東方混沌記   作:ヤマタケる

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幽香達に圧倒的な強さを見せた覇王クリーフル。そこへユニ達が駆けつけ、ユニはクリーフルの態度に激怒し、現実世界最強の存在、地王セコンドを呼び寄せた。そしてクリーフルの撃破に成功する。残るはガノンドロフのみ。


第17話 ガノンドロフとの戦い①

「・・・どういうことだ。」

 

クリーフルがセコンドによって倒された中、ガノンドロフは一人で無縁塚を歩いていた。そんな彼はある異常を察し、独り言を言っていた。

 

「ギラヒムとザントの気配が消え、さらに先程まで派手に暴れていた覇王の小僧どもも今になっては大人しい。変だな、あやつらはそうは簡単に倒される者ではないはずなのだが・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、お困りのようね。魔王ガノンドロフさん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然の女性の声にガノンドロフは顔を向ける。そこには日傘をさしている美しい女性、八雲紫がいた。そんな彼女にガノンドロフが言う。

 

「スキマ妖怪、八雲紫・・・。ザントとギラヒムはどうした?」

 

「あら、あの二人なら私の知り合いが倒しましたわ。半悪魔と悪霊がね。」

 

「半悪魔と悪霊に敗れるとは・・・。やはり使えぬ者共だったか。」

 

「さらに驚くことにあなたが探している、『召喚のトライフォース』とやらはこの世界には存在しないのよ。」

 

「存在しないだと!?貴様、それを何者から聞いた!」

 

「覇王クリーフルが言っていたわ。」

 

「覇王の小僧め、我を騙しおって、許さんぞ!!」

 

「残念だけど、あなたが倒したい覇王クリーフルはもう何処にもいないわ。なんせ、この世界の守護者が帝を呼んでクリーフルを倒したみたいだし、銃王はさとり妖怪らによって倒されて彼の部下は行方不明のままのようね。」

 

「そうか・・・。ところでスキマ妖怪よ、お前は何故我の元へ来た?」

 

「私が来たのはあなたをここから追い払うためよ。私の幻想郷を闇に包もうとしたあなたを放置してはいられないわ。」

 

「覇王の小僧に騙された挙げ句、スキマ妖怪と戦わねばならないとはな。我はついていないようだ。」

 

そう言うと彼は左手に握っていた忌々しい剣を抜いた。そして紫を見ながら言う。

 

「今ここでこの我がお前を三途の川に送ってやろう。この世界がお前のものになるのか、我のものになるのか、決めようではないか。」

 

「うふふ、面白いことを言うのね。いいわ、受けてたとうじゃない。」

 

そう言うと紫はスキマを展開し、中から草薙の剣を取り出し、日傘を中に入れた。そしてガノンドロフを見ながら彼女はスペルカードを発動した。

 

「結界『光と闇の網目』」

 

彼女が発動した瞬間、多数の弾幕がガノンドロフ目掛けて飛んできたけどそれを見たガノンドロフは剣で全て弾いた。

 

「せあああっ!」

 

そして紫の前まで来ると彼女の腹部に肘打ちをした。

 

「くっ・・・」

 

紫は腹部を抑えながらも草薙の剣を降り下ろす。ガノンドロフもそれに反応し、防ぐ。そんな中、ガノンドロフが笑みを浮かべながら紫に言う。

 

「どうした?これが幻想郷を作り上げた賢者の力だと言うのか?」

 

「私は、まだ本気を・・・出してないだけよ!」

 

彼女が強がっているのはガノンドロフでも理解出来た。そんな彼女にガノンドロフは回し蹴りを入れた。

 

「きゃっ!」

 

可愛らしい悲鳴を上げながら紫は草薙の剣を落とし、地面に仰向けに倒れる。そのまま紫はガノンドロフが攻撃する前に再びスペルカードを発動した。

 

「廃線『ぶらり廃駅下車の旅』!」

 

その瞬間、彼女の背後からスキマが展開し、そこから電車が三両ガノンドロフに向かって行く。それにはガノンドロフは避けることしか出来なかった。それを狙って紫がスキマからナイフを取り出し、ガノンドロフ目掛けて投げつけた。それに反応出来ずにザクッという音と共にガノンドロフの右腕にナイフが刺さった。

