常人なら眼球が脳髄に陥没する勢いで大気の中を強引に動き、蛇の様に暴れる鎖の邪魔な箇所を蜘蛛の脚で弾いて振り切りながらギルガメッシュへと肉薄する。
そして、直撃すれば十分命を刈り取ると解かっていながらも、するだけ無駄な心配と断じながら右正拳順突きを繰り出す。
しかし、過去最高の速度と威力と断言出来る一撃だったが、基本性能は兎も角技量に於いてはチンピラと格闘技世界王者級の開きが在るから、俺の一撃は容易く捌かれた。
一応テレフォンパンチと自覚はしていたが、今迄は相手が知覚出来ない速度と逸らすことも出来ない膂力と神秘に物を言わせて全ての人型死徒を一撃で滅してきた一撃を、しかも過去最高と言えるのを容易く捌かれるのは少なからず凹む。
が、それもどこか遠いことの様にしか感じられず、それよりも今迄と違って触手の様に枝分かれした鎖が上下左右後方から襲い掛かってくる事の方が遙かに衝撃的だった。
ぱっと見た限り枝分かれした鎖の攻撃力は精精A++程度の宝具だろうけど、本筋の動きに容易く振り回されるから凄まじく軌道が読み難い。
しかも本筋から離れていて乖離剣と宝珠の両方と結び付きが弱いせいか、鎖の強度が低下した上に纏う赤い暴風も弱くなっているが、壊れても本筋に影響が無いから可也遠慮無く振るっているから凄くウザい。
その上、枝分かれした鎖がいくら強度や攻撃力が低かろうと、拘束されれば引き千切るには少なからず時間を食うから、その間に掘削剣の風を纏った本筋の鎖で滅多打ちされた挙句に宝珠の一撃を食らってミートソースに変身してしまう。
いくら頑丈と言われていてもあんな地獄の風を纏った
流石に頭は何発かは耐えられそうだけど、頭に当たって撓んだ鎖が首に巻き付いて千切られそうなのが怖い。
そんなこの事態に対処する方法は二つ。
一つめは即座に離脱し且つその後も移動し続けて捌き続ける。
二つめは踏み止まって捌き続ける。
一つめの利点は動いている分攻撃が集中しないから捌き易く、欠点は距離があるから仕掛ける攻撃が捌かれ易い。
二つめの利点は基本性能が物を言い易い接近戦なら技量を力で押し潰し易く、欠点は足を止めてるから猛攻撃を受け続けることになる以上は被弾や消耗は必至。
だけど悠長に戦って互いに消耗すれば俺の知覚困難な攻撃という持ち味が下がって分が悪くなるばかりなら、さっさと決着を付けれる方が良いだろう。
どうせ俺の攻撃手段なんて基本性能任せのゴリ押ししかないんだ。
一応珍しい
けど、ほぼ確実に上位次元から三次元の俺諸共消し飛ばす自滅の一撃にしかならないから、負けるとしても使う類のモンじゃないな。
第一、玉藻が近くに居るから大丈夫かもしれないが、下手すれば天体規模での破壊が桜ちゃんも巻き込んで炸裂する可能性が在るから却下。
はっきり言ってソレをするくらいなら限界を超えて身体に魔力を焼べての超絶強化の方が遙かにマシだろう。
まあ、現在の限界を超えて自分に魔力を焼べると、後日に叫びながらのた打ち回る痛みが襲い掛かる上、完治した時には身体の基本性能が上昇したせいで世界がスローモーションで進んでいる様に見えるから慣れる迄(脳が指定対象に関する体感時間を調整をする迄)が激しく気味悪くなるけど、別に死ぬわけでも深刻な障害が残るわけでもないなら即座に実行するべきだな。
さて、そうと決まれば早速実行だ。
一秒が数十秒に感じようが時間に止まってるわけじゃないんだから、さっさと行動に移そう。
先ずは左に流された右拳を左掌底で叩きながら半歩踏み込みつつ右肘打ちで鳩尾狙い。
掘削剣を盾にされて失敗。
少しばかり肘が削られた。
更に一瞬前に振り切った鎖が数十の鞭撃で宛ら投網を形成するかの如く襲い掛かる。
が、削れた肘のお蔭で生命力を削って呼び水にするイメージがし易くなったから、右肘辺りから自分を削って魔力供給管を形成して彼方側に接続及び維持する。
そして、投網の様な鎖の鞭撃の嵐が到達する前に魔力を注げば注ぐだけ強化する此の身体に、耐久限界を超えた魔力を瞬時に注ぎ込む。
結果、数十の鎖の攻撃は全て7本の蜘蛛の脚で全て砕くか弾くすることが出来た。
恐らく今俺はギルガメッシュが使用している魔力の10倍以上を変換効率は0.6倍前後で自身の強化に充てている筈だから、今の俺はギルガメッシュの宝具と競り合ったって簡単には負けはしない筈だ。
基本性能の差や宝具の硬度や形状を考慮に入れても、小児と成人男性並みの差が存在する筈だ。
ならば余計な小細工は無用。
どうせ駆け引き出来る程の技量なんて有りはしないし、此処迄差が開けば小細工は隙を生むだけだ。
大体俺は延延と修行するくらいなら基本性能を上げて圧倒する方が楽だし性に合ってると判断したし、不思議城の大魔王も俺の戦い方はゴリ押し若しくは力技で意表を突いたゴリ押し以外の選択肢は無いと言っていたしな。
さて、改めて方針を決めたなら此処からはチキンレースだ。
俺が攻撃の密度と圧力に屈して離脱しようとしたら、攻撃の手が緩んだ隙に袋叩きで野晒しコースへ直行。
逆にギルガメッシュが俺の猛攻に屈して手足か鎖を使用して離脱しようとしたら、迎撃手段が減った隙に細切れにしての野晒しコースへ直行させる。
多分短ければ数秒、長くても数分で終わるだろう最後の激突だ。
全身全霊で挑むとするか!
