黄泉路への案内人   作:楽一

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お久しぶりです。そしてお待たせしました。いやぁ最近季節はおかしいですね。寒くなったり熱くなったりと。


第五七話

第五七話

 

 

 旅館のある一室。周りには会議用のテーブルが周りを囲むようにおかれ、パソコンやら書類やらが置かれていた。そしてその中央には大きなスクリーンが置かれており、そこには中国最新ISの予定進路が示されていた。

 

千「では現状を説明する。二時間前東シナ海、さらに厳密して言うなら尖閣諸島の日本の排他的経済水域接岸域で中国軍保有の軍用IS『覇王』が制御から離れ現在こちらに向かっている」

 

 その後の様子を日本海上保安庁の偵察ヘリと海上自衛隊の巡視ヘリから入手した映像が映し出された。そこに映し出されたのは中国海軍の軍艦の残骸だった。

 

鈴「ちなみに兵士たちは?」

 

葵「分からんのほか言いようがないだろうな」

 

鈴「領海外だから?」

 

葵「そう。だから外交上不可能だ。それにこれは中国政府の自業自得でもあるだろ」

 

 一方的な軍の接岸域の侵犯、並びにISや軍艦などを出しての脅し。自業自得のほかに言いようがない。

 

ナ「その後、衛星の追跡による結果覇王はここから二キロ先の空域を横切ることがわかったわ。時間にして約五十分。覇王がスピードよりも攻撃性を重視して製造された結果が功を奏したわね」

 

千「学園上層部が専用機持ち全員にこの対処を命じてきた」

 

 全員に?

 

葵「生徒にこれを始末しろと? 軍用機に生徒を当てるのか!?」

 

千「あぁ」

 

ナ「悔しいけどそういう結果になったわ。轡理事長も最後まで抵抗したけど政府によって最終決定をされたわ」

 

葵「・・・・そうか日本政府がか」

 

 脅s・・・・・頼み込むか? 日本政府にお前らで何とかしろと。

 

セ「織斑先生。この覇王の詳しいスペックデータを要求しますわ」

 

千「分かった。だが、これは中国の最重要機密事項だ。漏えいをした場合査問委員会による裁判と最低二年の監視付きの生活を行ってもらう」

 

全員『了解』

 

 中国も渋々このことを了承した。だが、生徒にこのことを当てるのは無理があるだろ。

 

 その間に箒、一夏を除く全員による話し合いが行われていった。

 

鈴「完全な攻撃型。甲龍をベースとした龍砲をベーシックに置いた衝撃砲」

 

セ「それにミサイルポット、ガトリング、レールガン」

 

楯「スピードを削った分攻撃に余剰を回せるわけね」

 

簪「・・・・スピードを削った分、さらに防御も上げられてる」

 

シャル「長期戦は考えられるね」

 

ラ「だが、接近戦に関するデータが未知数だ。偵察は行えないのですか?」

 

 ラウラの提案には同意だ。これだけ鈍足、といっても量産型と比べればやはり早いが。

 

千「それは無理だ『そうでもないぞ』!?」

 

 そこから現れたのは、統楽様だ。

 

ファ「だ、大統領!?」

 

統『久しぶりだな。葵』

 

葵「はい。お久しぶりです。それよりも先程のお言葉ですが」

 

 あの言葉から察するに偵察が可能なのか、はたまたもう誰かが実施しているかのどちらかをのわせる言葉だ。

 

統『勘のいいお前ならもう誰が出ているかまで分かっているのではないか?』

 

 さすがは統楽様といったところだろうか。

 

葵「おおよその見当ですが」

 

 まず間違いなくあの二人だろ。まぁあの二人ならまず負けることはない。

 

真「!? お、織斑先生! ファイルス先生! 覇王に接近するIS二機あり。これは・・・・秋山式!?」

 

 山田教諭の一言に全員一斉に道真のほうを見た。

 

