私立グリモワール魔法学園~Another story   作:風飛の丘

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独自解釈、独自設定により原作を大切にされている方はご遠慮下さい。主人公はオリ主 不定期投稿
各専門用語については後書きにて補足
誤字、脱字等ありましたらご了承下さい。

第7大規模侵攻は前編、後編の予定で考えています。

登場人物の説明は後書きにて記載。






グリモア 第12話 第7次大規模侵攻 前編

会長とのクエスト報告が終わり、学園寮で休息を取りながらデバイスでニュースを確認していた。

どこのチャンネルも第7次大規模侵攻について、慌ただしく放送している。

 

ニュースの内容をまとめると

本日、未明に全世界で大規模な魔物の発生が確認された。学園から一番近いのは小鯛山で、風飛の街を目指して魔物が南下している。

国軍が風飛の北西に展開するのが1時間後ぐらいで魔物の到来に間に合うらしい。当初、想定されていたよりも魔物の数が多く、各場所ともに避難は迅速だったがそれでも被害出ていると言う。国軍だけでは戦略的に足りず学園にも要請を出していると言う内容だ。

 

大規模の魔物との戦いは初めてだし、どれぐらい侵攻が続くのかも分からない。不安を感じるが魔法使いである以上、魔物との戦いは避けられない。皆と一緒に無事に帰り、また元の学園生活をしたいと思っていた。

 

その時、デバイスが鳴る。

生徒会からだ! 学園生徒は校庭に集合と連絡が入る。急いで校庭に向かう。

 

□□□

学園内校庭

 

校庭に着くと、かなり生徒が呼ばれている様だが……

生徒会長が皆の前に現れる。

「生徒会会長の武田虎千代だ! 今朝のニュースで知った生徒もいるだろうが、ここより北西の小鯛山で大規模な魔物の発生が確認された、規模は通常の42倍だ!」

 

「想定されていたより魔物の数が多く、政府の要請でこの学園からも生徒が出動することになった! 1人でも多くの戦力が必要とされている! 全校生徒で大規模侵攻にあたる事にする!」

 

周りが一瞬ざわめく、非戦闘員は別としても小学生クラスの魔法使いも多くいる。また、実践経験が無い子もいる。それでも全員と言う事は、かなり切迫した状態になる事が皆にも分かる。

 

「国軍は日本各地に展開している、過去の侵攻に比べて魔物もかなり多い、過去最大の規模と言えるが私立グリモワール魔法学園もまた9年前と比較にならないぐらい強くなっている」

 

「虎千代が宣言する! この防衛戦では誰も死なせない そして風飛の街には一歩たりとも魔物に侵させない」

 

「各自、割り振りに従いそれぞれパーティーを作り出発だ! 風飛の北側に陣取り防衛線を敷くぞ」

 

「これほどの規模の作戦は初めてだろうが怖じけることは無い! 指示に従い持てる力を十分に発揮すれば何も心配はない。何かあればアタシを呼べ! すぐに駆けつける! 以上だ解散!」

 

□□□

防衛線北側

ショートカットの女の子が近付いて来る。

「よろしくお願いします。円野真理佳です。先日、転校してきました! 噂の転校生さんに付いて行動するようにとの事なので一緒に行きます」

 

「こちらこそ、よろしく! 役割を簡単に説明するよ」

 

自分達は、いろいろなパーティーの助っ人だ。魔物が多い所に行って、魔力を渡したり状況を把握したりするのが任務だ。真理佳は俺の護衛を優先としながら苦戦している人の援護をお願いするよ」

 

そう真理佳には言ったものの、自分が戦いに入る時はその場の臨時司令官になる。もし他の生徒が怪我でもしたら自分の采配・行動ミスだと考えると体が震えてくる。

 

何とか今までの実践経験を生かさなければ…… 場数は踏んでるはず!

 

自分に気合入れ行動を開始する!

 

デバイスには、学園からリアルタイムに魔物の位置・数が届くようにバックアップ班が頑張っている。

それを確認しながら魔物が多い場所へ向かい、他のパーティを支援し魔物を倒していく。

 

その中で、真理佳は積極的に頑張って動いていたが……次第にその動きは鈍くなってきていた。

 

真理佳を呼び注意する。

 

「魔物の攻撃は、明日も明後日も…… 1週間ぐらい続くかもしれない。いつ終わるか分からないのに、初日からそんなにへばってて持つと思う?」

 

「え! そんなに続くんですか? でも頑張らないと……」

 

「いつまで続くかは誰も分からない、常にベストな体調管理は重要だよ。それに体力の配分も考えないとね」

 

ちょっとキツイ言い方かもしれないが、今日が初の実践がだと言われると、流石に言わずにはいられない。

 

 

「休める時は休もう。第1波はしのいだようだから小休止するよ」

真理佳に魔力供給し休んでいると、前方から精鋭部隊がやって来た。メアリー率いる小隊だ!

