私立グリモワール魔法学園~Another story   作:風飛の丘

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独自解釈、独自設定により原作を大切にされている方はご遠慮下さい。主人公はオリ主、不定期投稿、各専門用語については後書きにて補足。
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。

全編メンテナンス中で、時間が取れずいつもより短い番外編になっています。

1話限定恋愛物語
今回は彼女に頑張ってもらいました。
では、どうぞ~



グリモア 番外8 ハロウィン 編

明日は学園で、年に一度のハロウィン祭が開催される。

外部からの来訪者は無く、学園生徒だけでのお祭りだった。

「香ノ葉、今年のハロウィン祭はどんな事をするんだ?」

 

「もちろん、ハロウィンやから皆で仮装して、そんで美味しい料理作って食べたりするんよ」

 

「ダーリンはどんな格好がええんやろか……」

 

「か、勘弁してくれ。普通のままでいいだろう?!」

 

「でもな、全員強制やから…… ドラキュラとか似合う思うけどな…… 」

 

このまま、香ノ葉と一緒に居たらどんな格好させられるか…… 危険だ。

 

「取り合えず部屋に戻って考えてみるよ」

もっとらしい事を言い訳に、その場から立ち去る事にした。

 

「さて、どうしたものかな……」

 

 

□□□

ハロウィン当日

デバイスに本日の予定が掲載されていた。

午前中はフリーで学園内の催し物やジャック・オ・ランタン作りを楽しみながら午後からは、香ノ葉が教えてくれた通り食堂でパーティが開催される。但し、本日は必ず仮装する事と注意書きが書いてあった。

 

「さて、着替えるか……」

余り気乗りはしないが強制と言われたら仕方がない。昨日、購買で買ってきた衣装…… オオカミ男の衣装を着る。

 

寮を出て学園に向かうと、月宮沙那が校門前に立っていた。

 

「沙那どうしたんだ? 初音は一緒じゃないのか?」

 

「本日はハロウィンと言う事で、休暇を取れと強制されまして、休暇にしたから銀河様と一緒に楽しんで来いと初音様から申しつかりました。それで銀河様をお待ちしていた次第です」

 

「喜んで! 一緒に行こう」

 

以前から沙那の事が気になっていて、初音に機会を作ってくれとお願いをしていたのだったが…… まさか今日だったとは…… いきなりで驚いた。これも初音のいたずらの1つなんだろうな。

 

「しかし沙那の格好は、いつもと違うね」

メイド服なのはいつもの通りだが、今日は白黒を基調としてフリルが沢山ついてるメイド服だった。

 

「はい、仮装との事で初音様にも色々と勧められたのですが…… 結局これになりました」

 

「いつもと雰囲気が、違っているけど似合っているよ」

個人的には、こっちのメイド服の方が好みだった。

 

「ちなみに初音にはどんなもの勧められたの?」

 

「そうですね。定番の魔女からカボチャ、ミイラ女?とかソンビ…… 黒猫とかですね」

 

「黒猫か……見てみたかっ……っ!」

猫耳、しっぽを着けた沙那も見てみたかったなと考えていたらつい声に出してしまった。

 

「大した物では無いですよ?」

「それより銀河様のオオカミ男、とても可愛いです」

 

「可愛いいのか? あ、ありがとう」

 

「それでは行きましょうか」

 

□□□

学園内

 

「初音様から連絡です」

沙那のデバイスが鳴りメールが届いた様だった。

 

「せっかく二人で居るんだから腕ぐらい組めと、あと名前で呼んでやれと書いてあります」

初音ヤツ、どこかで見てるのか? 辺りを見渡すがそれらしい姿は見えなかった。

 

「初音様からの命令と言うのもありますが、私も楽しんで見たいと思いますので、来栖君が嫌で無ければいかがでしょうか?」

 

「俺はまったく問題ないよ」

そう言うと彼女は腕を組んで来た。軽く組んで来ると思っていたらそうではなかった。

彼女の胸が当たる…… さすが87㎝、柔らかい……

 

そして学園内を二人で腕を組んで歩いている訳だが、オオカミ男のかぶり物のお陰で、誰も俺だとは気づいていないようで良かった。

 

そう言えば催し物? とか書いてあったけど何の事なんだろう。

そんな事を考えていると前方の廊下からソンビの群れが現れた。

 

「皆、かかれー」

号令と共にソンビの群れが襲って来る。先に前を歩いていた生徒が捕まり「トリック オア トリート!」とゾンビが叫ぶ。そして、おもいっきり顔に落書きをされていた。

 

「あれは…… 初音様と親衛隊の皆様ですね。仮装していても私には分かります」

「捕まると厄介な事になりそうですので逃げます」

 

「わ、分かった!」

 

急いで、彼女と手を繋ぎ一緒に逃げる。

 

追って来たが上手く空き部屋に逃げ込み、なんとかゾンビの群を巻くことが出来た。

 

「いたずらにも程があるだろうに……」

 

「初音様らしい、いたずらですよ」

彼女は当然と言わんばかりの言い方だったが…… 彼女の手をずっと握っていた事に気づいた。

 

「ごめん、手を繋いだままだった」

 

「いえいえ、お気に為さらずにわたしも嬉しかったですから」

 

このチャンスしか無いな……

 

「沙那、聞いてくれ。ずっと前から君の事が好きだったんだ! 付き合って欲しい」

 

彼女は一瞬驚いたようだったが

「わたくしは初音様が第一優先で、あまり休暇も無いので普通の男女の仲は無理ですよ」

 

「それなら初音が一緒にいても俺は構わない」

 

「……」

「そうですね…… 初音様は来栖君になついているようですし……お気に入りだと思います」

 

「……今のは建前ですね。本当は好きと言われて、嬉しかったんです。こんな私を一人の女性として見てくれて」

 

「私もあなたの優しい所が好きです。でなければ腕を組んだり手を繋いだりはしません」

 

「良かった!」

思いきって告白して良かった。

 

「そろそろ戻ろうか?」

 

「はい、その前に校門で言った事を覚えてますか?」

 

「うん?」

 

「私の黒猫姿を見てみたいと…… もしよろしければお見せしますが……」

 

「ええぇ、いいの? それは見たいけど……」

 

「なら後ろを向いていて下さい」

 

彼女に言われ後ろを向く。後で魔力を一瞬感じたが……

 

「見ても良いですよ。どうでしょうか……」

 

猫耳に尻尾…… 体にぴったり吸い付くような黒猫の衣装はとても可愛いと言うか扇情的だった。

 

「沙那、可愛いよ。よく似合ってる」

 

彼女は顔を赤らめながら小声で言ってくる。

「トリック オア トリート…… にゃん。お菓子くれないと君にあれしちゃうぞ」

 

「……お菓子は持ってないから、いたずらしてくれ」

 

彼女は近寄って来て、俺のかぶり物を取るとキスをしてきた。

 

「これからよろしくお願いします」

 

年に一度のハロウィンで、忘れられない1日になった出来事だった。

 

END

 

 




いつもお読みいただきありがとうございますm(__)m

前書きでも書きましたが、全編メンテナンス中で時間取れずハロウィンからだいぶ遅れて投稿。また通常より短い番外編になっています。
時間があれば加筆して行きます。

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