エリュシオンの不気味な笑みに臆することなくルシファーは彼女と対峙する。と、エリュシオンが拳銃をスライム状の形に戻し、それをスーツの懐にしまい、変わりに一枚のカードを取り出した。そして口を開いた。
「これでアンタに神と悪魔の格の違いって奴を教えてあげる。」
「フ、フン。やれるものならやってみろ!!」
「フフフ、それじゃあお言葉に甘えてさせてもらうわね。スペルカード、模擬『ゴールド・マーグル』」
そう言った瞬間、彼女の姿が一瞬にして消えたかと思うとルシファーの真横に移動しており、更に彼女の頭を掴んでいた。余りの速さにルシファーは対抗することは出来ず、言葉をあげることすら出来ずにそのままエリュシオンに投げ飛ばされる。投げ飛ばされたルシファーは不気味に建っている柱をなぎ倒して最後の一本まで飛ばされる。
「かはっ!」
柱に叩きつけられたルシファーはズルズルと地面に落ち、その場で吐血する。そんな彼女にエリュシオンはゆっくりと歩み寄る。そして歩きながら口を開いた。
「今のスペルカードは他人の能力を一定時間だけ使うことのできるスペルカード、模擬。使える範囲は神を除く全ての能力者。勿論、アンタの下僕のあの2人の力も使える。」
「そ、そんなこと・・・出来る、わけ・・・。」
「そんなことが出来るからこのスペルカードが存在するのよ。このカードに容易く対応できる奴なんていないわ。」
そう言うと彼女は飛び上がり、銃口をルシファーに向ける。
「くっ!」
ヨロヨロになりながらルシファーはエリュシオンが放った銃弾を避けた。銃弾を撃ちながらエリュシオンは口を開いた。
「どうしたの?ルシファー。そんな避けるだけじゃ私にダメージなんて与えられないわよ〜。」
彼女の口調はまるで挑発するかのような感覚だった。挑発に乗らないようにルシファーは落ち着きながらエリュシオンの攻撃をかわしていく。
「くらえっ!」
そう言うと彼女は左手を上にあげ、指をパチンと鳴らした。その瞬間、辺りに2つの巨大なサークルが出現し、エリュシオンを囲んだ。それを見た彼女はクスクスと笑いながら言う。
「ダブルエナジーサークル。多くの敵を殲滅するにはもってこいの技だけれども私一人にやるには効果は薄いようねぇ。隙間があって簡単に避けられるわよ。」
そう言う彼女はルシファーの放ったダブルエナジーサークルの隙間に移動していた。そんな彼女の手にはまた新たにスペルカードが握られていた。
「くっ!」
それに気づいたルシファーはすかさずバリアを展開する。それを見たエリュシオンはクスクスと笑いながら言う。
「貫通ゲイボルグ。その程度のバリアでこの攻撃を防げるとでも?」
そう言うと彼女は右手に緑色の輝くオーラを放つ槍を持ち、それをルシファー目掛けて一直線に投げた。彼女の放った槍は一直線にルシファーに飛んでいく。槍はルシファーの展開したバリアを貫き、彼女の左肩を捉えた。バリアに穴が空いた瞬間、ピシピシとバリアにヒビが入り、そのまま割れてしまった。それと同時にルシファーの肩から鮮血が飛び散る。
「ッ!?」
バリアを破壊され、驚くルシファーとは別にエリュシオンは指の上で器用にスペルカードを回しながら言う。
「貫通ゲイボルグ。このスペルカードはありとあらゆる防御技を貫き、破壊するカード。アンタのバリアなんてこの槍にかかればなんの意味もないのよ。」
ルシファーは右手で抑えるがだらだらと血が垂れ続ける。それを見たエリュシオンはクスッと笑い、言う。
「その様子だと、結構なダメージを受けたようね。もはや獣神化を果たしたアンタは私の相手ではない。すぐに終わらせてあげる。」
「くっ、させるか!」
そう言いながらルシファーは右手を上げ、紫色の光を溜める。
「ククッ、よく粘るわね。私より下だというのに。」
そう言うと彼女は銃を上に向け、発砲した。銃から飛び出したのは銃弾ではなく無数の地雷とワープだった。
「地雷にワープ・・・。」
「確かアンタの
ギリッとルシファーの口から歯を食い縛る音が響く。ルシファーは再びバリアを展開するとそのままエリュシオンに向かって行った。それを見た彼女は少し目を見開いて言う。
「へぇ、ギミック対応してないのによく行こうと思うわね。流石モンスト界最強と言われる存在。ギミックに対応していなくてもストライクショットや友情コンボによる強さで何処にでも行ける。けれども私相手では辛いわよね。」
そう言うと彼女はルシファーの目の前にワープを展開した。
「なっ!?」
唐突だったため、反応できずに彼女はワープの中に吸い込まれてしまう。ワープから出た先には先程エリュシオンが展開した地雷が無数に散らばっていた。
「クソッ!」
何とか避けようとするも間に合わず、彼女は複数の地雷を踏み、バリアを消滅させてしまった。そして残った地雷の爆発が彼女を襲った。
「ぐあっ!」
地雷を複数食らったルシファーは吹っ飛び、倒れる。そんな彼女の元へエリュシオンが残ったワープを回収しながら近づく。そしてルシファーの目の前に立ち、言う。
「よくここまで抗ったわね、ルシファー。そのアンタの努力は褒めてあげる。けれども、私の前では手も足も出なかったようね♪」
「そんな呑気にしている場合か!」
そう言うとルシファーは右手の指に瞬時に光を溜め、そのまま光線をエリュシオンの目の前で放った。目の前で光線を受けたエリュシオンは仰向け反る。
「ククククク・・・。」
「!?」
だが彼女は笑いながらゆっくりと体を起こす。彼女の顔の左側の二分の一はルシファーの放った光線で吹っ飛んでいる。だが彼女は平然としていた。と、エリュシオンが唐突にルシファーの首を掴んだ。
「がっ!?」
そのままエリュシオンはルシファーを無理やり立ち上がらせる。ルシファーは彼女の左手から逃れようと抵抗するが力が強すぎて離れない。と、エリュシオンが口を開いた。
「今の攻撃は良かったわよ、ルシファー。私をギリギリまで引き寄せて攻撃するの。けれども頭の一部を吹っ飛ばしちゃ意味ないのよねぇ。エデンの果実の能力でこういうのを食らうとすぐに再生できるの。」
そう言うとエリュシオンの吹っ飛んだ頭がみるみる回復していき、遂には元の状態に戻った。
「そ、そんな・・・。」
「残念でした♪」
そう言うとエリュシオンはルシファーの首を掴んだまま彼女を軽々と空中に持ち上げた。ルシファーは足をバタつかせながら再び抵抗を試みるが先程と変わらなかった。ルシファーを持ち上げたままエリュシオンは右手にスペルカードを取り出した。そして口を開く。
「今度こそトドメね、ルシファー。」
そう言うと彼女は手に持っているスペルカードを発動した。
「模擬『アイアルト・モルト』」
その瞬間、ゴキッという音と共に空に血が飛び散った。
獣神化を果たしたルシファーであったがエリュシオンの前では手も足も出ず、どうなる!?
次作もお楽しみに!
p.s
大変遅れてしまい、申し訳ありませんでした。学校のレポートやバイト等などで忙しくて中々投稿する暇がありませんでした(第五人格やってたなんて口が裂けても言えない・・・)。今後はすぐに投稿出来るように努力いたしますので何卒よろしくお願いします!