黄泉路への案内人   作:楽一

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第三三話

第三三話

 

 

女子「ねぇねぇ! 聞いた? 何でも転校生がくるみたいよ」

 

女子2「聞いた! さっき職員室通る時に聞いたって人もいるみたいよ!」

 

 朝一夏と箒と共にクラスに来てみるとどうやら転校生が繰るらしくその話で持ちきりだ。

 

葵「転校生? こんな時期にか?」

 

 そう。普通ならば入学式に間に合うよう調整するだろう。代表候補生なれば国が原因で遅れたか。まぁどの道ありえるとすれば代表候補生のみだが。

 

一「確かIS学園って入学の条件って厳しかったよね? 教科書によると試験自体国家推薦がなければできなかったはずだし」

 

箒「あぁそれでも国家推薦ならなぜ入学に間に合わすようにしなかったんだ?」

 

???「わたしくしの存在を危ぶんでの入学じゃないかしら?」

 

 そういって来たのは、

 

葵「セシリア。あまりうぬぼれるなよ」

 

セ「冗談ですわ。でも箒さんが言いたくなるのもうなずけますわ。ちなみに転入生は中国の代表候補正みたいですわよ」

 

 中国? 確かあいつも。

 

一「お兄ちゃん? もしかしてその子が気になる?」

 

箒・セ「「そうなのか(ですの)!!?」」

 

 いきなりサムズアップしてくる二人。

 

葵「きになるかどうかと言えば気になる。古い知人がその国の出身でな。(元気にやっているかな)」

 

一「あぁ~。あの子か。あ。そういえばお兄ちゃん! 話変わるけど今日の訓練は何やるの?」

 

葵「ん? 実践訓練だ。セシリアと箒の二対一」

 

 すると、一夏が、

 

一「・・・・え? お兄ちゃん!? 私の耳がおかしくなければ今二対一と聞こえましたよ!!?」

 

葵「事実だ。英国代表で実力も持っているセシリア。ランクこそ低いがそれでも剣術の腕でそれをまかなっている箒。遠近両方に対応できれば対抗戦でも有利だろ」

 

 そう言っているとのほほんさんこと本音と隣に二人、確か谷本癒子さんと夜竹さゆかさんだったか?

 

本「そうだね~。ぜひともおりむ~にはぜひとも買ってもらわないと!」

 

癒「なん立って優勝賞品は食堂のデザート半年フリーパス券だからね!」

 

さ「しかもクラス全員分! 織斑さんが勝つと皆が幸せ!」

 

 いや私はいらんのだが。なにせ一通りは味見で食べさせてもらった。どれも三つ星がつくぐらいうまかったのは事実だ。今後の参考にさせてもらうことにした。

 

一「確かにそれは魅力的だね。うん、今後のために頑張らなくっちゃ! ね! お兄ちゃん!」

 

葵「別に私は興味はないが。優勝しても食べすぎるなよ。太るぞ?」

 

女性陣(ぐさっ!?)

 

 ん? 私はまずい一言をいったか?

 

箒「だ、だが葵、今の学食では体にいデザートもあるんだぞ?」

 

葵「ニンジンのゼリーとか豆乳のケーキとか?」

 

セ「えぇ。あれは野菜と課の苦みが少ないうえに野菜などを使っているということでカロリーも控えめでいて甘くておいしいんですのよ♪」

 

 すると女性陣はうんうんとうなずいていた。クラスの別のところを見てみると味を思い出したのかどこか別の世界に言った者もいた。

 

葵「そう言われると作った甲斐もあったモノだ」

 

本「え? え? あっちゃんがあれ作ったの!?」

 

葵「正確にはレシピをだがな。調理場を自由に使って良い代わりに作り方を教えたまでだ」

 

 あれこれと騒ぎながらも、

 

葵「まぁ話は戻すが一夏。誰がこようと全力を持って戦うといい。後悔を残さないようにな。なにせ専用気持ちが三人いるんだ」

 

 すると、入口から、

 

???「葵、その情報は古いよ?」

 

 その声のする方を振り向くと懐かしい顔があった。

 

???「あたしも今日からこのクラスだから」

 

 周りが突然の来訪者にざわめきだつ。だが、

 

一「あ・・・もしかして・・・鈴ちゃん!?」

 

鈴「そうよ。久しぶりね~一夏!」

 

 そういって抱きつく二人。感動の再会か。それもいいが。

 

葵「鈴。いきなりの登場に驚いたがそれよりも驚く状態が後ろに控えているぞ?」

 

鈴「へ?」

 

 そういって振り向くと。

 

鈴「げ!? 張遼!?」

 

千「誰が泣く子も黙る張遼だ!?」

 

―――スパァアアアン

 

 うむ。良いえて妙だぞ鈴。神速の槍と恐れられた張遼も真っ青な神速の出席簿使いだな千冬は。

 

千「鳳。呼ばれるまで教室に入るなといっただろ」

 

鈴「でも千冬さん!」

 

――ズカァアアアン!

