ガールズ&パンツァー~RED FLAG~   作:弐式水戦

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第96話~市街地で出会した強敵です!~

黒森峰を上手い具合に撒いた大洗チームは、新たな作戦を遂行するための場所へと移動するため、川を渡る事になる。

軽い戦車が流されないようにするため、重量級の車重を持つポルシェティーガーを上流側に配置して渡り始めた一行だが、ほぼ真ん中に差し掛かった所で、何とウサギさんチームのM3がエンストしてしまう!

 

M3の車長である梓は、自分達を置いて先に行くように言うが、過去の経験を思い出したみほには、それが出来ない。

だが、それを見た沙織の後押しで、みほはウサギさんチームの救出を決意。

自身の腰にワイヤーを巻き付け、反対側の端をⅣ号の車体後部にあるフックに付け、Ⅳ号とM3の間にある他の戦車を次々と飛び越えていく。

そして、沙織からみほの援護を頼まれた紅夜が合流し、2人はウサギさんチームの元へと辿り着く。

上流側に居るポルシェティーガーにもワイヤーを繋ぐ作業を始めようとするが、それに紅夜が待ったを掛け、彼1人だけで軽々と作業を終える。

そうしている間の援護射撃や、レッド・フラッグのメンバーからのラインのメッセージに感謝の言葉を述べ、紅夜はM3の元へと舞い戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~らよっと!」

 

八九式の車体後部から飛び上がった紅夜は、M3の砲塔上部に勢い良く着地する。

靴の裏が上面装甲に打ち付けられ、大きく、そして爽快な音を立てて着地した紅夜は、ほどけそうになっていた、腰に帯状に巻き付けられたパンツァージャケットの袖を結び直す。

 

「うむ、我ながら100点満点の着地…………なんちゃって」

 

独り言を呟きながら、紅夜はみほ達の方へと向き直る。

 

「よぉ、作業終わったぜ」

 

紅夜はそう言って微笑むが、みほ達は呆然と、紅夜を見ている。

 

「………………?おい、何だよお前等?まるで鳩が豆鉄砲喰らったようなツラ提げちまって」

「あ、いや………その………」

 

首を傾げながら聞いてくる紅夜に、みほは言いにくそうにしながらもこう言った。

 

「紅夜君って、つくづく人間としての常識から飛び出てるよね……………」

「そうかねぇ………………まあ俺としては、常識なんてブッ壊すためにあるようなモンだからな」

 

紅夜はそう言って、快活に笑う。何時もの陽気な紅夜が、其所に居た。

 

「さて、ワイヤー取り付ける作業は終わったし、とっとと戻ろうぜ。こうしてる内にも、黒森峰の連中は近づいてきてるからな」

「う、うん」

 

そう返し、紅夜とみほが戻ろうとした時だった。

 

「ま、待ってください!」

 

そう言って、梓が2人を呼び止める。

 

「ん?」

 

Ⅲ突へと飛び移ろうとしていた紅夜とみほが振り向くと、1年生グループが詰め寄ってきた。

 

「その………………た、助けてくれて、ありがとうございました!」

「一時はどうなるかと思いました!」

「色々とご迷惑をお掛けします!」

 

投げ掛けられる礼の嵐にみほが怯んでいる中、紅夜は微笑んでいた。

 

「良かったな西住さん、こんなにも感謝されてるぜ?」

「活躍したのは紅夜君だよね!?」

 

からかうようにして言う紅夜に、みほは堪らずツッコミを入れる。

 

「活躍なんてしてねぇよ。力仕事を女に任せるのに気が引けただけだ」

 

紅夜はそう言うと、ほどけそうになっていたジャケットの袖同士を結び直し、1年生グループを見据える。

 

「それにしてもお前等、ホントに強くなったな。グロリアーナとの試合の時とは大違いだ」

 

そう言って、紅夜は1年生グループの1人1人の頭に軽く手を置いて撫でる。

 

「多分、さっきのはグロリアーナ以上に恐かったろうが、よく耐え抜いたな…………この調子で頼むぜ」

 

