東方混沌記   作:ヤマタケる

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ギラヒム、ドールク、ペルセポネ、メルト・グランチ、純狐に変身してユニ達の前に立ちはだかるエリュシオン。


第170話 対応

そう言った瞬間、エリュシオンの体に緑色の結界が渦巻いたかと思うと鰐の頭に二丁の拳銃を持つ男に変身した。

 

「ドールクだ!行くぜ影裏!!」

 

魔理沙がそう言うと箒に跨り、飛び上がる。

 

「了解だ魔理沙!」

 

魔理沙の合図で影裏がエリュシオンに向けて銃口を向け、発砲する。それと同時に魔理沙がエリュシオンの背後に回り、スペルカードを発動する。

 

「魔符『ミルキーウェイ』!!」

 

「ほう、やるな。」

 

そう言いながらエリュシオンは高く飛び上がり、二人の攻撃を避ける。高く飛び上がった瞬間、彼女の周りに紫色の渦が漂い始める。それを見た魔理沙が声を上げる。

 

「ペルセポネだ!楓、九十九頼むぜ!!」

 

彼女が言った瞬間、楓と九十九が同時に飛び出す。魔理沙の言った通り、紫色の渦が消えた場所からはペルセポネに変身したエリュシオンが姿を現した。

 

「九十九、弾幕攻撃を頼む!」

 

「任せな楓、おらよっと!!」

 

楓の指示で九十九は複数の弾幕をエリュシオンに向けて放つ。それを見た彼女は巨大な鏡を出現させる。彼女の放った弾幕は鏡に反射され、そのまま九十九目掛けて飛んでくる。

 

「チッ、そういやあの姿の奴は鏡を使って弾幕を反射させるんだったな。」

 

「だが、その瞬間がチャンスだ!」

 

そう言いながら楓は反射された弾幕を潜り抜け、鏡に向かって氷龍剣を突き刺す。その瞬間、鏡にヒビが入っていったと思うとそのまま粉々に割れていった。それを見たエリュシオンは軽く舌打ちをし、後退する。その瞬間、彼女の周りに橙色の渦が漂う。

 

「純狐だ!!ユニ琥珀、任せた!!」

 

「さぁさぁ、僕にお任せあれ。」

 

「行くわよ琥珀君!」

 

九十九の合図でユニと琥珀が飛び出し、ユニがスペルカード

発動する。

 

「剣符『アームストライク』!」

 

スペルカードを発動したユニは走りながら右手に剣を持ち、エリュシオンへ向かう。九十九の言う通り、エリュシオンはペルセポネから純狐へと変身した。

 

「これでも喰らいなさいっ!」

 

そう言いながらユニはエリュシオンに向かって剣を振り下ろす。なんの工夫もない、そう思っていたエリュシオンとは別に琥珀が文字を浮かべる。

 

「文字よ、『砕』」

 

その文字を見た瞬間、エリュシオンは咄嗟に後退する。砕の文字がユニの持つ剣に宿り、振り下ろされた場所は地面が大きく抉られるほどの破壊力を持っていた。

 

「こんなんじゃ終わらない!咄嗟の弾幕攻撃!!」

 

そう言うとユニは剣を手放し、後退するエリュシオンに弾幕を放った。

 

「へぇ、いい戦法じゃない。」

 

そう言うと彼女はユニの放った弾幕を後退しながら灰色の渦を漂わせる。それを見た琥珀が言う。

 

「バトンタッチだ、悠岐君に百々君!」

 

「ギラヒムだな!」

 

「おっしゃ任せろ!!」

 

続いて悠岐と百々がギラヒムに変身したエリュシオンに向かっていく。

 

「これでも喰らいやがれ!漆黒斬!!」

 

「真似させてもらうぜ悠岐!再現『漆黒斬』!!」

 

悠岐の技を再現し、百々は攻撃をエリュシオンに放つ。ギラヒムに変身したエリュシオンは放たれた二つの漆黒の月牙を容易く躱す。

 

