東方混沌記   作:ヤマタケる

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幻獣の驚異にこいしの悪夢。エリュシオンの計画は進んでいくばかり。


第115話 逃れられぬ破滅

場所は変わって玄武の沢。そこではユニ、霊夢、魔理沙、輝夜がエリュシオンの息子である水の闘神ドゥームと戦っていた。と、ユニが口を開く。

 

「こいつ、かなり面倒な相手ね。紫と戦法が似てるけれどパワーがある。」

 

「どうした?貴様らの力では相手にならぬぞ。」

 

「こいつ、今まで戦ってきた奴とは力の差が違う。メルト・グランチやカオスとはパワーの差があるぜ。」

 

息を切らしながら魔理沙は口を開く。そんな中、霊夢がドゥームの背後に回る。

 

「食らいなさい!」

 

そう言うと彼女はドゥーム目掛けて弾幕を放った。

 

「無駄だ。」

 

そう言うとドゥームはワープを展開させ、霊夢の放った弾幕をワープに入れた。

 

「くっ、またワープね。どうも対応出来ないわ。」

 

そう言うと霊夢はユニ、魔理沙、輝夜のいる場所まで戻る。と、ユニがドゥームに言う。

 

「1つ、聞きたいことがあるのだけれどいい?」

 

「・・・なんだ?」

 

「あなたは・・・いや、あなた達はどうしてこの世界を破壊しようとするの?別に私達や私達の先祖はあなた達に何もしてないでしょう?」

 

「この世界を破壊する理由はただ1つ。我が母上であるエリュシオンの望む世界を作る。別に母上は幻想郷に恨みを持っている訳ではない。過去に人間に裏切られた恨みを晴らすためにやっている。そのためには邪魔な貴様らを排除し、世界を破壊するのだ。」

 

「エリュシオンが、人に裏切られた?」

 

「そうだ、魔法使いの小娘よ。母上は一度現世に行き、人間として生活していた。だが愚かで身勝手な人間達に母上は裏切られた。それを気に母上は表への怨恨のため、世界を破壊する。そのためには邪魔な貴様らを排除し、世界を破壊するのだ。」

 

「なるほど、なんとなく分かった気がするわ。」

 

「輝夜!?」

 

「ユニは少し黙ってて。つまりエリュシオンは、恨みを裏では晴らすことが出来ないから表へ手を出した。そういうことね。」

 

「その通りだ。」

 

ドゥームの話を聞いたユニ達は何も言うことが出来なかった。と、ドゥームが口を開いた。

 

「余興が過ぎたな。続きを始めよう。」

 

そう言うと彼は辺りにワープを展開させた。と、何かを閃いたユニが口を開く。

 

「魔理沙!あのワープに試しに弾幕を放って。」

 

「あのワープってどれだ!?」

 

「あのワープよ。あのワープ。」

 

そう言うと彼女はドゥームの頭上にあるワープを指差したそれを見た魔理沙は笑みを浮かべて言う。

 

「よし、試しにやってみるぜ。」

 

そう言うと彼女はスペルカードを取りだし、発動する。

 

「魔符ミルキーウェイ。」

 

魔理沙の放った弾幕は一直線にドゥームのワープの中に入っていった。

 

「・・・?」

 

首を傾げるドゥームとは別に彼の背後にあるワープから先程魔理沙の放った弾幕が飛んできた。

 

「ムッ!」

 

それに反応したドゥームは攻撃を避ける。それを見た輝夜がユニに言う。

 

「ユニ、まさかあなた・・・。」

 

「そうよ。ワープを展開してくるなら、逆にワープを利用してやればいいのよ。そうすれば私達は手こずることもないし、相手を混乱させることが出来るの。」

 

「なるほど、よく考えたなユニ!まぁ私も同じ事を考えてたんだけどな。」

 

「嘘っぱちね、魔理沙。」

 

「うっ、うるさいぜ!」

 

四人が話している中、ドゥームは冷静な目で四人を見ていた。と、ユニがスペルカードを発動する。

 

「剣符アームストライク。」

 

その瞬間、彼女の隣に小さな空間が現れ、中から鉄砲のようなものを取り出した。巽南中、魔理沙がユニに言う。

 

「ユニ、それは?」

 

「火縄銃。撃つのに時間が掛かるけれど命中すれば大きいダメージとなるわ。」

 

そう言うとユニは火縄銃を構えてワープの中へ入った。

 

「ム?」

 

それを見たドゥームは辺りを見回し始める。

 

「私はここよ!!」

 

その声が聞こえた時間、ドゥームの背後にあるワープからユニが現れ、そのまま彼女は発砲する。

 

「何ッ!?」

 

連続で背後から来ることを予想出来なかったドゥームは銃弾を腕に受ける。それを見た霊夢がユニに言う。

 

「やるじゃないユニ!見直したわ。」

 

「えへへ。」

 

ユニが照れている時だった。ドゥームがポケットの中から見覚えのあるカードを取り出した。それを見た魔理沙が口を開く。

 

「すっ、スペルカード!?」

 

「審判ドゥームズディー・ジャッジメント。」

 

ドゥームがスペルカードを発動した瞬間、彼は四人を見て叫びながら走っていく。

 

「逃れられぬ破滅を与えてくれるわァッ!!」

 

そう叫んだ瞬間、ドゥームはユニと輝夜の横を通りすぎていた。その瞬間、二人を突然発生したフレアが襲った。

 

「きゃぁっ!」

 

「ユニ、輝夜!!」

 

二人の名前を呼ぶ霊夢とは別にドゥームは進行方向を変え、霊夢の元へと走っていく。

 

「霊夢気をつけろ!!」

 

ドゥームを見て魔理沙は咄嗟に霊夢に言う魔理沙。そんな彼女とは別に霊夢は目を見開きながら言う。

 

「は、速い!!避けきれない!!」

 

その時だった。霊夢へと襲いかかろうとしていたフレアの前にひとつの影が現れた。

 

「まったく、大事なところで抜けているんですね、貴方は。」

 

少年の声が聞こえた瞬間、霊夢の姿が消え、その場からフレアが起こった。

 

「な、何があったんだぜ?」

 

そう言うと魔理沙はフレアによって起こった砂埃を凝視する。砂埃が消えるとそこには霊夢と一人の少年が立っていた。

 

「!?」




ドゥームとの戦いに突然現れた少年。一体何者なのか!?
次作もお楽しみに!

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