紅夜はそう言うと、みほへと向き直った。

 

「さて、行こうぜ西住さん。そろそろ黒森峰の連中が来やがる頃だ」

「う、うん」

 

そうして、紅夜は再びみほを抱き抱え、他の戦車を飛び越えていった。

 

 

 

 

 

 

 

「………………去年と変わらないな」

 

その頃、丘から様子を見ていた黒森峰チームでは、双眼鏡で一部始終を見ていた要がそう呟く。

 

「あの子はああ言う子なのよ。勝利主義な西住流では、珍しいと言うか何と言うか………………」

 

横のティーガーⅡから、同じく双眼鏡で見ていたエリカがそう返す。

まほは無言で2人の会話を聞いていたが、後ろから聞こえてくる小さな音に気づき、不意打ちがてらに攻撃しようとしているヘッツァーを視界に捉えた。

 

「後方7時に敵戦車だ。11号車、やれ」

 

その指示を受け、1輌のパンターがゆっくりと下がりながら砲塔を向け、ちょうどその後部を照準に捉えていたヘッツァー目掛けて発砲する。

砲弾はヘッツァーの真ん前の地面に着弾して砂埃を巻き上げ、その余波で、ヘッツァーは軽く後方に押しやられる。

 

「うへぇ~!流石に3度目は無かったか~、撤退撤退~!」

 

杏の指示で、柚子はヘッツァーを全速で後退させてその場から逃げ去った。

 

 

 

 

 

 

その頃、Ⅳ号とポルシェティーガーとの間をワイヤーで繋ぎ、そのままM3を引っ張って川を渡っている大洗チームでは………………

 

 

 

「動いてよォ~!」

 

操縦手の桂里奈は、何とかしてM3を動かそうと、イグニッションを何度も押す。

すると、車内に小さな振動が起こり、次の瞬間には大きな音を起こした。

M3のエンジンが蘇ったのだ!

 

「此方ウサギチーム!M3のエンジン、再始動です!」

 

梓からの通信に、メンバーから安堵の溜め息が漏れ出した。

調子を取り戻しつつあるM3は、桂里奈がアクセルペダルを踏み込んだ事により、ただ引っ張られるだけでなく、自力で動き出す。

 

「全車両、ウサギさんチームと歩調を合わせて進んでください」

 

みほはそう指示を出し、他のチームの車長達はキューポラからウサギさんチームのM3の様子を見ながら、其々の操縦手にアクセルの踏み具合を調節させる。

そして、向こう岸に辿り着いた頃には、M3はすっかり調子を取り戻す。

ワイヤーが回収され、大洗の戦車は次の目的地へと突き進んでいく。

 

彼女等が通り過ぎた直後、其所は黒森峰の戦車隊からの砲撃で地面が抉られ、土や小石が巻き上がった。

 

 

 

 

 

 

 

「大洗チーム、見事に危機を脱しましたね!あのシーンは感動モノです!」

 

実況席では、香住がハンカチ片手に涙を拭いながら言った。

 

「ええ。西住流の家元からすれば、流派のやり方ではありませんが、落伍者を見捨てないと言う姿勢は素晴らしいものです」

 

カレンも、深く感心した様子でそう言う。

 

「それにしても、あの場で彼も出てくるとは思いませんでしたね」

「確かにそうですね。それに、女の子を抱き抱えた状態で軽々と数メートルの幅を飛び越えてしまうのですから」

「西住選手の意外な身体能力が見られた今回ですが、やはり長門選手も凄いですね。西住選手がやっとの思いで飛び越えた戦車同士の間を軽々と飛び越え、おまけに疲れた様子も全く見せないんですから」

「そして、西住選手を抱き抱えて戻っていく………………あんなのを見せられると、『彼はもしかしたら、人間ではないのではないか』とも考えさせられましたね」

 

実況席では、みほや紅夜の活躍について、2人が話していた。

 

 

 

 

 

 

