私立グリモワール魔法学園~Another story   作:風飛の丘

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自解釈、独自設定により原作を大切にされている方はご遠慮下さい。主人公はオリ主 不定期投稿
各専門用語については後書きにて補足
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。




グリモア 第22話 エレン・アメディック編

「さて、今日のクエストだがお前の戦術、指揮能力を試す意味で請けたものだ」

「精鋭部隊から何人か選抜している。私は、お前のフォローに回るから部隊の指揮はお前がするんだ!」

 

登校した直後にエレン隊長に呼ばれ、今はクエストを請け山奥に来ていた。

元々、時間がある時には精鋭部隊の練習に志願して、エレン隊長から指導を受けていた。今回もその一環でもある。

 

エレン・アメディック

17歳 身長165㎝ 体重55㎏ B87 W57 H86

趣味:銃の整備 特技:射撃

学園に来るまでは軍に所属していたらしく、入学してすぐに精鋭部隊の隊長を勤めている。

 

「よし、魔物1体発見! これより攻撃を開始します」

「作戦通り。前衛は2名、後衛は1名。支援とローテーションで前衛と交代するように」

3人1組のパーティー編成を数組、基本通り戦う事にした。

 

もちろん、みんな精鋭部隊で鍛えいるので魔物を難無く払う事が出来た。

「目標、霧散! 完全に霧を払いました」

精鋭部隊の1人が報告してくる。

 

「雑魚の魔物なら問題ないな。指揮も危なげ無くこなしていたな」

エレン隊長の目にかなうことは出来たようだった。

 

「魔物が弱くて、それほど指示を出すことも無かったので」

 

「うむ、しかし指示を出しながら周囲も十分に警戒していた その点を含めて合格だ」

「いつ不確定な事が起きても、対応出来るように準備するんだ」

 

魔物を払った後、次のターゲットを目指して森を進んで行きながらエレンと会話をしていた。

 

「誰かから聞いた事は無いか?」

「魔物を消滅させる事が出来きなければ、追い出せばいいと」

「要するに霧を集め、地球上から放り出してしまえばいい」

「そうすれば、魔物を生む霧自体が無くなる。魔物の数も減っていくと言う訳だ」

 

「でも、どこに?」

疑問に思った事を口にする。

 

「……そう、問題は【どこに】だ! 宇宙? あまりにも非現実的だな」

「一発の打ち上げにかかるコストが膨大すぎる」

「それに、これまで何度も打ち上げのタイミングで魔物が襲い掛かってきた」

 

「我々の動きに敏感なのだ! かといって霧は地球上のどこにでもある」

「だが…… 宇宙ではない別の場所…… それが見つかったな?」

 

「え? まさか……」

 

「そのまさかだ! 裏の世界だ。もしくは未来と言おうか?」

「そこに霧を排出する」

「愚かな考えだが、背には腹は代えられないということだな」

 

「しかし……あっちにも人が……」

 

「……結果的に自分の首を絞めることになっても、今が大事なのだ」

「先がない、私たちにとってはな」

 

「……たとえば300年前と今では、魔物の強さは比較にならないほど強くなっている」

「ムサシこそ出なくなったものの固体の強さは年々、上がり続けている」

「人型も出てきている。知性のようなものが芽生えているのもいる」

 

「……時に人型は第7次侵攻後に、出現数が跳ね上がっている」

「何故かはわからん。だが、もし魔物が人間のまねを始めているとしたら……」

「一刻も早く、行動しなければならないのだ」

「……そして裏世界では、人類は絶滅寸前だ! 今更、魔物が増えたところで大して……」

「と、連中は考えている。軍人としては正解に近いだろう」

 

「たが、私は反吐がでそうだよ」

 

「……同感です」

 

 

□□□

山奥の沢

 

「ターゲットのエレファントを確認、次は私とお前で倒すぞ」

「本来、魔力受け渡しは1人だけに絞って行動した方が効率が上がる」

「なぜか分かるか? 短時間での戦闘において、魔力の均等配分や嬢渡の時間を考えれば非効率になるからだ」

「毎回、お前のクエストのパートナーが違うのもそう言う理由だ。誰が1番ベストなのかを決める為だ」

 

