黄泉路への案内人   作:楽一

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第一九話

 

第一九話

 

 

 月日は流れあれから一年がたった。月日が流れるの速いな。

 

ラ「・・・・教官。やはり行かれるのですか?」

 

葵「まぁ一年って約束だったからな」

 

ラ「な、ならドイツ軍に入隊してください! 私にはまだ必要です!」

 

 誰だよ!? 涙目で上目線なんて教えたのは?! まさかクラリッサか!? 

 

 ちなみにクラリッサ他クロウサギ隊メンバーはorzの状態だった。ちなみに地面には赤い水たまりが出来ていた。

 

葵「ラウラ。また会えるって。世界は思わん狭いもんだ。一期一会で終わる中ではないはずだからな」

 

ラ「本当ですか?」

 

葵「あぁ。本当だ」

 

 一夏にしていた癖なのか、はたまた娘たちにしていた癖なのかラウラの頭に手をやりゆっくりとなでた。

 

ラ「///!?」

 

 すると、顔が赤くなった。嫌なのか? そう思い手を離すと、

 

ラ「あ・・・・」

 

 残念そうにその手を見ていたので再び手を戻し再び名で始める。するとうさぎ・・・じゃないな。猫のように気持ちよさそうにしていた。(ちなみに赤い水たまりが拡大しました)

 

ラ「な、なら神無月教官。き、気持ちだけでも受け取ってください///!」

 

葵「気持ち・・・んぐっ!?」

 

 気持とは何かと考える隙を与えることもなくいきなり唇に生温かい感触と、眼前にラウラの姿があった。

 

葵「・・・・え?」

 

ラ「///」

 

 私が呆気にとられ、ラウラが顔を真っ赤にしていると、急に後ろから真っ黒な何かが漂って来た。ラウラと私の首が壊れたブリキ人形のごとくギギギッとそちらの方へ向くと、

 

千「・・・・おいボーデヴィッヒ? お前は何をした?」

 

 般若・・・いや鬼がたっていた。とってもいい笑顔で。

 

ラ「えっと、お、織斑教官?」

 

千「・・・・おいボーデヴィッヒ? お前は何をした?」

 

 まったく一言一句間違いなく同じことを言う。さらに間を置いた時間すら正確に再現して見せた。

 

 だが、

 

ラ「私は神無月教官が好きです! ですから態度で示しました///!」

 

千「そうか。なら!」

 

葵「ならって・・・むぐっ!?」

 

 何かを言って千冬もラウラと同じ行動をとった。

 

 その後私はどうやら気絶したみたいだ。時間にして三十分弱。ちなみにちゃんと契約がしっかり結ばれてましたよ。えぇ、質問もされましたがそれとなく答えておきました。魔法の部分を秋山式ISの影響にしておいた。うん。魔法のこと話したらまずいよね。ちなみにラウラは【黒雨(こくう)の騎士】、千冬は【剣舞の騎士】で両方強化だった。と言うかこれ以上強くなってどうする!?

 

 その後は辛気臭い別れのあいさつなどせず、また会おうとだけ言ってドイツを後にした。と言うかあれだけの事して辛気臭いも何もないがな。

 

 ちなみに帰りの飛行機の中。

 

葵「なぁ千冬?」

 

千「何だ兄さん?」

 

 飛行機では当然というべきなのかはたまた運命のいたずらなのか私と千冬の席は隣同士だった。そして、隣にいる千冬は、

 

葵「何で私の腕を組む?」

 

千「いいではないか。減るもんじゃないし」

 

葵「いや、そうなのかも知れんが・・・・」

 

 いや、その何と言うか、女性の象徴と言うべきものが・・・ね? それにわたしには娘と妻と愛人がいるんだ。これ以上は・・・。

 

千「気になるのか?」

 

葵「私たちは兄妹だぞ?」

 

千「むっ(もう少しはその・・・気にしてほしいもんだ。束ほどではないが私はそれなりにあると思うぞ。兄さんなら)・・・みてもいいんだが?」

 

葵「ぶふっ!?」

 

客室乗務員「お客様!? どうなさいました!?」

 

葵「いえ、気にしないでください。むせただけです(千冬!? 今変なこと言わなかったか?!)」

 

千「え?!(最後の言葉聞こえてたのか///!? ま、まぁ、それはそれでいいか。兄さん以外に見せる気も無いし///)」

 

 と、ちょっとしたハプニングもありながらなんとか無事に日本の織斑家に帰宅。

 

 

千「一夏、今帰ったぞ」

 

葵「たd――――」

 

 帰りのあいさつをしようとすると、玄関の方へ向かってドタドタと二階から下りてくる足音が近づいてきた。

 

一「お兄ちゃん!!」

 

 下りてきたのは一夏であった。一夏は四段の腰でこちらに向かって飛び着いてきたのでそれをキャッチする。

 

葵「おっと」 

 

一「ん~♪ お兄ちゃんの匂い♪」

 

葵「一夏、いい加減兄離れしないと」

 

 そういって頭を胸になすりつけてくる一夏に対しそういうが、

 

一「ヤダ! お兄ちゃんから離れるぐらいなら死んだほうがまし!」

 

 ・・・・何故に兄離れ=死につながるんだ!? 普通年齢を重ねるうちに兄妹って離れていくもんじゃないのか?

