黄泉路への案内人   作:楽一

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仕事だから本日はこれまで!


第三七話

 

 

第三七話

 

 

SIDE帝

 

 

 来た来た来たぜ! あのゴーレムが!

 

女子生徒「なにあれ!?」

 

女子生徒2「所属不明のIS!?」

 

 原作とは違い鈴が一組に編入、それだけでなく本来四組にいるはずの簪が二組にいる。その結果一夏と鈴という対戦像から一夏と簪となった。

 

帝(オレがここに入ってこのゴーレムを倒して二人の好感度を上げる。そうすれば!)

 

 彼の中で妄想は膨らんでいき、

 

帝「よし。オレが倒してやる!」

 

 すると周りからは黄色い歓声が飛ぶ。

 

帝「よし、エターナルフリーダム! 行くぞ!」

 

 そういって彼が呼びだすISは青、白、赤、そして関節部が金色で背中に翼をもつこれまた所属不明のIS、彼が言った言葉を借りるならゴーレムと同じ全身(フル・)装甲(スキン)の機体(ぶっちゃけ種運命の電撃の自由だっけ? 日本語訳するとである)

 

帝「(さて、ちゃっちゃと倒して二人の好感度UPといきますか!)神城帝! 出る!」

 

 

SIDEout

 

 

葵(あれは・・・束か?)

 

 ぱっと見た限り人間が操縦してそうではない。なにやら機械じみている。動きが人間の考えての行動や野生の勘とかではなくどこか組み込まれた行動という感じがしてならない。

 

葵「(確かめるか)〈私だ。道実、そこに束はいるか?〉」

 

道「〈いるさねよ。あぁ、今さっき乱入してきたISさねか?〉」

 

 道実が知っている。ということは・・・・・

 

道「〈お察しの通りさね。あれを開発したのは束さねよ〉」

 

 そうか・・・・あれ? 開発したのは?

 

葵「〈では今回の騒動に介入は?〉」

 

道「〈本来ならする予定さね。でも葵もわかってると思うさねが「〈あっくん?! お願いあの子を止めて!!!〉」今その辺を話してるさね。落ちつくさねよ束〉」

 

 何か今束の悲痛な叫びが聞こえたぞ?

 

葵「〈ともかく説明しろ〉」

 

道「〈本来なら現在通りそこに武力介入させる予定だったさね。いわば強引さねが一夏ちゃんのレベルアップのためさね。でも、予定は完全に狂った〉」

 

葵「〈そうか?〉」

 

 あれが組み込まれたプログラムなら納得できる。だが、

 

道「〈本来ならそこにもう一人いるさね。あの子と話して足り攻撃をしなかったらこちらも攻撃はしないように安全策をとってるさね。でも〉」

 

 今はそれが作動していない。プログラムの故障? いや、二人に限ってそんなことは無い。なら、

 

道「〈最悪のケースさね。それも想定しているなかの〉」

 

 結果【不の者】に行きつく。

 

 もう一度画面の方を見ると確かにゴーレムは話そうが話してなかろうが関係なしに攻撃を仕掛けている。そしてもう一つ気になったことが、

 

葵「・・・・おい、あいつはどういう神経をしているんだ!?」

 

道「〈なにがあった―――あぁ。なるほど〉」

 

 道実も画面を見るともう一人のISが乱入していた。確か新庄君。

 

千「あのバカが!? 死にに行くつもりか!?」

 

 装備や装甲、そういったものは問題ない。だが、動き一つ一つが雑だ。

 

セ「・・・・自動稼働兵器、あの翼はそういうことだったのですわね。でも、あれでは」

 

 一時前のセシリア・・・いや、それよりもひどい。自立稼働兵器は自分を囮にして相手の死角を狙い打ちしたり、その逆をしたり、数で圧倒して敵を混乱させたりと幅広く行ける。あの時のセシリアは止まっていたりはしたもののそれが出来ていた。だが、

 

新庄君(?)「支援するぞ一夏!」

 

一「ちょ!? 何でここで撃つの!?」

 

 一夏の最大のチャンスをつぶしたり、

 

新庄君(?)「無事か簪?」

 

簪「・・・・邪魔・・・何でここでかばうの」

 

 ミサイル発射の寸前で敵も狙っていなかったにもかかわらず射線上に出てくるわでもうめちゃくちゃだ。

 