 

千「ここでは織斑先生だ。後分かったらさっさと教室を出ろ」

 

鈴「は、はい・・・・」

 

 頭から煙を出しながら鈴は退室。だがよかったな。後一撃食らってたら多分保健室息だぞ。だがそれもすぐに起こされるがな。

 

真「え、えっと、きょ、今日は転校生がいます」

 

 はい。皆知ってるから驚きもしないね。

 

真「ど、どうぞ・・・・」

 

 そして自己紹介と自分の立場を説明。その後鈴と一夏、セシリアを連れて食堂へ。

 

葵「しかし驚いた。お前が中国の代表候補生とはな」

 

一「うん。それは私も思った」

 

鈴「あたしも驚いたわよ。葵が世界で三番目の男だなんてね」

 

 そういって食事を進めていると箒とセシリアが、

 

セ「葵さん! そろそろどういう関係か説明してくれませんこと!?」

 

箒「そうだ! ま、まさか付き合っているとかじゃないだろうな?!」

 

 すると鈴がちょっと顔を赤くしながら、あれ? 赤い? ・・・・・・私ってそんなに一緒にされると怒られるほどなのか?

 

鈴「そ、そんな付き合ってるなんて・・・・(じ、実際そうだったらうれしいな///)」

 

 顔を下にしながらもじもじと・・・・本当に怒らせそうなことしたか私は!!?

 

葵「そんなのではない。そうだな一夏よろしく」

 

一「え!? 私!? もう。しょうがないな」

 

 だって仕方ないだろ。私が選んだ今日の昼ごはんは季節はずれもいいところの鍋焼きうどんなんだ。ちなみに箒は肉じゃが定食、一夏は日替わりでサバの塩焼き、セシリアは胃ミックスサンド、鈴はラーメンだ。

 

一「えっとね。箒ちゃんがファースト幼馴染で鈴ちゃんがセカンド幼馴染ってところかな」

 

 そのことを聞いた二人が、

 

セ・箒「「幼馴染?」」

 

一「ほら、前話したことあったでしょ?」

 

鈴「あぁ~そういえば聞いたことあるわ」

 

 そういって箒の方を見ると、

 

鈴「はじめまして。これからよろしくね(絶対負けないから)」

 

箒「あぁこちらこそはじめまして。篠ノ之箒だ(お前に負けるものか)」

 

 ・・・・ん? 今後ろで龍虎が対峙していなかったか?

 

 ちなみにセシリアとの時は・・・・うん。自信過剰が二人も同じクラスに。厄介だ。

 

 するとクラス代表の話になり、

 

鈴「そういえば代表は誰? やっぱり葵?」

 

葵「残念ながら私ではない。妹の一夏だ」

 

鈴「・・・・えぇ?!」

 

一「何でそんな声になるの!?」

 

鈴「だって、普通男がいるならそっちにしない!?」

 

セ「あぁ鈴さんは知らないんでしたわね。実は―――」

 

 そういって経緯を話す。

 

鈴「はぁ~あんたらしいと言えばあんたらしいわね」

 

葵「ほめことばとして受け取っておこう」

 

 そして食事に戻ろうとしたら、

 

一「あ。鈴ちゃんが今食べてる料理で思い出したんだけど今おじさん元気?」

 

 すると、鈴が手に持っていた箸を落とす。なるほど、何かあったのか。となると話をそらすか。

 

葵「鈴。お前確か専用気持ちだったな?」

 

鈴「え? うん、そうだけど」

 

葵「放課後訓練につきあってくれ。一夏を徹底的に育てる」

 

一「え!? これ以上増やすの!?」

 

葵「安心しろ。今日は二人だ。鈴は見学してもらって追々決めてもらう」

 

リイン「ご愁傷様です一夏ちゃん」

 

一「リインちゃ~ん」

 

 そういってリインに泣きつく一夏。というか、

 

葵「リイン。勝手に出るなといっただろ?」

 

リイン「え? でもアギトちゃんパパのおうどん食べてますよ?」

 

 何!?

 

アギト「ぷはぁ~。うまかった」

 

葵「アギト・・・・」

アギト「だってうまそうだったもん!!? それに伸びるといけないだろ? だからあたしが食べてやったんだ!」

 

 まぁ仕方がないか。

 

葵「まぁ別に構わんがせめて一声かけてくれ。お前たちの分も買ってやるから」

 

鈴「え? あ、葵・・・これがあんたのIS?」

 

葵「正確にはIS補助がメインだがな。本体はこっち」

 

 そういってエクスとルミルを出す。ちなみにリインとアギトはアウトフレームになりひざの上に座っている。

 

鈴「ISが人型をとるなんて・・・・」

 

 鈴は終始驚愕の表情。まぁ仕方ないか。

 

 そういって授業に戻ることになった。ちなみに授業中もリインとアギトは膝の上だった。

 

 ちなみにその授業中で、一夏と箒、セシリアがなにやら鈴を睨んだり己の世界に飛んだりと色々と忙しかった。だがそれも次の一瞬でもとに戻ってくることになった。

 

――バシィイイイイン!!!

