私立グリモワール魔法学園~Another story   作:風飛の丘

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独自解釈、独自設定により原作を大切にされている方はご遠慮下さい。主人公はオリ主 不定期投稿
各専門用語については後書きにて補足
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。

完成が間に合わず焦りましたが何とか完成しました。

15日朝にはtype B をアップします。

こちらのtype 'A'を加筆・修正しましたので再度、お読みいただき、その後type 'B'へお読み下さい。

では、どうぞ~


グリモア 番外4 March 14th is White Day 'A'

カーテンの隙間から太陽の光が差し込み始め、眩しくて目が覚める。

 

「ふぁ~ まだ眠いけど…… よし! 今日は気合いを入れて頑張るか!」

今日は3月14日 ホワイトデーだ。

 

先月、色々な人達からチョコレートを貰ったので、お返しをしないと…… 忘れると後々、面倒な事になるに違いない…… 考えるだけで怖すぎるイベントだが今日は自分にとっては特別な日にするつもりだった。

 

朝の身支度を済ませ、大き目のリュックサックを背負い少し早いが学園に登校する。

 

まずは気軽に渡せそうな人から渡して、残りは放課後に渡す予定だった。

 

ポケットからデバイスを取り出し、お返しリストをチェックする。

昨日、渡し忘れが無いように昨晩、リスト化しておいたのだった。

 

里中さんに…… 梓、萌木、ノエルに…… 結構な数に改めて驚いてしまう。

 

貰った人達へ、先月のチョコのお礼を言いながらどんどん渡して行く。

 

意外と多い…… お昼にも渡さないと間に合わないな……

 

その後も昼休みにも渡し続けて……残りは後少し!

 

そして、放課後は渡すだけでは終わらないような気がする人達へ…… 師匠のアイラさん、香ノ葉、姫、等々へ渡しにいく。

 

案の定、捕まり渡すのに時間が掛かってしまった。

 

さて、残りは…… 1個 これが本命だ!

 

渡す相手は、南智花 入学初日からお世話になっていて、気軽に話をしている内にいつの間にか明るい彼女を好きになっていた。

 

この時間なら陸上部の方かな? 校庭のグランドに行ってみると智花は一生懸命、練習していた。

邪魔すると悪いので、グランドの外から軽く手を振る。

 

智花は、こちらに気がついたようだ。あ! 転んだ…… 大丈夫かな……

 

部活が終わり智花が駆け寄って来る。

「あははは みっともない所を見せちゃったね」

 

「そんな事は無いけど大丈夫?」

 

「うん、怪我とかもしてないから! それでどうしたんですか?」

 

「あ、うん…… この後、少し時間があれば市内の方に一緒に出掛けないかなと思って……」

 

「うんうん、大丈夫です! 急いで着替えて来るから待って下さい」

智花は急いで部室の方へ駆けて行った。

 

何とか誘う事が出来た。第1段階はクリアだ!

 

□□□

風飛市内

 

部活終わってから来たので時間的には、もう夕暮れになっていた。しかし風飛の街はバレンタインDayの時も思ったけだけど、街総出でホワイトDayの飾り付けがしてあり當は明るかった。

 

「いつも通りだけどカラオケ行って、その後ゲームセンターに寄って見よう」

 

「はい、確かにいつも通りてすね。銀河君と一緒ならどこでも……」

 

「うん?」

 

「な、なんでも無いです! 早く行きましょう」

 

たまに息抜きを兼ねて智花と来たり、夏海や純、自由達と一緒に来る事がある。定番のコースだった。

 

2人でカラオケで熱唱して、ゲームセンターでは音ゲーなどでおもっきり楽しんだ。

 

「楽しかったね~ 夕飯時だし、ちょっと食べていこう」

予約しておいたフレンチのレストランを案内する。

 

「け、結構高そうな所じゃないですか? ここにするんですか?」

 

「外観と中は立派だけどそうでも無いよ。ドレスコートとか必要無いし、料理の価格も高く無いから安心して」

 

クエストに出る回数が多く、報酬のお金もかなりの貯まっているので高級な所でも良かったが、格式張っても仕方がないので気軽な所を選んだつもりだった。

 

「本当、お洒落な雰囲気のお店ですね。しかも値段も手頃…… 穴場ですね」

 

「気にいってくれて良かった」

 

「ふ、普段は誰と一緒に来てるんですか?」

 

「え! 誰とも来てないよ。たまたま見つけただけだから」

 

「それならいいんですけど……」

 

2人で軽く食事をしながら世間話をしていった。

 

「美味しかったです。私ももっと料理頑張らないと!」

最近、智花の料理は食べられる位までは上達している。

主に俺が実験台になっている気がするが……

 

「会計はいいよ。バレンタインのお返しと言うことで奢るから」

 

「え?…… 」

 

「気にしないでいいよ。本当に気持ちだから」

 

「はい…… お言葉に甘えさせてもらいます」

 