―――――― Interlude In ――――――
Side:玉藻の前
〔
と言いますか、ぶっちゃけ普通なら刮目して見たところでどうにかなる領域を超えた成長度合いですね。
以前は中型肉食獣同士の勝負といった感じでしたけど、今は大型恐竜同士の勝負という感じです。
旗から見たらインチキと言いたくなるぐらいの成長度合いですよね、コレ。
はっきり言って刮目して見るより絶望して見るべきレベルです。
まあ、何方も同じくらいに成長してますから文句は無いでしょうけど。
しかし、初手から弾幕張って結界に大量着弾とか、結界のことを信頼しきっているか忘れてるかのどっちかですね。
て言うか忘れてますよね、コレ。
じゃなきゃ5桁前後も結界に着弾させたりしませんしね。
と言いますか着弾させる前に回収すれば連射力が上がりそうですけど、推進力が消えないと回収出来ないんでしょうかね? ご主人様の負担が増大するので出来ない方が良いですけど。
しっかし、私が言えた義理じゃありませんけど、どっちもスペック頼りの戦い方ですね。
特にご主人様なんて私より遙かにスペック頼りの戦い方ですよね。
前にチラッと聞きましたけど、一芸特化の運次第で圧倒的に格が離れた相手とも戦えるキワモノ技巧派より、耐久や耐性も含めた全ての基礎値を底上げして勝つべくして勝てるゴリオシ膂力派の方が性に合っていると言ってましけど、それって諸に人外の戦闘理論なんですけど、ご主人様は気付いてるんですかね?
明確な弱者が存在しないとそんな戦闘理論なんて塵同然ですし、耐久とか耐性とかって人間が底上げしようと思って底上げ出来るモノじゃありませんし、身も心も人外に成っちゃってますよね。
心は一般人と言ってますけど、強くなる為に存在強度の底上げをしようと考える一般人なんて皆無ですし、抑一般人が強くなろうとすること自体がありませんから、知らぬ間に完全無欠に身も心も人外に成っちゃってますね。
第一、こんな美少女と9年付き合って手を出さないとか、その段階で一般人じゃないですしね。
一応、ご主人様が何れ別れる桜ちゃんに目一杯の愛情を注ぎたいという言い分も解らなくはないんですけどね。
でも、避妊すればいいという案を、[しないのが一番の避妊だろ?]、という乙女心クラッシュワードで返されたのは思い出してもムカつきますね。
コレ以上無い正論なのは解りますけど、なんと言うか……交際相手に対する遠慮が異次元の彼方に消えている感が激しくしますね。
配慮や思慮は在るのに遠慮だけが皆無なのは可也腹立たしいですね。
抱き締められた儘寝るのは生殺しだって解ってるんでしょうかね?
父親代理(?)どころか父親と言っても世界中に誇れる程凄いご主人様ですけど、男しては甲斐性が明後日の方向に発揮されてますから、事実上男の甲斐性は無い状態ですよね。
以前の決着を付ける意味と、格上との戦いを見せておきたいという意味と、桜ちゃんの中の株を上げておきたい意味と、殿方特有のよく解らない意地と見栄と気概と其の他諸諸で戦ってますけど、客観的には意味不明の勝負なんですよね。
本人達的には兎も角客観的に前の戦いは引き分けで終わってますし、実力が拮抗している格上同士の戦いは格下には余り理解出来ませんし、桜ちゃんの中でのご主人様の株は男というか恋人の甲斐性以外はカンストしてますし、殿方特有の思考は女性の私達には理解し難いですから、本当に此の勝負って客観的には意味不明なんですよね。
まあ、ご主人様は多分気付いていませんけど、珍しく負けたくないっていうか競いたいって思う方なのと、桜ちゃんとお別れする大きな節目が欲しかったって所でしょうね。
察するににダラダラと過ごして何事も無く桜ちゃんと別れるのが嫌だったんでしょうね。
大方幸せな時間を自分の勝手な都合で終わらせることへの罪悪感と、新世界で襲い掛かるかもしれない困難に対する気合充填って意味も兼ねてるんでしょうねぇ。
……うぅん。こう考えるとご主人様の価値観て、至って普通ですよね。
って、おおっ? 第1ラウンド終了ってとこですか。
相変わらず相手の前提を力技で覆すゴリ押しな戦い方ですけど、ああも清清しく前提を覆せるのは驚きですね。
出来る出来ない以前に考え付きませんもんね、普通は。
まあ、本当にゴリ押しするなら何処かのターミネーターの様に、食らっても平然と撃ち返すのを考えると一応技巧と言えるんですかね? ……言えませんね。
どう解釈しても技巧というより頭脳プレイですよね、アレは。
しかし……ご主人様が男の方と話している光景って何気にレアですよね。
黒縁眼鏡の人と吃驚浄眼の人と豪快お爺さん以外に男の人の知り合いって私は知りませんし。
ホント何でだか解りませんけど、矢鱈女性とのエンカウント率が高いんですよね。ご主人様って。
まあ、女性の知り合いは多いですけど、知り合う女性の殆どと言うか全員が想い人がいますし、ご主人様も他人様の恋愛事情は相当鋭いですから勘違いや間違いが起こらないので安心ですけど。
と言うか、寧ろ同姓で間違いが起こりそうなのが怖いですね。
同姓の知り合いが少ない反動かもしれませんけど、矢鱈と距離が近い気がしますからね。物理と精神の両方面で。
……流石に同姓相手の場合は一夫多妻去勢拳の対象外ですね。
抑、一夫多妻じゃなくて多夫一妻と言うか一夫一妻多夫と言うワケ解らない状態は、去勢じゃなくて心身ともに満たし捲くってあげる治療が最優先ですからね。
と言いますか、私よりも野郎と先に関係を持つ様な暴挙にご主人様が出たら、間違い無く錯乱して襲い掛かるか心中しますね。私。
って、おお!? 王様が良い事言いましたよ!?
