黄泉路への案内人   作:楽一

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第四六話

 

第四六話

 

SIDE第三者

 

???「ほぉ。大英雄(殺人鬼)がここにいるとはね」

 

 その場に立っていたのは人間にしては肌の色が白すぎる。そして人間と決定的に違うのが目だ。

 

ラ「何だあれは・・・・」

 

一「人間・・・じゃない」

 

 人間でいう白い目の部分が黒く、黒い部分が赤い。そして腰まで伸びる白い髪。不気味さ漂う赤黒い甲冑と槍をもってその場に畏怖と異様さを漂わせていた。

 

葵「・・・・レベル3(よりによってこいつか)」

 

 異端児に続いて次がレベル3とは分が悪すぎやしないか? とつぶやく葵。

 

レベル3「お前と出会えて光栄だ。お前の首を手土産に持っていけばさぞ父上もお喜びになる」

 

葵「(父? まさかこいつ)零始のことか?」

 

レベル3「そうだ。それ以外に何がある。まだあの方は生きておられる。たとえあの大戦がこちら側が敗れたとしても、あの方は別世界で世界の再構築を行われる!!」

 

葵(こいつ零始が死んだことを知らない? それに大戦という言葉、まさか第三次世界大戦の生き残り!? まずいな。そうなると零始事件の残党だけでなく大戦時の残党もまだいるということか・・・・骨が折れそうだ)

 

 そういいつつも、葵は武器を構える。

 

葵「〈エクス、攻撃を非殺傷から殺傷設定へ。確実にやつを殺(や)る〉」

 

エ≪イエスマイマスター≫

 

葵「であってそうそうですが、この場からご退場願いましょうかね!」

 

 そういってアルヴォ構える間もなく放つ。

 

レベル3「ほぉ」

 

 それを見てかわすレベル3。

 

レベル3「さすがというべきか、腕は衰えていないようだな」

 

葵「おかげさまでな」

 

 銃撃に槍戦を交えながら戦っていく。

 

 時に槍が葵を襲うがそれを銃撃でうまい具合に間合いを取り、盾に収納されたソードを射出し次々と弾丸を射出する。

 

 誰もが思うだろう。これが決勝戦では? と。だが実際これが殺し合いだと知ったら皆どう思うだろう。納得するもの否定するもの、拒絶するもの、受け入れる者理解するものとさまざまであろう。

 

 だが今この二人には関係なかった。

 

 ただ勝つか負けるか。殺すか殺されるか、生きるか死ぬか。ただそれだけで、ただそのためだけに闘っている。いや戦っている。

 

レベル3「ちっ、ちょこまかと。――――ん? あぁなるほど」

 

 すると、彼は何かに気付いたのか、その視線を応用に葵もその先を見た。だが、これがまずかった。

 

葵「!? やめろ!」

 

 威嚇射撃で弾幕を張り攻撃の的を絞らせないようにする。その間に彼はオープンチャンネルで一夏、ラウラ、シャルに対し避難指示を出す。それと同時に、千冬たちに学生の避難を促す。

 

 それでもレベル3はターゲットを変えようとはしなかった。

 

葵(やむ得ないか・・・・一気にけりをつけるか?)

 

 遠距離攻撃では奴がロックオンを外さない。接近戦に持ち込んでこちらに視線を移させその間に、と考えた葵はそれを実行に移した。

 

 腰部についているビームソード二本をを抜き、斬りかかる。

 

葵「はぁっ!」

 

レベル3「ちっ!? そうきやがったか」

 

 だが、武装の特徴上黒騎士と違い俊敏性に欠ける白騎士。

 

葵(ちっ、これでは火力で押し通しても無理がある)

 

 火力で押し通すか? それだと被害が大きい。なら? と考えを巡らせながらも決定的だけ気を与えることができないと答えが出される。なら黒騎士は? それはそれで今度は火力に欠ける。ジャッジメントでも隙が大きいい。なら? 青騎士? それはまだ早すぎる。赤騎士? それは無差別に攻撃する可能性が出てくる。どの答えでもまずい。その時ふとある答えが導き出される。

 

葵(フリーダム。彼女なら!)