 

葵(あんな景気のいい音本当にどうやってだしてるんだ・・・・)

 

千「授業中だ馬鹿者」

 

リイン「おぉ。すごいいい音です」

 

アギト「さすがリアルで聞くと違うな」

 

 お前らも違和感なく溶け込んでるな。最初こそ「何これ!!?」だったのがいつの間にか「何このかわいい子!?」「IS!? 可愛い!!!」という風になってしまいには一組のマスコットキャラに定着してしまった。何ともまぁ、これがいやしキャラなのか。

 

葵「はぁ~~~」

 

リイン「うん。葵パパどうかしたですか?」

 

アギト「むぅ。いきなり抱きついてどうしたんだ兄貴?」

 

葵「いや、日々のいや知って大切なんだなって改めて思って・・・・・」

 

 今この二人の可愛さに癒されるとしよう。部屋に戻ったらコレクション(可愛いぬいぐるみ群)とアギト&リインペアに加えてエクス&ルミルペアにも加わってもらおう。

 

 今後の予定を立てていると、

 

―――ピーンポーンパ

 

 まぁ学校の呼び出し「葵く~ん! 至急生徒会室まで来て頂戴!! ほんっと今すぐ! お願いね!!」・・・・・あれ? 呼び出しもまだ最後まで聞こえてないし、そもそも今授業中だよね? それに今も楯無か?

 

葵「・・・・私にどうしろと?」

 

 すると

 

エクス《マスター。楯無さんからプライベートチャンネルで連絡が入ってます》

 

葵「何やってんだよあの人は!!?」

 

 我を忘れて突っ込み? を入れてしまった。というか私情にIS使うなよ!?

 

 しまいには、

 

楯「葵君! ごめんね! 彼借りてくから!!!」

 

 そういって椅子ごと私を連れていく。当然膝の上に乗っていたリインとアギトも。

 

 そして到着。

 

葵「・・・・・というかよく怒られないなお前」

 

楯「うん。私もよくよく考えたらとてつもない行動したと思う・・・・この後のこと考えたら・・・・」

 

リイン「なむ~」

 

アギト「合掌」

 

楯「ちょ!? 止めて本当に!」

 

葵「で、用事ってなんだ?」

 

楯「そうだった! 葵君に御願があるの!」

 

葵「まぁ、聞こう」

 

 すると目の前の机にコトッとティーカップに入った紅茶が出された。

 

葵「どうもありがとうございます。えっと・・・・」

 

 お茶を出してきてくれたのはメガネに髪を密網にした女性。いかにも事務仕事得意みたいな人だ。

虚「虚。布仏虚といいます。確かあなたのクラスに妹がいるはずですが」

 

 妹? あぁ。

 

葵「のほほんさんですか」

 

楯「あら。もうあだ名で呼んでるの? 仲いいわね」

 

葵「彼女からのご要望ですので」

 

虚「あの子迷惑かけてないかしら?」

 

葵「大丈夫ですよ。それにかけてもかわいいモノです」

 

楯「あら、まるでお父さんみたいね」

 

葵「あははは・・・・・まぁ467と10人子供がいればね・・・」

 

 前者は言わずともISのコア数で後者は私の子供だ。

 

楯「? どういうこと? 477人も子供がいるの? ってことはもう結婚してるの!!?」

 

葵「えぇ。愛人もいますがね」

 

 その場にいた二人は驚いていたが、次第に残念なものを見るような顔になってきた。

 

楯「そっか。そういうお年頃だからね」

 

虚「仕方がないですね」

 

葵「ちょ!? どういうこと!?」

 

 私の抗議むなしく話は強制的におられた。本当にいるんだよ!? 妻も愛人も子供も!!?

 

楯「はいはい。で、話を戻すわね。葵君。あなたが一夏ちゃんに対する訓練する腕を見込んでお願いがあるの。私の妹を鍛えてくれない!」

 

葵「なんか無碍にされた気がするが・・・妹? お前に妹なんていたのか?」

 

楯「失礼な! いるわよ! 私の可愛いかわいい簪ちゃんが!」

 

 いや、名前だけ言われてもわからん。

 

本「えっとね隣のクラスの、つまり二組の、クラス代表なんだよ~」

 

 そうか。そうだったのか。のほほんさんが説明・・・・え? のほほんさん?

 

葵「・・・・のほほんさん。よくあの現状から抜け出せたな?」

 

本「いやぁ~自分でもホントに良く抜け出したと思うよ~」

 

葵「さて、情報では隣のクラス。で更識簪という名前。特徴は楯無同様破天荒な性格なのか?」

 

虚「いえまさか。簪様はお嬢様とは正反対で人見知りが激しいお方で」

 

葵「それはまた」

 

 本当に正反対だ。出されたお茶を飲みながら考えていると一つのことがひっかかった。

 

葵「(更識家と言えば日本有数の対暗部用暗部の家。となれば妹もそれなりの腕か?)他に情報は無いのか?」

 

楯「ん? どうして?」

 

葵「お前の家は優秀な家だろ。なら妹もそれなりに腕は立つはず。なら私の指導などいらんと思ってな」

 

虚「あぁ~実はですね」

 

 で、話を聞くと。

 

葵「なるほど。根本的な問題からか」

 

 結果とりあえず放課後に組に向かうとした。

 

 


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