黄泉路への案内人   作:楽一

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第一五話

 

第一五話

 

 

 さて正月が過ぎ数三年がたった。

 

 私は宣言どおり階級は中将にのし上がった。だが、まぁ大将だと行動しにくい部分もある。まぁ三提督、レジアス、リンディさん以外はいまだに三佐ということにしている。

 

 あの後、シグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ、リイン、はやては嘱託魔法使いの試験に合格。なのは、フェイトもそれぞれ候補生となり訓練も終わった。

というかこんな短期間で訓練を終わらせるってどうなんだ?

 

 それに度重なる無理な魔法の行使を見てなどもなのはに休むよう忠告もしたが彼女はそれを無視し続けた。

 だが、そのつけがこんな形で来るとは予想外だった。

 

 

 

 

 

 

葵「なのは。顔色が悪いが大丈夫か?」

 

な「え? う、うん平気なの!」

 

葵「何度も言っているが体は大事にしろ。いくらお前に膨大な魔力があるとしても体を壊せば待っているの破滅だ。・・・やはり今日の任務は休め」

 

な「だ、大丈夫だよ! もう。葵君は大げさだな」

 

 そういってなのはは走り出し現場に向かうため転送ポートに向かう。

 

葵「・・・・一度大きな挫折をその体で体験しないとダメなのか」

 

 私はこの子の無茶に溜息をついた。荒療治かもしれないがここで彼女には必要なモノなのかもしれないな。

 

エ《よろしいのですかマスター?》

 

ル《間違い無くなのは無理をしている。いまとめないと》

 

葵「分かっている。だが今の彼女には大きな挫折と後悔を経験させねばらない。それが下手をすれば命取りになると言うことも。まぁ、なんとかなるだろう。私もついて行くし」

 

 

SIDEなのは

 

 

 一面真っ白で雪に覆われた世界。今回の任務地。何でもここでアンノウンが発見された見たいです。

 

 でも、それよりも気になるのは葵君のこと。わたしは挫折もしないし、後悔もしない。

 

な(皆と、友達でいるために! 魔法が唯一のわたしと・・・皆をつなげる役目をしてるの。だからそれを奪われたら・・・わたしから魔法を取ったら何も残らない。だから!)

 

 すると、目の前に情報にあったアンノウンが現れた。わたしはすぐにレイジングハートを構え迎撃しようとしたけど、

 

な「え!?(か、体が・・・)」

 

ヴィ「な!? なのは!?」

 

 目の前にはアンノウンがその刃を振り下ろそうとした。

 

な(間に合わ・・ない・・・・)

 

―ザシュ

 

 肉を切り裂く用の音がした。でも、私の体には一切痛みが無かった。

 

葵「はぁああああああ!!!」

 

―ギュシュッ

 

 鉄が鉄を切り裂くような音がし、その後目の前のアンノウンは爆発した。

 

 でも、その直後、

 

―フォン フォン フォン

 

 無数の魔法陣が現れ再起ほどの戸はまた違うアンノウンが現れた。

 

葵「ヴィータ。なのはを連れて下がれ」

 

ヴィ「あ、葵!? お前も!!」

 

 葵君は左目を斬られており目から血が流れ落ちていた。

 

 わたしは無理してでも立とうとし、

 

な「わたしは、大丈「いいから下がれ。お前がいても足手まといだ。今のお前で何ができる」」

 

ヴィ「でも葵が!」

 

葵「死なん。こんなところで死ねるか。ちゃんと生きて戻るから」

 

ヴィ「分かった・・・」

 

な「待って! 葵君が!!」

 

ヴィ「黙ってろ! あいつはちゃんと生きてあたしらの元に戻ってくる! あいつが言ったんだ!!」

 

 ヴィータちゃんは泣きながらわたしを連れてそのまま転移した。

 

 

SIDE Out

 

 

 

―病院 

 

葵「はぁ。ようやく怪我前まで戻ったか」

 

 あの後、現れたアンノウンはジャッジメントで完全に破壊した。その後気を失った私はすぐに他の部隊に救出された。

診断結果は左目失明。及び左脳一部損傷による右半身麻痺。つまり右半身が動かなくなったと言うことだ。

まぁ、すぐに病院送りになったが人目を盗んで心の世界に入り御三家の協力によって怪我前と同様になるまでに回復した。これには医者達も驚いていた。

 

 そして、同じ病院にいるなのはの見舞いに行くと、

 

フェ「ねぇ、嘘だよね! そうでしょシャマル!!」

 

 ん? なんだ騒がしいな。

 

葵「どうした」

 

 私が入ると、なのはを含め皆がこちらを見た。

 

リ「あ、葵!? もういいのか!?」

 

葵「ん? あぁ。治った」

 

な「・・・ねぇ、葵君」

 

 なのはがこちらを見て口を開けた。

 

葵(これがなのはだと? あの元気な少女なのか!?)