葵「めちゃくちゃだ」

 

ナ「・・・・邪魔もここまで来るとすがすがしい・・・ことはないわね」

 

千「・・・・・・」

 

 千冬に至ってはもう目線すらも合わせようとしていない。

 

 誰もが思ったことだ。

 

箒「あのビームソード。質は良いが扱う人間が・・・・あそこであんな大ぶりをするか!?」

 

鈴「銃も下手。あそこで二丁であんなに乱射すれば後方に居る一夏に当たるでしょうが!?」

 

楯「なにがしたいの?」

 

 楯無の意見に賛同だ。そう思い命令権を使おうとしたとき、ゴーレムの動きが止まった。

 

新庄君(?)「はっ、俺におそれおののいたか?」

 

 それは無いな。だが、次の瞬間に私は寒気がした。

 

葵「・・・・まさか」

 

―――グルカッカッカッカッカッカ!!!!!!!

 

 ISが啼いた。それも一番今聞きたく無い泣き声だった。

 

葵「・・・・異端児・・・だと」

 

 頭を巡らせた。今の異端児に白か黒で挑めるか? 否。明らかに何かが不足している。黒なら防御力、白なら速度。なら青? いや、これだとばれる。今ここで情報を明らかにするのは下策だ。なら、

 

葵(赤・・・か)

 

 そう決めて実行しようとしたとき、

 

道「〈葵聞こえるさねか?〉」

 

葵「〈あぁ〉」

 

道「〈今大事なことを言っておくさねよ〉」

 

 大事なこと?

 

道「〈今葵は神、つまり創造神としての身体じゃなくて人間の体さね〉」

 

葵「・・・・はぁあああああああ!!?」

 

千「!?」

 

真「ひっ!?」

 

ナ「な、なに!?」

 

 すると、教師陣はむろんその場にいた全員が驚いていた。

 

葵「す、すまん〈で、どういうことだ?〉」

 

道「〈最初に言っておくべきだったさねが貞永様の乱入で葵の身体にも異常が発生したさね。赤騎士も葵が創造神だったからデメリットが解消されてたさねが今はかなり危険さね〉」

 

葵「〈持ってどれぐらいだ?〉」

 

道「〈約5分、無理をして7分〉」

 

葵「〈それだけあれば十分だ〉アギト、リイン。お前らは今回はここにいろ」

 

リイン「え? どうしてですか?」

 

アギト「そうだぜ! あたしらは兄貴と一緒に行くぜ!!」

 

葵「あいつにばれるといろいろとまずい。〈なにしろあいつは転生者だ。お前らを知っている可能性がある。そうなると今後の作戦に支障が出る〉」

 

 そう。今のあいつはそういう確定事項として考えた方がスムーズに処理が行く。アギト、リインは今後もステルスモード、特にあいつの目の前ではそうしておいてもらえると助かる。

 

葵「では行くか。あと、ケルベロスの権限を持って現時刻から現状の戦闘の記録を一切禁ずる! これはお願いでも何でもない。命令であり、厳命だ!」

 

 そう言い残し私は現在教職員が突入待機しているゲートまで来た。

 

 

SIDE第三者

 

 

先生「君は、神無月君だっけ?」

 

葵「えぇ。今現時刻よりここの指揮権並びに命令権は私に移譲されました。教師陣並びに専用機持ちはなるべく生徒の避難誘導を最優先に」

 

上級生「でも、ならあれはどうするの!?」

 

先生「まさか君一人で止めるつもり?」

 

葵「まぁそうなりますかね」

 

先生2「無茶だ!」

 

葵「ならこれを見てからにしていただきたい。〈エクス、ルミル、スリープモードへ移行〉」

 

エ・ル《イエスマイマスター。御武運を》

 

 ありがとう二人とも。さて、では地獄をお見せしましょうか。恐怖と畏怖をこの地に。

 

葵「絶望へ誘い、その先に無しか残らない。赤騎士!」

 

 すると周りの空気が一瞬にして変わる。ピリピリと張り詰め、恐怖のためか体の芯から底冷えするような感覚。

 

葵「くっ、がぁ」

 

 うまく言葉放てないか。仕方がないと言えばし方がない。感覚で制御をしているが時間がない。一気にけりをつけるか。

 

先生「な、なにこ、この異様な空気・・・・・」

 