「ほほぉ~、彼奴等やりよるなぁ。ああやってピンチを乗り切るとは………………」

 

観客席から見ていた蓮斗は、小さく拍手しながら言った。

 

「す、凄いわね………………西住流の子もそうだけど、女の子を抱き抱えて、しかも助走も殆んどつけられない状態で、あんなに軽々と」

 

蓮斗の右隣では、千代が信じられないと言わんばかりの表情を浮かべていた。

 

「まぁ、紅夜だからな」

 

淡々とした答えだが、今の千代からすれば、ある意味で納得出来る答えだった。

 

「お爺ちゃんも、あんな事出来るの?」

 

左隣に座る愛里寿が、膝の上にボコのぬいぐるみを置いて蓮斗を見上げる。

 

「もう『お爺ちゃん』呼びで定着してるのな………………まぁ、出来るっちゃ出来るぜ?やった事ねぇけど」

 

そう言葉を返し、蓮斗はモニターへと視線を戻した。

モニターには、石造りの橋の前に来ている大洗チームが映し出されていた。

 

「大洗チームの連中、戦ってるより逃げてる方が多いような気がするなぁ…………一体、何をするつもりなのだろうかね………………」

 

そう呟き、蓮斗はモニターに映る大洗チームを見守った。

 

 

 

 

 

 

「お待たせ~!カメさんチーム、只今合流~」

 

橋の前に来ていた大洗チームでは、先程まで単独行動を行っていたカメさんチームのヘッツァーが合流した。

 

「この橋を渡ります。レオポンさんは最後に……」

『任せといて~、ド派手にブッ壊しちゃうから』

 

レオポン車長のナカジマから物騒な返事が返され、大洗チームの戦車は、続々と橋を渡っていく。

最後から2番目に、紅夜達ライトニングのIS-2が橋を渡りきり、残るはポルシェティーガーただ1輌となる。

慎重に進んでいき、橋の真ん中辺りに差し掛かった、その時だった。

 

「さぁて、此処が腕の見せ所だぁ!」

 

ツチヤはそう言うと、何やら操作して操縦捍を前に倒す。すると、ポルシェティーガーのエンジン部分からジェットエンジンを小型化したような音が響き、次の瞬間には車体前部を軽く浮かせて急発進した。

ドスン!と音と立てて浮き上がった車体前部が橋に叩きつけられ、ポルシェティーガーが橋を渡りきった頃には、橋の真ん中が壊されていた。

それが、橋を渡る際の作戦である。

 

「うぉーい!?何してんだレオポン!?」

『これも作戦なんだよ、長門君♪』

「加速する勢いで橋ブッ壊すのを『作戦』と呼ぶ馬鹿があるか!」

 

通信に応じたナカジマに、紅夜は盛大なツッコミを入れる。

そうしている内にも、ポルシェティーガーは異常な速さで大洗の戦車をごぼう抜きにして、瞬く間に先頭へとやって来てしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「は、橋が落とされた!?しかも車重で!?」

 

その頃の黒森峰チームでは、偵察に出したⅢ号戦車の車長から、大洗チームのレオポンが橋を破壊した事を知らされたエリカが驚いていた。

普通、橋を壊すなら渡りきってから主砲を撃ち込んで木っ端微塵にしてしまえば良い。

と言うか、それしか方法は無いと思われていた。だが、レオポンは加速する時の勢いと車重を利用して橋を破壊したのだ。これで驚かないのは蓮斗ぐらいだろう。

 

「分かった、橋は迂回して追うわ。貴女達は先回りしなさい!」

 

エリカはそう指示を出し、Ⅲ号戦車の車長から伝えられた事をまほへと話すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは予想外ですね。あんなやり方で橋を落としてしまうなんて………………」

「そうですね。私が現役の頃も橋を渡る時が何度かありましたが、流石にあんなやり方で橋を落とせる者は居ませんでした………………あのポルシェティーガーの操縦手は、かなりの操縦技術を持っているようですね………………」

 

