東方混沌記   作:ヤマタケる

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ピンチになったレミリア達の元へ駆けつけた紫。そして対峙する紫とエリュシオン。


第125話 紫vsエリュシオン①

クスクスと笑い続けるエリュシオンに紫は日傘の先に光を溜め、弾幕を放つ。

 

「貫通ゲイボルグ。」

 

その瞬間、スペルカードを発動したエリュシオンは銃を腰に掛け、左手に緑色の槍を出現させるとそのまま紫の放った弾幕目掛けて投げつける。槍は弾幕を貫き、そのまま紫の元へと向かっていく。

 

「境符四重結界!!」

 

咄嗟に紫はスペルカードを発動し、間一髪でエリュシオンの攻撃を防ぐ。だが槍は結界を突き破り、そのまま紫の肩を貫いた。

 

「ぐっ!?」

 

貫かれた肩からは血が飛び散る。と、エリュシオンが口を開いた。

 

「貫通ゲイボルグの効果、それはありとあらゆる防御技を貫く攻撃。アンタの結界なんて無意味よ。」

 

「くっ、ならば弾くしか方法はないって訳ね。」

 

そう言うと紫は再びスペルカードを発動した。

 

「人間と妖怪の境界!」

 

彼女の放った弾幕は真っ直ぐにエリュシオンに向かっていく。それを見た彼女は再びスペルカードを発動する。

 

「完防イージス。」

 

その瞬間、エリュシオンの回りに紫色の半円球が現れたかと思うとそのまま紫の放った攻撃を防いだ。そしてエリュシオンは再び言う。

 

「完防イージス。これはありとあらゆる攻撃技を防ぐ力。勿論、五大王の力でもガイルゴールの力でもね。」

 

そう言った時だった。突如エリュシオンの肩にナイフが突き刺さった。

 

「いたっ!?」

 

唐突の攻撃にエリュシオンは声を上げる。そんな彼女とは別に紫は笑みを浮かべながら言う。

 

「攻撃を防ぐというのならば、あなたがそれを解除した瞬間に攻撃すればいい話じゃないかしら?」

 

「あらあら、ちょいとマズイかも。完防イージスの弱いところに気づかれては私はこれを出しにくくなるわね。あ~あ、面倒くさい。」

 

そう言うと彼女は肩に刺さったナイフを抜き、放り捨てる。そんな彼女に紫が言う。

 

「フフフ、弱点をついたわ。これであなたとの戦いも楽になれる。」

 

「それはどうかしらねぇ、八雲紫。この程度で私との戦いが楽になれると思う?」

 

そう言うとエリュシオンは腰に掛けていた銃を左手に持つ。それを見た紫は目を細めて言う。

 

「その銃、何か違和感が湧くわね。私が師匠や霖之助さんから教えてもらったのとは大分違う。」

 

「フフフ、勿論だとも。だってこの銃は表の世界にはないのだから。」

 

そう言った瞬間、エリュシオンは発砲した。それを見た紫はスキマを展開させた。彼女の放った銃弾はそのままスキマの中へ入っていった。

 

「銃弾なんて怖くないわ。スキマがあればあなたに返すことが出来るし。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なら、アンタに当たるようにすればいい話ね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

耳元から声が聞こえた瞬間、紫は目を見開いて後ろを振り返る。そこにはエリュシオンが不気味な笑みを浮かべていた。それを見た紫は恐怖のあまりに震えてしまう。そんな彼女とは別にエリュシオンは刀を構える。

 

「はっ!」

 

それに気づいた紫は咄嗟にスキマの中に入り、エリュシオンの攻撃を間一髪で避ける。彼女から少し離れた場所に移動した紫はスキマから出る。と、エリュシオンが口を開く。

 

「間一髪で避けられたと思ったけれど、少しは傷を与えられてちょっとほっとしてるわ。」

 

そう言うエリュシオンとは別に紫は先程避けきれず、傷を覆った左腕を右手で押さえながら立っていた。そんな彼女にエリュシオンが再び言う。

 

「どうした?その程度で終わりとは言わないわよねぇ?この程度の力で私から世界を守るなんて言わせないわよ。」

 