葵「後は・・・タノ・・・ミ・・・マス」

 

 それを最後に私は人の言葉を手放した。

 

葵「Gyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!」

 

全員「ひっ?!」

 

 ISの兵器でも簡単に破れない堅牢な扉も赤騎士の前ではただの紙切れ同様だ。パンチ一発で扉は吹き飛び、

 

葵「Galaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!」

 

一「え!? な、何!?」

 

簪「赤い・・・騎士? ・・・秋山・・・式?」

 

新庄君(?)「(!? またイレギュラーかよ!?)まぁいい、まとめて倒してやる!」

 

一・簪((いや、多分、絶対無理だから))

 

 ・・・・・まずは邪魔ものその位置に御退場願おうか。

 

 私は一瞬にして新庄君の目の前まで行き、

 

新庄君(?)「なっ!?」

 

 アッパー!

 

新庄君(?)「ぐへっ!?」

 

 その勢いのままお星様へ。(ちなみに先ほどのアッパー一発で戦艦クラスは落とせます)

 

 さて、邪魔ものは一瞬にして御退場していただいたし残すは。

 

葵「・・・・・・」

 

ゴーレム「・・・・・・・・・・」

 

 互いに向かい合い、そして無言でにらみ合う。そして、

 

――ズガァアアアン!!!

 

 互いの拳がぶつかり合った。空間を振動させたが、圧倒的な力量差は誰が見るより明らかだった。ゴーレムの拳が砕け散った。

 

 ゴーレムは接近戦では勝てないと判断したのか距離をとった。だが、

 

葵「AAaaaaaaa!!!!」

 

 一気に距離を詰め両足を蹴り飛ばす。ただ蹴り飛ばすのではなくその衝撃でゴーレムの両足はもがれた。

 

葵「Ggaaaaaaa!!」

 

 こちらに倒れこんできたすきを逃さずコアのある部分を貫きそのままコアを捕獲する。

 

 そして、

 

葵(ここから出て行け! 異端児!!)

 

 するとコアから黒い靄が出てきてそこから人の型を模した何かが出てきた。

 

 それは紛れもなくいた異端児だった。

 

――グルカッカッカッカッカッカ!!!

 

 その背中から無数の鋭い触手が一夏たちを狙うが、

 

葵「GAaaaaaaa!!!」

 

 虚無の魔法の前には無駄。タイムリミット残り2分と41秒。

 

 私は一気に加速をし異端児の背中をとる。そのままけりを入れ地面にたたきつけると、

 

葵「Aaaaaaaaaaa!!!」

 

 口元に収束魔法を整える。そして、

 

――ガシュゥウウウウウン!!!

 

 赤黒い閃光がそのまま異端児のいた場所まで伸びる。だが、寸前のところで異端児は回避。避けた場所にはぽっかりとちょうど半球状の空洞が空いた。

 

千「・・・何なんだこの戦いは」

 

 モニターで見ていた千冬、そして他の教師や箒たちも思っただろう。明らかにもうISの戦いじゃない。いや、戦いとい言うより殺し合いだ。

 

―――殺すコロスコロスコロスコロスコロスコロス

 

真「・・・・な、なんですかこの声・・・・」

 

ナ「頭に、響く・・・・」

 

セ「子供!?」

 

箒「女の・・・子か?」

 

鈴「他にも・・・気持・・・悪・・」

 

楯「恨み、憎しみ、怒り、憎悪・・・(まるで戦争で死んだみたいな・・・)」

 

 異端児から聞こえるその叫び、いや呪文といっていいほどももはや一種の呪いだ。

 

 その影響を受けていたのはここにいる人たちだけではなかった。観客席にいた生徒たちにもそれは届いていた。ある者は恐怖のためか動けなかった。だが、これがいけなかった。

 

千「しまっ!」

 

 異端児は赤騎士からすぐにそちらに視線を移し、そして。

 

――グルァアアアアアアアアア!!!

 

 問答無用で赤く血塗られた魔法の矢を無数に浮かべ

 

―――がぁああああああ!

 

 放つ。その射線上の先には避難に遅れた生徒たちがいた。

 

簪「っ!?」

 

一「ダメ!!」

 

 だが、

 

――ズシャっ!