 

 答えが決まった。本当に大丈夫か? 周りに影響は? 諸外国はどう出る? 考えれば考えるほどいろんな疑問は出る。だが、そんな考えは一瞬にして消え去る。なぜなら。

 

葵「(時間が惜しい)〈フリーダム! 行くぞ!〉」

 

フ≪イエス!≫

 

 一瞬にしてまばゆい光が照らすと、その場から出てきたのは全身装甲の葵だった。

 

レベル3「なんだそれは!?」

 

葵「お前にこたえる義理はない!」

 

 問答無用でビームサーベルを振るう。エターナルフリーダムは赤や青と比べればやはり劣る部分はあるが白、黒に負けずとも劣らない力だ

 

 

 

 

 

 一方のモニタールームでは、

 

千「あれは・・・・フリーダム!?」

 

ナ「あれはまだ申請中でしょ!? まだつかっちゃまずいんじゃ!?」

 

真「で、でもあれを使わないとまずいんじゃ・・・・」

 

 教師陣はまだ申請中のため使用制限がかかっている。そのためおいおいどうなるかわかったもんじゃないという感じだった。当然生徒もそれはわかっていた。

 

ハ「はぁ。仕方ないわね。ちょっと借りるわよ」

 

 そういって山田教諭のインカムを借りてある者たちと二、三連絡を取るとモニターにある人物たちが出る。

 

ハ「今回のことどうするか決まったかしら?」

 

???『まぁいいじゃろ』

 

???『状況だけにやむ得まい。責任は三分割でいいか?』

 

 モニターに映し出されたのは米国大統領ジョンソン・G・ハドソン(統楽)とロシア大統領フェーリス・オルフ(貞永)であった。

 

ジョ『あいつには勝ってもらわんといかんからな』

 

フェー『まぁあ奴が負けるわないからの。見させてもらうわ』

 

 そういうとモニターは切れた。

 

ハ「はい。これでOK。常任理事国三か国承認。つまり過半数は越えたわけね」

 

 そういって再び椅子に座りその戦いに視線を移した。

 

 

 

 

葵「そこ!」

 

―――ザシュッ

 

 肉を焼けきる音。レベル3の右腕を切り取ったのだ。

 

レベル3「この死にぞこないが!!」

 

 方腕一本となった現状もものともせず槍を振るう。これが人間ならどれだけ立派な軍人といえよう。だが、それも人外となると話は別だ。

 

 機動性、攻撃力、防御力を手に入れた現状は明らかに葵のほうへと傾いていた。

 

 ビットを使い狙いを一形に向けさせないようにしつつ自分の間合いに合わせる。

 

レベル3「くそがっ!!」

 

 結果形勢は逆転。葵優勢に傾いた。

 

葵「これで!」

 

レベル3「させっか!!」

 

 首を狙いビームサーベルを振るう葵に対し、心臓めがけ一突きしようとするレベル3。

 

 運良くて同士討ち。悪ければどちらかに軍配が傾けられる。だが、

 

???「させないよ!!」

 

???「嫁を殺させるわけにはいかないんでな!」

 

???「僕たちを忘れられたら困るね」

 

 刀がレベル3の残った腕を斬り、ワイヤーがレベル3の身動きを止め、盾殺し(シールド・ピアーズ)がレベル3の胸を貫く。

 

葵「お前ら?!」

 

レベル3「人間がぁあああああ!!!」

 

 身動き取れないレベル3。そして武器をも取り上げられ何をするかわからない。ただ、赤い球体上の者がむき出しになり光を放ち始めようとした。

 

レベル3「ただで死ねるかああああ!!」

 

 導き出される答えは、

 

葵「(自爆!?)させるかぁあああああああ!!!」

 

 球体めがけビームサーベルを振り下ろす。球体は真っ二つになり、そして、粉々に砕ける。

 

レベル3「ち、ちくしょうがぁ・・・・父上・・・・申し訳ない・・・・」

 

 コアを砕かれたレベル3は砂のようにさらさらとなり、風に乗って消えていった。

 