「そうだったのか…… 知りませんでした」

 

「理解した所で行くぞ! 魔物の突進には注意しろ」

エレン隊長は拳銃を構えながら魔物の側面に回り、魔力を込めた弾丸を撃ち出す。

 

「さすがに固いな…… もっと火力が必要か」

2つ目の拳銃を取りだし、2丁の拳銃を構える。

 

「全弾に、ありったけの魔力を注ぎ込む! 状況みながら魔力を供給してくれ!」

エレン隊長はそう言うと再度、魔物に向かって行く。

 

魔物は、その突撃に気がつき長い鼻を鞭の様にしならせて、エレン隊長に襲いかかってきた。

 

「……ッ」

普段なら簡単に避けれるはずが、不運にも沢の石に足を取られバランスを崩してしまった所に、攻撃を受け吹き飛ばされてしまった。

そして運悪く、近くにあった岩に叩きつけられてしまった。

 

「だ、丈夫ですか?」

吹き飛ばされたエレン隊長に駆け寄り、怪我を確認する。大きな怪我は無さそうに見えるが…… 攻撃の受けた箇所…… 胸…… 大きな胸が2つあらわになっていた。

 

「あぁ…… なんとか…… 問題は無いようだ」

 

「ま、魔力を供給します。戦闘服を回復させて下さい」

 

「まだ大丈夫だ。先に魔物を倒すぞ!」

 

「でも…… あの、エレン隊長。胸が……」

 

「馬鹿者、戦場でこれしき狼狽えるな!」

表情は真剣だったが…… 顔には、多少の赤みがさしていた。

 

「行くぞ!」

魔物に向かっていきながら大きな胸を揺らす。流石にそのままでは不味い? 痴女?と思ったのか…… 自分の魔力で戦闘服を回復させる。

もう少し揺れる胸を見ていたがったが、気を引き締めて魔力を供給する。

 

「動きを止めます!」

回り込むエレン隊長を見ながらバスターカノンを準備し、砲撃でエレファントの右足を削り取る。バランスを崩し、倒れた魔物にエレン隊長は拳銃の魔力弾丸を撃ち込み霧散させる。

 

「みっともない姿を見せてしまったな……」

 

「いえいえ、それは見事な…… な、何でもありません お疲れ様でした!」

 

 

□□□

山奥の沢

 

「私の様にドジを踏まなければ、このくらいの雑魚は手こずりはしない! クエストの魔物は平均より弱いからな」

「だから今回の討伐対象は、少々強い相手を選んだ! お前の力が必要なぐらいの相手だ」

 

「いいか! 前々から言っているように、お前はこれから重大な責務を背負う」

 

「望むと望まざると、人類の旗頭になる可能性がある」

 

「そうでなければ実験体として闇に消えるかなだな……」

 

魔力嬢渡の力で、そこまで期待されているのか……

 

「……エレン隊長にだけ、見せたい物があるんです 他の精鋭部隊はここに待機させててもらえますか?」

 

「構わんが…… 重要な事なのか?」

 

「まだ、内密しておきたいので……」

 

「分かった。 部隊には待機命令を出す。それで後はどうすればいい?」

 

「後を付いて来て下さい」

デバイスで魔物が多くいる光点の場所を確認する。

 

□□□

山奥の沢

 

「雑魚と言えど…… 10体はいるな」

エレン隊長もデバイスで魔物の位置を確認する。

 

「よし、魔法の準備するのでエレン隊長はそのまま見ていて下さい」

 

「……まだ、魔物は見えないぞ? 個体の位置もそれぞれ離れている…… どうするつもりだ?」

 

「魔法の発動まで時間かかかるので、もし魔物が襲って来たらその時はお願いします」

 

バスターカノンを具現化し、銃口を空に向け魔力をどんどん先端部に集める。

先端部の黒い球体は、魔力を込めれば込めるほど大きくなっていった。

 

