私立グリモワール魔法学園~Another story   作:風飛の丘

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独自解釈、独自設定により原作を大切にされている方はご遠慮下さい。主人公はオリ主、不定期投稿、各専門用語については後書きにて補足。
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。

多忙で中々、投稿出来ていませんが何とか番外編を投稿しました。

今年のwhite Dayは彼女にしました。

では、どうぞ~



グリモア 番外12 white Day 2017 編

「これで、良しと…… 後は送信するだけだ」

デバイスのメールには、バレンタインDayで貰ったチョコのお返しと、改めてお礼をしたいから週末に一緒に出掛けないかと簡単に書いてあり、送るだけとなっていた。

 

問題は…… 先月のバレンタインDayの時に、想いを寄せている彼女にチョコレートを貰らい、凄く嬉しかったのだが……

 

「こ、こ、これはだな! いつも世話になっているお礼だ! 決して、だ、男女のあれではないぞ! 勘違いするな。でも貰ってくれたら嬉しい……」

 

好きな子から義理だからと言われてしまい、内心ショックを受けていた。それでも諦めずに、何とかチョコのお返しを理由にデートに誘うつもりだった。

 

誘うとしているのは風紀委員の神凪怜だった。

17歳 身長165㎝ 体重54㎏ B85 W56 H82

趣味:修行 特技:剣技 実家が神社で巫女姿をしている時はさらに可愛いと思っている。

 

「どうにでもなれ!」

送信ボタンを思い切って押す。

 

数分後、彼女からの返信が届く。

今週末は、特に予定は無いから大丈夫だと書かれていた。

返信も早かったと思うから、まったく脈が無いと言う訳でも無い!とポジティブに考え行動を始める。

 

「よし! 後は当日のプランを考えるか…… 何とか、告白する所まで持って行きたいな」

その日、夜遅くまでデートプランを考えていた。

 

□□□

ホワイトデー当日

 

「す、すまん。待たせたな」

小走りで近寄って来たのは普段は中々、見る事の出来ない私服姿の怜だった。

下はデニムのショートパンツに黒のストッキング。上は黒のセーターにデニムのジャケットを羽織っていた。

思わずスタイルの良さが際立つ服装に、目を奪われ黙ってしまった。

 

「な、何か言ってくれ! 服装が変だったか?! それとも普段あまり着ないものだから、お、可笑しいのか?!」

 

「ご、ごめん。怜の私服姿、初めて見たから見惚れていた」

 

「な、な、何を言ってるんだ! でも、そう言ってもらえると嬉しいものだな」

 

「それじゃ、せっかく市内に来たんだから散歩がてら色々と見て回ろうか?」

自分も言ってて、照れ臭くなり先を促す。

 

「わかった。今日はお前に任せる」

 

なるべく怜には、デートだとばれないようにしないとな…… 最初にメールした時もお礼がしたいと書いてありデートとは伝えていなかった。

ばれた場合、男女の不純異性交遊だとか…… 最悪、照れてその場で帰り兼ねない気がしたので、遠回しに攻める事にしたのだった。

 

□□□

公園

 

お昼までまだ時間がある為、予約していた店の近くにある公園で、散歩するコースを予定していたのだった。

この公園は、普通の公園とは少し違い古風な橋や池、茶屋等があったり、ちょっとした和が感じる事が出来る公園で怜の好みに合うかなと思い、選んだ場所だった。

 

「風飛市に、こんな所があったのか…… よく知っていたな。この雰囲気はとてもいいな」

 

「俺も初めて来たけど、前から来て見たいと思っていたんだ」

怜に喜んでもらえて嬉しかった。

 

「しかし、週末だからなのか? だ、男女の組合せが多い気がするが……」

 

「そ、そうだね。だぶん、偶然だよ」

デートスポットだとは言えなかった。

 

「そうだ!あれに乗ろう」

誤魔化す様にボートを指差し、一緒に乗る事を提案する。

小屋で代金を支払いボートに乗り込む。怜には、船頭に座ってもらい自分がオールで漕ぐ。春先で心地よい風が水面を走っていた。

 

「うーん。風が気持ちがいいな」

怜は両腕を空に上げ、背伸びをする。

黒のセーターが体にフィットしているので、胸が強調され思わず目が胸に引き寄せられていた。

 

「どうした? そんなに、こちらを見て…… バ、馬鹿、あまりジロジロと見るんじゃない!」

怜は胸に目がいっているのに気が付き、慌てて腕を降ろし隠そうとする。しかし慌てて動いたせいで、バランスを崩しボートから落ちそうになる。

 

「危ない!」

とっさにバランスを崩した怜に手を伸ばし、落ちるのを防ぐ。怜も反射的に俺の手を掴み、何とかバランスを保つことに成功しボートから落ちずに済んだ。

 

「大丈夫?」

 

「な、なんとか。助かった。後一歩で落ちる所だった…… お前のせいだぞ! 変な所をジロジロと見るから……」

 

「ご、ごめん。余りにも怜が可愛かったから。つい」

 

「わ、わ、私が可愛いだと! そんな事はない……」

「あ! 来栖、手、手握ってるぞ」

 

色々と慌てて顔を赤くしている怜は可愛いなどと、場違いな事を考えていたが、確かに怜の言う通り先程、助ける時に手を差し伸べ握ったままだった。

 

「今日は、このまま手を繋いでじゃ駄目かな?」

思い切って言ってみる。

 

「このままって…… 学園内では無いから…… 不純異性交遊にはならないのか?」

 

「駄目なら諦めるけど、どうかな?」

 

「……」

「分かった。だ、駄目では無い」

小さな声で返事をしてくれる。

 

「流石にボートを漕いでいる時は、別だけど陸に上がったらよろしく頼むよ」

 

