ノリと勢いで書きます!反省も後悔もしません!(←どちらかはしろ!)
「おいおい、俺等も隠し芸を披露するってマジかよ」
「その辺の知らせは全然聞いてなかったから、いきなり何か披露しろとか言われてもなぁ」
祝賀会において、大洗チームの隠し芸大会で盛り上がりを見せている中、突如としてレッド・フラッグも隠し芸を披露する事が決まり、当のメンバーは戸惑いを隠せずにいた。
「練習全くしてねぇけど、全員でバカッコイイムービーを実践してみるか?」
「その発想はどっから湧いてきたんだよ大河…………」
「いや、この際だから紅夜にバイクでスタントやってもらうのは?」
「トンでもねぇ事言うなよ雅」
「達哉と紅夜の天下一武道会は?」
「翔、お前は俺に死ねってのか?」
等々、出し物が思い浮かばずにもめるレッド・フラッグ一行。
それを見ていた杏は、悪戯が成功した子供のような笑みを浮かべながら紅夜達に近づいた。
「いやぁ~、もめてるねぇレッド・フラッグの皆」
『『『『『『『誰のせいだ、誰の!』』』』』』』
おちゃらけたように言う杏に、レッド・フラッグ全員からのツッコミが飛ぶ。
「まぁまぁ、そんなに怒らなくても良いじゃん。こんな事もあろうかと、用意してるものがあるんだよ!」
「“用意してるもの”?」
「何だそりゃ?」
杏の言う意味が分からず、首を傾げるレッド・フラッグ一行。
「それじゃあ角谷さん、その“用意してるもの”ってのは何だ?」
そう言って詰め寄る紅夜を、杏は手で制した。
「まぁまぁ、紅夜君。焦るのは良くないよ。先ずは恒例のをやらなきゃね」
杏はそう言うと、目線で柚子に合図を送る。
それに頷いた柚子は、マイクを持ち直して言った。
「さぁ、それでは始めてもらいましょう!」
柚子がそう言うと、広間が暗転して垂れ幕にスポットライトの光が当てられる。
「常識なんて通じない!数のハンデも撥ね飛ばし、危険地帯にも平気で乗り込んでいく怖いもの知らずな最強チーム、レッド・フラッグにやってもらうのは、これです!」
威勢の良い柚子の声と共に垂れ幕が上がり、舞台の照明がつく。
其所には丸いテーブルの上に皿が置かれており、その上には、17個の栗饅頭が置かれていた。
「レッド・フラッグ、プレゼェ~ンツ!“ロシアンルーレット、栗饅頭バージョン”!」
杏がそう言うと、天井からゲームのタイトルが書かれた横断幕が降りてきた。
「ん?あの横断幕の模様は………」
「……?横断幕の模様がどうした………あー、成る程」
降りてくる横断幕を指差しながら呟く翔の隣で、勘助もその横断幕を視界に捉えると、とあるチームへと視線を向ける。
「「「「………………」」」」
試験を向けられたのはカバさんチームで、エルヴィン達4人は一斉に目を逸らした。
おまけに、皿に置かれている17個の栗饅頭も、大洗チームのメンバーが作ったものらしく、メンバーの何人かがエルヴィン達と同様の反応を見せた。
「やれやれ………どうやらこれ、大洗の連中も1枚噛んでるらしいわね」
「まぁ良いんじゃね?あんこう躍りやらされるよかマシじゃねぇか」
溜め息混じりに呟く千早を、大河が宥める。
「栗饅頭か………俺、食った事1回もねぇんだよな」
「同じく」
…………約2名程、ゲームの内容に興味を示さない者も居るが、気にしないでおこう。
「それでは、このゲームの内容を説明しま~す!」
あれから少し経ち、レッド・フラッグのメンバーと黒姫達3人の付喪神が舞台に上がり、そのテーブルを囲むようにして立つと、マイクを持った杏が言った。
「まぁ、ルールは普通のロシアンルーレット同様、全員1個ずつ好きな栗饅頭を選んで、皆一斉に食べてもらいま~す!」
「本当に普通のロシアンルーレットだな」
内容の説明を聞きながら、紅夜はそう呟いた。
「17個中15個はセーフだけど、残りの2個に入ってるのは~………………秘密!」
「溜めてから言うのかよ!?」
「相変わらずツッコミ好きだなぁ、お前は」
そんな事もありながら、レッド・フラッグのメンバーにはどの栗饅頭にするのかを決める時間として、2分間与えられた。
「この中で助かるのは15人か…………」