 

「けっ。」

 

彼はかなり冷静だった。自分の右腕にナイフが刺さって血が流れていても彼は表情を一切変えなかった。彼は腕に刺さったナイフを抜くとそれを紫に投げつける。紫はそれをスキマの中へ入れた。その瞬間、ガノンドロフが紫の目の前までやって来ていた。

 

「なっ!?」

 

「フフフ、油断したな愚か者め。」

 

そう言うとガノンドロフの居合い斬りが紫の腹部に命中した。そのまま紫の腹部から血が流れる。

 

「うっ・・・」

 

その一撃を食らった彼女は腹部を抑えながら地面にうずくまる。そんな中、ガノンドロフは紫の腹部を蹴り飛ばした。

 

「ぐはっ!!」

 

声を上げながら紫は砂埃を上げながら10mほど蹴り飛ばされた。そして勢いが止まった瞬間、紫は口から血を吐いた。そんな彼女の元へガノンドロフが近づきながら言う。

 

「この世の定めは強き者によって決められること。ハイラルでも我は闇の強者として君臨していた。現実世界では帝が定めを決める。そして幻想郷はお前が定めを決める。だがそんなお前を我が倒せば我が定めを決められる。」

 

「何を・・・言っているの・・よ?」

 

「簡単なことよ。我がお前を殺す、それだけだ。」

 

そしてガノンドロフが紫の目の前まで来ると彼は紫を見下ろしながら再び口を開く。

 

「いや、別の選択もあるな。スキマ妖怪よ、選択肢を選ぶがよい。大人しく降参を認めて我に従うか、このまま我に殺されるか、好きな方を選べ。」

 

「あなたに従うですって?冗談じゃないわ。」

 

「・・・・選択は決まったようだな。」

 

そう言うとガノンドロフは紫に左手を伸ばす。彼の左手は紫の首を掴んだ。

 

「くっ・・・」

 

紫はガノンドロフの左手から逃れようとするが全く歯が立たなかった。さらにガノンドロフは彼女の首を掴んだまま彼女の体を空中に持ち上げた。これで紫は今宙吊りの状態になっている。そして首を絞め始めた。

 

「さあ、死んでいくがよい。」

 

「あぅ、うぅ・・・・」

 

紫は抵抗するが自分の体は今傷だらけのため、抵抗が無意味であった。そのまま彼女の意識が遠くなっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「宝符ゲートオブバビロン!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然少女の声が辺りに響いた瞬間、ガノンドロフ目掛けて沢山の宝具が飛んできた。それを見た彼は思わず紫を放し、宝具を避ける。その瞬間、影が紫が地面に落ちる前に紫を抱き抱え、救出した。

 

「紫、しっかりしなさいよ、紫!」

 

紫の元へある少女達、霊夢、魔理沙、ユニ、鈴仙、妹紅が駆けつけてきた。そして紫を抱えているのは先程クリーフルに圧倒的な力を見せつけた帝である地王セコンドである。彼は紫をそっと地面に寝かせた。そして霊夢達に言う。

 

「友よ、紫は余が守る。其の方らはガノンドロフを倒すがよい。」

 

「分かったぜ、おっさん。」

 

セコンドの言葉を聞いて魔理沙はガノンドロフと対峙する。彼女に続いて鈴仙、妹紅が彼と対峙する。そんな中、霊夢とユニは気絶している紫に言う。

 

「紫、死んじゃだめよ。」

 

「後は私達に任せて。」

 

「友よ、行くがよい。」

 

セコンドの言葉を聞いて霊夢とユニもガノンドロフと対峙する。そんな五人にガノンドロフが言う。

 

「お前達のような小娘などすぐに三途の川に送ってやろう。」

 

「上等だ。」

 

「受けてたちましょう。」

 

「やってやるぜ。」

 

「紫のためにも!」

 

「みんな行くわよ!」

 

五人の少女が幻想郷のために魔王に立ち向かっていった。




紫のためにガノンドロフと決着をつける霊夢達。果たして勝負の行方は!?
次作もお楽しみに!

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