が現れ、そこからユニは青い剣、ダイヤソードを取り出した。そしてユニはガノンドロフの元へ向かって行く。
「くらえ!」
始めに妹紅が弾幕を放つ。ガノンドロフはそれを容易く避ける。立て続けに魔理沙と鈴仙がスペルカードを発動する。
「魔符ミルキーウェイ!」
「波符幻の月!」
「!?」
二人の放った攻撃は妹紅の放った弾幕を避けたガノンドロフに命中した。その勢いで辺りに砂埃が舞う。その間に霊夢がガノンドロフに弾幕を放つ。さらにユニがスペルカードを発動した。
「現符シャドウルーム!」
ユニがスペルカードを発動した瞬間、舞い上がる砂埃を紫色のドームが包んだ。そしてユニは左手に握り拳を作った。その瞬間、紫色のドームと共に砂埃が消えた。
「なっ!?」
「嘘だろ・・・」
砂埃が消えた瞬間、そこにあった光景に一同は驚くことしか出来なかった。何故なら本来なら消滅するはずのガノンドロフが平然と立っていたからである。驚くユニ達とは別にガノンドロフが口を開く。
「フン、小娘の分際で中々やりおる。お前達になら本気を出しても問題ないな。」
そう言うとガノンドロフはユニ達に向かって走ってきた。ユニ達は咄嗟に後退するが、
「甘いな。」
そう言った瞬間、ガノンドロフの姿が一瞬にして消えた。ユニ達は思わず辺りを見回す。と、唐突としてガノンドロフが魔理沙の背後に現れた。
「魔理沙、後ろよ!」
「させない!」
ユニは咄嗟に魔理沙に言い、霊夢は彼女の背後にいるガノンドロフに向かってスペルカードを発動する。
「夢符『封魔陣』!」
魔理沙は反応出来ずに後ろを振り返る。その瞬間、霊夢の放った攻撃が飛んでくる。しかし、そこにガノンドロフはいなかった。
「なっ!?」
妹紅は思わず声を上げてしまう。その瞬間、ガノンドロフが妹紅の背後に現れた。そして妹紅の腰を蹴り飛ばした。
「ぐわっ!」
そのまま妹紅は10mほど蹴り飛ばされた。そして腹部を抑えながら吐血する。そんな彼女とは別に魔理沙と鈴仙が弾幕を放つ。
セコンドがその様子を見ている中、紫が意識を取り戻した。それに気づいたセコンドは彼女に言う。
「目が覚めたか、紫。」
セコンドが話しかけると紫は目を大きく見開いた。だがすぐに安堵の息を吐き、セコンドに言う。
「来てたのね、セコンドさん。」
「余は招来の友に呼ばれたのでな、幻想郷に来てみれば魔王ガノンドロフがいるとはな。」
「ごめんなさいね、私はあまり戦えなかったわ・・・」
「いや、其の方の活躍は無駄ではない。ガノンドロフも先程其の方との仕合いで疲れている。彼女らが勝つ可能性だってあるのだぞ。」
「そうね、ユニ達を信じないとね。」
紫が言った瞬間、セコンドと紫は同時にガノンドロフと戦う霊夢達の方を見る。
ガノンドロフの圧倒的な力に五人が相手だろうと関係なく、苦戦していた。ユニはすかさずガノンドロフに青い剣を降り下ろす。ガノンドロフはそれを防ぎ、ユニの腹部を左手で殴り飛ばす。
「かふっ・・・」
そのままユニは殴り飛ばされ、勢いが止まった瞬間に吐血する。
「ユニ!」
「仲間の心配をしている場合か?」
魔理沙がユニの名前を叫んだ瞬間、ガノンドロフが魔理沙の背後に現れた。そして彼女の腹部に肘打ちをした。魔理沙はそのままセコンドと紫の方へ飛ばされた。セコンドは飛んでくる魔理沙を容易く受け止めた。
「す、すまないぜ、おっさん。」
「何のこれしき。」