 

 ベッドに寝ていたのはなのはのはずだ。だが、元気もなければどこか生きるなにもが失っていたるように見えた。

 

な「何でわたしを助けたの?」

 

葵「・・・・なに?」

 

 一瞬何を言っているんだと思った。

 

な「なんでわたしを助けたの!? あそこで殺してくれれば一層楽だったのに!!」

 

ヴィ「高町お前何言ってやがる!?」

 

葵「なにを言っているんだお前・・・」

 

シャ「〈葵君・・・実は〉」

 

 するとシャマルからいまのなのはの状況を説明された。いままでの無理な魔力の行使や訓練がたたって体に相当な負担がかかっていた。最悪歩けるかどうかという域まで来ていると言うことだ。

 

葵「〈シャマル。あいつの足が治るかなおらないかは最悪のケースなんだな〉」

 

シャ「〈えぇ。リハビリをすれば歩くこともできるし、空を飛べることもできる。でもそのためにはかなり辛いことになるわ・・・〉」

 

な「わたしには・・・もう、何の価値もない・・・」

 

 私はなのはのそばに行き、

 

―パーン

 

な「・・・え」

 

フェ「あ、葵!?」

 

ヴィ「な、何してんだお前!?」

 

葵「黙ってろ。おいなのは。お前何言ったか分かっているのか!?」

 

な「・・・・」

 

葵「殺してくれ? はっ。私はあれほど再三忠告したよな? だがお前はそれを無視して任務に当たった。自業自得だ。だがな、あそこでお前が死ねば誰が悲しむ?」

 

な「・・・・・それは・・」

 

葵「痛い思いしてくれてお前を生んだ桃子さんや、お前の父である士朗さん、お前を愛してやまない恭也さんや、美由紀さんを悲しませる! それだけならまだしも友人である八神家やテスタロッサ家、ハラウオン家、月村家やアリサ達、ユーノ達も悲しむんだ!? それを分かって言ってるのか!?」

 

な「葵・・が・・る・・の?」

 

葵「なに?」

 

な「葵君に何がわかるの!? 怪我も左目だけで済んでるくせに!?」

 

 その言葉に私はついに切れなのはの胸ぐらをつかみベッドに押し付ける。

 

シャ「あ、葵君!? けが人に暴力は!?」

 

葵「なら言わせてもらおうか。お前は辛いだろうがリハビリをすればもう一度空も飛べれば歩けることもできる。だがな」

 

 そういって左目の包帯を取る。

 

 すると、なのはがかなり驚いていた。

 

葵「だがな私の左目にはもう光は入らないんだ! 二度と、一生な!」

 

な「え・・・・」

 

葵「いいかなのは、よく聞け。二度と無理をするな。その無理が次はフェイト、ヴィータ、もしくは誰かを傷つける。お前が無理をするのはおそらく魔法が唯一お前とその周りの人間をつなぐ接点だと思ってるからだろう」

 

な「そ、それは・・・・」

 

葵「お前の悪い癖だ。お前の周りにいる人たちはそんなに薄情なのか? フェイトもはやてもヴィータも、他の人たちも」

 

な「・・・葵君・・」

 

葵「お前はどうしたい。今後、一生魔歩を使わずにそのまま一生を終えるのか?」

 

な「・・・飛びたい・・・また、みんなといっしょに・・・空を飛びたい!!」

 

 ようやく言ったか。

 

葵「なら、頑張ってリハビリに励め。そのために私も、友もいるんだ」

 

な「・・・私、出来るかな・・」

 

葵「なのは。出来るかできないかじゃない。やるかやらないかだ。諦めずにただがむしゃらにやってみろ。そうしたらもう一度お前の願いがかなうかもしれん」

 

な「・・・そう・・だね。わたし、頑張ってみるよ!!」

 

葵「そっか。がんば「神無月さん! ここにいたんですか!?」げっ・・・」

 

 すると、そこにいたのは二人の看護士がいた。

 

看「はぁ、いいから病室に戻ってください。まだ安静にしていてくださいね」

 

葵「は、はい、すみません」

 

 そういって私は一人の看護士に連れられ病室に戻った。

 

 

SIDEなのは

 

 

 葵君が看護士さんに連れら自分の病室に戻っていった。

 

看「はぁ。あの人には驚かされてばかりだ」

 

な「え? あ、葵君に何かあったんですか?」

 

看「えっと・・・」

 

シャ「大丈夫ですよ。彼とはその、家族ですから」

 

看「そうですか。えっと神無月さんは高町さんをかばって左目を失明したんですよ」

 

な「はい。葵君から聞きました」

 

看「そうですか・・・。ですが、そこから刃が一部脳を損傷させていました」

 

 え・・・脳を・・・

 

看「それが原因で右半身まひを起こしたんです」

 

フェ「え!? で、でも葵歩いていましたよ!?」

 

看「えぇ。ですから驚いたんです。でもそのためには必死のリハビリに励んでいまして、起きて早々に右半身麻痺だと気付き、そこからは無茶をし続けまして、それで・・・」

 

ヴィ「・・・なんでそんなこと・・」

 

看「私も気になって聞いたら「この病院に助けた子がいてもし、この姿で彼女があったら心配するから。だから彼女に会うまでに怪我をする前の状態に戻さないと辺に罪悪感を抱かさないために、大切な者に心配をかけさせないために」って」

 

・・・あ、葵君がそんなことを・・・わたし、そんなことも知らずにあんなこと・・

 

な「わたし、頑張ってもう一度空を飛べるようにがんばる」

 

 わたしは葵君のために、皆ともう一度空を飛べるようにするために頑張ることを固く決心した。

 

 


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