 

 その矢は赤騎士、葵の展開した赤い翼状の魔法防壁(魔法陣を消している)によって通すことは無く展開が遅れた部分は己が体で護り通した。だが、葵の体には少なくても10以上の矢が刺さっていた。

 

葵「GYAaaaaaaaaaaaaaa!!!」

 

 それでも彼は止まることはしなかった。刺さった矢を引き抜き感情の赴くままに異端児に投げつけ、最後の二本を引き抜くと、

 

葵「GYAAAAAAAああああああ!!!!」

 

―――ギャァアアアアアア!!!

 

 その矢で異端児の両肩につき刺した。そして両腕が使い物にならないようその腕を引きちぎると、そこから血と思わしき液体が異端児から噴出。

 

 それでももなたらないかのように葵は異端児の顔面を殴り地面にたたきつける。

 

千「織斑と更識は!?」

 

真「途中大きなすきを見て撤退完了。他の生徒たちも無事に避難しました。残っているのは葵君と、あのアンノーンです」

 

 そして、再び動いた。

 

 異端児は攻撃をすれど、葵はそれを無視して突き進み攻撃を繰り出す。殴る、蹴る、斬る、撃つ。もはや怪獣映画か何かというような迫力だが、一歩間違えばこれは死ぬ。

 

葵(残りは・・・・まずいな思ったよりかけ過ぎた。このまま――ゴホッ!?)

 

ナ「!? 彼の動きが止まった?!」

 

千「なっ?!」

 

 だが、それも一瞬だった。すぐに再び動き出すが、

 

箒「動きが・・・悪い?」

 

セ「えぇ。最初と比べればかなり」

 

鈴「さっきの攻撃をまともに受けて・・・・血を流しすぎた!?」

 

 モニター越しからでもわかる不調。

 

葵(もうまずいか。ならここで決める!)

 

 すると、彼の両手に青黒い炎がまといだす。それを危険視した異端児は止まっている今が最後の好機と思いしかける。だが、

 

―――ガスっ・・・ジャシュっ!

 

 すでにその時は終わっていた。

 炎をまとった赤騎士の手中には頭をつかれ胸を突かれコアを取り出されていたのだ。そして葵はそれを握りつぶしこの戦いは終わった。

 

 

SIDEout

 

 

 異端児との戦いが終わり赤騎士を解除する。異端児を倒すのに使った時間6分22秒。かなりギリギリである。後少し戦いが遅れていたら理性が押されていた。間違いなく赤騎士に飲み込まれていた。飲み込まれるともはや敵味方の区別どころか非戦闘員の区別すらつかなくなる。

 

 体のあちこちから異端児によって傷つけられた場所から血が出て、さらに口からは赤騎士の限界から吐血していた。

 

葵「〈エクス、ルミル。スリープモード解除、怪我と魔力、異端児による浸食率を測定〉」

 

エ《怪我両腕、並びに腹部、左太もも、それぞれに数ヶ所。しかし腹部は致命傷となる傷無し》

 

ル《残量魔法量37.2%、浸食率ゼロ。残りの魔力で自然治癒を速めます》

 

エ《マスター、もうこんな無理はしないで下さい》

 

ル《神になったとはいえ今は人。無理をすれば当然死にます》

 

葵「〈そうだな。だが、《《我が身体は大切な者を守るための盾、我が剣はそれに牙をむいた者を討つためにあり。故に我に配送も敗北も許されない》》そうだ。あと悪いエクス、ルミル。コアを心の世界に転送しておいてくれ〉」

 

 そういってコアを心の世界にいる束の元へといかせる。

 

 すると、遠くから白騎士を纏った一夏と打鉄弐式をとった簪、さらには千冬もこちらに向かって駆けてきた。

 

千「葵!」

 

葵「・・・・ど、ども」

 

一「兄さん!?」

 

葵「大丈夫だ一夏。一日あれば治る」

 

簪「・・・・そ、そんなことない!」

 

千「急いで担架! いやもういい!! 私が運ぶ!!」

 

 千冬は急いで私を肩に担ぎ医務室まで運ぶ。

 

葵「す・・・まん・・な」

 

 ヤバいな。意識がもうろうとしてきた。血を流し過ぎたか?