其の件に関してなら文句は無いのでどんどん言っちゃって下さい。
ヘタレと甘えを高次元で融合させているご主人様が反論出来ない様な意見を被せ捲くって下さい。
私に甘えて無茶言ってくれるのは素直に嬉しいんですけど、もう少し男の甲斐性を示してほしいですからね。
いや、父(代理)の甲斐性はカンストなのに、漢の甲斐性はプラスやマイナスを行ったり来たりで殆どゼロ状態で、男の甲斐性はマイナス方面へ日夜万進中というバランスの悪さですから、今日此処での勝負で漢の甲斐性を上げる序に男の甲斐性も是非上げてほしいですね。
隣の桜ちゃんも私と同じ考えなのが言葉にせずとも簡単に解りますから、桜ちゃんへ遠慮せずに今夜一緒に愛と肉の海で溺れましょう……っとと、凄まじい勘ですね。
私の物言いたげな思いを此の結界越しに感じ取れるなんて、矢張り私達の仲は結界如きで意思疎通を阻めたりはしないということですね♥
……さて、と。そろそろ第二ラウンドと言うよりは最終ラウンドですね。
恐らくサクッと終わるか、数分の後に天体規模級の一撃を繰り出すかの何方かで終わりますね。
多分サクッと終われば敗北率20%前後で、一撃の撃ち合いだと敗北率80%前後でしょうから、私的にはサクッと華麗に勝ってほしいところです。
と言いますか、前回は良く引き分けに持ち込めましたよね。
イロイロな要素が対極のモノばかりでしたから同出力で相殺と言うか反発と言うか駆逐と言うか対消滅と言うか単なる反応と言うか、まあ兎に角そんな感じで分けれましたけど、王様の攻撃が単純なエネルギー系でしたら押し切られてましたからね。
ご主人様の超必殺技って、実は必殺どころか蘇生に分類されますから、基本的に同格のとぶつかれば押し負けるんですよね。多分ドリル剣以外は。
まあ王様を多分唯一だろう例外とすれば、英霊じゃあどれだけ寄せ集めても質がご主人様と同格に並ばず蹴散らされますし、神霊や精霊は放たれる一撃の本質を理解して敵対や戦闘行為を取り止めるでしょうから、意味が無いと言えば意味が無い仮定ですけどね。
っと、それじゃあ最後だろう激突も始まりましたし、気合を入れ直してご主人様の勇姿を見つつも結界を維持するとしましょうか。
―――――― Interlude Out ――――――
Side:玉藻の前
技量も駆け引きも一切無い力任せの一撃を繰り出す。
恐らくギルガメッシュの認識可能速度の境界辺りの速度と、丘の粉砕ならば余裕だろうエネルギーを秘めた右拳の一撃を放ったが、右肩の付け根を蹴られた為見事に空振った。
一応余波で可也切り刻んでいるが、効果が現れる頃には此方はそれ以上に疲弊してそうな為、役に立っているとは余り言えない。
しかも本来なら単発でしか振るえない様な一撃を、出鱈目な基本性能の嵩に懸けて重力や空気抵抗や人体工学や武術という単語に正面から喧嘩を売る事で強引に連撃にしているのだが、それでも余波しか食らわせられないとか泣けてくる。
と言うか、さっきから認識出来るかどうかギリギリだろう速度と、攻撃している腕なり足なりを直接捌こうとしたら触れた直後に逸らすことも出来ずに押し切られる威力の攻撃を繰り出しているのに、軸足や体勢を崩すだけで捌ききっているのは素直に凄いと思う。
寧ろ余りに粗末な技量の儘でこんな勝負を繰り広げている俺を褒めるなり貶すなりしたいところだが、生憎と悠長にこんな馬鹿なことを考えている時間なんて微塵も無い。
思考速度や反応速度や認識限界速度といった中枢神経系が異常強化され、主観時間と客観時間が尋常じゃない程にズレているのに、正直言って全然足りない。
赤い暴風を纏った鎖が前方と下方以外から線でなく面で襲い掛かってくるとか、悪い冗談としか思えない。
おまけに機銃の様に宝珠から風を放ったかと思えば、暫く時間を置いてから宇宙戦艦の波動砲の様な一撃を放ったりとかしてくる。
はっきり言って戦争の最前線に独り放り出された挙句に脅威に包囲されている感じがする。
しかも此の危機的状況の半分以上が自分が渡した宝珠が原因なのだから、愚痴や悪態がブーメランの様に自分に戻ってくるから精神的に可也クるモノがある。
って、回転体側の鎖の先端を延ばしやがった。
しかも自分に巻き付けて
うぅわ、絶対あの鎖の防御力半端じゃ無いな。
うん、実際殴られた所が激しく痛いぞ。
大方俺が創り出した宝珠を捕縛する為に強化中の鎖だから、宝珠と似通った俺にも可也の効果が有るんだろう。さっきから思ったよりも鎖を破壊出来ないのを考えれば当然の帰結だな。
と言うか宝珠の厄介さって半分どころじゃなくて8割超えてるな。コレ。
どう考えても広範囲殲滅型のギルガメッシュに単体絶殺型の俺が押されるとか、普通ありえないし。
寧ろ相手の最大切札と同格の広範囲殲滅方法も持ってる俺が普通は有利な筈なのに、自分で自分の首を絞める真似した結果がコレとか、本気で色色クるな。
っち。本気でヤバいぞ。
ギルガメッシュが巻き付けた鎖が俺に触れる度に鎖の強度が上がっていってる。
大方指定対象に接触した時間と指定対象の格次第で鎖の強度も上がるんだろう。
まあ、指定対象は一種類だけっぽそうだが、宝珠と似通った俺ならある程度同一対象と判断されるってワケか。
何だか青い彗星の様に見えるけど、俺的には此処迄俺を追い込んでくれると赤い彗星にしか見えないぞ。放たれる一撃の音が〔シャアッ〕とか聞こえる時があるのがムカつく。
正直ぶち壊したいところだけど、壊すなら創生の風以外で攻撃しないとまず壊せないし、5~10秒捕獲すれば
しかし何か対処しないと負けてしまうけど、対処法の見当が付かない。
さっきから襲い掛かる鎖を7本の蜘蛛の脚で払ったり破壊したりしつつ、拳打や蹴撃をギルガメッシュに放って捌かれ続けているけど、鎖が頑丈に成り出してからは徐徐に攻めの勢いが落ち始めてきた。
もう、緊急対処用に残している最後の蜘蛛の脚を使ってでも今仕掛けないと本当に詰むな。
……仕方ない。今が勝負所だな。
さて、それじゃあ勝負を仕掛けるとしてどうする?
