東方混沌記   作:ヤマタケる

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アカシャとの戦いに敗れたニルヴァーナ。


第134話 人は弱くなんかない

「おい暁ッ!もう降ろせ!!」

 

しばらく百々を肩に担いでいた暁に百々が暴れ、遂に降ろした。それを見たユニ達は足を止めてしまう。と、霊夢が百々に言う。

 

「何してるよ百々。まさかあんた、タマちゃんの元に戻るつもりじゃないでしょうね?」

 

「戻るに決まってんだろ!ニルを置いていっちまったんだ。助けに行かねぇと!」

 

「正気なの百々君!タマちゃんは私達を逃がすためにアカシャと一人で戦ってるのよ。そんなあの人の努力を無駄にする気?」

 

「それは・・・。」

 

ユニの言葉に口を淀ませる百々。そんな中、楓が口を開いた。

 

「百々、タマちゃんを信じるんだ。タマちゃんなら私達の元へ必ず帰ってくる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見つけたぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その声が聞こえたかと思うと空から羽音が響き、ユニ達の前に異形な形をした化物が現れた。

 

「ア、アカシャ!!ニルヴァーナと戦っていた筈なのでは・・・。」

 

「フン、ニルヴァーナなど我の相手にもならぬ。すぐに消滅してやった。」

 

「そんな・・・。」

 

アカシャの言葉に目を見開く暁、百々、九十九、ユニ。と、悠岐が漆黒の刃を取りだし、言う。

 

「アカシャよ、テメェはエリュシオンを裏切るそうだが本当なのか?」

 

「如何にも。は・・・エリュシオンのやり方は間違っている。それを直すべく我が立ち上がらなければならない。無論、エリュシオンを裏切るからといってお前達と組むつもりはない。」

 

「ケッ、テメェがやりそうなことだぜ。」

 

「フッフッフ。さぁ、お前達の記憶を我の糧としてもらおう。エリュシオンを倒すためにな!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「炎弾。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男の声が聞こえたのと同時にアカシャに火の玉が命中した。

 

「ヌオッ!?」

 

火の玉を食らったアカシャの体が宙に浮かび、そのまま地面に倒れる。

 

「な、なんだ!?」

 

「あの火の玉・・・まさか!!」

 

魔理沙と悠岐が声を上げる中、ユニ達の背後から声が響く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「また私の手助けなしでは闘神は倒せぬか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

声がした方向をユニ達は一斉に見る。そこには長身で後ろ髪を束ねていて右手には刀を持ち、左腕を背に回している男がいた。男を見た瞬間、楓とユニが目を見開いて言う。

 

「オ、オッサン!?」

 

「メルト・グランチ様!?何故ここへ?」

 

「マーグルにあいつらを見に行ってくれと言われて来たのだよ。彼の言うとおりにして正解だった。」

 

そう言うと彼はゆっくりと起き上がるアカシャを見る。

 

「人間、何者だ?先程の攻撃からするとただ者ではないな?」

 

「私は人間だとも。ユニ(かのじょ)達の手助けをする、ただの人を少し越えた超人だ。」

 

「超人だと?」

 

「ククク。どうかね?人間に攻撃を食らい、膝をつく気分は。」

 

「気に食わぬ・・・。そしてその態度も気に食わぬ!」

 

そう言うとアカシャはメルト・グランチに向かって紫色のレーザーを放った。

 

「危ないです!!」

 

「オッサン避けろ!いくらオッサンでもアイツの攻撃は・・・。」

 

メルト・グランチに声を掛ける暁と九十九。そんな二人の言葉を耳にした彼は溜め息を吐いて言う。

 

「やれやれ、私の実力を舐めてもらっては困るよ。私は現世を支える王の一人。」

 

そう言うと彼は背に回していた左手を前に出し、指先をアカシャに向ける。その瞬間、紫色と赤の混ざった炎が漂い始める。

 

「爆暗闇のフレア。」

 

そう言った瞬間、彼の指先に漂っていた炎が一気に巨大化したかと思うとアカシャに向かって放たれた。彼の放った攻撃はアカシャのレーザーを撃ち破り、アカシャに命中する。

 

「ヌオォォォォォォォォッ!?」

 

彼の放つ炎は存在を維持しながらアカシャを数十メートル離れた場所まで吹っ飛ばした。

 

「す、すごいぜオッサン。」

 

「あれが五大王の力か・・・。いつ見ても恐ろしく強いね。」

 

