私立グリモワール魔法学園~Another story   作:風飛の丘

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独自解釈、独自設定により原作を大切にされている方はご遠慮下さい。主人公はオリ主、不定期投稿。
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。

最近、多忙で投稿する暇がありませんでした!
2015年から今年で、4回目のXmas編となります。
久々の投稿ですがよろしくお願いします。

1話限定恋物語の番外編
今年は彼女に決めました~




グリモア番外 21  2018 Xmas編

吹く風が冷たくなりコートに袖を通すような季節、12月半ばが過ぎもう来週にはクリスマスと言う一大イベントが控えていた。

今年は何としても気になっているあの人を誘って、出掛けたいと考えているが…… 誘う勇気もチャンスも無かった。

言い訳では無いが、彼女の傍には常に人がいて、話し掛け難いと言う事もあるのだが…… そんな事を考えながら朝の支度を済ませ学園に登校する。

 

□□□

学園内

 

休み時間の度に、彼女を誘ってみようと思ったがやはり彼女の傍には人がいて、二人きりで話しが出来るチャンスが無かった。

 

「やはり駄目か…… また明日、頑張ろう……」

 

誘うのを諦め、帰宅準備をし校門を出ようとした時、後ろから声を掛けられる。

 

「あら? 来栖君じゃないですか~ 今日も寒いですねぇ~」

え?! このおっとりした話し方は……

 

慌てて後ろを振り返ると、彼女は急いで来たのだろうか? 少し肩で息をしながら立っていた。

 

海老名あやせ 

17歳 身長167㎝ 体重59㎏ B90 W62 H92

趣味 おしゃべり 特技 学園の噂収集

 

「あらら♪ 驚かせちゃいましたかぁ~ 帰る姿を見かけたので、お時間があるのかな~と思ってお誘いに来ました~ お暇ならいかがですか?」

 

「も、もちろん! ちょうど俺も話したい事があって!」

このチャンスを逃してはダメだと思い、即答で返事をする。

 

「あらら、本当ですか? 良かったです~ では外は寒いので、歓談部の方に行きましょうか~」

 

その後、誰にも邪魔される事無く、日常の世間話やクエストの出来事など、あやせと二人きりで会話を楽しんでいた。

 

「やっぱり、来栖君とお話するのは楽しいですねぇ~」

 

「俺こそ、凄く楽しいよ。そ、それで一つお願いがあって…… 来週のクリスマスイブの日、何も予定が無ければ一緒に街にでも行かないか?」

デート!とは言わず、勇気を出して誘ってみた。

 

「はい。大丈夫ですよ~ ちょうど、お茶受けを買いに行きたかったので、25日は歓談部でクリスマスパーティーをする予定なんですよ~」

 

「そうだったんだ。何か? 荷物があるなら手伝うよ」

本来の目的とは違うが、クリスマスイブに一緒にいられるだけで幸せだと思った。

 

「はい、その時はお願いしますねぇ~」

 

□□□

クリスマスイブ

 

雪は降っていないものの風が冷たい中、1時間前に待ち合わせの場所に着いてしまった。

嬉しさの余り待ちきれず、かなり早く着いてしまったのだった……

 

「あれ? 来栖君、早いですねぇ~ お待たせしまたか?」

白のワンピースドレス姿に白、黒チェック柄コート姿のあやせがやって来た。

彼女もかなり早い到着だった。俺と同じく嬉して早く着いたのかな? そんな訳は無い! と一人、心の中でツッコミ入れながらそれの事には触れず。

 

「おはよう。俺も今、来たところだよ。私服姿、凄く良いね」

普段、制服姿を見ているのでとても新鮮に見えた。

 

「ありがとうございますぅ~ そう言ってもらえるとなんだか嬉しいですねぇ~」

少し顔を赤くした彼女はさらに可愛く見えた。

 

「じぁ、さっそく行こうか! 最初は商店街の方を見に行こう」

 

□□□

商店街

 

商店街が近付くにつれて、クリスマスらしく色鮮やかな飾りやサンタの人形などが増え、素敵なクリスマスを演出していた。

 

「凄く可愛いサンタさんやトナカイさんが並んでますよ~」

ウィンドショッピングしながら二人でクリスマスの雰囲気を楽しんで行く。好きな人と一緒に居られる時間は、何をしていても幸せだと感じた。

 

「もうすぐお昼だから、そこで食べて行こうか?」

実は、事前に調べておいた店の方に向かいながら歩いていたのだった。

大人気の店という訳では無いが、ネットで少し噂になっている店で、特に食後のデザートが美味しく種類も豊富にある店だった。

 

「はい。私はどこでもいいですよ~」

 

「なら決まりだ。せっかくだからクリスマスぽいのを頼んでみよう」

入口にある縦看板のメニューを指さす。

 

□□□

喫茶店

「凄く落ち着いた雰囲気のお店ですねぇ~ 何時間でもお話し出来ちゃいますよ~」

 

「あはは、それはまた今度、お願いするよ。今日は色々と見て回りたいしね。まずはここで食事を楽しもう」

内心、少し焦っていた。話に夢中になって気付いたら1日が終わってる!って事が容易に想像出来てしまう。

 

メニューは、クリスマス時期にぴったりのローストビーフやローストチキンをはじめカプレーゼやカルパッチョ、アクアパッツァ、パスタ類などイタリアらしい料理が沢山並んでいてお勧めのコースを選んでみた。

食後のデザートはバイキング方式なので好きな物を選べるのも魅力だった。

 