直接ギルガメッシュに攻撃を仕掛け、均衡を崩してから一気に攻め立てるべきか?
それとも残していた蜘蛛の脚に溜め込んだ力を一気に使って鎖を1本だけで僅かでも食い止めつつ、その隙に7本の蜘蛛の脚で攻め立てるべきか?
前者は反撃があればほぼ捌けないし、後者は猛攻勢に出る迄に僅かな時間が在るから守勢に回られるかもしれない。
勝ち負け相討ちがあっという間に付く前者か、双方体力切れの引き分けに成り易い後者か。
……考える迄もなく前者だな。
今更体力切れの決着なんて冗談じゃないからな。
…………さて、それじゃあ仕掛けるとするか。
左拳の一撃を右肩にフックを食らわされて捌かれた直後、温存していた最後の蜘蛛の脚を振るった。
すると、今迄散散俺の攻撃を捌き続けていたギルガメッシュの左腕が、肘の前辺りから呆気無く斬り飛ばせた。
しかも左腕を切り飛ばす前に胸も大きく斬り裂いた為、あっという間に致命傷を負わせられた。
が、それとほぼ同時に、掘削剣を拘束する鎖が緩んだのか、掘削剣から弾かれて暴れる鎖の乱撃を至近距離で浴びせられた。
更に鎖が乱撃されるとほぼ同時に掘削剣を突き出され、心臓辺りに大孔を穿たれた。
薙ぎ払った一撃を返そうとした時、乱撃してきた鎖が纏わり付いて動きを阻害してきたが、斬り返しには殆ど不具合が無かったから問題無く腹の中身をばら撒かせた。
代わりに鎖で両腕と蜘蛛の脚5本を封じられつつ、宝珠の波状攻撃で2本を封じられている隙に、心臓辺りに突かれた掘削剣から赤い暴風が巻き起こり、俺の左半身の臓器を撒き散らされつつ左腕と左足をズタズタにされた。
未だ砲撃を続ける宝珠へ、斬り返した蜘蛛の脚の勢いを殺さずに伸張させながら叩き付けて弾き飛ばし、その隙に残った蜘蛛の脚の1本を更に拘束しようとしている鎖を牽制し、もう1本で掘削剣を持つ腕を斬り飛ばそうとする。
が、その前に勝負を決めるとばかりに掘削剣を首や頭目掛けて振り上げ始めた。
そして、蜘蛛の脚は右腕を下から斬り飛ばしつつも首を半ば以上斬り裂いた。
対して、掘削剣は脊髄を破壊しながら延髄に迄迫った所で右腕を斬り飛ばされた為、起動停止しながら右腕ごと地へと落ちていった。
崩れる体勢を利用して頭突きを繰り出すが、命中する瞬間に鎖がギルガメッシュを牽引して空振りさせられた。
だが、倒れる前に辛うじて右脚で踏み止まりつつ、斬り上げた蜘蛛の脚を唐竹割へと変化させる。
が、そうはさせじと宝珠が風を推進力に変えながら俺の頭へと飛来する。
そして、俺は頭目掛けて飛来した宝珠を辛うじて首の動きだけで避け、右耳全てと首を2割削られるだけで済ませた。
しかし、宝珠が凄まじい風を纏っていた為、余波で首を大きく吹き散らされつつ俺は吹き飛ばされた。
意識が消える瞬間、頭を半ば迄斬ったギルガメッシュが倒れていくのを見、未だ意識が在るのかどうか解らないのが悔しいと思いつつ、俺の意識は途切れた。
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…………………………ああ……………………やっちまたな。
…………………………もう何と言うか…………………………完全にやっちまたな。
………………………………………………………………………………一体どこのバトルジャンキーだよ!!!俺は!?!?!?
何!? 何だよ!?!? 何なんだよ!?!?!? 一体全体何処を如何すれば思考が勝負一色に塗り潰されるんだよっ!!!???
心臓が少しばかり抉られた段階で降参すりゃいいだろが!? なのに気にせず反撃とか、一体どれだけアドレナリン分泌してるんだよ!?
と言うか玉藻が言うにはアドレナリン擬きの不思議物質って話だが、精神汚染する効果でも有るのか!?
殺す気も殺される気も無ければ、死なす気も死ぬ気も全然無かったってのに、少しでも拍子や判断が狂えば引き分けじゃなくて相殺だぞ!? どれだけ頭パーになってたんだよ!?
