ガールズ&パンツァー~RED FLAG~   作:弐式水戦

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最後で紅夜君がフルボッコされます(笑)


第51話~ウォーター・ウォー!その4です!~

他のチームの様子を見に来た紅夜とみほは、彼女等の様子を見て開いた口が塞がらないとばかりに唖然としていた。

 

「赤ふん、赤ふん!歴史は赤ふん!やはり六文銭の赤ふんで!」

 

胸の晒と、六文銭の模様が描かれた赤い褌と言う、何とも歴史感溢れる水着を着た左衛門佐が、近くにあった椅子に右足を乗せると言うポーズを取りながら言う。

 

「いやいや、此処はアフリカ軍団仕様のヤシの木柄だな」

 

そう言って、ヤシの木が描かれた黄色のVネックタイプの水着を着たエルヴィンが、愛用している帽子をかぶったままサマーベッドに寝転がって言った。

 

「ローマ軍団は甲冑!そして赤マント!!」

 

カエサルが着ている、普通の水着に鎧を纏うと言う、何とも変わった組み合わせでありながらも、首に巻いている赤いマフラーや纏っている鎧が如何にもローマ帝国の騎士を感じさせる。

 

「海援隊の紅白模様で……………」

 

そんな中、かなり印象の強い水着を着ている他の3人よりかは無難な縞模様の水着を着たおりょうが、椅子に座って声をあげる。

 

「赤ふんも良いが、やはり真田紐も捨てがたいな……………」

 

今度は、体を紐で真田隠すと言う、何とも変わったタイプの水着を着た左衛門佐が、先程と同じポーズで言った。

 

「此処はドイツが開発した、『水に溶ける水着』を」

「止めなさい!」

 

エルヴィンはそう言うが、着ている水着が年齢制限ありのグラビアビデオに出てきそうなものであったためか、流石に見過ごせなくなった紅夜からのツッコミを受ける。

 

「この家紋入り腹掛け風水着で決まりぜよ」

「「「それだぁっ!!」」」

「「……………」」

 

おりょうが自らが着ている水着を見せると、3人は納得したらしく、一斉におりょうが着ている水着を指差して言った。

その様子を見ていた紅夜とみほは、互いに顔を見合わせて苦笑を浮かべる。

 

「他、見に行くか?」

「そうだね……………」

 

そうして2人は、他のチームの様子を見に行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………おい、何だアレは?」

「さ、流石はバレー部だね。水着にもそれが表れてる……………」

 

そんな会話を交わしながら、そのグループに近づいていく2人の視線の先には、アヒルさんチームの4人が居るのだが、1人を除いて着ている水着は普通なのだが、その姿が何とも言えない状態だった。

 

2つの大きなビーチボールを胸の前に持つ忍は比較的マシだが、水着の上からネットを絡ませているあけびや、車輪付きのボールカゴに妙子。

そして極め付きは、バレーボールのマスコットキャラの着ぐるみを来ている典子だった。

 

「お前等、またスッゲー事してるな……………」

 

苦笑を浮かべながら紅夜が言うと、アヒルさんチームメンバーの視線が一斉に、紅夜に向けられた。

 

「な、長門先輩!?それに西住隊長も!」

 

第2回戦車捜索作戦の時、紅夜に横抱きにされて以来、若干紅夜の事を意識している忍は、いきなり現れた2人に驚く。

 

「え、えっと……………これは、その……………」

 

流石にこの様な姿を晒したのが恥ずかしかったのか、忍は感情任せに、ボールを元々の売り場に投げ込んでしまう。

 

「コラコラ、売り物なんだから大事にしなさい」

「其所を気にするんだ……………」

 

忍に注意する紅夜に、みほはそんなコメントを呟く。

 

 

「時に磯辺さん、そんなの着てどうやって泳ぐんだ?つーか、まともに動けねえと思うけど……………」

「根性で乗り切ります!」

「さいでっか……………」

 

相変わらずの根性論な典子に、紅夜は関西弁で返事を返す。

 

「それよりも長門先輩、忍の水着はどうですか?」

 

そう言いながら、あけびが紅夜の前へと忍を押し出す。

急に押し出された忍は恥ずかしがるが、紅夜は暫く考えた後……………

 