SIDEOut

 

事件と呼んでいいのかはわからにが兎にも角にも【不の者】を退治し終えた私たちを待っていたのは、

 

ハ「お疲れ葵」

 

葵「は、ハミル・エルエ大統領・・・・な、なぜここに?」

 

ハ「あら。私は関係者よ。ねぇデュノア君?」

 

シャル「ふぇ!? な、なんで僕に?」

 

ハ「あら。私はフランス大統領。つまり彼の保証人でもあるのよ」

 

葵(かなり強引だな・・・・)

 

ハ「あら? 何かモノ言いたそうな顔ね。それとも何ならジョンソンにも伝えようかしら?」

 

葵「いいえ!! 結構です!!」

 

 地獄を見るぐらいならこれぐらい見逃した方がお得だ。

 

 あらそう? そう言い残しハミルこと蓮鏡はその場を後にした。ただ、念話で、

 

ハ「〈一応言っておくけど気を付けておきなさい。今回の一件で世界はこれに目を向けるわ。良くも悪くもケルベロスに討伐令か捕獲命令が下るわよ〉」

 

 本当に災難だ。討伐令ならともかく捕獲なんて不可能だ。こちらからお断りだ。

 

千「それよりもさっきのは何だったんだ? ケルベロスと何か関係はあるのか?」

 

葵「ケルベロスと関係あるのであればすでに国際問題になっているはずですからそれはないですね。というかそれ以前にあんなものが出てきたらまず真っ先にここに連絡が来るでしょ」

 

ナ「でも実際あれは教官のことを大英雄と」

 

真「あと殺人鬼とも」

 

葵「さぁ? としか答えようがないんですが。というかそもそも偉業をなしてもいないのに英雄と呼ばれる筋合いもないし、そんな歴史に負を刻む事件を起こしたわけでもないのでそんな言われる覚えはないんですよね」

 

 いえいえ、しっかりしてますよはい。それも二回も。

 

鈴「誰かと勘違い?」

 

箒「まぁそれしかないだろうな」

 

一「そもそもお兄ちゃんを英雄扱いしたら入学時点で誰もが知ってるはずだし」

 

ラ「もう一個のほうも然りか」

 

シャル「じゃあ本当になんだったんだろ?」

 

簪「・・・・謎が深まるばかり」

 

 皆が皆う~んとうなっているがまぁ答えは出ないだろうな。

 

葵「まぁ今回のことはあの化け物? でいいのか、その言葉は置いておいてあいつの存在そのもののほうを機にすべきだろうな」

 

楯「あれが一体なのか複数いるのか。はたまたどこかが対IS用に開発したのか。いろいろ線はあるでしょうけどね」

 

真「それよりもこれってどうなるんでしょうか?」

 

千「何がだ?」

 

真「大会です。こんなことが起こったんですよ? 優勝云々かんぬんじゃなくなったと思うんですが」

 

 決勝戦まで来たラウラ・一夏ペアとともに戦ってきたがその意見に異を唱えていた。

 

一「そ、それはおかしいと思います!」

 

ラ「そうだ! そ、そんなことをすればここまで勝ち残ってきた苦労が水の泡だ!」

 

シャル「そ、そうです! せ、せめて同時優勝を!」

 

 一方の敗退した箒、セシリア、鈴、簪は、

 

箒「確かに山田先生の言うとおりだな」

 

セ「あれは仕方ありませんわ」

 

鈴「予想外の敵の参戦だもんね」

 

簪「・・・無効も仕方ない」

 

 何やら勝ち誇ったような顔をしているが、何に勝ったんだ?