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛…………正直起きたくないな。
半覚醒の状態で此んだけ猛省と言うか恥に悶えてるのに、これで頭が確り冴えた状態になったらどうなるのか考えたくもないぞ。
と言うか、玉藻からの小言やら何やらは必至だな。
……何かほとぼり冷める迄寝てたいところなんだが、多分主観時間が限界を超えて強化した所為で狂い捲くってる筈だから、下手したら半年寝たつもりで1分とか地獄の様な状態になってる可能性が高いと思うと、とてもじゃないけど狸寝入りを決め込むつもりにはなれないな。
実際、以前慣れる迄は1秒が数十時間に感じて精神がイかれそうになったからな。しかも身体は思考に全然追いつかないというおまけ付き。
いや、玉藻が俺の思考速度に合わせて念話出来なかったらイかれてたな。マジで。
しかしまぁ、よく生きてたよな。俺。
心臓どころか大動脈に腎臓に脾臓に左肺に左大腿動脈に気管に頚動脈に延髄と、どれか一つでも致命傷なのに全部が全部景気良く破損してよくもまあ今も生きてるもんだよな。
黒間何たらが居る手術室の手術台で怪我しても、手術する前に余裕で死ぬ怪我だったってのに。
はっきり言ってあの怪我で生きてたって世間に知れたら、奇跡を通り越して現代医学の悪夢と慄かれるのが目に浮かぶな。
……象の体力とダチョウのタフさとゴキブリの往生際の悪さを併せ持った挙句、ゴッドハンドとか黒間何たらを山程集めた上に採算度外視の医療設備が在ったとしても、七つの龍の玉か世界樹でも探して葉を捥いだ方が建設的と言われる怪我だもんな。
と言うか、死徒でも魂魄が多分あの宝具で圧壊されて復元出来ずに死にそうな怪我だったのに、一体全体どういう理屈で生きてるんだ?
いや、玉藻が何かしたんだったら生きてさえいれば治療は出来るだろうけど、治療が間に合うか如何かが抑怪しいんだよな。
死者蘇生が出来ると言っていたけど、生憎と基督教徒じゃないんで墓の下から蘇れるとか蘇りたいとか思ってないとは言ってたからしてないだろうし、仮に無視して実行してたらもう少し身体に玉藻の力の残滓が残ってる筈だからな。
って……ちょっと待て。改めて身体の状態を確認してみれば殆ど玉藻の力の残滓を感じないぞ?
此れはアレか?
1.単に俺が玉藻の力の残滓を十全に感じ取れていないだけ。
2.玉藻以外の誰かが治療した(最有力候補は桜ちゃんで、次点はギルガメッシュ)
3.玉藻が治療したが残滓が殆ど消える程時間が経っている。
4.殆ど乃至全て自力で回復した。
5.1~4の理由が複数一定の比率で絡んでいる。
のどれかか?
……1は此れでも玉藻の力を感じることに関しちゃ同一存在である天照とかに追随出来る程に察知能力が在ると自負しているし玉藻も嬉しそうに太鼓判押してたから在り得ないし、2はする理由が解らない。少なくても玉藻がする方が術者への負担も少なければ俺が死ぬ可能性も少ないから、玉藻が俺の生死が掛かってそうな時に俺を臨床実験に使うとも思えない。
3は玉藻が治療したなら普段の睡眠時間を越えて眠り続ける筈ないから説明が付かないし、4ならプラナリアか吸血鬼に知らぬ間にジョブチェンジしたって事だから否定したいし気付かない程俺は馬鹿じゃないつもりだ。
5なら今迄否定した其其をチョイスするという、今迄より輪を掛けて在り得ない事態だから余計考えられない。
つまり…………。
6.実は吹き飛んだ後の瀕死状態で、痛みを感じ無いのは単なる麻痺か精神の自衛手段。
って事か?
え? それなら現在絶賛走馬灯中か?
いや、別に過去を追想したり追体験したりしてるわけじゃないから、走馬灯とは違うかもしれないし、第一、危険が終わった後の走馬灯って何か違う気がするしな。
……まあ、馬鹿な考えはそろそろ止めるとして、いい加減目を目を覚ましてみるとするか
目を開けたら首が無い自分の体とか見えたら嫌だよなあ、と思いながら俺は静かに目を開けた。
最初に目に映ったのは不純物の混じった可也暗い茶色だった。
一瞬何なのか解らなかったが、直ぐにそれが地面だと気付いた。
そしてそれとほぼ同時に、自分が顔から地面に着地しようとしている体勢だとも気付いた。
更に自分が吹き飛ばされてから墜落する迄の僅かな時間の間に、気絶して精神的休養を十分に取っていたのだとも理解した。
その上、今迄完全に目が覚めていなかったから自覚していなかった痛みを一気に自覚した。
だから今現在、非常にテンパっている。
両手足は神経系(?)が破壊されているから微塵も動かないし、蜘蛛の脚はどんな風に宙を待ったのか知らないが、既に鎖が変な具合に絡まっていてまともに動かせない。
ギルガメッシュが気絶しているからなのか拘束力は殆ど無いが、それでも縄跳びが絡まった時の様に俺の動きを阻害していた。
つまり手も足も脚も出ない状況なわけだ。
要するに、千切れかけた首と胴体の儘無抵抗に顔から地面に突っ込むしかないということだ。
……このスローモーションの世界で顔から着地する瞬間を体験しきゃいけないとか、一体何の罰ゲームだ?