「大丈夫なのか? 魔力の塊がそこまで大きくなって……」

 

エレン隊長の問いに、頷いて答える。

さらに魔力を込め直径50m程の大きさ程になる。

 

銃口を空に向けたまま、引金を引き黒い球体を放つ。

空に一度放った魔力の球体をコントロールして、地面ギリギリに移動させる。

 

「ほう、制御も出来るのか、効果は?」

 

「見てて下さい」

 

デバイス情報を横目で確認しながら魔力球を飛ばす。

辺りにあった小高い岩などは、球体に触れた瞬間に中に引き込まれて消える。

そのまま球体は魔物がいると思われる位置まで飛んで行き、次々に球体に引きずり込んで行く。

球体が大きいので狙いをつける必要性もあまり無く、デバイスの光点がどんどん消えて行くが…… 辺りの物を全て巻き込んで消滅させる危険な魔法だった。

 

「……途方も無い魔法だな。球体に取り込まれた物はどうなるんだ?」

 

「どこに行くかは不明ですが、宇宙? 異次元空間だと思っています」

「なので取り込んだ物は、もう出て来れません」

 

「霧を別な場所にやれるのか……」

「これなら霧は復活も出来ない……」

エレン隊長の声は、驚きで震えていた。

 

「ええ、まだ大きさ、チャージ時間、魔物の位置捕捉など問題はありますが、地球上から魔物を無くせる筈です」

 

「これでまだ、未完成か…… 呆れてものも言えんな」

「しかし、これで人類にも希望が現れたと言うべきか」

「そして、内密しているのは自身の身の安全と未完成だからか」

 

「ばれると、他の勢力から確実に狙われると教えられているので内密にして下さい」

 

「もちろんだ。人類の希望の芽を潰す訳にはいかんからな」

「さて、今の魔法で雑魚はあらかた片付いた。残りはボスだけだ」

 

ひときわ大きい光点を目指して先行で移動する。

 

「いたぞ! 待機させてた部隊の仲間には悪いが倒してしまうぞ」

「やるぞ! 強くとも、私たちなら苦もなく倒せる!」

 

「分かりました! 行きましょう」

 

対象討伐は大型エレファント、像が鎧を装備している姿は本などに描かれている大昔の戦争に使われていた姿を思い出す。

 

「突進とあの長い鼻に注意するんだ。間違っても踏み潰されるな」

エレンは拳銃を取りだし魔力を込める。

 

「動きを止めます! 止めをお願いします」

バスターカノンから放たれた10個のグラビティシェルはエレファントの動きが鈍い事もあり全弾命中する。

 

「後は、任せろ!」

エレン隊長が構えた銃から連続で魔力を帯びた弾丸が、鎧の着けていない箇所を正確に射ぬいていく。

巨体なゆえに、相当な弾数を使用した様子だったが無事に倒す事が出来た。

 

「……よし! 魔物の消滅を確認した【霧を払った】ぞ」

 

「我々の任務はここまでだ。後は軍に任せよう」

「部隊と合流のち、撤収する」

 

「それと今日、私が話した内容は秘匿されている訳ではない」

「別に機密事項でもなから心配無用だ」

 

「だから、準備し覚悟しておけ!」

 

「お前を取り巻く環境は、もう女子が取り合うという単純なものではない」

 

「少なくとも宍戸結希、如月天、そして武田虎千代…… 魔法使いの傑物が、どうにかお前の情報を押し止めているほどの事態だ。まして先ほど魔法を見た後では尚更だ」

 

「今すぐという訳ではないなが。いずれ事が起きるだろう」

「備えを怠るな! これは私から戦友たるお前へのアドバイスだ」

END




いつもお読みいただきありがとうございますm(__)m

引続きメインストーリーを中心に話を進めて行きますが夏休みが近いの、で番外編を書けたらいいな~と思っていますのでその時は番外編もよろしくお願いします。

2016/11/2 一部修正完了済み

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