 

一「お・・・に・・・ちゃ・・!」

 

 一夏たちが何か言っているがよく聞き取れないな。それに向こうからは箒たちも来たみたいだ。

 

楯「医者・・・で・・・・きて!」

 

 楯無が何かを言っているところで私は意識を手放すことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どれ位経ってからだろうか。私がそこで目を覚ますと、

 

???「! お目覚めですか? 父さん」

 

 そこにいたのは白い騎士甲冑? を身にまとった女性。

 

葵「・・・・・ん? 私はこんな大きな子供を持った覚えはないんだが?」

 

白「なっ!?」

 

 そういうと白い騎士甲冑を纏った女性はorzと明らかに落ち込んだ様子。

 

 するとその女性を慰めるためか、からかうためか五人の女性が入ってきた。一人はツインテールで活気、というか元気すぎる女性。一人はおしとやかそうだがなにやらからかうのが大好きそうな女性、一人は明らかにエレガント、だが服装はそれなりに落ちついている女性、一人は明らかに落ち着きというか口数が少ない、そしてかなり小悪魔そうな女性。

どこか見覚えがあるような・・・・

 

葵「お前らまさかあいつらのISか?」

 

 すると先ほどまで落ち込んでいた白い騎士甲冑、いや白式か。が明るい顔をしていた。

 

白「は、はい!!」

 

葵「ということは・・・・」

 

 ツインテールの子が甲龍、おしとやかそうな子がシルバリオ・ゴスペル、エレガントな子がブルーティアーズ、小悪魔がミステリアス・レディ、口数が少ないのが打鉄弐式か。

 

ミ「あたりよ。さすがねお父さん♪」

 

福「まぁこれぐらいはわかっていただかないとね」

 

 ・・・・何かすっごい嫌。何だろ別にヴィヴィオ達に言われても違和感はなかったがこの子たちに言われてると変なプレイをさせているようで嫌。

 

葵「で、なんでこんな場所に呼んだんだ?」

 

 見渡すと真っ白な世界。本当何もない。上も下も、右も左も。だが懐かしい感じがする。おそらく四聖神が宇宙を創造する前の世界とでもいったところか。

 

甲「実はね。このお二方がお父さんに感謝状を手渡したいんだって」

 

 感謝状?

 

ブ「そこは感謝状じゃなくて感謝の意思とでも言っておきなさい。感謝状なんて持ってませんわよ」

 

葵「感謝?」

 

打「・・・・マスターと・・・その姉の・・・仲」

 

葵「あぁ、あれか」

 

ミ「あれは感謝してもしきれないからね。お姉さん感謝しちゃうわ」

 

 お姉さんって。立場上は私が父でお前が娘じゃなかったか?

 

ミ「細かいことは気にしないのお父さん♪」

 

 ・・・・ISはマスターに似るのか?

 

 それだとしても白式は一夏に似て―――あぁ千冬に似たのか。

 

福「それにしてもあなたはいつまでそこにいるのですか?」

 

 そういっての福音の見ている方に眼をやると、そこには銀色の髪をしたショートの女性がいた(三極姫2の趙雲を参考)。

 

葵「・・・・彼女は?」

 

白「彼女はエターナルフリーダム。あの神城? 新庄? 紙白? まぁどれでもいっか。それのISだ」

 

 それって・・・・まぁ確かにいや。

 

葵「で、君が何の用だ?」

 

 すると、彼女は私の前まで来て、

 

フ「申し訳ありませんでした!!!」

 

 その見事な直角の礼はあまりにもきれいだった。というかすごい勢いで直角に曲げて腰悪くしないか?

 

フ「うちのあのボンクラが大変、大変ご迷惑を皆さまはむろん父上にもご迷惑をおかけしました!!」

 

 ・・・・・あれ? 普通謝罪じゃなくてこう、よくも私のマスターを!! みたいな感じで攻撃しない? あれ? 私が異常なの??

 

フ「あぁ、父上の御考えもわからなくもないです。ですが私はISはISでも異常という感じですからね」

 

ミ「あら? それはあなたが特別だって言いたいの?」

 

フ「いえ。特別というか産まれたいきさつが違うんです」

 

福「? なにが違うの?」

 

 皆それぞれに考えた。だが、

 

葵「なるほど神様特典ってわけか」

 

フ「!? ご、御存じなんですか!?」

 

 すると皆が神? っとすっごい不思議そうな顔をして、

 

白「いや、父さん。いくらなんでもそれは無いだろ」

 

葵「あぁそっか。お前らに言って無かったか。えた・・・長いからフリーダムで良いか?」

 

フ「はい!」

 

 彼女はすっごい満面の笑みで喜んでいた。他のISたちはそれをうらやましそうに見てたり何故か不機嫌だったりと・・・・何この子たち?