今日の占いカウントダウンタウンじゃ最高の一日とか言ってたけど、占っている奴を締め上げたい程に全然最高じゃないぞ。
大切な一日かもしれないが、全然最高じゃないぞ。
しかもラッキーカラーが赤とか言ってたけど、赤なら掘削剣から放たれたのを文字通り浴び捲くるどころか身体の中にまで取り入れたってのに全然最高じゃないぞ。
寧ろ赤い血液と一緒に運気どころか生命力とか色んなのが逃げている気しかしないぞ。
いや、そんな馬鹿なこと考えてないで状況打破に足掻くべきだな。うん。
とは言え、まともに動かない身体じゃどう足掻いても着地どころか受身も不可能。
おまけに不思議物質を生成しようにも殆ど魔力が枯渇してるから碌に生成出来ないし、生命力は既に風前の灯状態で呼水にするとほぼ確実に絶命する上、呼水にする力すら残っていない。
止めに辛うじて使えるだろう暴発魔術は精密制御とは程遠いから、着地や受身や回復や支援とかの効果は一切期待出来ないどころか自爆するだけだな。
つまり、大人しく顔面ダイブを決め込むしかないってことか。
……冗談じゃないぞ。
3~4分近く考え込んでる感じなのに、0.001秒も経ってる感じがしない状態で千切れかけの首で顔面ダイブとか、じわじわと首が千切れていく感覚と痛みを味わってたら発狂してしまうぞ。
と言うか、普通に死にそうな程痛いのも滅茶苦茶辛い。
だけど思考速度というか体感速度が数万倍に跳ね上がっているから、痛み以外に刺激が無い儘どれだけ過ごす破目になるのか解らないのがもっと辛い。
致命傷と言うか絶命傷とも言うべき傷を幾つも負った挙句、ショック死する痛みを感じつつ、発狂しそうな時間を過ごすとか、基督教じゃないんだから主の試練とか言って受けいれられる程俺はマゾじゃないぞ。
……焦っちゃいないけど苛つき具合が半端じゃないから考えが纏まらない。て言うか進まない。
兎に角もう一度現状を纏めよう。
1.現在俺はギルガメッシュと勝負中。
α.ギルガメッシュは多分気絶しているし、俺は気絶から復帰しても継戦能力ほぼゼロの分け状態。
β.俺は任意で攻撃、ギルガメッシュは自動反撃可能だろうが、殺し合いになるので分け決定。
2.勝負が分けになったけど、現在俺は大怪我を負わされて宙を舞った挙句に落下中。
α.延髄・心臓・頚動脈・大動脈・脊髄・大腿動脈・左肺・腎臓・脾臓と言う重要器官が大破。
β.大雑把に言うならば左胴から延髄付近迄抉り飛ばされてる。
3.赤い風や不思議物質を浴び捲くって神秘を纏っているっぽい地面への激突回避手段無し。
α.四肢は延髄や脊髄の破損で使用不可能状態。
β.蜘蛛の脚は宙を舞っている最中に変な具合に絡まってほぼ使用不可及び展開放棄不可状態。
γ.不思議物質は魔力がほぼ枯渇状態の為使用不可。
1.生命力を呼水にすれば絶命可能性は極めて高し。
2.それ以前に生命力を呼水にする魔力すらも無い。
δ.暴発魔術は使用可能だが着地や受身への効果は微塵も望めない。
1.回復・復元・移動・転移・強化・軽減・遡行等は暴発魔術では一切実現不能。
2.爆発・突風・空間爆砕等での体勢立て直しは必須の精密制御が一切実現不能。
4.現状で激突回避の手段は無し。
……改めて考えると落ち込むな。
っとと、いい加減脇道に逸れるのは止めないとな。
時間は全く減っていない様だけど、何度も落ち込んでると思考ループから益益抜け出せなくなるしな。
で、清清しい程に激突回避の手段が無いという結論が出たが、何か穴とか裏技がないかもう少し考えてみるか。
……自前の魔力や生命力が足りないなら借り受けるか盗み取るしかないけど、此の場でそんな対象はギルガメッシュか玉藻か桜ちゃんか星と言うか抑止力の4択。
ギルガメッシュは事実上勝負が付いたとは言え、未だ勝負は続行中だから却下。
因って、勝負中に自分側の玉藻と桜ちゃんから借りるのは却下。
かと言って対価を払って抑止力から借りるのは大却下。特にアラヤ側は何があろうと却下。万が一借りるなら玉藻と同じ星側と決めてるしな。
となるとどう考えても魔力回復手段は無いな。
いや、一応超絶博打として根源に行って摩訶不思議な能力を獲得すると言う選択肢は在るけど、出来る出来ない以前に、ギルガメッシュとの勝負でもそんな博打しなかったのに瀕死での顔面ダイブが嫌でそんな博打したら、今迄の勝負の価値が露と消える気がするから微塵もする気が湧かない。
つまり、結局は魔力回復手段は無いという事か。
だったら、着地や受身以外でのダメージを減らす方法を考えよう。
……誰かに助けてもらうのは勝負中だから却下。
だからといってギブアップするのは却下。ギブアップの理由が末代迄の恥になる程馬鹿らし過ぎるしな。
なら……激突の場所を変えるしかないな。
うん。幸い近くは海だし、此処の神秘を浴び捲くった地面と違って激突しても受けるダメージは少ない筈だ。
だけど現在蜘蛛の脚には鎖が絡まっている。
拘束はされてないから抜け出すのは難しくないけど、一瞬で抜け出すのは流石に厳しい。
と言うか、術技への反映時間は謎なのが痛い。
ま、具現化した物の操作は加速と言うか引き延ばされている思考の中じゃあ置いてけぼりは確実だから、ほぼ確実にまともに動かせない蜘蛛の脚に比べれば望みはあるけどな。
いや、一応蜘蛛の脚の操作も術儀の一部だろうけど、流石に思考速度の倍率が解らずに操作しようとしても成功するとは微塵も思えない。……気絶から覚めて地面を見た時も、目を開けたんじゃなくて意識が覚醒して開けていた目から得た情報を認識しだしただけだったしな。
……って言うか、一応コレも勝負の内なんだろうけど、何でこんなしょうも無いことで此処迄悩まなければならないんだ?
…………ヤメヤメ。アホ臭い。馬鹿らしい。面倒だ。
俺の戦闘の原点に帰ろう。
俺の戦闘の原点は、〔痛かろうが苦しかろうが気にせず駆け抜ける〕、だ。
そして、〔其れを躊躇うなら抑戦闘なんてしない〕、ってのが俺の原点の筈だ。
今回は戦闘じゃなくて勝負だけど、まあ、互いに不必要な止めを刺さないってだけで、面倒臭さは余り変わらないから気にしないでおこう。
さて、なら原点回帰した思考で打開策を考えよう。
……面倒だから空間爆砕して、鎖を引き剥がしたり砕いたりしつつ海に吹き飛んで
ちょっと巻き添え食って首が千切れたり体が千切れたりするかもしれないけど、どれだけ勢いついて落下してるか解らない以上、神秘を纏っている地面に激突しても同じ目に遭うかもしれないなら、少しはカッコ好いと言うか、マシな容で終わらせたいからな。
まあ、思考加速に術発動が追いつかなかったら激突を座してと言うかヘッドダイビングと言うかフェイスダイビングしつつ待つしかなくるけどな。
よし、それじゃあ答えも出たし、サクッと試してみるとするか。
ギルガメッシュも巻き添えを食うだろうけど、勝負相手が墜落死とかいう間抜けな結末の勝負になるくらいなら遙かにマシと思うだろう。
ではでは、いい加減ケリを付ける為に炸裂させるとするか。
そして敢て言おう!