智花の様子がちょっと変だけど、ここは譲れないので会計の支払いを済ませる。

 

「暗くなって来たね。まだ時間大丈夫?」

 

「大丈夫です」

 

「ちょっとついて来て欲しい所があるんだ」

 

智花を街の中心にある展望台まで連れて来る。

 

展望台といっても、どちらかと言うと防災センターに近い。戦国時代の城壁ような物と屋敷、そして場違いな塔が中に建っている。

緊急時、魔物に襲われた時の避難場所になっているが、普段は公共施設としてコンサート会場になったり、展望台として使われている。

塔の方はまれに出現する空の魔物を迎撃する為に建てられたらしい。

 

のちに形を変えて、ゲネシスタワーと呼ばれる話は別の機会に。

 

展望台は夜になろうとしている為、貸し切り状態だった。

 

「ん~っ! 気持ちいいですよね。展望台の風は」

「銀河君、こっちこっち、見て! 綺麗だよ」

 

展望には上下2枚張りの窓があり、上の窓には春をイメージした桜が映像として写しだされ、下の窓からは現実の夜景が見える仕組みになっていた。

 

もうすぐ春の季節がやってくる。

 

「……あ、ごめんなさい。私だけはしゃいじゃって」

 

「駄目ですね。怜ちゃんや夏海ちゃんにもよく言われます。もうちょと落ち着けって!」

 

「俺は普段から元気があって、良いと思うけどな」

 

「えへ、そうですか~」

 

「うんうん、普段通りの智花がいいよ」

 

先ほどから少し元気が無かったので、やっと元気になったかな? 良かった。

 

「私、思うんです。普段? 普通ってすごい事ですよね?」

 

「勉強とか部活とか友達と笑いあったりとか、す、好きな人ができたりとか!」

 

「そういうのって当たり前じゃなくて、色々な偶然が重なって出来ていると思うんです!」

 

「私たち魔法使いだから……」

 

「私は魔法使いに覚醒した時、すごく不安でした」

 

「もう普通の学生生活を送れないのかと……」

 

「そう思ったから余計に嬉しいです! だって今すごく充実しているから」

 

「魔物は怖いし、訓練は大変だし、楽しい事ばかりじゃなけですけど……」

 

「なので、一日一日を大切にしなくちゃって思うんです」

 

「卒業したら自分達がどうなるか? 想像がつかないですけど……」

 

「きっとつらいことも多いから、それに負けないくらいの思い出を作りたいです!」

 

「怜ちゃんや夏海ちゃんと…… 銀河君とそしてみんなと……」

 

「このまま時が止まって欲しいぐらいです」

 

「な、なんか、らしくなかったですかね? あはは……」

 

「そんな事は無いよ。智花は色々と考えているんだね」

 

「俺もこれからも智花と一緒に、楽しい想い出を作っていきたい。好きだ! 俺の彼女になって欲しい!」

 

思いきって智花に告白する。

 

智花は顔を真っ赤にしながら

「わ、私もバレンタインの時には、言い出せなかったけど銀河君の事が好きです!」

 

そんな智花が可愛くて、思わず抱き寄せて…… キスをする。

 

智花も目を閉じて、それに応じてくれる…… 幸せな時間が2人に流れる。

 

……?! 智花の目からは涙が零れていた。

 

「ごめん、嫌だった?」

 

「ううん 違うの…… キスしたらすごく心の奥からこみ上がる感情があって…… 嬉し泣きかな? ……大丈夫です」

 

「それなら良かった、いきなりキスして初日から嫌われてしまったのかと心配したよ」

 

「あははは、そんな事は無いですよ~ だって銀河君が入学してきて、一緒にクエスト受けた時ぐらいから銀河君の事を好きだったから」

 

「そんな前からか…… もっと早く告白すれば良かったな」

「そうだ、これを……」

綺麗にラッピングされた小さな長方形の箱を渡す。

「バレンタインに貰ったチョコのお返し」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「開けて見て」

 

「うん!」

智花は丁寧にラッピングを剥がし、箱の中からシルバーのネックレスを取り出す。

 

「可愛いい~ ハート型です。すごく嬉しいです! 大切にします」

 

「後、智花にお願いがあるんだ。いいかな?」

 

「はい、なんでしょうか? 銀河君のお願いなら何でも聞いちゃいます」

 

「俺に敬語はいらない、夏海達と話す時みたいに……」

 

「頑張ってみます」

「あ、頑張ってみる!」

 

「そろそろ門限の時間が来る。学園に帰ろう」

手を差し出し、智花の手をつなぐ

 

この小さな暖かい手を離さず、ずっと一緒に過ごして行きたいと思った。

END

 




いつもお読みいただきありがとうございますm(__)m

前書き通り、何とか書きましたのでお読み下さい。
今回はtypeA.Bの2部構成のスタイルにチャレンジでした。
では、続きの'B'をとうぞ~

2016/11/4 一部加筆、修正済み

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