「美味しかったですね~。ケーキも最高でしたぁ~」

彼女が言う通り、味もボリュームも満足出来る料理だった。流石、ネットで隠れ穴場的にお勧めされている店だ。事前に調べていて正解だった。

あやせは帰り際に、このお店でお勧めのマカロンを購入していた。どうやら明日のパーティーの一品に決めた様だった。

 

「さて、お腹も一杯になった事だし、引き続き商店街の方を見て見に行こう」

あやせにある物をクリスマスプレゼントをしようと決めていたのだった。

 

□□□

時計専門店

 

以前からクリスマスプレゼントを考えていて、もし一緒に出掛けられたらその時はプレゼントしたいと思い、事前に調べていたペアウォッチを見に、時計専門店に来ていた。

 

「これ、どうかな?」

考えていた時計を指さす。

 

落ち着いた印象を持つ深いブルーの腕時計は、冬のプレゼントにぴったりなデザインだった。実際、品物を見るとますます欲しくなってしまう。

 

「凄く素敵な時計ですね~ 小さな鞄見たいです~」

時計のバンド部分と時刻板が皮ぽい感じがする素材で出来ているタイプで、必要に応じて色はカスタマイズ出来るらしい。

彼女も気に入った様なので、予定通りこの時計をプレゼントする事に決め、彼女が他の商品を見ている隙に急いで購入して来る。

 

その後も色々な店を楽しく見て行く内に夕、暮れになりイルミネーションがさらに綺麗に見える。

 

「お茶菓子も買ったし、最後に別な場所にあるイルミネーションを見てから帰ろう」

 

□□□

イルミネーション会場

 

そこには無数の青色LEDの光で輝くイルミネーションが神秘的な洞窟の中にいる様な…… 青の洞窟の様な雰囲気でライトアップされていた。

並木道を奥から順に、波打つ演出やランダムに光る演出などのロマンチックな光で来場者を魅了していた。

 

「これは凄いですね~ どこを見ても青一色の光で、とても神秘的です~ こんなイルミネーションもあるんですねぇ~」

彼女が凄く喜んでくれたので見に来て正解だった。

並木道を奥へ進んで行きながらプレゼントするタイミングを見計らっていた。

 

「日がすっかり落ちて来て寒くなってきましたねぇ~」

そうだった、しまった! 以前、彼女と世間話をしていた時、冷え症だって言っていた事を思い出す。

 

「そこの公園で待ってて! 少し休憩しよう」

慌てて、近くのお店で紅茶とコーヒーを買って来る。

戻って来ると彼女が手を擦りながらベンチに座っていた。

 

「ごめん。あやせが冷え症だったの忘れていた……」

謝りながら暖かい紅茶を渡す。

 

「全然、平気ですよ~ それに暖かい飲み物を買って来たじゃないですかぁ~ ありかどうございます」

「私が冷え症なの覚えていたのですね~ 逆に気を遣わせてしまい申し訳ありません」

 

「全然、気にしないで!」

二人で誤り返す。そして目があった瞬間、笑い合う。

雰囲気はあるばす! このタイミングでプレゼントを渡す事を決めた。

 

「あやせ。これ、クリスマスプレゼント! 受け取って欲しい」

先程、購入した店で綺麗にラッピングされた箱を渡す。

 

「いいんですかぁ~? でも嬉しいです。ありがたく頂かせてもらいます~」

「開けて見てもいいですか~?」

 

「うん。俺も同じ物を買ったからお揃いになると思う」

彼女は綺麗にラッピングを外し中から時計を取り出す。

 

「これは、先程のお店で見た時計ですね~。来栖君とお揃いで、このイルミネーションと同じ色ですねぇ~ ありかどうございます~」

「あ! でも私、何も用意して無くて…… ごめんない」

 

「いいよ。俺が勝手にした事だし、気にしないで」

彼女と一緒にデート出来たし、色々と喜んでもらえて頑張った甲斐はあったので満足しているが…… 告白までは無理かな……

 

「寒くなって来たから帰ろう」

告白して駄目だった時を考えると、今日の幸せが一気に逃げて行きそうで告白は次回に取っておくことにした。

 

 

□□□

バス停

 

そろそろ門限の時間が迫って来ていた。学園に戻れる最終の直行バスをベンチに座りながら待つ。楽しい時間はと言うのはあっと言う間に過ぎて行く。彼女が話し上手と言う事もあるが幸せな1日だった。

 

「来栖君。私、ずっと考えいたんです~」

 

「うん? どうしたの急に?」

 

「私だけプレゼントもらって悪いな~と思っていて、何か来栖君にプレゼントを出来ないかな~と」

「それで思い付きましたよ~」

 

「さっきも言ったけど気にし無くてもいいのに…… あやせから貰えるなら何でも嬉しいけど……」

 

「では、これを……」

隣に座っていたあやせが急に体を寄せて来たと思ったら俺の頬にキスをする。

 

「あ、あ、あやせ! な、なにを……」

 

「以前から来栖君の事が好きでした。今日、1日一緒に居てさらに好きになりました~」

「あ、それとも嫌でしたか?」

 

「いやいや、そんな事はありえないから! お、俺も前からあやせの事が好きです! 俺の彼女になって下さい」

彼女からいきなりキスをされ動揺したが、俺も言う事はしっかり伝えないと行けないと思い告白する!

 

「はい。喜んで、これからもよろしくお願いします~」

 

あやせからのサプライズなプレゼントを貰え、告白まで出来た!最高のクリスマスイブを過ごす事が出来た。

 

                   END

 




いつもお読みいただきありがとう御座います。

未だ多忙につき作品を慌てて投稿している状態です。
次回も期間が空くかも知れませんが、その時はよろしくお願いしますm(_ _)m

皆様、良いXmasとお正月をお迎え下さい。

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