「よう、もうべばったのか! だらしがないな」

メアリーから罵声じみた事を言われるが……

 

あれ? メアリーの後ろに居るのは…… どこかで見たことがある人がいる……

 

「焔? 焔なのか!」

 

「何だぁ? 気安く呼び捨てしやがって! てめぇなんて知ら……」

「え? 銀河にぃちゃん?!」

 

やっぱり焔だ! 来栖焔とは親戚で、小さい頃はよくお互いの家に遊びに行ったものだが……まさかここで会うとは……最後に会ったのは6年前、焔が7歳ぐらいの時か? 焔の両親が死んで、誰かに引きとられたと聞いていたがまさか魔法使いになっていたなんて……

 

「元気にしてたか?」

 

焔からの返事が無い代わりに顔をそむけられる。

 

どうしたんだ? 昔はもっと明るやつだったのに……

 

「……積もる話はあるが、戦いが終わったらゆっくり話でもしよう」

 

その時、メアリーのデバイスが鳴り何にやら話している。

「あ? おい! いま何っていった?」

「マジか、いつだ? あと何分でここに来る?」

 

「……」

 

「チッ! メンドクセー事になったぜ…… テメーら前線を下げるぞ!」

 

焔が意味不明だという顔で聞く。

「はあ? なんでだ! ここまで順調ねえのか! なんで下がる必要がある?

 

「Silence! 国軍がへばりやがった! 質問は後だ!」

 

「学園生徒は全員迅速に戻れ! 編成変更して備えるぞ」

 

すぐに会長から各生徒のデバイスに後退の指示が出された。

 

□□□

撤退戦

デバイスで撤退状況を確認すると一部、後退が後れているチームがある。

殿を努めてようとしているのか? 逃げ後れているのか? 分からないが、魔物が集まり始まっている! 急いで救援に向かわなければ……

 

何とか途中魔物に、遭遇する事なく現地に到着するとそこには智花、夏海、怜がいた。

 

夏海達もこちらに気づき、駆け寄って来る。

「何よ、何よ! 話が違うじゃない」

「第7次侵攻だから緊張してたら 最初は弱いのばかりで安心したら所に強いの来ないでよね!」

「こっちの都合を考えないし!」

夏海は無理難題を言って来る。

 

智花は呆れながら

「な、夏海ちゃん…… 気持ちは分かるけどそれはちょっと無理じゃないかな……」

 

怜も苦笑しながら

「しかしこれまでと比べ、魔物の強さと数が明らかに増えた」

「国軍はこんなに沢山の魔物を相手にしていたんだな」

 

「うん…… 私達も再来年…… 卒業すればここじゃなくて、もっと前にいるんだね」

「あと、どれぐらい続くんだろう……」

智花は、疲れもあり弱気になっている様だった。

 

その時、怜が慌てて叫ぶ

「前方から5体来るぞ! 囲まれたら勝ち目が無い!」

 

夏海も相当疲れているのか? いつもより弱気な事を言う。

「ま、魔力があってもそんな数…… 無理……」

 

一旦、体制を立て直さないと危険だ。先行して真理佳に魔物の牽制を頼む。

その間、皆に魔力供給する。これで何とか持ちこたえるれるばすだ。

魔力が回復した怜が突撃を試みようとするのを制止し、グラビディシェルの最大数10個を展開する。

 

「真理佳、戻って! 魔物の動きを一瞬止めるから各自 中距離から攻撃でいくぞ!」

グラビディシェルを全弾放ち、それぞれが魔物の動きを止める。そして智花達の魔法が飛び交う! 一撃で倒せない魔物は、バスターカノンの砲撃と真理佳に倒されて行く。

 

夏海が跳び跳ねて喜ぶ。

「すごい! すごい! あんたがいるとやっぱり違うな~ 全力で魔法が撃てるし、あんた以前より頼りになるじゃん」

 

「よし! このまま防衛ラインまで後退する」

 

全員頷き、急いで後退を始める。

 

防衛ライン近くまで戻って来ると、師匠(東雲アイラ)がこちらに向かって来た。

「少年、無事じゃったようだな」

「戻ってすぐですまんが、ちと一緒に前線にいくぞ!」

 

「何かあったんですか?」

 

「妾の仕事は幼年達の護衛だけじゃと思っていたが、そうも行かなくなった」

「国軍が相手しとった中に、タイコンデロガが混ざっておったらしい。流石に幼年達を連れて戦いに向かう訳にいかん」

 

「了解です! 一緒に行きます」

 

智花達も防衛ラインまで後少しだから、自分達だけて戻れると言ってくれる。真理佳を護衛に付け、師匠と一緒に行動する事にする。

 

「少年、目標はタイコンデロガじゃが途中、雑魚の群れを見つけたらついでに、叩いていくぞ」

「少しでも多く、妾たちで削れば防衛線のやつらが楽になるにはずじゃ」

 

「はい、魔力供給は任せて下さい! バンバン魔法を撃って下さい」

 

前線に向かう途中に、幾度か魔物の群れと遭遇するものの師匠が広域魔法で殲滅して行く。

「少年、流石じゃな。魔法が使いたい放題じゃ! 気持ちがいいのぅ」

 