その後、ボードを漕ぎながら二人で世間話をしながら景色を楽しんで行った。

 

「さて、そろそろお昼の時間だ。すぐそこに、お店があるから移動しよう」

 

陸に上り怜の手を引いて店に向かう。

その間、怜は顔を茹で蛸の様に赤くしてうつ向きながら歩いていたのはある意味、悪い事をしたなと思ってしまった。

 

そんなに恥ずかしいのか…… 怜らしいと言えばそうなんだが……

 

□□□

喫茶店

 

落ち着いた雰囲気のお店で軽く軽食を食べた後、本日メインのデザートが出される。

 

「これは凄い。食べるのが勿体無いな」

出てきたデザートは、タルトの上に薔薇の花をモチーフにしたクリームが溢れ出そうになる位に乗っていた。

 

「バレンタインのお返しだよ。箱物でも良かったけど、せっかくだから美味しい物を食べて欲しくて、この店を選んだんだ。デザートではちょっとした有名店みたい」

 

「気を使わせて悪かったな。あげたチョコは、大した物でも無かっただろうに……」

 

「うーん。でもあのチョコレートは、怜の手作りなんでしょ?」

 

「そ、そうだ! 里中に教えてもらいながら作って見たんだ。多少、形は変だった気もするが……」

 

「なら、これぐらいはお返ししないとね。溶ける前に食べて、食べて」

怜は勧められるまま、スプーンですくい一口食べる。

 

「これは、凄く美味しいぞ! 私の好みにピッタリだ」

 

よし! 内心ガッツポーズをする。夏海、ナイス仕事だ。

怜の親友である夏海に、好みを聞いていて正解だったようだ。

 

「こっちもどうぞ。はい、あーんして」

怜の食べている抹茶タイプと違う、バニラタイプのクリームをスプーンですくい、口元へ持って行く。

 

「ば、馬鹿。な、何を言って言っているんだ!」

 

「でも、食べてみたいでしょ?」

 

「くっ! 後で覚えておけ」

誘惑に負けた怜は、差し出されたスプーンを口に入れる。余程、美味しいのかったのか? 顔が綻んで、幸せ一杯になっていた。

 

普段は、風紀委員のイメージや魔物との戦いを見ているだけに、凛としたイメージが強かったがこんな表情も見れて、今日は誘って良かったと思った。

 

「今度はお前の番だな。ほ、ほら早くしろ!」

突然、怜は自分の食べていた方のデザートをスプーンに取り差し出して来る。

逆襲された自分も相当恥ずかしく、躊躇ってしまったが食べない訳にも行かないので思い切ってスプーンを口の中に入れる。

 

「あれ? これって間接キス…… 」

独り言の様に口に出してしまった。

それを聞いた怜は、今日一番の顔を赤くしてスプーンを差し出したまま固まってしまった。

 

「おーい。怜、大丈夫か? おーい……」

 

 

その後、色々と問題はあったが二人で美味しくデザートを頂いた。

 

 

□□□

展望台

 

今日の締めくくりで、夕焼けを見る為に展望台に移動していた。

 

「今日は悪かった。からかい過ぎたと思う。でも怜が可愛くて、ついつい……」

 

「また、そう言ってからかう…… もう騙されんぞ」

「でも、今日は久々に楽しかった。有意義に過ごせたと思う」

 

「なら、誘ったかいがあったよ」

 

「でも、私で良かったのか? 他の子からもチョコレート貰っているんだろう。お前の事だから……」

 

このチャンスしか無いな!

 

「他の女の子達には、ホワイトデー当日にお返しはしているから大丈夫だよ」

「でも、怜は特別なんだ。今日、誘ったのは自分の気持ちを伝えたくて……」

「怜の事が好きなんだ。他の人じゃ駄目なんだ。今日一緒にいて、その気持ちは更に強くなった」

 

「俺と付き合って欲しい!」

 

「ほ、ほ、本気で言っているのか!?」

 

「本気だ! 怜が良いんだ」

 

「…………」

「私も今日は楽しかった…… バレンタインの時は、日頃の感謝のつもりで渡したつもりだったが…… どうやらそれ以上の気持ちがあったようだ。自分でも気がつかなかったみたいだ」

「今、好きだと言われて凄く嬉しい自分がいる。と言う事は、私もお前の事が好きなんだなと思う……」

 

「急いで返事をする必要は無いけど、その気持ちがあるなら駄目かな?」

 

「駄目では無い…… いまいち、こう言う事には疎くてな…… 迷惑を掛ける」

 

「迷惑なんて事は無いよ」

 

「……」

怜を手を強く引いて、自分の近くに寄せる。

 

「急に何を……」

その勢いで怜の口を口で塞ぐ。体に手を回しそのまま強く抱き締める。

 

時間が経つのを忘れそうになる……

 

「駄目だったかな?」

怜を少しだけ離して改めて尋ねてみる。

 

「今日は意地悪だな…… 駄目では無い…… 嬉しかった」

「ここまでされたら、断る訳にも行かないだろう…… これからは、彼女としてよろしく頼む」

 

「強引でごめん。でも、こうでもしないとOKしてくれなさそうだったから」

 

「謝るぐらいならするな!!」

 

もう一度、怜を引き寄せてキスをする。

 

「彼氏としてよろしく」

 

「こ、こちらこそ。至らぬ所があると思うがよろしく頼む」

 

その後、怜の手を繋ぎながら日が落ちようとする夕陽を一緒に見て過ごした。

 

END

 




いつもお読み頂きありがとうございますm(__)m
年明けからイベント満載! 何とか間に合うように番外編を投稿していますが……メインの方が進んでいません。今暫く多忙の為、何とか1ヶ月1話ペースは維持して来たいと思います。

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