 

葵「私には妻子もいるん「そんなバカな。お兄ちゃん、冗談もたいがいにしてね♪」・・・・はい」

 

 一夏のアプローチ(?)がだんだんレベルアップしていく中で私は正直に妻と子供、愛人がいることを言ってみたことがある。千冬は当然あたふたしたのだが、一夏は笑いながら、

 

一『そんなこと無いよ。お兄ちゃん冗談もたいがいにね?』

 と、笑いながらそう言っていたな。ただし目が笑って無い上に目のハイライトが消えていたのが印象的だった・・・あれは恐かった。

 

千「一夏、それぐらいにしておけ。葵も困っている」

 

 まぁ、その何だ。千冬も大人になってきてると同様に一夏も久しぶりに会ったせいかだいぶ女性らしさが出てきた。

 

一「大丈夫だもん。お姉ちゃんも早く弟離れしたら?」

 

 挑発気味に言う一夏だが、それを聞いた千冬も挑発的に、

 

千「はっ。何不可能なことを。私が葵から離れること何ぞ世界が滅びてもあり得んな」

 

 ・・・・じゃあどれぐらいの規模なら離れるんだ? もう銀河系滅亡レベルか!?

 

???「一夏!! あんた急に下りてどうし・・・た・・・葵!?」

 

 そういって二階から降りたのは幼馴染の鈴であった。

 

???「えっと、こちらの方は?」

 

???「どうした鈴? って、だれだ?」

 

 二階から降りてきたのは一人の男性と女性。男性は多分私と同年代かな。

 

一「あっ! 紹介するね。えっと、こっちが入学式の時にしりあった五反田弾」

 

弾「おう! 弾でいいぜ!」

 

 弾はフレンドリーにそう話してくる。

 

一「こっちの子が弾の妹の」

 

蘭「は、はじめまして///! 五反田蘭です///。蘭でいいですよ//」

 

 そういってお辞儀をしてきた。蘭は終始顔が真っ赤だったが大丈夫か?

 

千「そうか。私は一夏の姉の千冬だ。妹が世話になってる(むっ、一人また落ちたか・・・一体どれだけ落とすつもりだ兄さんは・・・・)」

 

葵「神無月葵だ。まぁ名字が違うのには色々とわけがあるので探らないでくれると助かる」

 

 そういえばもう二か月前になるのか中学の入学式は。

 

蘭「えっと、葵さんもお兄と同じ中学でしたよね?」

 

葵「ん? あぁそうだな」

 

弾「そうなのか? あれ? でもあったこと無いよな? あ。そうか一つ上の学年か」

 

 そういってポンと手を打つが、

 

鈴「違うわよ。彼、葵はあたしたちと同じ学年よ」

 

弾・蘭「「えぇええええええええ!!?」」

 

葵「そんなに驚くことか?」

 

弾「い、いやいや、そんなに落ちついて堂々としてるんだ、同い年と考える方が無理だろ!?」

 

 その言葉に蘭が激しく同意している。と言うか弾よ、あれだけフレンドリーにしていたんだ、分かってたのではないのか?

 

鈴「ほら、あたしと一夏の間の席。あれがこいつの席の予定の」

 

弾「あぁ、あそこね。はいはい分かった」

 

 ・・・・なんか変なフラグ立たなかったか? いまの・・・・。

 

蘭「あれ? でも葵さん。なら何で学校行っていないんですか?」

 

一「えっとね、お兄ちゃんとお姉ちゃん去年からドイツにってたんだ」

 

弾「ドイツ!? あれ? 確か千冬さんは」

 

一「うん、ISの教官でね・・・」

 

 ちょっと表情が暗かったが、

 

鈴「でもなんであんたまで?」

 

葵「道実のせいでな」

 

弾「道実・・・・どっかで」

 

蘭「あの人だよ! ISのもう一人の開発者の!」

 

弾「あ! でもなんでお前がそんなすげぇ人と関わり持ってんだ!?」

 

 さっきから質問攻めだな。

 

葵「まぁ、色々あってケルベロスに所属しているんだ。その流れでドイツの教導を任された。まぁ補佐だがな」

 

 すると、玄関の方で一夏と鈴が千冬に、

 

一「ねぇお姉ちゃん。またお兄ちゃんに誰か落とされた?(ヒソヒソ)」

 

千「・・・・あぁ大量にな(ヒソヒソ)(まぁ、ボーデヴィッヒにはしてやられたが私も私で得をしたからいいか。一夏には内緒だな///)」

 

鈴「はぁ・・・まったくどれだけ落とせば気が済むのよ!? ライバル増えるじゃない!?(ヒソヒソ)」

 

 ちなみに一夏さんは、

 

一(むっ! お姉ちゃんは何か隠してる! 何を隠しているの!? それにこの感覚は・・・お兄ちゃん関係!)

 

 鈴、小声で怒鳴るってかなり器用なまねをするな。

 

千「まぁ、ドイツの軍人だからよっぽどのことが無いと来ないだろ(ヒソヒソ)」

 

一「そうだね!(ヒソヒソ)」

 

鈴「でも油断は大敵ですよ? こっちで落とすかもしれませんよ? 実際蘭が落ちたし・・・(ヒソヒソ)」

 

千・一「「確かに(ヒソヒソ)」」

 

 だから何が!?

 

弾「なぁ、ちょっといいか?」

 

葵「どうした?」

 

弾「いや、ちょうどいい時間だから、昼にしないか?」

 

 弾がそういったので時計を確認すると、確かに溶け系の長針と短針が重なっていた。

 

葵「そうだな。何か作るか」

 

 そういってメニューを考えていると、

 

弾「いや、うちで食べていかないか?」

 

 

 


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