黄泉路への案内人   作:楽一

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第五話

第五話

 

SIDEシャマル

 

 

 不思議な子ね。はやてちゃんも今までの主と違う。葵君はもっと不思議。主じゃないのにもかかわらず私たちを受け入れた。

 

シ「なぁ、シャマル」

 

シャ「なにかしら?」

 

シグ「あの子供、神無月といったか。あいつは、変わっているな」

 

シャ「どういうこと?」

 

 シグナムがそんなことを言うなんて珍しいわね。

 

シ「あいつの背中を見た時、怒りと同時に悲しみわいた」

 

 言ってることがむちゃくちゃね。それにあって間もないのにそんなことわかるわけがない。

 

シ「なぜかはわからんがそういう感情がこみあげてきたんだ。まるで自分自身の背中を見ているようで」

 

シャ「そう。でも、それなら誇りと思うんじゃないの? なんで怒りや悲しみなんかしら?」

 

シ「分からん。あと、シャマル。見たところ神無月は主はやてと同い年だ。にもかかわらず私とヴィータを一瞬にして黙らせる殺気、さらに我らを簡単に殺せるといったのだ。お前があいつの立場なら同じセリフを吐き実行できるか?」

 

シャ「・・・無理ね」

 

 でも、あの時の葵君なら可能だと思ってしまう。ほんとうに私たちを簡単に殺してしまえるような気もした。

 

シ「あぁ。だから私も真っ先に、主はやてに嫌われてもあいつを排除すべきだと思ったんだ。だが、ザフィーラと話しているのを聞いてな」

 

 どんなことを話してたんだろう。やっぱり、彼の魔法のことなんだろうか。

 

シ「彼は私たちのことを家族として見ているらしい」

 

シャ「・・・・え?」

 

シ「そうなるのもわかる。だが、ザフィーラはその真意も確かめたらしい。それを踏まえたうえで言ったらしい。プログラムである私たちでも生きていることには違いはない。なら、幸せを、未来をつかんでもいいんだとな」

 

 今回は幸せな場所に来た。そう心から思ってしまった。

 

シャ「こんかいは、主だけじゃなくて、友達にも恵まれたみたいね」

 

シ「あぁ」

 

 それに、

 

シャ「この布団に包まれてるとなんか幸せにならないシグナム?」

 

シ「ん? そうだな。なぜか心が温かい」

 

 あれ? そう言えば、この布団って・・・・あ

 

シャ「ねぇ、シグナム」

 

シ「なんだ?」

 

シャ「この布団って彼の、葵君の布団じゃなかったかしら///?」

 

シ「///!? なななななななにをいっているんだ!?」

 

 あら、顔真っ赤。こういうシグナムも新鮮ね♪

 

シ「だが、その、いやでは、ないな・・・・///」

 

シャ「え?」

 

シ「な、なんでもない///! 寝るぞ!」

 

 そういってシグナム反対を向いてしまった。

 

シャ「えぇ・・・」

 

 まさかね。

 

 

SIDE Out

 


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