東方混沌記   作:ヤマタケる

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メルト・グランチに呼ばれたユニ達は城の奥へと向かっていく。


第139話 極秘任務

メルト・グランチに呼ばれたユニ達は彼の案内のもと、ある部屋の前まで来させられた。と、楓が口を開く。

 

「オッサン、ここって・・・。」

 

「私の極秘の部屋だ。今は優理花もいる。」

 

そう言うと彼はゆっくりと扉を開ける。中に入るとそこには地下へ繋がる長い階段が続いていた。それを見た瞬間、暁が口を開く。

 

「驚きですね、この城には地下もあるんですね。」

 

「私と優理花、そしてリナや小太郎以外には教えてないよ。私と諸君らの秘密だ。」

 

そう言うと彼はゆっくりと階段を降りていく。彼に続いてユニ達も階段を降りる。薄暗い階段は降りる度にコツン、コツンと辺りに音が響く。しばらく階段を降りていると扉がユニ達の前に現れた。メルト・グランチはゆっくりとドアノブを掴み、扉を開ける。中に入ると正面に一人用の机と椅子があり、その隣に一人の女性がもう1つの椅子に座っていた。女性を見た瞬間、霊夢と魔理沙が口を開く。

 

「優理花さん、お久しぶりです。」

 

「久し振りだぜ、優理花さん。」

 

「お久しぶりです、霊夢に魔理沙。」

 

優しい笑みを浮かべた優理花を見て百々は思わず口を開く。

 

「美人な人だなぁ。」

 

彼の言葉を聞き逃さなかった優理花は百々を見ながら言う。

 

「うふふ、ありがとうございます。」

 

そう言って彼女はニッコリと微笑んだ。彼女の顔を見た瞬間、百々はドキッとしたのか、顔が赤くなり始めた。彼を見た楓がニヤニヤしながら口を開く。

 

「何顔赤くしてるんだ?百々。」

 

「べっ、別に、照れてるわけじゃねぇからな!!」

 

「嘘をつくなよ~。お前の顔がそう語っているぞ。」

 

「照れてねぇって言ってんだろ!」

 

「うふふ、素直に言うべきですよ。自分に素直になるのが一番です。」

 

「うっ・・・。」

 

優理花に言われた百々は再び顔を赤くして黙り込んでしまった。そんな中、メルト・グランチが口を開いた。

 

「さぁ、本題に入ろうか。私が諸君らを呼んだのは他でもない、極秘任務を頼もうと思ってね。」

 

「極秘・・・。」

 

「任務?」

 

悠岐の後に九十九が言葉を付け足す。そんな二人とは別にメルト・グランチは再び言った。

 

「我々が幻獣達と交戦している中で諸君ら9人は私の合図と共にエリュシオンのいる鋼鉄城へ行く。そこで彼女と交戦してもらう。」

 

「ですがメルト・グランチ様、私達には危険な気がします。」

 

「大丈夫だ、倒せとは言わない。時間を稼いでほしい。ただそれだけだよ。」

 

「エリュシオンは恐らく城から幻獣達に指示を出すと思われます。そこでみなさんが行くことによって幻獣達へ指示を出せなくするような作戦です。」

 

「私達でうまくいくのか?」

 

「うまくいくと信じているからこそ諸君らに任せたいのだよ。9人の中には彼女に恨みを持っている者が一人はいるだろう。」

 

彼の言葉を聞いた瞬間、九十九と悠岐の体がピクリと反応する。その二人の反応を見た優理花が口を開く。

 

「・・・やる気になれました?」

 

「あぁ、十分にな。あのクソババァを懲らしめるには絶好の機会だ。」

 

「俺も少しやる気になれました。ありがとうございます、優理花さん。」

 

「いいえ、いいのよ。」

 

「・・・これを提案したのは私なのだがね。」

 

ボソッと呟くメルト・グランチの言葉は誰の耳にも聞こえることはなかった。そんな中、一人だけ落ち着かない人物がいた。その人物を見た優理花が笑みを浮かべて言う。

 

「まだビオラのことで頭がいっぱいなのですね?魔理沙。」

 

「なっ、優理花さん!?どうして分かったんだぜ?」

 

「あなたの険しい表情と貧乏揺すりを見ればすぐに分かりますよ。私は礼儀とかは気にしない者なので私との会話では敬語でも構わないしため口でも結構ですよ。」

 

うふふと笑う優理花の顔を見て魔理沙は顔を赤くしてしまう。同姓だとえはいえ、彼女の美しさは桁外れだ。と、メルト・グランチが自分の腕時計を見て言う。

 

「おやおや、もうこんな時間だ。今夜は私の城で泊まってくれたまえ。」

 

「そうですね、少し長く話しましたし。では女性の皆さんの部屋は私がご案内します。」

 

「男諸君は私に着いてきたまえ。」

 

「・・・変な部屋にするなよ。」

 

「私が信用ならないかね?伊吹百々。」

 

「・・・いいや、そんなことはないさ。」

 

「ならよいのだが。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少年少女移動中・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優理花に案内された女性チームは1つの扉の前までやって来た。と、優理花がユニ達を見て言う。

 

「見て驚きますよ、きっと。」

 

そう言ってニコッと微笑むと優理花はゆっくりと扉を開ける。中に入るとそこにはまるで現世でいう高級ホテルのような構造をしていてベッドは5つあり、窓も大きく広い部屋があった。それを見た瞬間、ユニは思わず口を開く。

 

