東方混沌記   作:ヤマタケる

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ユニ達は大扉の結界を解除すべくそれぞれの扉の先へ向かった。


第156話 幻龍王の試練

場面は暁、霊夢ペア。二人が扉の奥へと進むとそこには裏の世界とは全く異なる情景が広がっており、辺りは真っ白な荒れた神殿だった。それを見た霊夢が口を開く。

 

「な、何よこれ・・・。マグマの次は真っ白な神殿みたいな場所に来たわよ!?」

 

「なんでしょうかこれ・・・。まるでどこかにワープされたような感じです。しかもここの場所、何処か見覚えがあります。」

 

「暁、何か知っているの?」

 

「直接ここへ来たことはありませんが、ゲームでこういう場所があったんです。何のゲームだったかな・・・。」

 

「とにかく、ゲームならあなたにしか頼れないわ暁。ここはあなたに任せるわよ。」

 

「はい、ここは私に任せてください。もしこれが本当に私のイメージしているゲームと同じなら能力を使う必要がありませんから。」

 

そういうと2人は神殿の奥へと進んでいく。と、霊夢が何かを指差して言う。

 

「ねぇ、暁。あれは何?」

 

彼女が指差す方向を暁も見る。そこには魔法陣のようなものが地面に描かれていた。その魔法陣も本来は色があるのかもしれないが真っ白になっており、分からなかった。

 

「魔法陣・・・まさか!?」

 

「暁、何か分かったの?」

 

霊夢が言った時だった。突如魔法陣が白く光り出したかと思うとそこから1匹のドラゴンのようなものが姿を現した。その瞬間、2人の前に赤、青、緑、黄色、紫、そしてハートの形をした盤面が5✖️6のマス目でまるでパズルを連想させるようなものが出現した。それを見た暁が口を開いた。

 

「5✖️6盤面・・・。そして5色と回復ドロップ、間違いないですね。」

 

そう言った瞬間、真っ白なドラゴンが口を開いた。

 

「さぁ、戦いましょう。6コンボしないと地獄行きですよ。」

 

そう言った瞬間、ドラゴンの体に5つの光が吸収されていった。と、霊夢が暁を見て言う。

 

「暁、これは・・・?」

 

「現世のゲームですね。ここは私に任せてください姉さん。」

 

そう言うと彼は5✖️6の盤面を見つつ、描かれている6つの絵を見る。そして口を開いた。

 

「なるほど、覚醒サクヤパですか・・・。そしてサブにインドラ、光カーリー、イシス、闇カーリー。陣変換枠もいますし軽減スキル持ちもいるのでなんとか安定して倒せそうですね。」

 

そう言うと彼は1つの赤い玉のようなものを指で押さえ、カタカタと音を立ててパズルをし始めた。

 

「よし、まずはこれで安心ですね。」

 

そう言うと彼は指を離した。その瞬間、ポンポンと音を立てて3個ずつ並んだ玉が消えていき、最後に消えた玉から6comboと表示された。その瞬間、絵から数字のようなものが現れてそれはドラゴンに放たれた。

 

「これは、効いているの?」

 

「えぇ、一応効いてます。ただ今回はコンボするためにやったので倍率は出てません。」

 

「倍率・・・?」

 

「後でちゃんと説明します。」

 

霊夢が暁に聞き、彼が答えた時だった。ドラゴンは少し笑みを浮かべて口を開いた。

 

「なるほど、ではもう一度。」

 

そう言った瞬間、ドラゴンの体に再び5つの光が吸収されていった。

 

「先程のようには行きませんよ。」

 

ドラゴンが言った瞬間、カチカチと辺りに音が鳴り響いた。それを聞いた暁が口を開いた。

 

「操作時間短縮・・・。まぁ私の知ってるあなたならたかが1秒しか・・・!?」

 

暁が続きを言おうとした瞬間、彼は言葉を詰まらせた。それを見た霊夢は彼に問いかける。

 

「ど、どうしたの暁?」

 

「そんな・・・ゲームとは違う!?本来操作時間は1秒しか短縮されないのに4秒も!?こうなると操作時間は5秒!?」

 

「言ったはずですよ、先程のようには行きませんよってね。」

 

ニヤニヤと不敵な笑みを浮かべてドラゴンは言う。と、暁が口を開いた。

 