「スポーティーなお前には、それが一番似合うだろうな」

「あ、ありがとうございます……………」

 

そうコメントし、忍は顔を赤くしながらも嬉しそうにする。

 

「紅夜君、次行こうよ」

 

そんな様子を見たくないのか、みほは先に行きかけながら紅夜に呼び掛ける。

 

「あいよ!そんじゃ、またな」

 

みほに返事を返すと、紅夜は4人に一言掛け、みほの後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「次もまた、なぁ……………」

「うん、何か怖い事になってる」

 

そう呟く2人の視線の先には、水着姿となったウサギさんチームのメンバーが居るのだが、そんな彼女等の姿もまた、変わったものとなっていた。

 

あやは人の足を加えているサメ型の浮き輪を持ち、優季はガスマスクそのものにしか見えないゴーグルを身に付け、桂里奈はチェーンソーをイメージしたビート板を持ち、紗季はイカの被り物をかぶっている。

 

「……………見なかった事にしよう」

「そうだね……………」

 

そんな彼女等を見て呆然としている梓を残し、2人は散策を続けた。

 

 

 

 

 

 

「ねえねえねえねえ!コッチとコッチだったら、みぽりんは何れが良い!?」

 

2人があんこうチームに合流すると開口一番、沙織が2着の水着を持ってみほに詰め寄った。

 

「それより、コレとコレのどちらが良いでしょうか?」

「お前まだ買うつもりか?」

 

沙織を押し退けてみほに聞く華に、紅夜は呆れ顔で言った。

必要以上にものを買わない主義である彼からすれば、水着など1着程度で十分だろうと言う考えなのだろう。

 

「SEALs仕様と英国SBSとフランス海軍コマンドとスペツナズ!西住殿なら何れを選びますか!?」

「金と銀じゃ何れが良い?」

「ええっ!?」

 

優香里に続き、らしくなく麻子にも訊ねられ、みほは戸惑う。

 

「「「「ねえ、ど~れ?」」」」

「あう~」

極め付きには4人一斉に聞かれ、みほはついていけずに混乱してしまう。

 

「オイお前等、少しは落ち着いたら……「どいつもコイツも弛んでる!!恥を知れ、恥を!!!」………あれま」

『『『『『『『『ッ!?』』』』』』』』

 

紅夜が落ち着くように促そうとすると、桃の怒声が響き渡り、メンバー全員が驚いて桃の方を見るのだが……………

 

「桃ちゃん、説得力無さすぎ……………」

 

白のビキニを着た柚子にそう言われていた。

それもその筈。何せ桃自身も水着を着て、さらには浮き輪まで持っている始末だ。説得力の欠片も無い光景だった。

 

「まぁ、こう言うのは楽しんでナンボだからねぇ~」

 

赤色のビキニを着て、相変わらずサマーベッドで寝転がって干し芋を頬張りながら、杏は言った。

 

「皆~、楽しんでる~!?」

『『『『『『『『オオーーッ!!!』』』』』』』』

 

杏が言うと、みほ以外の大洗女子学園の生徒達から声が上がる。

 

「(う、五月蝿ェ~~!!)」

 

至近距離で大声を出されているため、紅夜は耳を塞いでいた。

 

「もう一丁!」

『『『『『『『『オオーーッ!!!』』』』』』』』

「さらにもう一丁!」

『『『『『『『『オオーーッ!!!』』』』』』』』

「何回やるつもりなんだお前等は!?」

 

何度も繰り返す一行に、遂には紅夜からのツッコミが飛んだ。

 

「ちょいと西住さん!お前からも何か言ってやってくれ!」

「お、おー……………」

「お前もか!」

 

何だかんだ言いながらも、結局は叫んでいる側についたみほに、紅夜はまたツッコミを入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「紅夜、なんで私達の方には来なかったのよ?ずっと待ってたのよ?」

「悪かったって静馬、そんなに怒らないでくれ」

 

そして時間は流れ、今は夕方。一行はアウトレットから出てきた。

あの後、風紀委員であるみどり子が『店の中で騒ぐな』と言い放ったのだが、パゾ美とゴモヨが何時の間にか杏達側に取り込まれており、結局みどり子自身も巻き込まれてしまったりと様々な出来事に見舞われたが、全員、無事に水着を購入し、満足げな表情を浮かべていた。