「す、すごいわ!!これが今夜私達が泊まる部屋!?豪華すぎる!!」

 

「あぁ、すごすぎるぜ!これが帝王城の寝室!!幻想郷とは大違いだぜ!!」

 

あまりの興奮にユニと魔理沙はベッドにダイブする。それを見た優理花が口を開く。

 

「うふふ、やっぱり喜んでくれましたね。私が友人を呼ぶときに友人達を泊める部屋なんです。この部屋を見た瞬間みんな興奮して喜んでいましたから。」

 

「す、すごいとしか言葉が浮かびませんよ、優理花さん。」

 

呆然となりながら楓が言う。そんな彼女とは別に魔理沙とユニほどではないが少し興奮しながら霊夢と九十九が口を開く。

 

「ほ、本当にここに泊まっていいの?|

 

「本当にいいのか?」

 

「ご自由に使ってください♪派手に暴れなければ問題ないですよ。」

 

「やったー!!」

 

ユニ達は興奮する以外のことは考えていない様子でベッドの上ではしゃいでいた。そんな彼女達を見た優理花が口を開く。

 

「では私はここで失礼します。お休みなさい♪」

 

そう言うと彼女はユニ達の部屋からゆっくりと出ていった。それを見た瞬間、ユニが布団に潜り込み、言う。

 

「私はもう寝るわね、お休み!!」

 

そう言うと彼女は寝息を立てて寝てしまった。そんな彼女を見た瞬間、楓がユニの隣のベッドに潜り込み、言う。

 

「それじゃあ私も寝る。お休み。」

 

「んじゃあ私はここだ!!」

 

「私はここよ!!」

 

「私は余った場所にするぜ!!」

 

楓に続いて九十九、霊夢、魔理沙の順番でベッドに潜り込んだ。と、霊夢が口を開いた。

 

「ねぇ、じゃんけんで負けた人が電気を消すっていうやつしない?」

 

「いいぜ!そう言うのは好きだぜ。」

 

「乗った。」

 

「やってやるわ!」

 

「はぁ、仕方ねぇなぁ。」

 

そう言うと5人は手を出し、

 

「じゃーんけーんポン!!」

 

同時に出す。結果はユニを除く四人がチョキ、ユニのみがパーになった。九十九は思わず喜びの声を上げる。

 

「ヨッシャア!!」

 

「そ、そんな、私一人で負けるなんて・・・。」

 

「んじゃあ電気を消してもらおうか、ユニ。電気はあそこだ。」

 

そう言うと楓はある方向を指差す。彼女の指差す場所は扉の近くにあるスイッチでユニから一番遠い場所にある。それを見たユニがはぁ、と溜め息を吐き、言う。

 

「一番近い魔理沙がやればいいのに・・・。」

 

ブツブツ言いながらユニは電気を消す。その瞬間、部屋が真っ暗になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわっ、ちょっと誰だ私のことをくすぐるのは!!アハハ、やめてくれだぜ~。」

 

「ちょっと楓!!私の体を触らないでくれ~!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、魔理沙と九十九の声が辺りに響く。それを聞いた瞬間、ユニは電気を付ける。明るくなった部屋には魔理沙と九十九にこちょこちょをする霊夢と楓がいた。四人を見た瞬間、ユニが口を開いた。

 

「ちょっと、もう寝なさいよ!!」

 

「ほーい。」

 

「消すわよ。」

 

そう言って彼女は再び電気を消す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと魔理沙!!それはやめて~!!」

 

「待て待て九十九!!それは痛い!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続いて霊夢と楓の叫び声が部屋に響く。それを聞いた瞬間、ユニは再び電気を付ける。明るくなった部屋には魔理沙に足つぼマッサージを受ける霊夢と九十九に4の字固めを受ける楓がいた。

 

「・・・あのねぇ、修学旅行に来た訳じゃないんだから早く寝なさいよ!!」

 

「以外だな。ユニが修学旅行という言葉を知っているなんて。」

 

「馬鹿にしないでよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、このやり取りが3度続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わって男組。メルト・グランチに案内された悠岐達は部屋に入る。内容は大体女達と同じだったので省略。

 

「・・・なんか俺達の様子カットされたんだけど作者に。」

 

「作者め・・・俺達になんの恨みがあるって言うんだよォ!!」

 

騒ぐ悠岐と百々に暁が口を開く。

 

「まぁいいじゃないですか。」

 

「よくねぇよ!!」

 

「(´・ω・`)」

 

二人の突っ込みにしょんぼりとなってしまう暁。そんな中、琥珀がやれやれというポーズをして言う。

 

「君達は細かいことを気にするんだね。僕だったらしないけど。」

 

「なんだお前、自分は大人だからそういうこと気にしませんよアピールでもしてんのか?」

 

「勿論。」

 

「あーもう色々今日は疲れたな。とにかく俺は寝る!」

 

そう言うと百々は布団に潜り込み、眠る体勢に入る。それを見て悠岐と暁も布団に潜り込む。と、布団へ潜り込もうとした琥珀に悠岐が口を開く。

 

「おい琥珀、電気消しておいてくれ。」

 

「何故僕なんだい?」

 

「お前が一番電気のスイッチに近いから。」

 

「はぁ、仕方ないなぁ。」

 

そう言いながら彼はスイッチを押した。男チームは女チームとは違い、電気を消して数分で皆寝入ってしまった。




はしゃぐ女チームとすぐに寝入る男チーム。本当に最終決戦大丈夫なのか?
次作もお楽しみに!

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