Medal of Honor Silver Star   作:機甲の拳を突き上げる

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長い間放置していて申し訳ありませんでした、就活や卒論や課題で精一杯で……何とか年内にもう一度上げれたのが嬉しい限りです。


7話 クローデンの森

線路が引かれ二つの塔と城壁のような堅牢な壁がそびえ立つギルランダイオ要塞。その1室に4人の男女がいた

 

「ヴァーゼル橋が、ガリアの狗共に奪われた。防衛部隊には腑抜けしかおらんのか?」

 

短く切りそろえられた金髪に眼鏡を掛け厳格な風格の老人。その胸には数々の勲章を誇らげに着けているこの男の名はベルホルト・グレゴール、北部ガリア方面侵攻部隊指揮官である

 

「皇帝陛下の威光を汚しおって、役立たず共め!」

 

その表情には明確な怒りを浮かべている

 

「戦車であの川を渡ったらしいな……。敵さんもなかなか面白い戦法を使う」

 

机の上に足を乗せ揺り椅子のように椅子を揺らして、髭を生やし声がとてもダンディーな男の名はラディ・イェーガー。南部ガリア方面侵攻部隊指揮官である

 

「定石では考えられない野蛮な戦術だ。所詮は下賤な民兵の集まり……偶然の勝利だろう」

 

眼鏡の位置を戻しながらガリア義勇軍の勝利を認めない発言をするが

 

「身分の差だけで戦争に勝てるのなら……あんたらもよっぽど楽だっただろうにな」

 

イェーガーの的を射た言葉にグレゴールは押し黙った

 

「それに妙な傭兵の話も聞いた」

 

ニヤけた顔をしながらイェーガーが言うと

 

「ハイエナ共に何ができる、帝国の前では塵芥同然だ!」

 

グレゴールが刺し殺すような視線でイェーガーを睨みつけるが

 

「戦車の砲弾を弾き返す装甲に重戦車が一撃で葬られる火力。従来の戦車とは異なるタイプの兵器を目撃した情報もはいってきている。これは到底無視できるような情報とは思えんな」

 

こればかりは無視できないのか、イェーガーの表情も真剣な顔つきになっている

 

「……」

 

グレゴールも事の重要性は理解できているが、プライドが邪魔し苦虫を噛み潰したような表情をしている。すると、沈黙を続けていた一人の女性が椅子から立ち上がった

 

「問題は反抗しようとしているガリア軍勢力をいかに押し戻すかだ」

 

その女性の名はセルベリア・ブレス。中部ガリア方面侵攻部隊指揮官である

 

「そうだな。奴さんもヴァーゼル橋奪還を好機として中部ガリアに戦力を傾けるだろう」

 

それに同意するイェーガーは今後の展開を予想し、口にする

 

「マクシミリアン殿下、如何致しましょう」

 

セルベリアが頭を下げ尋ねる。その人物はマクシミリアン・ガイウス・フォン・レギンレイヴ 、帝国の準皇太子でありガリア方面侵攻部隊総司令官でもある

 

「燎原の火は、消さねばなるまい。小さな炎であるうちにな」

 

そうゆっくりと言うと椅子から立ち上がり、セルベリア達がいる机の上座にくると全員が立ち上がる

 

「ガリア軍を押し戻すには、中部侵攻軍の戦力増強が必要だ……。それには、クローデンからの補給路を 磐石にする必要がある……」

 

マクシリミアンは戦略図を見ながら指示を出す

 

「グレゴールは中部部隊を立て直した後、引き続き北部ガリアの進行を進めよ」

 

次に別の場所にえと駒を置くと

 

「余はバリアス砂漠に向かう。セルベリアは余の共をせよ」

 

セルベリアは指示を聞くと頭を下げ

 

「喜んで、わが身は殿下の為に存在します」

 

そして最後の駒はクローデンへと置かれる

 

「クローデン補給基地の防衛と補給線の維持は、イェーガーに命ずる。既にガリア軍が派兵している可能性もある、急ぎクローデンへ向かえ」

 

それにイェーガーは頼れる風格を出しながら笑みを浮かべ答える

 

「あぁ、任せておけ」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

生い茂る草木は緑の色を輝かせ、まさに『自然』と言えるこのグローデンの森

 

その森の中を進軍する集団がいた。その集団はガリア義勇軍第7小隊とアメリカ軍の姿だった。何故こんな森の中にいるのかは数時間前にさかのぼる

 