 

葵「まぁ仕方ないか」

 

一・ラ・シャル「えぇ!?」

 

葵「予想外の敵の出現。まぁ敵かどうかはさておき、IS装備なしでISと渡り合える力。ある意味現社会の根幹を揺るがすぞ」

 

 事件の究明するために世界は動き出すだろう。当然IS学園も例外ではない。となると今回の大会のことなど後回しになる。

 

 まぁ私の一声かどうかはさておき、結果は大会は無効となり優勝もなしということになった。

 

ラ「なんだ・・・・このやりきれない感じは・・・・」

 

一「あんまりだよ・・・・」

 

シャル「あはは・・・・はぁ」

 

 あれから数時間後、事情聴取というか、なんというかあれこれ聞かれた。ケルベロスとしてというか私自身としてはアンノウンによる急襲、アンノウンの正体の解明を急ぐ。というような形で終わらせたことで良しとしよう。

 

 そしてその聴取の最後だった私が食堂に入ってくると、決勝戦まで残った者たちが津国に突っ伏していた。シャルもその光景に逃げ笑いしていたと思ったらいきなり溜息を吐く始末。

 

葵「優勝できなかったのがそんなに悔しいか? 来年もあると思うが」

 

一「・・・・はぁ(知らぬは本人だけ・・・・)」

 

ラ「・・・・ため息をつきたいのはお前だけじゃないぞ(本当にわからんのか嫁よ)」

 

シャル「・・・・気楽はいいよね(ホント。人の気も知らないで)」

 

 なに? 私は何か悪いことしたか?

 

 そして隣の机でも何やら落ち込んでいる者たちが・・・・というかここにいる人間すべてがといっても過言ではないな。

 

葵「そういえば箒」

 

箒「なんだ兄さん」

 

 若干暗い顔でこっちを見てくる。なんだ・・・本当になんか大事な試験で落ちた受験者みたいだぞ・・・・。

 

葵「優勝こそしなかったがまぁ頑張った褒美だ。何か一つお願いを聞こう」

 

箒「?! 本当か兄さん!?」

 

 ガバッと急に立ち上がり一瞬で私の目と鼻の先に来た箒。

 

葵「(・・・これだけの瞬間加速ができれば試合勝てたんじゃないのか?)あぁ、不可能じゃない範囲だがな」

 

箒「たとえば?」

 

葵「高いものを買ってとか、旅行とか、あとまぁ学生の想像の範囲だな。あと結婚とか法律的なものもな」

 

 これを言っておかないと変な過ちを犯しそうで怖い。

 

箒「そ、そうか。(結婚は無理か。まぁそれはおいおい手順を踏めば・・・)じゃ、じゃあ今度の休みに一緒に買い物に付き合ってくれないか?」

 

葵「あかそれぐらいでいいのなら。(よかった・・・策士な連中ならここでじゃあ結婚だめなら籍を入れてとか言葉を変えていうやつがいるからな)」

 

箒「や、やった!(これって実質的なデートだな・・・・に、兄さんとデート///)」

 

 喜んで今にも舞を踊りそうな勢いの箒。だが、これで終われば楽なんだがそうは問屋が卸してくれない。

 

一「なっ!? 箒ちゃんだけずるい!」

 

ラ「嫁よ。私にはないのか?」

 

シャル「ぱ、パートナーである僕もほしいよ!」

 

鈴「同じ敗者なのに差別はよくないわよ!」

 

セ「敗者をねぎらうのも紳士の務めですわ!」

 

簪「公平に・・・・扱うべき」

 

 ・・・・・アレ? もしかして変な地雷踏んだ?

 

葵「・・・・一人ひとり言ってたらおそらく日数がかかる。だから今度の夏休みに家に招くということでいいか?」

 

 しぶしぶながら全員が納得した。何とか回避? に成功した。

 

 だが葵は知らなかった。腹の中では皆思惑があったことを(by:作者)

 

一(家に来る。それも夏休みの一日。ならその日お兄ちゃんとこっそりでかければ・・・)

 

箒(こっそり抜け駆けすれば・・・・)

 

セ(わざとみなさんが用事のある日に行けば・・・・)

 

鈴(適当に理由をつけてその日に・・・)

 

簪(こっそり家に連れていけば・・・・)

 

ラ「嫁よ。この日は用事はあるか?」

 

シャル「ら、ラウラ!? 何してんの!?(抜け駆けさせないよ!)」

 

・・・・一人だけ声に出てというか実行してましたね(by以下ry)

 

 


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