黄泉路への案内人   作:楽一

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第一四話

 

第一四話

 

 

 その後一旦アースラに彼女たちを案内した。

 

アインハルト「そ、そうだったんですか」

 

 大人しい感じの子の名前はアインハルト・ストラトス。ヴィヴィオと同じSt.ヒルデ魔法学院中等部一年。で、アインハルトの肩にいる猫(?)のぬいぐるみ型デバイスティオ。

 

トーマ「まさか過去の葵さんだったなんて」

 

リリィ「すごい。この人が黄泉路への案内人とおそれられた管理局の大英雄・・・」

 

 で、彼女はトーマのパートナのような者と簡単に説明してくれた。

 

葵「なるほど。大体の事情は読めた」

 

ヴィ「どういうことだ?」

 

葵「彼女たちはこちら側。つまり平行世界の未来から来た人物ということだ」

 

は(子)「つまり葵さんから見たら未来の人物たちということ?」

 

葵「そういうことだ。事実現在私が知るヴィヴィオはこないだ小学校に入ったばかりだ。そして私が知る限りトーマはまだ子供だ」

 

 その後状況確認などをして彼らも多少落ちついたところで、

 

ヴィヴィオ「でもパパはお仕事いいの?」

 

アインハルト「はい。お父・・・葵さんお忙しいのでは?」

 

葵「ん? これも仕事だ。あとアインハルト。呼びなれたほうで良い。私も合わせるから」

 

アインハルト「い、いいのですか?」

 

葵「あぁ」

 

アインハルト「はい! お父さん」

 

 そうすると花が咲いたように笑顔になったアインハルト。というかまだ娘が加わるのか?

 

は「一応こっちも仕事やで。でもそれよりもこっちを優先せなあかんな」

 

シャ「えっと、そちらのはやてちゃん。そちらのお仕事というのは?」

 

は「簡単に言うと害虫駆除や!」

 

全員「害虫?」

 

葵「まぁ知らなくていい。というか未来組は分かってるんじゃないのか?」

 

トーマ「・・・・もしかして【不の者】ですか!?」

 

アイン「そうだ」

 

ヴェ「原因は不明。だがこの世界にいることは確実だ」

 

ク「その【不の者】とは?」

 

葵「説明はできない。現地協力はできるだけ避けたいからな」

 

 現地の人間では確実に勝てないだろう。特にこの時代の彼女たちは契約でもしてない限り。

 

リンディ「ですが私たちも知る権利があります」

 

葵「なら私の権限でそれを取り下げよう」

 

ク「!? 貴様に何が出来る!?」

 

 すると、ヴィヴィオとアインハルトが。

 

ヴィヴィオ「パパならできるよ?」

 

アインハルト「はい。お父さんは管理局の総統ですから」

 

 その発言にこちら側の皆さん目が点になってます。

 

リンディ「え? いや、総統って・・・あれ? でも」

 

ク「局の最高階級は元帥。総統は無い・・・はずなんだが」

 

 すると通信が入ってきた。その人は。

 

葵「おや、ミゼット殿・・・でよろしいかな?」

 

ミ『えぇ。構いませんよ。神無月総統』

 

リンディ「み、ミゼット幕僚議長!?」

 

 ふむ。こちらでも威光は健在らしいな。

 

葵「さて、あちらからお話は行っていると思うんですが?」

 

ミ『えぇ。聞いています。あとアースラの指揮権もお譲りしましょうか? 総統閣下』

 

葵「結構。現状では優先すべき事項があるみたいなので。ただそれが終わりこちらの都合に入った瞬間から指揮権をいただきます」

 

ミ『時と場合ですか?』

 

葵「イエス。まだ現在はその段階に入っていないようなので」

 

ミ『了解しました。では、そのように手筈を整えておきます』

 

葵「お願いしますね」

 

 そういって通信が切れた。

 

な「ほ、本当だったみたいなの・・・・」

 

ヴィ「じゃあ何か? お前本当に管理局のトップなのか?!」

 

葵「あくまでもむこうのな。さて。こちらの事情はその時になってから話す。現状は・・・多少は把握したし、あとその関係者、名前なって言ったか」

 

な「キリエさんだよ」

 

フェ「キリエ・フローリアンさん」

 

 そのキリエなら何か知ってるかもな。

 

トーマ「そのキリエさんとい人なら未来に変える方法を知ってるかも!」

 

ヴィヴィオ「そうか! これで未来に帰れるねパパ!!」

 

葵「え? あ、あぁ。うん。そうだね」

 

 言えない。未来に帰るすべならいくつか持ってることを!!

 

 そして、そのままキリエの元へ行くと、

 

ヴィヴィオ「見つけましたー!」

 

アインハルト「私達と同じく、未来から来た方・・・」

 

トーマ「俺達が元の時間に帰る方法ー!!」

 

リリィ「教えてくださーいっ!」

 

 未来組が一気にキリエに押しかかった。

 

キ「・・・・はい?」

 

葵「落ちつけお前ら。相手を混乱させてどうする」

 

未来組「うっ・・・すみません(でした)」

 

キ「もういいかしら? あなた達は未来から引っ張られてきちゃったの?」

 

葵「こいつらは未来といえば未来だが正確には違う」

 

キ「?」

 

葵「次元の壁をぶっ壊してきた者たちだ」

 

キ「!? つ、つまり平行世界の人間!?」

 

