東方混沌記   作:ヤマタケる

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ピンチのところへやって来たメルト・グランチと共闘し、アカシャを圧倒したユニ達。


第135話 アカシャゲノム

煙が晴れた場所には力尽きて倒れているアカシャの姿があった。

 

「や、やっぱりすごいなオッサンは。」

 

「これでも本気は出してないよ。」

 

「本気じゃない!?」

 

メルト・グランチに問いかけ、驚く九十九。そんな中、楓がゆっくりと起き上がりながら言う。

 

「ア、アカシャは倒せたのか?」

 

「ガイルゴールの技を使わせてもらったからね、起き上がる確率は低いだろう。」

 

「ガイルゴール?グランチ君、君はガイルゴールな力を使えるのかい?」

 

「ある程度はね。全て使えると言うわけではないよ。」

 

琥珀の言葉に冷静に答えるメルト・グランチ。そんな彼の顔は何を考えているのか分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ククク、素晴らしい力合わせだったわねぇ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その声が辺りに響いた瞬間、倒れるアカシャの元に一人の女性が姿を現した。女性を見た瞬間、九十九が口を開く。

 

「エリュシオン!!テメェ、正々堂々と勝負しろ!!」

 

「私がアンタと正々堂々と勝負?フフッ、笑わせないでよ。アンタさっき私に返り討ちにされたのに勝負しろだなんて・・・。私が勝つに決まってるでしょ。返り討ちをされなくてもね。」

 

「なるほど、あれが異変の黒幕のエリュシオンか。ビオラの報告通りの女だな。」

 

唐突に口を開いたのはメルト・グランチだった。彼の言葉を聞いた瞬間、エリュシオンはメルト・グランチを見て言う。

 

「ほう、アンタが現世の五大王の一人である男、帝王梟雄メルト・グランチ・エンペラーね。」

 

そう言った瞬間、メルト・グランチとエリュシオンが睨み合う。

 

「オ、オッサンとババアが対峙!?」

 

驚きの声を上げる九十九。そんな中、エリュシオンがクスッと笑い、言う。

 

「五大王と戦うのならば手応えがありそうね。アンタとなら戦っても悪くはない。」

 

「私と戦うよりも卿は気にするべきものを忘れてはいないかね?」

 

「気にするべきもの?そんなのないわ。」

 

「そこにある闘神はなんだと言うのだね?」

 

「ここにいる闘神?アハハ、生憎だけどコイツは裏切り者よ。全てニルヴァーナから聞いたのだからね。」

 

そう言う彼女の顔は今までにない不気味な笑みを浮かべていた。それを見た悠岐が暁に言う。

 

「お、おい暁。エリュシオンは息子を愛してるんだよな?でもアイツ、息子の死を笑ってるぞ。どういうことなんだ?」

 

「わ、分かりません。よほどアカシャのことが気にくわなかったのかも・・・。」

 

震えながら話す悠岐と暁。そんな二人とは別にエリュシオンはメルト・グランチに言う。

 

「私はアンタと戦いたいの。けど少し待ってくれるかしら?このバカにチャンスを与えるから。」

 

「ククク、己を裏切った息子に好機を与えるとはねぇ、埒外、埒外。」

 

「どうせ私とアンタが戦ってたらあの子達が邪魔するでしょ?そうならないようにするのよ。」

 

そう言うと彼女は倒れるアカシャの近くまでくるとユニ達を見て言う。

 

「これ知ってる?」

 

そう言うと彼女は服ポケットの中から紫色の液体が入った瓶を取り出した。

 

「・・・ナニソレ?」

 

先に答えたのは霊夢だった。そんな彼女とは別にエリュシオンは笑みを浮かべて言う。

 

「これはゲノムの遺伝子。これをアカシャに注ぐことでアカシャはアカシャゲノムとして再び君臨するわ。」

 

「ア、アカシャゲノムだと!?」

 

何かを察した九十九が口を開く。そんな中、エリュシオンは口を開く。

 

「アカシャをアカシャゲノムへと姿を変えたら戦いましょう♪メルト・グランチ・エンペラー。」

 

「黒き刀よ。エリュシオンとの戦いは私に任せてくれたまえ。卿はアカシャゲノムを任せる。」

 

「・・・あぁ、分かった。」

 

悠岐とメルト・グランチが話している中、エリュシオンは瓶の蓋を開け、その中身の液体をアカシャにかけた。

 

「さぁ目覚めなさい、アカシャゲノム。目覚めて人間達の記憶を貪るのよ。」

 

そう言った瞬間、アカシャの体が紫色に輝き始めた。それに気にせずにエリュシオンはメルト・グランチに言った。

 

「さぁ、私達はあちらで戦いましょう。」

 

「ククク、上等。」

 

メルト・グランチが言った瞬間、二人の姿が一瞬にして消えた。と、楓が口を開いた。

 

「珍しくやる気だったな、オッサン。」

 

「あんなにやる気に満ち溢れたメルト・グランチを見るのは初めてだな。」

 

悠岐が言った時だった。紫色に輝いていたアカシャの体がみるみる大きくなっていき、遂には人間の上半身だけの姿へと変化した。下の部分は紫色のもやのようなものに包まれている。

 

「アカシャ・・・ゲノム!!」

 

震えながら言うユニと九十九。と、アカシャがユニ達を見て言う。

 

「この世界にある魂の痕跡、全て食らいつくしてやろう。」

 

そう言うとアカシャはユニ達に少しずつ近付いていき、再び言う。

 

「お前達に絶望を見せてやろう。」

 

「チッ、下がってろ!!」

 

「ここは俺達が!!」

 

そう言ってユニ達の前に出たのは悠岐と百々だった。そんな二人を見てアカシャゲノムは笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「呪縛五稜星。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その声が聞こえた瞬間、アカシャゲノムの回りに五ツ星の形をした結界が現れた。

 

「な、なんだこれは!?」

 

「驚いているね、闇の闘神アカシャゲノム。」

 

「当たり前だ。これはガイルゴール様が我々に伝授したものなのだから。」

 

再び声が聞こえたかと思うと結界中にいるアカシャゲノムの元に二人の長身の男が空から降り立った。男を見た瞬間、ユニが目を見開きながら言う。

 

「あ、あなた方は・・・。」

 

「ん?おや、久し振りだね、幻想郷の守護者。」

 

「どうしてここへ来たの?マスターハンド、クレイジーハンド!!」




アカシャゲノムの前に現れたのはなんとマスターハンドとクレイジーハンドだった。一体何故・・・。
次作もお楽しみに!

余談:モンストで超獣神祭が来ていたので引いてみたらなんと四体目のガブ!モンストでガブが一番好きなので嬉しかったです!

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