「助かる側は未だしも、当たる側は堪ったモンじゃないだろうな」
皿の上に置かれている栗饅頭を眺めながら、大河と新羅はそう言い合った。
「俺、後で一人芸する事になってるから外れてほしいぜ」
「ん?そうなのか?」
紅夜がふと呟くと、それに大河が反応した。
「ああ、そうなんだよ…………ほら、俺って全国大会が終わった後で入院したろ?」
「ああ、そんな事もあったな…………まさかとは思うが、それから1週間で帰ってくる予定だって言ったのに3週間も帰ってこなかったから罰を受けろ的な感じか?」
大河がそう言うと、紅夜は苦笑しながら頷いた。
「良いんじゃないの?罰受けて頭冷やしなさいな」
「静馬ぁ、お前未だ怒ってるのかよ……」
ノンナとクラーラからの手紙を読んでから、紅夜に対しては何かと突っかかってくるようになった静馬に、紅夜は溜め息混じりにそう言った。
「ほらほら、ウダウダやってないで早く決める!」
杏に急かされたメンバーは、適当に栗饅頭を手に取っていく。
「ここまで来たら……」
「誰が外れを引こうと………」
「文句無しだ!」
『『『『『『『せぇーーのっ!!』』』』』』』
そうして、メンバーは一斉に、栗饅頭を口の中に放り込んだ。
「…………ん?俺のは普通の栗饅頭か」
「俺もだ………うん、美味いなこれ」
勘助と翔は普通のを引いたらしく、美味そうに食べていた。
「あら、私のも普通ね」
「同じく」
続いて、静馬や紀子、和美も普通に食べている。
付喪神3人組や、大河や深雪達スモーキーも普通の反応だ。
「だとすると………」
それを見ていたみほが、残った紅夜と達哉に目を向ける。
「辛ァァァァアアアアアアアッ!!!?」
「あ~あ、達哉君やっちゃったね…………」
今にも口から火を吐きそうな程のリアクションを取り、舞台の上でのたうち回る達哉を見ながら、沙織は呟く。
「彼奴が何時戻ってきても良いようにしておいてやるか…………」
麻子はそう言って、コップに水を注いでいた。
「………………?」
達哉がのたうち回っている中、紅夜だけは平然としていた。
「何だよこれ?何も起きねぇじゃんかよ」
何も変化が起こらなかった事に落胆しつつ、紅夜は席に戻っていった。
「辛ェェェェエエエエエッ!!水くれェェェェエエエエエッ!!」
後ろでのたうち回る親友を置いて………………
「さぁ~て!出し物も終わった事だし、結果発表始めるよ~!」
『『『『『『『『『オオーーーッ!!!』』』』』』』』』
杏が言うと、メンバーが歓声を上げる。
「それでは、結果を発表する!」
桃が続けるとドラムロールが始まり、幾つものスポットライトの光が床をさまよう。
「第3位は………………ウサギチーム!」
桃がそう言うと、スポットライトがウサギチームの面々を照らした。
『『『やったぁー!!』』』
「続いて2位………………あんこうチーム!」
「オオーッ!」
「やりましたね!」
「やったぁー!!」
「最後に、第1位!栄えある第1位は………………」
その言葉に、メンバーは緊張した面持ちで結果を待つ。
そして、ドラムロールが終わり、スポットライトが照らしたのは………………
「生徒会、カメチーム!」
『『『『『『『『『エエーーーッ!!?』』』』』』』』』
桃の言葉に、メンバーからブーイングが飛んだ。
「まぁ、薄々勘づいてはいたが、まさかマジでこうなるとはな」
「最早1種の出来レースだな」
「まぁ会長が会長だからね」
ブーイングの中、平然としているレッド・フラッグの面々は、呑気にそんな会話を交わしていた。
「…………」
「………ご主人様?」
そんな中、テーブルに突っ伏しそうになっている紅夜に、黒姫が話し掛けた。
「………ん?どうした?」
「それは此方の台詞だよ。大丈夫なの?あのロシアンルーレットが終わってからのご主人様、何か変だよ?」
「そうかな………まぁ、大丈夫だと思うぜ?」
そう言って、紅夜は視線を生徒会の3人に向けた。
「それじゃあ、優勝したのは私達って事で、優勝商品の発表をしま~す!」
すると、再びドラムロールが始まり、その終了を知らせるシンバルの音が鳴り響くと、下がっていた垂れ幕が上がり、秘密とされていた優勝商品が姿を現した。