アホな事を思いつつも実行した空間爆砕は、何故か過去最高の出力で炸裂した。
【桜のコネ】
バルトメロイ :魔術の師。
桜の呪術等を非常に高く評価しているので貸し借り在りの取引なら応じる。
蒼崎 橙子 :知人と茶飲み友達の中間。
雁夜が先に対価を払っているので何度か(最低1回は)只で依頼可能。
両義 式 :退魔家繋がり。
仲は知人と他人の中間程度。
蒼崎 青子 :雁夜繋がりの知人。
雁夜との仲が非常に悪かった為、桜が警戒して余り良好な関係ではない。
アルクェイド :雁夜だけでなく玉藻繋がりで仲が非常に良い。
気が向けば互いに貸し借り無しで手伝う程には仲が良い。大河との仲も良い。
シエル :玉藻が事業拡張でメシアンを買収した際に襲撃に近い詰問をした際に知り合う。
大赤字覚悟でカレーの研究所を設立した為仲は良好(ほぼ餌付け)。
遠野 秋葉 :雁夜名義の
強大な力があるにも拘らず日常を大事にする桜と気が合い、友人となる。
シオン :秋葉の紹介を受け、吸血鬼化治療援助の見返りに複合企業最高幹部に据えられる。
雇用者と被雇用者の関係だが、恩義と友情も同居している。
ゼルレッチ :雁夜とアルクェイド繋がりの知り合い、及び血縁上の大師。
志貴と纏めて攫われて死徒の領地に放り込まれたりと、可也見込まれている。
ウェイバー :座学の師。
互いにコネを維持する関係だけでなく、少なからず好感を持ってはいる。
ギルガメッシュ:雁夜繋がりだが、間間子供と大人を問わずに交流を続けている。
話を聞いて見世物代わりの妥協案等程度は提示される可能性は高い間柄。
アインツベルン:御三家(令呪システム)絡みの知り合い。
基本は不干渉だが、桜も聖杯自体に興味が無いのは有名なので多少の取引は可能。
遠坂 凜 :御三家(令呪システム)絡みの知り合い、及び嘗ての家族。
凜は何かと桜を意識するが、桜は殆ど吹っ切れている為ほぼ不干渉状態。
藤村 大河 :士郎の姉貴(?)分及び入学予定の学園の教師及び未来の姉貴分。
桜が複合企業の頂点に立つと知っており、急な遅刻早退欠席を察する理解者。
葛木 宗一郎 :退魔一族繋がりの知り合い、及び来月入学予定学園の教師。
雁夜達が経歴を徹底改竄して契約した、桜の護衛の一人(二十歳以降は任意)。
時計塔ロード達:バルトメロイ繋がりの知り合い。
様様な逆恨みはあるものの、噛み付けば魔術師廃業は確定なので下手に出ている。
スミレ :ゼルレッチに志貴と一緒に死徒の領地に飛ばされた折に知り合う。
桜に余計な知識を吹き込んだり大河と宴会したりと可也仲が良い。
ナルバレック :シエル繋がりの知り合い。
殺伐とした関係。桜としては極力関わりたくないが稀に取引を持ちかけられる。
報道各社 :地球全土の85%以上の報道各社の操作が可能。
協会と教会のバックアップが有れば国連非加盟国でも操作可能。
通信各社 :地球全土の99.99%以上の通信各社の通信封鎖が可能。
対災害用の国営企業等も時間が在れば可能だが、ほぼ流出済なので効果薄し。
円蔵山関係 :文化保護として莫大な援助金と保全活動を行っている為、仲は頗る良好。
1年後辺りには希少鉱石発見との誤報で日夜一般人が溢れて調査される予定。
カレー関係各社:徒人・魔術師・魔術使い・超能力者・吸血鬼・鬼種・覚者・神霊が存在する機関。
第七司祭が吸血衝動すらも駆逐するカレーの開発(味見)で平和を目指している。
【士郎の桜への感想】
洋食と油揚げを使った料理は絶品だな(油揚げは玉藻さんの強烈なリクエストらしい)。
成績というか頭脳は大学教授も余裕らしいし、情けないけど時々勉強を教わるけど凄く解り易く教えてくれる(なんでも雁夜さんと上場さんと言う人を真似してるらしい)。
運動は五輪選手候補級だし、護身術は皆伝級らしくて、桜にフられて自棄を起こした奴は綺麗に一回転して足から着地させられたりしてたな(二度目も足からだけど、三度目は顎からなのが怖かった)。
家族構成は今一解らないけど、二人とも桜のことを凄く大切にしているし桜も二人を凄く大切にしているのが解るから、家族仲は凄く良いぞ。
ちょっと内気な性格だけど、優しいし気配りも出来るとっても出来た人間だな。
まあ、お金の使い方が激しく世間とずれてて、俺が良い食材が無いとスーパーでぼやくと翌日に数十万~数百万円くらいの食材を毎日プレゼントしたり、気が引けるからってプレゼントを断ると近くの店の品揃えがありえない程良くなってた上にありえない程安かったりもした(何時の間にか間桐の傘下になってて本気で驚いた)。
一応無駄な買い物とかはしないんだけど、必要な物は金に糸目を付けずにぶっ飛んだ最高品質の物を当然の様に購入するな(応急医療キッドの値段が7桁とか聞き間違えかと思った)。
だけど、行動がぶっ飛んでるし、偶に飛び出す言葉が重過ぎることもあるけど、凄く良い奴だぞ。
正直、俺には勿体無さ過ぎる後輩だな。
好きか嫌いかで言えば間違い無く好きだけど、半端な気持ちで告白と言うか暴露したら絶対雁夜さんに殺されるから、余り詳しいことは言えないけどな(いや、本当に殺されるな。万が一の奇跡で免れても、その時は玉藻さんに去勢されるな)。