「私の話を聞いてなかったのかしら?私は無謀な戦いになろうと容赦しないって言ったでしょう?」

 

そう言った瞬間、紫の目の前にエリュシオンが一瞬にして移動してきたかと思うとそのまま彼女の腹にキックした。

 

「ぐはっ!!」

 

キックされた紫はそのまま紅魔館の外に追い出された。外はいつの間にか薄暗い灰色の雲に覆われていた。

 

「ゲホッ、ゲホッ。」

 

外に出され、地面に倒れ込んだ紫はその場で吐血する。そんな彼女とは別にエリュシオンは紅魔館から出て紫に近付きながら言う。

 

「無謀な戦い?こんなの全然無謀そうには見えないわ。まぁ、アンタからしたら無謀なんだろうけど私からすればただのお遊びに過ぎない。」

 

そう言うと彼女は歩くのをやめると銃口を紫に向けた。そして口を開く。

 

「じゃあね、幻想郷の賢者。」

 

そう言った時だった。紫はスペルカードを発動した。

 

「廃線ぶらり廃駅下車の旅!!」

 

その瞬間、エリュシオンの回りに複数のスキマが現れた。そしてスキマが展開し、中から列車が一斉にエリュシオン目掛けて走ってくる。

 

「ありゃりゃ、これはヤバイかも・・・。」

 

エリュシオンが言った瞬間、複数台の列車が同時にエリュシオンの元で爆発を起こした。その様子を傷を癒しながら小悪魔とパチュリーが見ていた。そんな中、紫はゆっくりと起き上がり、爆発した場所を凝視する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ、危なかった危なかった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その声が聞こえた瞬間、爆発した場所の火が一瞬にして消え、中からエリュシオンが笑みを浮かべて現れた。

 

「こ、この攻撃も効かないなんて・・・。」

 

その光景を見て紫は思わず声を上げてしまう。そんな中、エリュシオンが自分の左腕を見せながら言う。

 

「先程のアンタの攻撃、私は間一髪で完防イージスを使ったんだけれど少し間に合わなかったみたいでね、ちょっと火傷したのよここ。多分列車との摩擦ね。あ~痛いし熱い。」

 

そういう彼女の左腕は少し黒くなっている箇所があった。それを見た紫は笑みを浮かべて言う。

 

「フフフ、無様ね。あなたがやられている様は。」

 

「それと八雲紫、アンタに1つ聞きたいことがあるのだけれど。どうしてあの2体の式神がいないの?」

 

彼女の言葉を聞いた瞬間、パチュリーは咄嗟に藍と橙のことを頭に浮かべた。そんな中、紫は自分の胸に手を当てて言う。

 

「今あの子達には私とは別のことをしてもらっているの。あの子達はあの子達、私は私のやるべきことを果たすためにね。」

 

「使命感ってヤツね。なるほど、それでアンタは私に一人で挑んできたというわけ。面白い、アンタ面白いわねぇ、八雲紫。」

 

エリュシオンは笑みを浮かべて言う。そんな彼女とは別に紫は口を開く。

 

「私は、負けるわけにはいかないのよ。メルト・グランチの時やガノンドロフの時は私が守る筈なのに守れなかった。そんなことはもう繰り返したくないの。」

 

「ほう、もう後悔するようなことはしたくないと?フフフ、アンタらしい。さぁ、まだまだ戦いはこれからよ。もっと私を楽しませなさい。フフフフフフ。」




不適な笑みを浮かべるエリュシオン。紫は太刀打ち出来るのか!?
次作もお楽しみに!


余談:僕はアニメが好きなのですがその中で好きなキャラクターランキングベスト5をご紹介しようと思います。
1位・・・アカメ(アカメが斬る!)
2位・・・ココ(ヨルムンガンド)
3位・・・エミリア(RE.ゼロから始める異世界生活)
4位・・・アルタイル(RE:creater)
5位・・・式(空の境界)

こんな感じです。みなさんなどんなアニメのキャラクターが好きですか?良ければ感想欄にて教えて下さい!

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