場面は変わって百々と九十九ペア。2人が扉から出た場所はこれまた辺りは自分達以外真っ白な空間が広がっており、何かの建物の中に2人はいた。
「な、なんじゃこりゃ・・・。」
「辺りが真っ白だな、さっきと打って変わって静かだ。」
そう言いながら二人は真っ白な空間を進んでいく。と、百々が辺りを見回しながら口を開く。
「それにしてもこの空間、全部四角のブロックで出来てんな。一体どうなってんだここの部屋は。」
「あのクソババァのことだからどこかに干渉したんだろ。にしてもどこの世界から・・・。」
「ウゥゥゥゥ・・・。」
九十九が続きを言おうとした時だった。突如辺りに不気味な声が響いた。その声を聞いた二人はビクッと体を反応させ、辺りを見回した。
「お、おい百々。今の声って・・・。」
「俺が知るかよ!にしても不気味な声だなぁ。」
百々が言った時だった。突如天井からドカンと音が響いたかと思うと天井のブロックが崩れ落ち、そこから巨大な顔が姿を現した。
「な、なんじゃありゃ!!」
「あれはガスト!?どうして
九十九が言った瞬間に顔を現した白くて4本の足を生やした魔物、ガストは突然険しい表情を浮かべたかと思うと二人には向かって火の玉を放った。
「やばっ!!」
声を上げながら二人は咄嗟にガストの攻撃をかわす。と、百々が九十九に言う。
「なぁ九十九!ガストって何なんだ!」
「後でちゃんと説明する!今はコイツとの戦いに集中しろ!」
二人が話しているとガストは唸り声を上げながら再び火の玉を放った。それを見た二人はまた避ける。
「これでもくらえ!拡大貫通ロックオン衝撃波!」
そう言うと九十九は扇形の衝撃波をガスト目掛けて放った。
「ウガァァァァ・・・。」
衝撃波を受けてうめき声を上げたガストは身体全身が赤くなり、そのまま消滅した。
「なんだ、随分と呆気ないな。」
「油断しないで百々。まだこれで終わりだとは限らない。」
「あぁ、分かってるさ。」
百々が言った時だった。突如辺りがゴゴゴと音を鳴らして揺れ始めた。
「な、今度は何だ!?」
九十九が言った時だった。突如天井が何者かによって破壊され、崩れ落ち始めた。
「九十九!」
「分かってる!」
百々の言葉を聞いて九十九は咄嗟に崩れゆく天井の瓦礫を避ける。崩れた天井の瓦礫からは砂埃が舞う。
「ったく、一体何が・・・!?」
「百々?な、あれは!!」
百々が唖然と見つめる方向を見て九十九も言葉を失う。二人が見る先には砂埃が消えていくのと同時に先程のガストより遥かに巨大で足が8本もある魔物が白い空を背にして姿を現した。魔物が姿を見せると突如雨が降り始めた。魔物を見た百々が口を開く。
「な、なんじゃコイツは!!さっきよりもめっちゃデカイ!!」
「なんだコイツは!!こんなにデカイガストがいるだなんて!!」
二人が言っている中、巨大なガストの周りに先程二人が倒したサイズのガストがウヨウヨと漂い始めた。それを見た九十九は一つの仮説を唱える。
「・・・どうやらアイツがガストらの親玉のようだな。アイツを倒せばなんとかなるのかもしれない。百々、分かってるな?」
「あぁ、勿論だ。」
そう言うと二人は巨大なガストに目を向け、戦闘態勢に入る。その瞬間、巨大なガストの周りにいたガストが二人に向かって火の玉を放った。
「一斉かよ!でも飛ぶ場所は全部同じ!」
そう言うと二人は同時にガストらの攻撃を避ける。攻撃を避け、体勢を整えた九十九が口を開く。
「これでも喰らえ!マーキングレーザー!!」
そう言うと彼女は巨大なガストに群がるガストにマーキングし、そこに向けて紫色のレーザーを放った。その瞬間、レーザーを食らったガスト達が消滅していった。
「よし!6割くらいは消滅したぞ。残りは任せるよ兄貴!」
「任せろ九十九!このナイフをくらえ!」
そう言うと百々は残ったガスト達に大量のナイフを投げつけた。ナイフが体全身に刺さったガストはそのまま声を上げて消滅していった。
「ウゥゥゥゥ・・・。」
自分を守っていたガスト達が全て消滅しても巨大なガストは怯えることなく二人を睨みつける。そんなウルガストに九十九が口を開く。
「よし、後はお前だけだ。覚悟しやがれ!!」
「ウガァァァァ!!」
再び唸り声をあげる巨大ガスト。その瞬間、空から二人目掛けて雷が落ちた。
「雷!?やべっ!!」
「ウギャッ!!」
咄嗟に避けることができた九十九とは別に百々は避けきれずに雷をモロ食らってしまい、一瞬だけ骸骨が丸見えになった。
「ったく、あのバカは・・・。」
全身真っ黒になった百々を見て呆れる九十九は巨大ガストを見て口を開いた。
「よくも百々に手を出してくれたな。倍返しにしてやる!」
そう言うと彼女は自身の身体に力を蓄え、攻撃を放った。
「くらいやがれ!反射分裂弾!!!」
九十九の手から放たれたオレンジ色の弾が空中で反射しながら分裂していき、そのまま全て巨大ガストに命中した。その瞬間に九十九が百々に言う。
「今だ百々、やっちまえ!!」
「おうよ任せな!これでもくらえ化け物!!」
彼女の言葉に反応した百々が勢いよく飛び上がり、巨大なガストの顔の前まで飛び上がった。そして右手に握り拳を作り、そのまま巨大なガストの顔面を殴りつけた。その瞬間、二人の視界が歪み始めた。
「うぉっ!?」
「なんだこれ!!」
視界の歪みが治ったかと思うと二人は先程みんなで分かれたマグマの部屋の真ん中に立っていた。
「ここは・・・さっきの場所か?」
九十九がある程度の推測をしている時だった。百々がある方向を見てぼーっとしていた。
「オイ百々、何見てるんだ?」
彼の見る方向を見る九十九。そこには手で顔を仰ぐ霊夢と彼女の肩を揉む暁の姿があった。
「霊夢、暁!?」
「あ、九十九に百々、戻ってきたのね。」
「お疲れ様です。」
二人がいることに気づいて口を開く霊夢と暁。その瞬間、木の扉の左上に描かれたタコのような絵が光り始めた。
「あれは・・・。」
「恐らく結界の一部がまた一つ解放されたみたいですね。私と姉さんが倒したのはあの右上の絵のドラゴンです。」
「ということはユニ達や琥珀達を待つしかないのか。」
「そう言うことになりますね。暑さに耐えるのもキツいですがみんなが戻ってくるのを待ちましょう。」
暁の言葉を聞いて百々、九十九も待つことにした。
百々と九十九が出会った巨大なガストの正体とは!?そして何故霊夢、暁の時と同様真っ白な世界だったのか!?
次作もお楽しみに!