セコンドが魔理沙をゆっくりと下ろした瞬間、魔理沙は地面にうずくまり、吐血する。そんな彼女とは別に霊夢と鈴仙、妹紅が同時に弾幕を放つ。ガノンドロフはそれを忌々しい剣で弾くと一瞬にして三人の目の前までやって来て三人を蹴り飛ばした。三人は吹き飛び、魔理沙のいるところで止まり、吐血する。そんな彼女らとは別にガノンドロフは言う。
「中々の者だったぞ、小娘どもよ。だが我の力には到底及ばぬ。さぁ、とどめだ!」
ガノンドロフが霊夢達に向かって忌々しい剣を降り下ろした。セコンドは紫の守護のため、どうすることも出来なかった。
突然ドスッっという音と共にガノンドロフの腹部を刀が貫いた。
「ガハッ・・・」
ガノンドロフはどうすることも出来ずに吐血する。そんな彼とは別に霊夢達は刀を飛ばした者が誰なのかを見る。
「これ以上みんなに怪我させたらただじゃおかないわよ。」
ユニだった。頭から血を流していてもユニは立っていた。彼女の左側には先程の空間が現れていた。そしてユニは再びスペルカードを発動した。
「剣符アームストライク。」
その瞬間、空間から黄色に輝く刃に青い持ち手の剣が出てきてユニはそれを手に取った。その剣を見た瞬間、ガノンドロフは目を大きく見開きながら言う。
「そ、それはマスターソード!!何故それを貴様が!?」
「簡単なことよ。本物と同じくらいの強度の偽者を取り出しただけ。けど、偽者だからと言って弱いとは限らない。私のアームストライクは本物と同じくらいの強度を持つ偽者を取り出すことの出来るスペルカード。」
「たかが小娘ごときがぁっ!葬ってくれるわ!!」
そう言うとガノンドロフは物凄い勢いでユニに向かって行く。そんな彼とは別にユニはスペルカードを取り出し、発動した。
「呼符コールザエニー。」
その瞬間、ユニの持つスペルカードが緑色に光だした。そしてユニはスペルカードを上に上げて叫ぶ。
「奇跡を起こせ、東風谷早苗!」
彼女が叫んだ瞬間、ユニの右側に直径2mほどの空間が現れ、そこから緑色の髪に巫女の服、髪には蛇と蛙の飾りをつけている少女、東風谷早苗が現れた。その瞬間、ユニが早苗に言う。
「奇跡で奴に隙を作って。私がとどめをさす。」
「分かりました。」
そして二人は向かってくるガノンドロフを睨む。そして早苗がスペルカードを発動した。
「秘術グレイソーマタージ!!」
その瞬間、早苗の攻撃がガノンドロフに向かって行く。ガノンドロフはそれを容易く弾いた。そして早苗に向かって行く。そんな彼に早苗が言う。
「もう終わりです、魔王ガノンドロフ。」
「なんだと!?」
早苗が言った瞬間、ユニがガノンドロフの背後に移動していてスペルカードを発動していた。
「呪縛『地縛霊の嘆き』。」
彼女がスペルカードを発動した瞬間、ガノンドロフは身動きがとれなくなった。
「な、なんだこれは!?」
「私のスペルカード、地縛霊の嘆き。少人数の地縛霊の力を借りてあなたの動きを封じる技よ。」
「封じるだと?面倒な技よ。」
「ありがとう、早苗。これで奴を倒せるわ。」
「いえいえ、これくらいはどうってことありません。」
早苗が言った瞬間、ユニは聖なる剣、マスターソードを構えた。そしてガノンドロフに言う。
「覚悟しなさい、魔王ガノンドロフ。」
ユニはそのままガノンドロフの元へ走っていく。そしてドスッっという音と共にマスターソードが身動きの取れないガノンドロフの胸を貫いた。
「ウオォォォォォォアァァァァァァァァァァァァァッ!」
その瞬間、無縁塚中にガノンドロフの声が響いた。
ガノンドロフとの決着をつけたユニ達。
次作、聖三覇銃編完結。