道「なるほどさね。統楽様よ、いや今はジョンソン様といった方がいいさねか?」

 

統『どちらでも』

 

道「あの二人を招集させたさねか。横須賀に駐屯している軍よりも確かに心強いさね」

 

千「あの二人とは・・・・葵も知っているのか?」

 

葵「ブリュンヒルデシリーズが二機。蒼天の翼、白天の槍だ。千冬にも渡した紅天の剣と同世代機だ」

 

 衛星からの映像が届いたのか、覇王と接近戦を繰り返している白天、一方それを支援している蒼天。

 

葵「道真、インカムあるか?」

 

道「ほれ」

 

 そういってインカムをもらい、

 

葵「マドカ、咲夜、撤退時だ。後退したのちエネルギーチャージを行え。合流後、作戦を説明する」

 

マ・咲「「了解」」

 

道「さてっと、二機のエネルギーチャージを行うさね。あと作戦はどうするさねか? 彼女たちのおかげで接近戦闘の実力はわかったさね」

 

 短時間だが、腕の中にレーザーソードを隠し持っていたのは確かだ。接近戦はあくまでも予備といったところだろ。

 

ラ「嫁よ!? あいつらはだれだ!?」

 

シャル「そうだよ!?」

 

葵「部下といった方がいいか、妹といった方がいい「妹?」・・・・義妹です」

 

 一夏さんが、こちらを顔は笑っているが、目が笑っていない笑顔でこちらを見ている、睨んでいるといった方が正確なのか? よくわからんがこちらを見ている。正直言って怖いです。

 

 そうこうしている間に、

 

マ「兄さん!」

 

咲「お兄ちゃん!」

 

 二人が到着し、私に抱き付いてきた。顔をこすりつてけてきているところが若干くすぐったいがまぁ、彼女たちの好きにさせてやるか。

 

千「なっ!?」

 

楯「え・・・うそ・・・」

 

箒「こ、これはいったい・・・」

 

 おそらくマドカの登場の影響だろ。一夏をはじめここにいる全員が驚いている。

 

千「あ、葵・・・これはいったいどいうことだ」

 

葵「ん? あぁ。これはな、単純に言えば気にするな、詮索するなということだ」

 

千「それでわかるわけないだろ!? どういう「私は言ったはずだ。気にするな、詮索するなと」ぐっ・・・・」

 

 まぁ簡単にいうと探ればきっとお前らの不利益になるし火の粉も飛んでくるからやめろということだ。

 

 さて、強引だが話を戻そう。今優先すべきはマドカのことではない。覇王をどうするかである。

 

葵「お楽しみ中申し訳ないが、マドカ、咲夜、報告を頼む」

 

 二人は私から離れ、

 

咲「はい。えっと、では覇王に関してですが、覇王は対接近戦用武器として方天画戟を所有してました」

 

シャル「やっぱりあったんだ」

 

咲「ですが、実際使用してみたらやはりというべきかパワータイプのせいか大ぶりです」

 

簪「そこを・・・・つけば」

 

マ「残念だがそうたやすくはない。遠距離、中距離型とは名ばかりではない。所有武器はミサイルランチャー、マシンガン、ショットガン、グレネードランチャー等豊富だ」

 

鈴「でも近ずけばこっちのもんでしょ?」

 

マ「そうでもない。これを見ればわかる」

 

 そういってマドカは一つの画像を出した。それは、

 

葵「・・・・・おい」

 

マ「間違えた。こっちだ」

 

 そうじゃない! 今の写真は何だ!? いつ撮った!?

 

ラ「あとで私にもくれないか?」

 

千「私もだ」

 

セ「わたくしもお願いいたしますわ」

 

一「是非に」

 

 そういって千冬たちが一斉にマドカのもとに行き交渉を開始した。え? どんな写真だったかって? いえるかあんな恥ずかしいものを///!!!

