黄泉路への案内人   作:楽一

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第五話

 

第五話

 

 

 あの悪夢から数日がたったある日。

 

ヴァイス「お! 旦那、旦那!」

 

葵「ヴァイスか。どうかしたか?」

 

 今は昼食で久しぶりに皆がそろっている。子供たちもやっぱりみんなと一緒なのか楽しそうである。

 

ヴァイス「今ある雑誌でこんなのがあるんですがどうですか?」

 

葵「?」

 

 言われたページを見ると。

 

葵「『男性局員に聞いた。彼女にしたい女性局員』。おい。今そんな暇ないだろ? 何やってんだ」

ヴァイス「たまにはこういう息抜きも大事だってことっすよ」

 

葵「まぁ、そうなのかも知れんが、私には妻も子供もいるんだが」

 

ヴァイス「まぁ、みてみたらわかると思いますよ?」

 

葵「? 第一位がドゥーエ・フェリエス。で、次が、オーリス・ゲイツ。三位が・・・お。なのはにフェイト、はやてが同列か。なるほど。確かに美人揃いだ」

 

 ちなみにドゥーエはスカリエッティから偽名だったフェリエスに姓を切り替えた。

 

 だが、上位二人の理由が、美人で仕事もできる。確かに納得。で三位である三人が可愛い、アイドル的、結婚したがまだ人気は衰えずなどなど。

 

葵「なるほど。知ってる人間が固まっているな。まぁ、自慢の妻たちがこういう風に他人から見られて評価されているのはうれしいモノだな」

 

 そう言うと、後ろの方では女性陣が顔を真っ赤にして嬉しそうに話し合っていた。そして、次のページをめくると、

 

葵「ん? 『女性局員に聞いた。男性で恋人にしたいランキング』?」

 

 それを聞いたはやてたちは、やはり気になるのかこっちをちらちら見て、はやてが、

 

は「なぁ、葵君。ちょっとその雑誌ええか?」

 

葵「あぁ。構わないぞ。良いかヴァイス?」

 

ヴァイス「えぇ。構いませんよ」

 

 

SIDE女性陣

 

 

 さてはて、こちらはこちらでやはり気になるご様子の女性陣。雑誌を受け取ったはやての周りには女性の垣根が。

 

な「ねぇねぇ、誰が入ってるの?」

 

は「ちょっと待ってな。じゃあ下の三位から。第三位はユーノ・スクライア司書長。理由は優しく穏やかなところ。若くして司書長になったこととかやな。意外と人気なんやなユーノ君」

 

フェ「は、はやて。それひどいよ」

 

アリ「でも・・・最近影が・・・」

 

フェ「それ以上はダメだよお姉ちゃん!?」

 

 アリシアのメタ名発言に突っ込むフェイト。

 

す「ユーノ君が。でも意外だよね。本当に」

 

ア「・・・黙秘するわ。で、はやて。二位は?」

 

は「えーっと。第二位はクロノ・ハラウオン提督。理由は、若き天才提督で海の英雄だから、結婚しててもかっこいい、などやて。クロノ君もなかなか罪作りやね」

 

ヴィ「つーか、知り合いばっかじゃん」

 

シ「確かに、目新しさがないな」

 

シャ「そう言うこと言わないの」

 

アイン「だが事実だぞ?」

 

リイン「ですです〜!」

 

は「で。一位が・・・え?」

 

ヴェ「どうかしたか?」

 

アイン「主の目が点になってるな」

 

な「それほど予想外だったのかな?」

 

フェ「ちなみに誰なのはやて?」

 

は「・・・・・レジアス大将」

 

孤「えぇ!?」

 

は「えっと、理由はあの事件以来性格が丸くなり頼れるお父さん的なポジション。また、相談事も気軽に聞けるようなり地上の守護神という名だけでなく管理局のお父さんとも言われていると・・・そんな人やったかレジアス大将!!?」

 

な「め、目新しいよ。シグナムさん」

 

シ「・・・・た、確かに目新しいがこれは予想外すぎるだろ!?」

 

 だが、ここである疑問が浮かんだはやて。それは雑誌を見てだ。

 

は「でも不思議やな」

 

な「なにが?」

 

は「いや。葵君に一票も入って無いんや。少なくとも私は入れたで?」

 

 そう。雑誌の4位からの成績を見ても神無月葵の名前がどこにもないのだ。

 

フェ「私も・・・あ。はやてこれ」

 

 フェイトが何かを見つけ、ページの注意事項見たいな欄を指差した。

 

は「ん? なになに。本ランキングにおいてはアンケート用紙で神無月総統と書かないようにと明記していた。理由はもし総統を入れた場合勝負にならないからである。実際注意事項を設けたにもかかわらず今回のアンケートで女性局員のおよそ6割が神無月葵と明記。で、次のページにその内容を特集として組ませていただきました」

 

ス「・・・・そうだんですか」

 

ギ「し、知らなかった・・・」

 

ティア「好きな男性と言ったら葵さんしか思いうかばなかったし。ちなみに選ばれた理由はなんなんですか?」

 

は「えっと。理由は単純にかっこいい。子供たちと遊んでる時の笑顔にキュンとなった。戦っている真剣な目に惚れた。神様であるということにおいて一切それにおいて鼻にかけてない。恋人になったら世界を敵にしてでも護ってくれそう。零始事件の時の目と言葉に惚れた。自分を犠牲にしてでも守り通す姿勢などに胸が熱くなったなどなど。で、最大の理由が」

 

全員「理由が・・・・」

 

は「ぬいぐるみを抱いているときに惚けている姿があまりにも普段との凛々しい姿とのギャップが激しすぎる」

 

全員「・・・納得だ!!」

 

 そして皆結婚したのにもかかわらず葵の人気がいまだに健在していることを再認識した。

 

 ちなみにこの後、

 

は「!? ヴァイス君! この雑誌もろてもいいか!?」

 

ヴァ「え? 別にいいですよ?」

 

は「よっしゃ!」

 

 はやてがなぜかガッツポーズをするのに疑問を抱いたフェイトだったが、すぐにその疑問が解ける。

 

フェ「あ! 私もこれ欲しい!」

 

は「あかんで! これは私がもろたもん!!」

 

 そしてその理由は、選ばれた最大の理由である【ぬいぐるみを抱いている姿】の証拠写真として掲載された葵のぬいぐるみを抱いて惚けている瞬間だった。

 

 で、この週の週刊雑誌は過去類を見ない売り上げを記録したとか。

 

 


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