実況席では香住とカレンがそんな会話を交わし、観客席でも、珍しいやり方で橋を壊した事に、観客は物珍しそうなものを見た時のような声を上げていた。

 

 

 

 

 

そして再び視線を移し、大洗チーム。

橋を渡るついでに橋を破壊した一行は、森林地帯を抜けて舗装された道路へと出てきていた。

 

「舗装された道路を走るのって、試合では初めてかもな………………黒姫、お前はどう思う?」

 

IS-2のキューポラから上半身を乗り出した紅夜はそう呟き、黒姫に訊ねる。

 

『ご主人様の言う通りだよ。サンダースやアンツィオ、知波単やプラウダとやった時だって、舗装された道路なんて見なかったもの』

「だよな~」

 

そう呟き、紅夜は車内へと身を引っ込め、車長席に座る。

すると、紅夜の真ん前が光を放ち、黒姫が紅夜の膝の上に座るような形で現れた。

その表情は、何故か不満を表しているかのように頬が膨らんでいた。

 

「どったの?」

「………………ご主人様、さっきⅣ号の車長をお姫様だっこしてたでしょう?」

「え?ああ、したけど………………それがどうした?」

 

紅夜が首を傾げながら訊ねると、黒姫はさらに、頬を膨らませた。

 

「Ⅳ号の車長ばっかりズルい。私にもしてよ」

「おいおい、お前さっき翔のスマホ使って褒めてくれたのにそれかよ」

「それはそれ、これはこれなの」

「納得いかねえ」

 

子供のような事を言い張る黒姫に、紅夜はどうしようもなくなった。

 

「つーか、あれは戦車同士の間を飛び越えるためにやむを得なかったからであって、別に頼まれてやった事じゃないんだぜ?」

「それは分かってるよ。でも、やっぱりズルいものはズルいの!」

「扱いがめんどくさい奴だな、お前は」

 

そう言いつつも、紅夜は黒姫からの我儘を聞く羽目になり、戦闘が始まるまでは黒姫を膝の上に乗せ、頭を撫で続ける事になった。

 

 

 

「大分時間を稼げた、これで市街地戦に持ち込める」

 

その頃、Ⅳ号のキューポラから上半身を乗り出したみほは、見えてくる町を視界に捉えてそう言った。

グロリアーナとの練習試合のように、市街地戦で決着をつけるつもりなのだろう。

その時、建物の影から1輌の黄色の戦車がひょっこりと顔を出した。

 

「あれはⅢ号だよ。H型かな?それともJ型かな?………………って、一目見ただけで戦車の車種分かっちゃう私ってどうなの………………?」

 

1人ツッコミを入れている沙織を置いて、一行は速度を上げた。

 

「Ⅲ号なら、私達の火力でも十分に突破出来ますし、機動力もあるから厄介です。後続が来る前に撃破しましょう」

『『『『『『『『『はい!』』』』』』』』』

 

そう。Ⅲ号戦車は、火力や防護力は然程高くはないが、その分機動力が高いため、下手に回り込まれでもしたら撃破される可能性も否定出来ない。

そのため、後続が居ない間に撃破する必要があった。

市街地を逃げ回るⅢ号戦車を追い回す大洗チームの一行。

カモさんチームのルノーが先頭に出てⅢ号戦車を追う。そして、とある角を曲がると、十字路の先で此方に背を向けて停車しているⅢ号戦車の姿があった。

 

「よぉーし、追い詰めたわよ!」

 

みどり子がそう言って主砲を撃とうとした時、地面が小刻みに揺れ始め、十字路の横から迷彩柄の巨大な物体が姿を現した。

 

「壁?いや、門?」

 

突然現れた物体に、みどり子は首を傾げる。

 

「………………おい、何かスッゲー嫌な予感がするんだが」

「奇遇だな紅夜、俺も同じ事を思ったぜ」

 

IS-2のキューポラから、迷彩柄の物体を眺めている紅夜がそう言うと、操縦手用の窓から見ていた達哉もそう言う。

 

そして、キュラキュラと音を立てながら、その物体の全貌が明らかになった。

 

「せっ、戦車ァ!?」

 

そう。十字路の横から現れた巨大な物体は、壁でも門でもない、戦車だったのだ!