「そっちに行くと思ったんだよ!1発貰っとけぇ!!」

 

そう言いながら百々はエリュシオンの躱した場所へと向かい、拳を叩き込む。それを見た彼女は腕を交差し、攻撃をかろうじて防ぐ。

 

「チッ・・・。」

 

舌打ちをしたエリュシオンは指を鳴らす。その瞬間、彼女の周りに黒い渦が漂う。

 

「やっちまえ!霊夢に暁!」

 

「一気に叩き込むわよ暁!!」

 

「了解!姉さんに合わせます!!」

 

そう言って今度は霊夢と暁がエリュシオンに向かっていく。黒い渦が消えた場所にはメルト・グランチに変身したエリュシオンがいた。

 

「封魔針!!」

 

スペルカードを発動した霊夢はエリュシオンに向けて攻撃を放つ。れいむの攻撃を見たエリュシオンは刀で弾き、指を鳴らそうとする。

 

「暁、指を狙って!!」

 

霊夢の合図で暁がエリュシオンの真上に飛び上がり、言う。

 

「分かりました姉さん!『我はの王ロキなり』。ロックオンレーザー!!」

 

そう言うと彼はエリュシオンの真上から紫色の極太レーザーを放った。真上から放たれたレーザーはエリュシオンに直撃する。レーザーと放った暁はユニ達の元へ後退する。と、ユニがスペルカードを発動した。

 

「もう2回も同じ手は御免よ!剣符『アームストライク』!!スピアザグングニル!!」

 

そう言った瞬間、ユニの手元に紫色の槍、グングニルが現れたかと思うと彼女はそのまま柱に向かって投げた。彼女の投げたグングニルは柱に命中し、ヒビが入った瞬間、ガラガラと音を立てて崩れ始めた。それを見た九十九が彼女に言う。

 

「なるほど、因果の法則を使われないように柱を壊したのか。」

 

「そうよ、あれやられたら私達どうしようも出来ないからね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ、意外とやるじゃない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その一言が聞こえたかと思うと崩れた柱によって起こった砂埃の中からエリュシオンがゆっくりと歩み寄る。それを見た楓が言う。

 

「まぁ、これで倒せたら誰も苦労しないか・・・。」

 

「奴は世界を破壊してる存在です。最後まで油断出来ません。」

 

暁が言うとエリュシオンはニヤリと不気味な笑みを浮かべて口を開く。

 

「闘神《あの子》達の力は対策されてしまってるようね。なら私の力で相手してあげる。今のはほんのウォーミングアップの一部に過ぎない。」

 

「随分と強がってんな?何かあるって言うのか?」

 

影裏が話す中、九十九が口を開いた。

 

「ここからは洒落にならないレベルになるから気をつけろ。それとエリュシオン、アンタに質問なんかしたくないが聞きたいことがある。」

 

「・・・?」

 

「アイツらはどこだ?まさか役に立たなくて捨てた、あるいは食い殺したなんて言わねぇよな?」

 

「九十九、どういうこと?アイツらってのは?」

 

「僕が代わりに答えよう。」

 

霊夢の問いに答えたのは琥珀だった。そして言う。

 

「奴に仕えている連中さ。彼らはとんでもない霊力を携えていてこの戦いにいたら厄介だと思っていたんだけど見当たらないね・・・。」

 

と、エリュシオンが口を開いた。

 

「あの子達はねぇ、あの子達の果たすべき使命の為に別のことを任せてるの。あの子達も私の大切な家族、見捨てたり食い殺したりなんてするわけない。」

 

そう言うと彼女はすっと一呼吸置き、手のひらにスライムを乗せて言う。

 

「ここからは私の戦いよ。闘神達を攻略出来たなら今度は私を攻略してみなさい?」

 

 




闘神達の力を攻略することができたユニ達。しかし、戦いはこれから苛烈さを増していく・・・。
次作もお楽しみに!

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