 

葵「フリーダムは私の正体、というか存在の意味を知っているな?」

 

フ「はい。父上は四聖神が一柱、創造の神、月之宮葵ということを転生させた神に聞きました。何でも注意事項で「この方には一切触れるな、喧嘩をするな。間違いなく絶対に負けるからお前が。一秒でも長くいきたければ戦いを挑まないこと」と延々と語ってました」

 

甲「そこまでお父さんは強いの?」

 

フ「はい。良ければ父上の戦闘デ―タ。もといどれだけ強いかというデータをいただいたので見てみますか?」

 

 そういってフリーダムは彼女たちにデータを与えた。

 

白「うわ・・・・///」

 

甲「へぇ・・・・///」

 

ブ「これは・・・///」

 

打「すごい・・・///」

 

ミ「なるほど・・///」

 

福「良いわね・・///」

 

 彼女たちは一体何を見ているんだ?(ちなみに彼女たちが見ていたのは第三次世界大戦、またの名を第一次ウィザード大戦の時の葵の活躍、並びにミッドで起こった零始事件、いや零始戦争における葵の活躍とその後のことである)

 

白「フリーダム。これをもらってもいいか!? いやくれ! ください!!」

 

フ「え? あ、はい、ど、どうぞ・・・というか肩に力を入れないでください!? お、折れます骨が!! なっちゃいけない音が響いてるぅうううう!!! マジでやばいですって!? これ折れる!!」

 

 その後みんなが納得した後彼女たちに念を入れてマスター、つまり一夏たちには内緒でという話でつけた。

 

白「まぁこれでフリーダムが特別、というか我々と違うということ、父さんが神だということも信じよう。だが、なぜそれとお前があれと距離を置きたがる?」

 

フ「あの、その、なんといいますか、彼は転生者でして―――」

 

 そこから転生者についての大まかな説明が入り、彼が表立ってど言う目的で動いていたのかを説明する。

 

ミ「すっごい自分勝手ね・・・」

 

甲「なんというか余計に声をかけないでって感じ」

 

 その言葉にうんうんと皆がうなずく。

 

ブ「大変ですわねあなたも・・・・」

 

 ぽんっと肩に手を置くブルーティアーズ。

 

打「なにか・・・・困ったことあったら・・・相談」

 

 もう片方の肩に手を置く打鉄、

 

福「なんでも乗りますよ」

 

フ「あ、ありがとうございます!!!」

 

 そういって涙目になりながら感謝をするフリーダム。

 

葵「ん、もうそろそろ時間か」

 

白「そうか・・・また、あえるような父さん」

 

葵「あぁ。また会えるさ。まぁ嫌でも合わせるようにするけどな」

 

甲「え? それってどういうこと?」

 

葵「その日を楽しみにしておくといいさ」

 

 そういって私はその白い空間から出て行った。

 

 

 

 

 

 

 私が目を覚ますとそこに会ったのは天井ではなかった。

 

 では何か? 簡単だ。

 

千「兄さん!!」

 

 そういって抱きついてきたのは妹? とでも言うべきかこの場は。千冬である。

 

千「良かった・・・・目を覚まさないかと思って・・・・」

 

葵「安心しろ。勝手にはいったりはしないから」

 

 そういって泣いている千冬の背中を優しくなでる。

 

 そして、大丈夫と判断したのか私から離れて、さぁこれから先ほどの事件の話をという流れの時に、

 

真「あれ? みなさんどうしたんですか?」

 

一「だから押さないって山田先生!?―――うわぁ!」

 

箒「うわっ!?」

 

セ「きゃっ!?」

 

鈴「ちょっ?!」

 

簪「・・・・あっ」

 

楯「大丈夫?」

 

ナ「あらあら」

 

 人間の雪崩と後ろにその災害を回避した人間。

 

葵「何やってんだお前ら」

 

 山田先生、ファイルスについてはおそらく先ほどの事件についてだろう。まぁこの子たちのこともなんとなくわかるが。

 

一「! お、お兄ちゃん! 大丈夫なの!?」

 

葵「あぁ。傷は完全に完治だ」

 

楯「はぁ!? そんな早くに治るわけ」

 