魔理沙と琥珀が呟く中、メルト・グランチがユニ達を見て言う。

 

「さぁ、何しているのだね?闘神と戦わないのか?」

 

「戦わないのかって、メルト・グランチ様、あれは私達人間の記憶を屠るんですよ。私達が戦ったら・・・。」

 

「何だね?モルトの妹よ。君はそんなに臆病な守護者だったのか?彼が今の君をみれば落胆するだろうね。」

 

「い、いえ。そういうつもりで言った訳では・・・。」

 

「人は弱い。一体誰がそんなことを決めたのだね?」

 

「え?」

 

「我々は見返すべきなのだよ。今まで散々人を見下してきた愚かな者共を見返してやる。それが我々が、君達がなすべきことなのではないかね?」

 

彼の言葉を聞いた瞬間、ユニは黙り込んでしまう。そんな彼女とは別に悠岐が口を開いた。

 

「・・・そうだな。俺達人間はずっと妖怪や色んな奴等に弱い生き物だと思われてきた。だがいい加減巻き返さないとな。俺達人間は弱くないんだってな!!」

 

「僕は妖精だけどね。」

 

「なら尚更です。アカシャに立ち向かいましょう。」

 

「え、無視?」

 

琥珀の言葉に突っ込むことなく暁はアカシャを睨む。彼に続いてユニ、霊夢、魔理沙、百々も睨む。そんな中、悠岐がピンと琥珀と話していた。

 

「ピン、琥珀。二人に頼みがあるんだ。楓と九十九を見ていてくれないか?」

 

「マカセテヨ。」

 

「僕でよければお守りするよ。」

 

「ありがとう、頼んだぜ。」

 

そう言うと彼はユニ達の元へ歩み寄る。そんな中、アカシャがユニ達を見て言う。

 

「人間など所詮は弱い。おぞましき驚異が強者を前にしては怯えて逃げてしまうのだからな。」

 

「いいえ、それは違うわ。」

 

「何?」

 

アカシャの言葉にユニが言葉を突っ込んだ。そして再び言う。

 

「人は弱くなんかないわ。弱いのは逃げようとする心なのよ。私達人間が本当は強いってことをあなたに証明して見せるわ!!」

 

そう言った瞬間、霊夢、魔理沙、悠岐、百々、暁がユニのいる場所から一斉にアカシャのいる方へ向かう。遅れてユニもアカシャの元へ向かう。

 

「魔弾テストスレイブ!」

 

先陣を切った魔理沙がスペルカードを発動し、その攻撃をアカシャに放った。

 

「フン、無駄なことを・・・!?」

 

アカシャが続きを言おうとした瞬間、ユニが背後からスペルカードを発動していた。

 

「現符シャドウルーム!」

 

彼女のスペルカードが発動した瞬間、アカシャの回りに青いドームのようなものがアカシャを包んだ。

 

「な、なんだこれは!?」

 

驚くアカシャとは別に悠岐と暁はアカシャの左右から走りながら攻撃を放っていた。

 

「神槍ヤマトタケル!」

 

「『我は運命の扉を開く者』爆破拡散弾!!」

 

悠岐の場所からは青い槍が放たれ、暁の場所からは赤い爆弾のようなものが放たれ、魔理沙の攻撃と共にそれらはアカシャに触れた瞬間、爆発を起こした。

 

「ヌオッ!?」

 

撒き上がった煙の中からアカシャの声が響く。そんな中、魔理沙の隣へ霊夢がやって来てスペルカードを発動した。

 

「霊符陰陽印!」

 

霊夢の放った攻撃はアカシャの体に引っ付き、そのまま爆発した。その間に百々がアカシャの顔の元まで飛び上がり、拳を構えた。

 

「ニルの仇だァァ!!」

 

そう言うと彼はアカシャの顔にパンチを繰り出した。百々のパンチを食らったアカシャはヨロヨロとよろけてしまう。そんな中、メルト・グランチが指先をアカシャに向けて言う。

 

「ガイルバースト。」

 

そう言った瞬間、指先に虹色の光が漂い始め、光線となってアカシャに放たれた。光線が放たれた瞬間、辺りに眩い光が放たれた。




メルト・グランチの活躍によりアカシャを圧倒したユニ達。しかし何か異変が・・・。
次作もお楽しみに!

余談:僕はバンドリやっているのですが限定の友希那が欲しくてガチャ50連引いてモカと蘭を迎えられましたが肝心の友希那は出ませんでした(´・ω・`)
また友希那イベントまで石溜めします!

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