 

「あ、あれは………………Ⅷ号戦車――マウス――です!」

 

Ⅳ号のハッチからその姿を見た優花里が声を上げる。

 

「す、凄い…………私、マウスが動いているところ、初めて見ました………………ッ!」

 

砲塔を動かそうとするものの、建物の壁に当たってしまい、もう少し下がろうとしているマウスを見て、優花里はそう言葉を続けた。

 

 

「………………」

 

紅夜は、そんなマウスを見ながら、過去に拓海から聞いた話を思い出す。

 

それは、蓮斗率いる《白虎隊(ホワイトタイガー)》の試合で、蓮斗が乗るティーガーがマウスの砲撃を喰らって軽く吹っ飛ばされ、3メートル程の崖から落ち、車外に投げ出された蓮斗が、その打ち所が悪かった事によって即死したと言う事。

たとえ、そのマウスが蓮斗のティーガーを吹っ飛ばしたものでなくても、紅夜からすれば、マウスと言う戦車は、『白虎を殺した鼠』に見えていた。

 

「た、退却してください!」

 

みほがタコホーンに叫び、紅夜も我に返って達哉に指示を出す。

その次の瞬間には、マウスが発砲。放たれた砲弾がヘッツァーの直ぐ傍を掠めていき、彼女等の死角に着弾、コンクリートの一部を木っ端微塵に吹き飛ばした。

 

「や~ら~れ~た~!」

 

あまりの衝撃で地面が揺れ、さらに着弾の余波でヘッツァーの車体が軽く浮き上がり、杏がそんな事を叫ぶ。

 

「やられてません!」

「そうですよ会長!ただ死角に着弾しただけです!」

「どっちにしろ、凄いパワーだねぇ~…………」

 

柚子と桃にツッコミを入れられながら、杏はそう言った。

 

「このっ…………デッカいからって良い気にならないでよ!こうしてやるわ!」

 

みどり子はそう叫びながら、主砲と副砲を撃つ。

だが、マウスからすれば危険なものでもなく、涼しい顔で砲弾を弾く。

そして、仕返しとばかりに主砲をブッ放してきたのだ。

マウスの主砲――128㎜――砲弾の直撃を受けたルノーは引っくり返り、そのまま行動不能を示す白旗が飛び出した。

 

「うわ~、何だよあの反則レベルの火力は………………」

 

達哉はそう呟きながら、IS-2を後退させる。

大洗チームの戦車が退却を始める中、マウスは彼女等を追いながら主砲を撃つ。

後退しながら反撃を試みるが、マウスの前面装甲は240㎜。どうやっても撃ち抜けるようなものではなかった。

ポルシェティーガーの砲撃でさえ、まるで蚊がぶつかったかのような何とも無い顔で弾いてしまう。

 

「か、カモさんチーム、怪我はありませんか!?」

『そど子、無事です!』

『ゴモヨ、元気です!』

『パゾ美、大丈夫でーす』

『皆、ゴメンね!』

 

沙織からの通信に、カモさんチームのメンバーから返事が返される。

 

そんな中、後退していたⅢ突が停車する。

 

「おのれマウスめ!カモさんチームの仇だァーッ!」

 

左衛門佐がそう言いながら引き金を引くものの、やはり効果は無く、逆に反撃されて横倒しになり、そのまま撃破されてしまう。

 

「2輌撃破された………………これで残り、8輌」

 

横倒しになったⅢ突の傍を通り過ぎようとするマウスを見ながら、みほはそう呟く。

 

その頃、市街地へ向かわせている2輌を除いて15輌も残っている黒森峰本隊が、パンツァーカイルの隊列を組み、市街地へと向かっているのであった。

 

 

 

果たして、大洗チームに打つ手はあるのか!?


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