 そういって楯無は私の前まで来て包帯を解いて行く。そして、

 

楯「・・・・///」

 

葵「楯無? おい、お~い」

 

 そういって楯無は私の包帯を解き終えるとなぜか顔を真っ赤にして固まっていた。

 

楯「はっ!(わ、私どうしちゃったの!? え?! ま、まあ、彼の身体はその・・・たくましそうな・・・って感じになっちゃって・・・あれ? え?)」

 

葵「大丈夫か?」

 

楯「は、はい!」

 

 ? どうしたんだ本気で。そして周りの女性陣。何故顔を真っ赤にして私の身体を見ている?

 

一「あ、で、でも、本当に完治してるね///(す、すごいお兄ちゃんの体///)」

 

千「おほんっ。で、では神無月葵。ここからは教師としての質問をさせてもらう(やはり常日頃から鍛えているからだろうか。逞しいな///)」

 

葵「あ、あぁ。そうだな」

 

 その後、一夏たちを外に出し残ったのは私を含め千冬、山田教諭、ファイルス、楯無の五名だ。

 

 そこから始まったのは本当に事務的だった。ゴーレムについてはコアを除くすべてはどうやらIS学園における地下研究室に保管。で、結果は無人機。

 

 そして私に聞きたいことは、

 

千「あの赤いISはなんだったんだ?」

 

 赤騎士についてだろう。

 

ナ「あの破壊力は明らかに尋常じゃありません。教官ほどの実力でも使いこなせていないようにお見受けしました」

 

 まぁそうだろうな。

 

葵「あれは赤騎士。まだ実験段階のISとだけ言っておこう」

 

真「他に知っていることは?」

 

 まぁしゃべっても大丈夫か? 念には念を入れておくか。

 

葵「最初に言っておく。これはまだ試験段階といってもいい新種だ。お前らだから話すんだ。もし第三者、この場合は国家、組織に情報を開示した時点でケルベロスの査察対象に入るからな。下手をすれば組織ごと壊滅させるほどのレベルだ」

 

 すると四人ともゴクリっと生唾を飲む様子を見せた。

 

千「分かった」

 

葵「ならばいいが。あれの研究目的は『虚無』だ」

 

楯「無?」

 

葵「そう。あの赤騎士には一切装備というモノがない。銃、剣、ワイヤー、砲、全てだ」

 

真「え!? じゃ、じゃあどうやって戦うんですか!?」

 

ナ「それに砲というならあの光線は一体・・・」

 

葵「戦い用はいわば己が身体だ。拳、蹴り、頭突きなど。光線についてはあれが無駄。いわば簡易ブラックホール、もっと簡単に言えばじんこうブラックホールを生成しあてた空間のみを吸収させる。だから無の兵器だ」

 

 その言葉に全員が唖然とした。人工的にブラックホールを生成できる。これはいわば宇宙の神秘を紐解くと同時にIS以上の、いや下手をすれば厳地球における最強兵器核ですらも超越する兵器が今目の前にあるということだ。

 

楯「ブラックホールの生成・・・・・じゃ、じゃあ核でも意味がない!?」

 

葵「あぁそうだな。実験に核廃棄物を処理したが放射性はもうその場から出なかったし」

 

 事実そうだ。赤騎士の実験ではそういう結果が現に出ている。

 

葵「だが当然デメリットはある。使用時間があることだな」

 

真「確かあれを倒すのにかかった時間は約六分」

 

葵「それは無理をすればだ。無理をすれば限界は七分だがそれはレッドらいんだ。、本来は五分だ。七分を超えれば自滅。おそらく制御が出来なくなり敵味方下手をすれば非戦闘員すらも攻撃対象に入る」

 

ナ「それは教官だから?」

 

葵「そうだな。慣れてない人間が使用すれば持って5秒だな。他には?」

 

千「もしそのタイムをオーバーしたら?」

 

葵「最悪死ぬな」

 

全員「!?」

 

 その言葉に全員が何言ってるんだという顔をしていた。

 

葵「よく考えても見ろ。普通人工的にブラックホールを使えるとしたらどれだけ体力がいる。無論無事ですまないだろう」

 

ナ「でも!?」

 

葵「ものは使いよう。私だってそれぐらいは心得ている。他にはあるか?」

 