「最高級の干し芋1年分!やったな河嶋!」
「は、はぁ…………」
優勝商品に大層満足している杏だが、話を振られた桃の反応はイマイチだった。
「(ど、どう反応すれば良いんだ?これ…………)」
「(どうしよう………凄く………………)」
『『『『『『『『『『(要らない)』』』』』』』』』』
1人喜んでいる杏を見ながら、メンバー全員そう思っていたのは余談である。
「さぁ~て、隠し芸大会も終わっちゃった訳だけど…………次は何して遊ぼっか~?」
「え?お、おい角谷さんよ」
未だ遊び足りないのか、次は何をするかと言い出した杏に、達哉は待ったをかけた。
「ん~?どったの辻堂君?」
「いや、もうそれなりに夜遅い筈なんだが…………俺等、何時まで此処に居れるんだ?」
尤もな質問をする達哉に、メンバーはハッとしたような表情を浮かべた。
達哉がスマホを取り出して電源を入れ、今の時刻を調べると、もう11時になっていた。
だが、当の杏は平然としている。
「あ~、それならダイジョブ!明日の5時には出れば良いって、この宴会場を予約した時に話つけといたからさ」
「マジかよ!?」
杏からのトンでもない返答に、達哉は思わず声を上げた。
「まぁ、そう言う訳だから!今日は夜通し遊びまくるぞ~!!」
杏は、1度言い出したらもう止まらない。他のメンバーが呆然としている間に話は進み、一先ず、新しい遊びを考え付くまで各自自由行動となった。
………………だが
「…………ッ!?」
「?ご主人様、どうしたの?」
突然、紅夜の体に異変が起こった。目を細め、表情を歪める。
「うぐっ!?……ア………アアァ………」
「ど、どうしたの!?しっかりして!」
突如として苦しみ出した紅夜に、黒姫が飛び付く。
他のメンバーもそれに気づき、紅夜に近づいていった。
先程まで冷たく接していた静馬もこればかりには驚き、紅夜に駆け寄った。
「え、何?何があったの……って、うわっ!?紅夜君どうしたの!?」
「ぐぅ………ぅぅぅああ”あ”あ”あ”っ!!!?」
床に倒れ、もがき苦しむ紅夜。
「紅夜………どうしていきなり…………ッ!まさか!?」
もがき苦しむ紅夜に疑問を覚える静馬だが、思い当たる節があるのか、ある方へと視線を向けた。
その視線の先には、杏達生徒会の3人が居る。
こうなるとは思わなかったとばかりにオロオロしている3人を見た静馬は、そのままずかずかと歩き出し、杏の胸倉を右手で掴み上げた。
「…………会長、どういう事なのか説明してもらえますか?まさか、紅夜が食べた栗饅頭に毒入れたとかではありませんよね?だとしたら…………」
そう言いかけ、静馬は空いている左手を杏の首に添え、今にも絞め殺しそうな目で睨む。
「ま、待って須藤ちゃん!ああなるとは思わなかったの!それに毒だって入れてないよ!」
「じゃあどうして!?なんで紅夜があんなにも苦しむのよ!?」
「私に聞かれても分からないよ!」
静馬と杏の言い争いは激しさを増し、桃と柚子が慌てて2人を引き剥がす。
「アンタ、今直ぐ表出なさいよ!ぶち殺して海に投げ込んでやるわ!」
暴走状態にある静馬は、最早止めようがない。
だが、その時だった。
「おい!大変だ!」
羽交い締めにしていた桃の拘束を振りほどいた静馬が杏に飛び掛かろうとした時、達哉がバタバタと駆け寄ってきたのだ。
「何よ達哉!?」
頭に血が昇っており、冷静さを失っている静馬が振り向き様に怒鳴ると、達哉は叫んだ。
「紅夜の体が縮んだ!」
「………………は?」
7/10(日)、午前9時頃、作者は17歳になっていた。
休日と言う名の、良い夢を見させてもらったぜ。
さてさて、ここで初の次回予告!
突如として苦しみ出した紅夜は、なんと体が縮んでいた!
何処ぞのアニメ染みた展開に戸惑う一行。だが、体が縮んだ紅夜は、心も無邪気な子供に変わり………………!?
そんな紅夜に酔いしれる大洗一行!さらに、偶然居合わせた(←これ大事)他校の隊長達もこれを知り、その場は一気にカオスとなる!
はてさて、この先どうなりますことやら。