黄泉路への案内人   作:楽一

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第二五話

第二五話

 

 

 さて、入学式まで後わずかとなったころ新入生も続々と入ってきている。そして私の部屋にもいろいろと。

 

 お茶を飲みにファイルスが来たり、IS学園において入学前までに必読と書かれたタウン○ージかと見間違えるほどの分厚い書籍・・・と言うかあれを本と呼んでいいのか? まぁ2時間で暗記したが。え? 速すぎる? いや、道実や私自信瞬読を会得してますから。後学園や寮における注意事項や決まり事を説明しに山田先生が来りした。その時お茶をごちそうするとえらくリラックスしていたのが印象的だった。こう、魂がどこかに旅立つ瞬間? すごく苦労をかけてしまっているのが目に見えたためクッキーも付けておいた。

 

 まぁ後は、

 

一「えへへへへ/// お兄ちゃ~ん///」

 

 と、一夏がえらくとろけるような顔をしていた。ちなみに十分ぐらい前か、それぐらいには私の右隣に千冬もいたんだぞ。仕事が入ったためえらく一夏を恨めし相に見て退室していった。

 

――コンコン

 

葵「ん? 誰か来たか」

 

一「む~~~~」

 

 ノックの音に一夏が頬を膨らませ抗議をするが、

 

葵「何か急用だったらまずいだろ?」

 

 そういって玄関に向かって扉を開けるとそこにいたのは、

 

楯「はろ~。葵君」

 

葵「確か、更識会長でしたか?」

 

楯「楯無でいいわよ。お邪魔してもいい?」

 

葵「妹・・・一夏がいますがそれでもよろしければ」

 

楯「いいわよ」

 

 そういってお邪魔しま~すと言いつつ部屋に入っていくと、

 

楯「うわっ!? 何このメルヘンチックな部屋!?」

 

葵「そうですか?」

 

楯「ここ本当に君に与えられた部屋だよね!?」

 

 入学が決まり仮部屋として借りていた部屋が入学後も私の部屋として使うことが決定。ちなみに一人部屋らしい。なので、

 

葵「えぇそうですよ。私のコレクションです!」

 

 部屋にはぬいぐるみの数々。くま、いぬ、ねこ、後はキャラクターものかな。

 

楯「コレクションって・・・可愛いモノが好きとか?」

 

葵「えぇ。犬なら仔犬、猫なら仔猫。そういった感じですかね」

 

楯「あら。なら私もOKかしら?」

 

一「なっ!? ダメだよお兄ちゃん! 私の方がいいよね!!?」

 

 ダメと言いつつ自分を勧めるな。

 

葵「人間はしませんよ」

 

楯・一「「えぇ~」」

 

 えぇ~って・・・こんなやりとりも以前したよな。確かあのときはなのはとフェイトだったか。

 

葵「もしすれば犯罪ですよ? まぁ許可と了承、承認があればしますが」

 

 だって互いの合意の上だ。犯罪でも何でもない。

 

楯・一「「なら!!」」

 

 と言うことで合意の上でちょっと頭をなでたりしました。

 

 

SIDE楯無

 

 

 うん。まさか自分がこんなに積極的になるなんて予想外だったわ。

 

 それに今まで人に頭を撫でられてこんなに気持ちいいものなんて思わなかった///。

 

葵「しかし何でお前がここにいるんだ? 何か用か?」

 

 おっと。大事な用事忘れるところだったわ。

 

楯「えぇ。あなた生徒会に入らない?」

 

葵「・・・いやいい」

 

楯「え? 何で!?」

 

葵「入って間もないのにもかかわらずそれこそないだろ。ある程度時間がたって学園に慣れてきたら入る・・・・かも」

 

楯「かもって!?」

 

葵「確証はないということだ。まぁ気分次第だな。仕事もあるし(【不の者】もどこにいるか分からない。下手をすればここを戦場にする確率だってある)」

 

楯「そう。なら頻繁にここに来させてもらうわ」

 

 そういって自分の部屋に戻ると思いきや一夏の隣に座った。

 

楯「よろしくね一夏ちゃん♪」

 

一「えぇこちらこそ(お兄ちゃんは渡しませんよ)」

 

楯「(えぇこっちこそ負ける気はないわよ。あなたにも織斑先生にも)また学園出会いましょ」

 

 そういって彼女は部屋を去っていった。

 

 な、なんだったんだ? 台風が一瞬に来て一瞬で去っていった。

 

 そしてその災害はと手持つなく大きい爪痕を残していった。それは、

 

一「ねぇお兄ちゃん。あの人と何があったのかな? かな?」

 

葵「い、一夏・・・・ど、どうしたんだ?」

 

 目が、目が怖いですとてつもなく。

 

一「やだなぁ、お兄ちゃん。あの人と何があったかちょっと聞きたいだけだよ」

 

 その後数時間にわたりその笑顔で永遠と私のことを鈍感だの朴念仁だの言われた。いやいや、私に好意を寄せるなど・・・あぁこれは言わない約束だったな。だが、彼女たちには私より良い人間と共になってほしいのだがな。

 

一「お兄ちゃん聞いてるの?(多分自分よりいい人などどこにでもいると思っているんだろうな。お兄ちゃんよりいい人なんてそういないよ!)」

 

千「そうだぞ。聞いているのか?(兄さん、あなたはあなたが思っているよりいい男だ。それ以上の者を探すとなると世界を旅して見つかればいいほどだ)」

 

 他にも、

 

葵「と言うわけなのでお願いできますか?」

 

 いま私は寮の調理場にいる。私は時間があるときでいいから調理場を貸してほしいとお願いした。無論材料費なども出すとお願いした。

 

おばちゃん「そうかい。ん~、じゃあこういう交換条件でどうだい?」

 

 おばちゃんが出した交換条件とは朝食、昼食、夕食のどれでも良いから時間があるときは手伝ってくれとのと、材料費は負担するから私の持っている料理の試食で採用された物はレシピと作り方を教えてくれとのこと。メニューに加えるらしい。それを聞いた私は、

 

葵「そんなのでよろしいのですか? 材料費を負担してくれることは願ったりですが」

 

おばちゃん「いいってことよ! で、あんたの腕はどれ位なもんなんだい?」

 

 夕食も近かったことから簡単なモノっといっても肉じゃが、サバの味噌煮、ほうれん草のおひたし一食分作り振るってみたところおばちゃんたちからも絶賛だったため合格。厨房の使用権を獲得した

のもこの日であった。

 

 


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