千「・・・・そうだな。あの化け物、葵が言っていた異端児とはなんだ? あれはもはや人の域の生物ではなかった」

 

 千冬は納得も理解もしていないようだが仕事を済ますことを優先したようだ。だが、それでいい。あまり長くしゃべるとぽろっと赤騎士の本当のことをしゃべりそうだ。

 

葵「まぁ化け物という認識で良いでしょうね。でも元は人。それ以上は何も」

 

千「だが!?「これはケルベロス内においてもトップシークレット。知っているのは隊長クラスの人間と秋山博士のみです」それだけ危険ということだろ・・・」

 

葵「それは承知の上。でなければあれによって死んでいた人間は今日何人いたでしょうか。護るためです」

 

 目の前で誰か傷つくのはもう見たくない。なら、

 

千「分かった。だが今度あれを見たら私も戦うからな」

 

 そういって見せてきたのは紅天の剣だ。

 

千「私だって守れる」

 

 話すことは終わりだといって千冬は部屋を後にした。その後山田教諭、ファイルスも出て行き、それと入れ違いに一夏たちが入ってきて大丈夫か? 怪我はどうなっている? 様々なことされた。うん。恥ずかしいのでこの部分は省く。

 

 

SIDE千冬

 

 

 今日の戦い、正直言って戦慄した。あれはなんだ? あの戦いはなんだ? あれが戦い? 闘い? 違う。もうあれは殺し合いだ。もっと言うのであれば死合いだ。

 

千「・・・・くっ」

 

 思い出して多少顔がゆがんだのか、そこに、

 

ナ「悔しいの?」

 

千「・・・・・」

 

ナ「まぁ気持ちはわかるわ」

 

千「なぜわかるんだ?」

 

ナ「今の世界は女尊男卑。女の方がいろんな面において力がある。当然武力という点でもISがあるのがいい例。でもそのISでも意味がなかった。操縦者である女性が怯んでは意味がないわ」

 

 そう。今回のイレギュラーな戦闘は教師陣、いや女性の弱さを示したともいえる。恐怖におびえ怯んでいた。だが彼はどうだろう。たった一人で多くを護り通した。己を傷つけても。

 

ナ「私も悔しいわよ。銀の福音がありながら何もできなかった。だから、次におんなじことがあったら」

 

 彼女の顔は本気だった。もう彼のあんなところを見たくないという一心からだろう。

 

千「あぁ分かってる。兄さんを守るためならどんなことだってする」

 

 決意した。次に会ったら兄さんの背中を守る。隣に立って共に戦う。それぐらいできることを証明したい。ならまず己の勘を取り戻し鍛えて行かねばな。

 

 

SIDEout

 

 

 聞き調べも終わり部屋に戻りベッドにだいぶする。今日は一段と疲れた。

 

エクス「お疲れ様ですマスター」

 

アギト「でもよ、兄貴。もうあんな無茶するなよ」

 

葵「あぁ分かってる」

 

ルミル「本当かマスター?」

 

リイン「パパが傷つけばこっちの人もむろんですがはやてちゃんたちだって悲しむですよ!」

 

 分かってるよ。彼女たちにあんなことはもうさせたくないからな。そう思っているとドアにノックをする音が聞こえ開けるとそこには、

 

葵「山田教諭?」

 

真「は、ははははい! え、ええっと」

 

葵「・・・・山田教諭。落ちつきましょう。ケルベロスの権限はあくまでも緊急事態の身でそれ以外は乱用しないようちゃんと言われていますので。緊急時以外は教師と生徒の関係ということでよろしくお願いします」

 

真「そ、そうですか?」

 

葵「はい。で、何かご用だったのでは?」

 

真「あ! そうでした。えっと神無月君。これはまだ皆さんには秘密なんですが明日転校生が来られるんです。神無月君の同室の人が明日から来られるのでベッドの・・・そのもう片方メルヘンになってる物をどうにか・・・」

 

 そうか。同室者がくるのか。

 

葵「委細承知。あ、後この子たちのことは?」

 

真「それならOKですよ。問題ありませんよ。あと転校生のことはまだ皆さんに秘密ということで」

 

葵「分かりました。最後にもう一つ確認してもよろしいですか?」

 

真「はいどうぞ」

 

葵「私と同室になるということはその者は」

 

真「はい。その子は世界で四番目の男性(・・)のISパイロットです」

 

 


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