「うーん、地雷は少し辛いかもね。」
メメントモリのステージが展開されたのを見て琥珀はそうボヤく。基本的に走って戦う人間が多いのだ。空を飛ぶ彼は問題なくても他が問題なのである。彼のボヤきを聞いたようにエリュシオンが口を開いた。
「メメの場合の地雷は特別なのよ?」
そう言った瞬間、彼女は銃口をユニ達に向け、発泡した。銃から放たれたのは目玉のようなものがついていて3という数字が浮かびあがっているものでそれは10個に分裂するとユニ達に絡みついた。
「何これ!?」
「くっつく地雷だと!?聞いてねぇぞ!!」
ユニと影裏が言う中、暁が一言言う。
「『神に呪われし者。鮮血の咎。我が名はカイン。』」
暁がまた一つ、嘘を重ねた。すると、彼の髪が獣のように変化し、全員へついた地雷を捕食していった。それを見た悠岐が彼に言う。
「サンキュー暁、助かったよ。」
「地雷は私が何とかします。皆さんは攻撃をお願いします!」
「任せて!」
そう言って霊夢がエリュシオンの方へ目を向ける。と、エリュシオンが銃口を空に向けて口を開いた。
「ならこれを受けてみなさい。」
そう言った瞬間、彼女の持つ銃の銃口から8方向に今度は緑色のレーザーが放たれた。
「うわっ!」
「またレーザーか!!」
声を上げながらもユニと楓はレーザーを避ける。
「行ってきてバカ兄貴!」
「急いでるからって投げんなぁぁぁ!!」
そのレーザーのうち、2本を九十九が投げた百々によって防ぐことができた。しかし、所詮は2本。残りの6本が全員を襲う。
「チッ!」
舌打ちをしながらも悠岐は刀で2本のレーザーを凌いだ。
「くっ!」
「ちくしょー!」
「くそっ!」
霊夢、魔理沙、影裏は間一髪のところでレーザーをかわす。
「え、僕まだヒヨーーー」
ヒヨコの姿から治ってなかった琥珀は足が短かった為に回避が間に合わずレーザーに飲み込まれた。
「スターレーザー!!」
暁はスターレーザーを展開し、エリュシオンからのレーザーをどうにか打ち消した。それを見たエリュシオンは感心して言う。
「へぇ、中々やるじゃない。ならこれはどうかしら?」
そう言った瞬間、彼女の背後から手足が生え、目玉が1つある1メートルほどの大きさのタマネギが5匹現れた。それを見た悠岐が大きい声を上げる。
「タマネギヘッドだ!こいつらを同時に倒さないと蘇生ループを食らっちまうぞ!暁、頼んだ。」
「任せておいて。タマネギ三四郎なんて何度も倒してるから!何匹になろうが関係はない!!」
バラバラに動く5匹のタマネギヘッドを見て暁は集中力を上げ、じっとタイミングを待つ。
「・・・ここだ!行け、わが髪の毛!!」
そう言って彼から放たれた地雷付きの髪の毛は5匹のタマネギヘッド全員に命中した。地雷付きの髪の毛の攻撃を食らったタマネギヘッドはそのまま消滅する。その様子を気にすることなくエリュシオンは目を赤く光らせていた。その瞬間、辺りがロック会場のような場所に変わり、ユニ達の周りにはドクロが数多く浮いている。それを見たユニが口を開く。
「今度はニルヴァーナね!」
「あぁ死ぬかと思った!いや死んでたけれども!」
レーザーによって焼かれていた琥珀が妖精特有の不死性により地面からゾンビのように復活した。その時、頭上にあったドクロをちょうど1つ破壊した。それを見たエリュシオンは鼻で笑い、言う。
「じゃあこうしようかしらね。」
そう言って彼女はパチンと指を鳴らした。その瞬間、ドクロの周りに重力バリアが展開された。
「あれは!?」
「動きにくくなるやつか・・・。」
霊夢が言った後に地面に倒れていた百々が起き上がり、重力バリアを目にして小さくつぶやく。そんな中、暁が口を開いた。
「一気に全てを破壊します!『天に掲げるは王者の剣。世界を守る鞘とならん!』」
そう言った瞬間、何処からともなく現れた無数の剣が重力バリアを纏っているドクロに刺さったかと思うとそのまま爆発し、ドクロを全て破壊した。
「エリュシオン、ついでにこのレーザーをどうぞ!」
そう言って暁は黄色に輝くレーザーをエリュシオンに向かって放った。
「フン、無駄な真似を。」
暁から放たれたレーザーを見てそう言うとエリュシオンは右手を広げて前に出す。その瞬間、彼女の周りに紫色の結界が現れたかと思うと暁の放ったレーザーを遮断し、消滅させた。それを見た楓が口を開く。
「・・・レーザーバリアか!」
「小癪な!」
「口調口調。」
「・・・コホン。嫌らしい手を使いますね!」
暁と九十九が話す中、エリュシオンはクススと笑い、言う。
「あら、そうかしら?」
そう言ってる間にエリュシオンは銃口を暁に向けて発砲していた。
「そうはさせないわ!『現符シャドウルーム!』」
ユニが咄嗟にスペルカードを発動した。その瞬間、暁の前に小さなワープホールが現れ、その中に放たれた銃弾が吸い込まれていった。
「感謝します、ユニさん。」
「いえ!仲間ならこれくらい当然よ!」
「フン、仲間なんてなんてくだらない・・・。」
そう言った瞬間、エリュシオンの目が黄色に光り始めた。その瞬間、辺りが大量の本が敷き詰められている図書館のような空間へと変化した。
「これは・・・。」
「光の闘神・・・。」
影裏と琥珀が一言呟く中、エリュシオンは一冊の本を棚から取り出し、開く。そして言う。
「私、結構他人の力を使うのが好きでね、この力を気に入っているのよ。だからアンタ達を倒すのにカルマの力が一番いいかなって思ったの。」
「それは奪った力だろ。そんなので俺達を倒せるとでも?」
「奪った?それは違うわねぇ百々。あなたはこの仕組みを理解できているはずよ。奪ったのは力ではなく記憶。記憶に記された力を具現化させるのがカルマの力なのだから。」
そう言うと彼女は本の中から灰色に輝く宝石を取り出し、眺め始める。
「なーに眺めてんのよ!」
「隙だらけだぜ!」
そう言うと霊夢と魔理沙は同時にエリュシオンに向かって弾幕を放った。
「ロックオンレーザー!」
それに習うように九十九もエリュシオンに向けて紫色のレーザーを放った。
「フフフ。」
それを見たエリュシオンは笑い、その場から動かずに宝石に口付けをした。3人の放った攻撃はエリュシオンに命中し、そこから煙が上がる。その瞬間、煙の中から衝撃波のような波が飛んできて霊夢と魔理沙に命中した。
「ぐっ!」
「がっ!」
衝撃波を食らった二人はユニ達の元まで吹っ飛ばされる。
「姉さん!」
「魔理沙!」
霊夢を暁が、魔理沙を百々がそれぞれ受け止め、ダメージを抑えることができた。
「あ、ありがとう暁。」
「た、助かったぜ百々。」
話している内に煙が晴れる。そこにいたのはエリュシオンではなく白髪に青白い素肌、耳に青いピアスをつけま男が立っていた。
「男・・・?」
「身代わり・・・なのか?」
九十九と百々が目を細めて男を見る中、悠岐が目を大きく見開いて口を開いた。
「お、お前はギラヒム!!?なんで生きてるんだ・・・?」
突如ユニ達の前に現れる倒されたはずのギラヒム、一体何故・・・?
次作もお楽しみに!