葵「そうなるな。戻し方とか分からんのか?」

 

 すると、キリエは顔をしかめながら、

 

キ「時間移動については、分からない事が多いの・・・・・何とかしてあげたいけど、私1人じゃどうしようもないかもしれない。一緒に来てる姉がいるから彼女にも聞いてみる」

 

ヴィヴィオ「あっ、はい・・・・」

 

アインハルト「(何だか、我々が悪い事をしてしまったような・・・・)」

 

リリィ「(うん…私も思ってた)」

 

アインハルトとリリィが顔を見合わせ悪いことをしてしまったという感じの顔をしていた。二人と同じようにヴィヴィオとトーマもしていた。

 

は(子)「あのー、私も話に混ぜてくれへんやろうか?」

 

は「ん? あぁ。こっちの私か」

 

すっかり蚊帳の外だったこちら側のはやても寂しかったらしく、話に加わってきた。

 

キ「待って、もうすぐ済むから」

 

は(子)「うん・・・・」

 

可哀想にまた仲間外れにされてる。

 

キ「ごめんなさいね・・・こっちでやる事を片付けたら、あなた達が戻れるように努力する。だから安全な場所で、少し待ってて」

 

ヴィヴィオ「あっ、はい・・・」

 

 すると、念話で、

 

は「〈なぁ。葵君〉」

 

葵「〈いうな。気持ちはわかる。だがあれには人数制限がある。アインとヴェルに頼んであちら側にもう一個転移装置を作ってもらうよう頼んである〉」

 

は「〈さすが! 準備ええな〉」

 

 念話が終わるとあちら側も終わっていたらしく子供のはやてが、

 

は(子)「ほんならちょっと手伝ってくれへんか? いまレヴィちゃんが対U-Dにおける対策を考えとるから。どうしても人が必要なんよ!!」

 

 まぁ、拒否する必要もないから手伝うという方針をとるか。

 

キ「そう。でもちゃんと保護してあげて。あと、あまり話さない方がいいわ。そこの男性もそう思うでしょ?」

 

 行き成り話をふられたな。おい。

 

葵「まぁそうだな。平行世界とはいえ何らかの形で影響するかも知れんからな。お前らも気をつけるようにな」

 

未来組・は(子供)「はい!」

 

は「私らはどうするん?」

 

葵「お前もだ。アインとヴェルにも伝えている」

 

は「了解や!」

 

 その後アースラの会議室に向かうと、いつものメンバーにアリアとロッテ、なのはとフェイト、はやてに似た女の子がいた。

 

葵「・・・・・こっちの世界ではなのはとフェイトとはやては双子なのか?」

 

な「ち、違うよ!?」

 

フェ「えっと、この子たちは」

 

 どうやら彼女たちがそのマテリアルのようだ。確かにそっくりだな。

 

 そういうとフェイトにのえらく元気そうな子が、

 

レヴィ「僕の名前は雷刃の襲撃者(レヴィ・ザ・スラッシャー)! どうだ! カッコイイだろ!!」

 

 その光景にこちら側のはやてたちは一瞬呆然となるが、私はフェイトが望んだ姿が形になったのではと考えたため意外と受け入れられた。

 

葵「ふふっ。よろしくなレヴィ。私の名前は神無月葵だ。それと、良い名前だな」

 

 そういってレヴィの頭をなでる。子供にはやっぱりこれが一番だと考える。

 

レヴィ「え///!?」

 

 急なことで驚いたみたいだが、次第に猫みたいに気持ちよさそうな顔になっていった。

 

ディ「我が名は闇統べる王(ロード・ディアーチェ)だ! ひれ伏すが良い!!」

 

葵「よろしくな。ディアーチェ」

 

 はやて似の子は王とつくだけあってちょっと傲慢だが、そこがどこかかわいらしくもある。その証拠に、

 

ディ「・・・・・ん!」

 

 ディア―チェが頭を出して来たため、そのままレヴィ同様頭をなでる。

 

ディ「ん~///」

 

 これまた気持ちよさそうにしている。

 

シュ「私で最後ですね。私の名前は星光の殲滅者(シュテル・ザ・デストラクター)です」

 

 最後はなのは似の子。何と言うか冷静な子供というのが印象だな。

 

葵「よろしくな。シュテル」

 

シュ「そ、それで、ですね///」

 

葵「はいはい」

 

 そういってシュテルの頭をなでる。こうやって見ると本当に娘みたいだな。

 

 その後私は現状の把握をリンディやシュテルから聞き、今後のことを少し考えている。

 

葵「とりあえずお前たちの考えた作戦とやらを聞かせてもらえないか? 私たちに協力できることがあるかもしれないからな。それからレヴィ?」

 

レヴィ「ん? 何?」

 

葵「なぜそこにいるんだ?」

 

 そう。レヴィがいる場所は私の肩。つまり肩車をしている状態だ。

 

レヴィ「葵が一番背が高い! だからこうすれば僕が一番高い場所にいるんだ!」

 

 その光景にアースラメンバーはおろか、一番時間を共にしているディアーチェやシュテルですら驚いて―――

 

シュ「・・・・ずるいですねレヴィ」

 

ディ「王である我こそそこにいるのにふさわしいんだ!! そこをどけレヴィ!!」

 

 あれ~・・・・おかしいな。こういうのは驚くんじゃないのか? というか作戦説明誰かお願いします・・・。あと、シュテルさん。笑顔怖い。

 

 


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