 

そんな中で、紅夜は大洗女子学園の戦車道チームにばかりかまけていたため、自分のチームの様子を見に行くのをすっぽかしており、現在進行形でご立腹状態の静馬に絡まれていた。

子供のように頬を膨らませて拗ねる静馬には、《大洗のエトワール》と呼ばれた面影は無い。

 

「もう……………せっかく良さそうな水着選んで待ってたのに、大洗の子達ばっかに構ってばっか……………私にも構ってよ」

「何か言った?」

「何でもないわよ!」

 

何やらボソボソと呟いた静馬に紅夜は聞き返すが、静馬は顔を背けてしまう。

 

「はぁ……………あ、そういや達哉、武部さん達が西住さんに詰め寄る前、お前何か疲れてるみてえだったじゃねえかよ、何かあったんか?」

 

拗ねる静馬に溜め息をつく紅夜だが、其所で思い出したかのように達哉に言った。

 

「ああ、沙織と麻子に、矢鱈と『水着見て』って言われてさ、お前が来るまでずっと付き合わされてた」

「へぇ~……………って、冷泉さんも名前呼び?」

 

達哉が麻子を名前で呼んでいる事に気づいた紅夜が訊ねる。

 

「ああ。何か知らんが『沙織を名前で呼んでるから』とかで張り合ってきてさ……………訳分からん」

 

そう言って、達哉はヤレヤレとばかりに首を振った。

 

「あっ!」

 

そんな時、突然みほが声を上げた。

 

「ど、どったの?」

「私……………水着買い忘れた……………」

 

いきなりの大声に及び腰になりながら紅夜が訊ねると、みほはそう答えた。

あれからみほは、その場の雰囲気でずっと他のメンバーと一緒に居たため、自分の水着を買い忘れてしまったのだ。

 

「なら、今からでも買ってくるか?」

「その必要はありません!私が買っておきました!」

 

紅夜が提案すると、優香里が割り込んできた。

 

「買った?……………って、ちょい待て、サイズどうすんだよ?適当に買ったんじゃねえだろうな?」

「勿論!西住殿のサイズなら、見ただけで分かりますから!」

 

そう言って、優香里はみほを上から下まで見て言った。

 

「先ず、バスト82!」

「ふぁっ!?」

 

最初にみほは胸を隠すように手を添え……………

 

「ウエスト56!」

「ちょっ!?」

 

今度は腰に手を回し……………

 

「ヒップ84!」

「いやぁ!」

 

最終的には屈み込んでしまう。

 

「ヒッヒッヒッヒッ!」

「スゲーな、どうやって知ったんだ?」

「身体測定だな……………」

 

優香里が何処ぞのオヤジのように笑うと、紅夜は優香里がみほの3サイズを知っている事に驚き、麻子が身体測定で知ったと言う事を教える。

 

「どうぞ!」

 

優香里は満面の笑みで水着が入った袋を差し出す。

みほは袋を受け取ると、紅夜に近寄った。

 

「……………聞いちゃった?」

 

そう訊ねるみほに、紅夜は目線を逸らした。

 

「……………聞かなかった事にします、ハイ」

 

紅夜はそう言うが、みほは顔を俯けて震えだし……………

 

「紅夜君のエッチ~~~~ッ!」

「たわばっ!?」

 

みほの左ビンタが決まり……………

 

「スケベ~~~ッ!!」

「ひでぶっ!?」

 

更に右ビンタが決まり……………

 

「スケコマシ~~~~~ッ!!!」

「あべしっ!?」

 

おまけに張り手が決まり……………

 

「唐変木~~~ッ!!!!マウスに踏み潰されて死んじゃえ~~~~ッ!!!!!」

「すいまボルボ!!?」

 

最後にボディーブローを決められ、紅夜は完全にノックアウトした。

 

 

 

 

 

 

その後、気絶した紅夜は置き去りにされ、学園艦出港ギリギリに乗り込んだとか…………




「作者ぶっ殺す慈悲は無い!」

って紅夜!?ちょいと何しにってうわおいなにをするやめ……………




その後、作者の姿を見た者は居ない……………

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