「本来とは違いますがやるしかありません。」

 

そう言うと彼は再び玉に触れ、カタカタを動かし始めた。

 

「くっ、操作時間が短い!」

 

そう言いながら彼は必死に玉を動かす。その時だった。ビッと音がしたかと思うと暁が動かしていた玉が動きを止めてしまった。

 

「なっ、もう5秒経ったのか!?」

 

本来9秒ある筈の操作時間が4秒も短縮されれ、尚且つ6コンボしなければならないのは普通の人間でも困難である。彼が操作した盤面は5comboの表示をした。

 

「くっ、すいません姉さん。」

 

「いいえ、大丈夫よ暁・・・。」

 

霊夢が言った瞬間、ポンと再び玉が消える音が聞こえた。それに気づいた2人は画面を見る。そこには6comboの表示と✖️100.00の数字が表示されていた。

 

「これは・・・?」

 

「落ちコンボ・・・。どうやら運が私達に味方してくれたようです姉さん。」

 

そう言った瞬間、絵に表示された数字がドラゴンに放たれた。

 

「ナニッ!?」

 

強力な攻撃と化した光を受けてドラゴンは倒れる。

 

「やったわ暁!」

 

「いいえ、まだです姉さん。」

 

安心する霊夢に言う暁はドラゴンの方は目を向けていた。

 

「やりますね、本気で行きましょう。」

 

その声が聞こえた瞬間、倒れるドラゴンの体が光り始めた。

 

「ま、まだあるの!?」

 

「第二形態です。」

 

暁が言った瞬間、ドラゴンの体に纏っていた光が消えたかと思うと翼が増え、両手に青いオーラを溜める姿の変わったドラゴンが現れた。

 

「ガ、グラァ!!!ツヅケルゾ。」

 

そう言った瞬間、ドラゴンの体の前に一瞬盾のような光が現れた。

 

「キング・オブ・ゼロ。」

 

そう言った瞬間、75と書かれた盾が先程のように一瞬現れた。

 

「75%軽減・・・。本作通りなら攻略出来ます!」

 

そう言うと彼は絵に触れて言う。

 

「まずはサクヤ2体のスキルを使ってHPを減らします!」

 

そう言い、絵に触れた瞬間、ドラゴンの体がゴゴゴと揺れ、数字が浮かび上がった。

 

「ダメージが通ってるのね!」

 

「これで終わりではありません!削りきれなかった時のためにインドラのスキルでダメージを激減!更に光カーリーのスキルで5色陣に変換!」

 

そう言った瞬間、盤面がピンクのハートの形の玉が消えたかと思うと赤、青、黄色、緑、紫の5色のみになった。

 

「これで決めます。覚悟してください!」

 

そう言うと彼はカタカタと玉を動かして再びパズルをし始めた。

 

「よし、これで完璧だ!」

 

「行きなさい暁!!」

 

そう言った瞬間、ポンポンと音を立てて玉が消えていき、最終的には盤面の玉が全て消えて無くなり、10comboという文字が表示された。その瞬間、先程よりも多い数字が表示され、それはドラゴンに放たれていった。その瞬間だった。突如暁と霊夢の視界が歪み始めた。

 

「なっ!?」

 

「これは、何ッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

視界の歪みが治まったかと思うと2人は先程のマグマの部屋の真ん中に戻っていた。

 

「あれ、ここは・・・?」

 

「さっきの場所のようです。一体何が・・・。」

 

2人が話している時だった。影裏の剣捌きでも百々のパンチでも壊れなかった木の扉の右上に描かれたドラゴンのような絵が光り始めた。それを見た霊夢が口を開いた。

 

「あれは・・・どうなったの?」

 

「どうやらあの4つの扉の先にいる奴らの絵のようですね。先程あのドラゴンを倒したのであの絵に光が灯ったようです。」

 

「それじゃあ、他の絵のところは・・・。」

 

「他のみんなを待つしかありません。少し待ちましょう、姉さん。」

 

「えぇ、そうね。」

 

2人は他の場所で戦っているみんなを待つことにした。




2人が部屋で見たドラゴンとは一体何だったのか!?何故白かったのか、謎が深まるばかり・・・!!
次作もお楽しみに!

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