□□□

前線付近

 

前方から大きな地響きが聞こえてくる。

現れたのは巨大な亀だ。会長と戦ったタイコンデロガよりは小さいがそれでも8メートルぐらいはあるか……

 

「なんじゃ、亀か? 動きはそれほど早くはないようじゃな、よし! スッポンにしてやるぞ」

 

だから…… 魔物ですよ。また消えちゃいますよ…… とは言えない。

 

「まずは引き連れている邪魔な雑魚を退治するぞ」

「少年、魔力供給じゃ! 行くぞ」

 

「tempest」と唱えると急に上空が暗くなり暴雨と雷の嵐がタイコンデロガを含み雑魚をなぎ払う!

 

雑魚は一撃で殲滅出来たが、流石にタイコンデロガはそうも行かない。ダメージもあまり受けていないようだ。

 

「流石は亀じゃな…… 思ったより堅いかもしれん」

「あまり時間も掛けられん、仕方がないか……」

 

師匠は何か諦めた様子で矢継ぎ早に話をする。

魔力供給は不要だから1人で時間を稼げ、魔物を倒した後に、自分を連れて安全な場所に退避しろ!と最後に本気で血を吸わせろと……

 

どうやら何か? 大規模魔法を使うらしい。

 

1人でタイコンデロガを相手…… 時間稼ぎなら何とかなるか…… 動きも遅いようだし。

 

「よし、行ってきます」

グラビディシェルを展開し、少しでも多く時間を稼ぐ事に専念する。

最初にグラビディシェルを全弾ぶつける! 的が大きい分、簡単に当たる! バスターカノンの魔法で亀の足元の地面を削り取り、バランスを崩させて動きを止める。

 

「少年、離れるんじゃ! 行くぞ」

 

師匠は踊るように、舞い唱えていく……

 

アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル。Photon Lancer Phalanx Shift 撃ち砕け!

 

師匠の周りには30を超える魔方陣が展開され、その魔方陣から轟音と共に、稲妻の槍が連続で撃ち出され続ける。

 

後で聞いた話だが魔方陣が32基、毎秒7発の斉射が4秒継続するらしく、合計1064発の稲妻の槍を目標に叩きつける事が出来るらしい。

 

流石のタイコンデロガでも一点集中された魔法の前に崩れ落ちて霧散して行った。

 

「す、すごい魔法です! タイコンデロガ級を一撃で払いました」

振り向いて師匠を見ると…… 体の皮膚などが木の皮の様に枯れてしまっている。

 

「だ、大丈夫ですか?」

 

「あ、あとは頼んじゃぞ……」

 

急ぎ師匠を背負い、その場から離れ安全な所まで避難する。

 

大きな木の陰で、そっと降ろし横に寝かせる。

 

 

「少年…… 血…… 痛いのは…… 最初だけ……」

「先っちょだけじゃ…… 先っちょだけ……」

 

 

取り合えず、道具やコップとかも無いので腕をまくり口元に差し出す。

 

師匠はガブリと腕を噛み、血を吸いはじめる!

すると徐々に、普段の姿に戻り始めていく。

 

確かに痛いのは最初だけだけど…… どんな原理なんだ本当に吸血鬼みたいだ。

 

「ぷはぁっ! ふへへ…… 美味じゃ」

「ふはははっ! 東雲アイラ、完全復活じゃ!」

 

「妾は魔法を一定の限界を越えて使うと、魔力と一緒に血が減ってさっき見たいな感じになるんじゃ」

 

普段は発動に時間がかかるのと使った後、体に負担がかかり動けなくなるので、滅多に使わない魔法だと言う。

 

「しかし、少年の血は美味じゃった! 定期的に飲めるなら何をやっても良いぞ、ほれ条件を言え」

 

「何なら体て支払っても良いぞ!」

 

「!!」

すごく魅力的な提案で、本気で考えたのは内緒!

 

ひとまず断り、休息を取りながら次の戦いに備える事にした。

 

END




いつもお読みいただきありがとうございます。

やはり第7大規模侵攻は1話に収まらず前編、後編になりそうです。しかも年末が近く、後編は遅れるかも知れません。
文中にあるアイラの魔法は他のアニメより流用です。

2016/10/29 一部修正完了済み

登場人物
円野真理佳
16歳 身長160㎝ 体重53㎏ B88 W59 H89
趣味 一日一膳 特技 空を飛ぶこと
憧れであるヒーローを目指して頑張っている。

メアリー・ウィリアムズ
17歳 身長167㎝ 体重59㎏ B89 W60 H90
趣味 銃をぶっぱなす 特技 銃をぶっぱなす
元軍人で魔法に覚醒してから学園に入学して来た。

来栖 焔
13歳 身長147㎝ 体重39㎏ B76 W53 H75
趣味 なし 特技 燃やすこと
幼い頃に両親を魔物に殺され敵討ちに生きる少女。



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