 

 そして元の立ち位置に戻り、何事もなかったかのように作戦会議を再開する。ただ違ったのは山田教諭の顔が赤かったぐらいだ。

 

マ「見ての通りこいつは盾を保有している。つまりたとえこれを交わしても接近戦用武器を回避される可能性は大いにある」

 

 本当にはじめやがったよ。何事もなかったかのように。もういいもーん。隅で拗ねてやる! 地面にのの字でも書いてやる。

 

千(に、兄さんが拗ねてる・・・か、かわいいかも)

 

一(あんなお兄ちゃんはじめて見た。写メ写メ)

 

箒(兄さん・・・・)

 

セ(あぁなんてかわいらしいんでしょ)

 

シャル(あ、なんか鼻から何かが)

 

ラ(これは最重要機密だな)

 

楯(かんちゃん! これどう!)

 

簪(共有・・・財産)

 

 といってもられんか。

 

 その後作戦は一夏の零落白夜での一撃で仕留めるということに落ち着こうとした。問題はその運搬方法だ。

 

千「この中で一番早いのは?」

 

セ「それでしたら私の・・・・鈴さん? あ、あなた、頭大丈夫ですの?」

 

鈴「は? あんたケンカ売ってる?」

 

セ「い、いえ、赤い液体が頭から」

 

鈴「はぁ・・・・ってなんじゃこりゃあぁあああああああ!!!?」

 

葵「鈴のじゃないな。天井からなんか落ちてきてるぞ?」

 

 そして、ファイルスがほうき(箒じゃないよ)で天井をつつくと、そこから出てきたのは、

 

葵「なんでお前がそこから出てくる」

 

束「は、話を聞かせてもらったよ! あ、あと束さんにも先ほどの写真プリーズね!」

 

 束の説明によると紅椿は第四世代に部類される来意。通常といっても第三世代が行うのがパッケージという後付装甲による一式が必要になる。それらを装備することにより大幅にパワーアップを行う。

 

 第四世代というのはそれを必要としない。装備装甲を独自に変化することによって何倍ものエネルギーを得られるということだ。

 

束「よってこの作戦は箒ちゃんといっちゃんに任せるのがお勧めだよ」

 

 そういい終える束。だが、この終え方だと、

 

葵「まて、今のだと作戦を推挙しただけになる。決定ではないのか?」

 

束「何を言いますか。この案より良いものをお持ちじゃないのあっくん?」

 

 その言葉に一斉にこちらが見る。

 

葵「はぁ、そうだな。案は二つ。一つは一夏、私、箒による短期決戦。一方は全員による長期戦だ」

 

ファ「何が違うんですか?」

 

葵「メリットとデメリットを含めていうぞ。短期決戦はその速度だ。三人で一撃で決めることによって時間的にもほかの者たちの精神的、さらに操縦者の負担を減らせる。だが、イレギュラーの発生によって簡単崩される」

シャル「人数の少なさによる対応ができないから」

葵「そうだ。長期戦は波状攻撃を仕掛ける。第一波は箒、一夏、千冬、咲夜、楯無による接近戦攻撃、第二波は私、鈴、シャル、マドカによる中距離攻撃による支援と第一波との交代攻撃、第三波はラウラ、セシリア、簪、ファイルスによる完全支援攻撃だ。時間はかかるがより確実だろ。デメリットは時間がかかる上に全体の疲労がかかること。あと全員の出撃によるため予備選力による足止めなどができない。これぐらいだろ。決断はお前に任す織斑教諭」

 

 千冬は思い悩んだ。どうすべきか、自分がとるべき選択は。そして、

 

 

 

 

 

千「案は第一案の短期戦に持ち込む。準備をしろ葵、織斑、篠ノ之」

 

 

 

 

 

一・箒「「はい!」」

 

葵「了解した」

 

 

 




次回は葵・箒・一夏VS覇王!



















だといいな。たぶんなるよ。

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