しかし……俺が桜に勝ってるところを探しても見つからないのは泣けてくる。
文武両道、家柄良しに財産過多。コネと権力膨大で、止めに容姿も中身も超美人。
欠点が無いことが欠点と言える様な人物の隣に立ってると凄く肩身が狭いな。
別に桜が悪いわけじゃないし、藤姉みたいに気にせず付き合えばいいんだけど、俺には無理だな。
だから……まあ……桜は俺にとって自慢の後輩だけど、目標の一人だな。
少なくても、俺と仲が良いからって陰口叩かれない様になるくらいには自分を鍛える解りやすい目安だな。
あ、後、桜って唯一遠坂とだけは仲がなんか悪いんだよな。
別に喧嘩したり無視してるわけじゃないんだけど、対応が雑というか関心が一欠けらも無いというか、兎に角絶望的に仲が良くなる未来が見えない。
桜に聞いたら、[先輩の大事な秘密を一つ教えてくれたら何があったか教えますよ?]、と言われたから、余程言いたくない事なんだろうな。
微塵も嫌ってはいないと言ってたしそれは本当なんだろうけど、正確には微塵の興味も関心も無いのが正解なんだろうな。
それと、言っちゃ悪いけど友達が少なそうに思えたけど、ちょっと前に俺より年上の女の人の友達と会っているのを見た時は驚いた。
まあ、滅茶苦茶頭良さそうな会話してたから何の話なのかさっぱりだったけど、どっちもタイプの違う美人さんだったな。
……心を圧し折る毒舌と心を磨り減らす毒舌を大量に貰ったけど。
なんでも、親しくない美人を見たら萎縮するくらいのトラウマを与えておいた方が俺と桜の将来の為だとか。……なんでさ。
長くなったけど、一言で纏めると、家族、かな?
藤姉が姉貴分で桜が妹分で、こんな関係がずっと続けばいいと思ってるぞ。
↑に対する各各のコメント
・雁夜
桜ちゃんを生涯妹分に据えて置きたいとか、地雷の上でブレイクダンス踊るのが好きみたいだな。
逝くか?死ぬか?嫌な方を選べ。どっちも実行してやるから泣き叫―――――― 略 ――――――。
・玉藻
ハーレム体質ですね。
去勢依頼の対象にされれば、基本的に無料且つ最優先で行いますから覚悟して下さい★
・大河
士郎って地雷踏むの好きだよね。
後、成立は兎も角ゴールインは学生の間は認めないからね!
【勝負していた時の雁夜達のパラメーター(一般的なサーヴァントを1とした場合のパラメーターとなっています)】
雁夜(限界突破強化状態時)
・筋力:A+ ・魔力:EX
・耐久:A+ ・幸運:EX
・敏捷:A+ ・宝具:--
ギルガメッシュ
・筋力:E+ ・魔力:D
・耐久:E ・幸運:EX
・敏捷:E+ ・宝具:EX
桜
・筋力:E- ・魔力:C
・耐久:D++・幸運:EX
・敏捷:E ・宝具:EX
玉藻
・筋力:A9+・魔力:EX
・耐久:A9+・幸運:EX
・敏捷:A9+・宝具:EX
……EXの大安売りですね。
後、玉藻のパラメーターが狂っているのは仕様です。
本当に英雄を指先一つで倒せるには最低でもコレくらい必要(出来るならこの5倍はほしい所)だと判断した結果、狂ったパラメーターになりました。
漫画版月姫の姫アルクの様に、軽く腕を動かすだけで波動砲の様な攻撃を放てると作者は設定しています。
具体的には原作ギルガメッシュのエヌマ・エリシュ級の攻撃で弾幕を張れる出鱈目さが、此のSSの玉藻の強さになっています。
……地球の平穏を護る為、愛と奉仕の良妻賢母と成り続けるのが一番誰もが平和ですね。
尚、作者は某ランスシリーズとクロスさせようとしたのですが、今一雁夜と玉藻の強さの格が判らず断念しました。
……雁夜や玉藻が三柱神を超えられるかが不明の為、魔王システムや勇者システムとの摺り合わせで頓挫しました。
因みに、作者的に雁夜は、
永遠神剣系 :一位の前に瞬殺。多分四位~二位が雁夜と玉藻の実力。
神様シリーズ:神格の前に瞬殺。多分怒りの日の三騎士に条件次第で勝てるかどうかといったところ。
カンピオーネ:ガチバトル。下手すれば玉藻もガチバトル。
とある魔術 :最強キャラの一角に君臨。
GS美神 :最高神級相手に可也有利に戦える。
屍姫 :弥勒相手に滅茶苦茶有利に戦える。
ネギま :作中の全キャラクターに結託され且つ不意を突かれて尚そこそこ有利に戦える。
ダイの大冒険:作中の全キャラクターに結託され且つ不意を突かれて尚可也有利に戦える。
H×H :作中の全キャラクターから死者の念を掛けられれて尚滅茶苦茶有利に戦える。。
ゼロの使い魔:アルビオンを叩き付けられ且つ作中全キャラクターの命を賭した一撃でも重傷未満。
なのは :アルカンシェルにロストロギアで神秘が付与された場合のみ傷害可能性有り。
ガンダム :高確率で厄介事に巻き込まれて力を振るう為、人類全ての敵になるので一般生活不可。
ワンピース :高確率で厄介事に巻き込まれて力を振るう為、七武海入りしなければ一般生活困難。
IS :束と知り合うか、不思議物質でIS擬きを作成しなければガンダムと同展開。
東方 :不明。能力の相性を格の差で無効化出来るかが全て。
DB :亜光速で動けるのに音速以下で岩に激突しての負傷等の矛盾により摺り合わせ不可。