ヴァーゼル橋を奪還し、帝国軍に打撃を与えガリア軍の戦線が上がったことにより中部戦線が最前線となった。その前線は正規軍が奪還作戦を開始しており、義勇軍はまたも正規軍の尻拭いへと駆り出された

 

帝国側の中部戦線へと補給物資の補給路を寸断するためグローデンの森の中にある補給基地へと進行するためダモン将軍が率いる正規軍が行ったところ、逆に反撃に合い壊滅的被害を被った

 

それにより上層部は戦果を挙げる義勇軍第7小隊と独立遊撃隊“アメリカ”へと白羽が立ったのだ

 

アメリカ軍も“春の嵐”作戦とは別の部隊で作戦に参加し、武装も戦車(M1A1エイブラムス)ではなく歩兵戦闘車(M2ブラッドレー)1両にハンヴィー2両の構成となっている。メンバーを変えたのはモチベーションの維持のためローテーションを組んだのだ

 

「しかし、こうも草木ばかりだと方向感覚が狂いそうだ

 

ハンヴィーを運転しているダスティーが周りの風景を見ながら呟き

 

「だが、その分敵に気付かれることなく接近できるのは好都合だ。」

 

隣の助手席に座っていたパンサーがそう言う。先頭にエーデルワイス号にブラッドレー、ハンヴィーと隊列を組み、その周りに歩兵が護衛している

 

「しかし、あの銃座をあんな風に取り付けるなんざ思いもつかなったぜ。」

 

パンサー達が乗っているハンヴィーの隣を歩いていたラルゴは前を走っているハンヴィーに取り付けられている重機関銃を見ていた。元々非武装だったのを鹵獲した重機関銃との互換性を合うように改造したのだ

 

「そんなに意外か?」

 

銃座についているデュースが尋ねると

 

「あぁ、長年戦場にいたが、こんな武装した車は初めて見たぜ。」

 

そう雑談しながら進んでいると、エーデルワイス号が止まり、中からウェルキンが出てきて休憩するよう指示をだした。

 

皆が一息ついている所、ウェルキンだけが地面に注視しながら何かをさがしていた

 

「どうしたの、ウェルキン?」

 

それを不思議に思ったのか、アリシアが声をかけるが、集中しすぎて声が届いてないようだ

 

「……あったぞ!」

 

何かを見つけたか、それをアリシアに見せた。その手の平には小さく黒い丸い物体があった

 

「なにこれ?」

 

指さしながら尋ねると

 

「クローデンヒゲナガヤギのフンだよ」

 

探しながら答えるが、アリシアはフンを投げ捨て、表情は怒りへと変化し怒鳴る。その様子に皆が苦笑いを浮かべる

 

「ウェルキン、何かあったのか?」

 

パンサーが近づき尋ねると

 

「中尉、ここを見てください」

 

ウェルキンが手招きするとパンサーを含め近くにいたメンバーが集まる

 

「ん?草が踏まれた跡があるな」

 

生い茂る草の中、不自然に草が倒れている場所があった

 

「なるほど……獣道か」

 

パンサーは納得したような顔になる。草が踏まれている場所は踏み固められたような道となっている

 

「そうです、獣達は移動に適したコースを探し出してそこを通り道としています。道ができるぐらいの獣が行く先は水場や餌場などがあります」

 

それがどういう意味かを悟ったダスティーは

 

「そうか、基地を作るなら近くに水源を確保しておきたい。ようするに、この獣道を伝って行けば……」

 

その答えにウェルキンは笑みを浮かべ

 

「そう、この近くに補給基地がある可能性が高い。全員気を引き締めて……」

 

喋っている途中に突然茂みがガサガサと音をたて動いた。その音に皆が茂みへと銃を向ける……そこから現れたのは

 

「子……ブタ?」

 

茂みから出てきたのは兵士ではなく羽の生えた子ブタだった

 

「ブタに……羽が生えている……だと」

 

現れたブタの姿が余りにも予想外でアメリカ軍の面々は唖然となった

 

「羽が生えている分ただのブタではなさそうだな」

 

頷きながらパンサーが言うが、どういう意味かは誰も分からなかった。近づいてきた羽ブタをアリシアが抱き上げる

 

「きみ。どうしたの?お母さんとはぐれちゃったの?」

 

話しかけている間にベガスが奥の方を見に行くと

 

「これは……」

 

何かを見つけたのか、その場で十字を切ると戻ってきた

 

「奥でブタの死骸があった、死因は流れ弾だろう。恐らくそいつの親だろうな、死んでから相当たっている」

 

そう報告するとアリシアは哀しい目をしながら羽ブタの頭を撫でた

 

「きみも家族がいなくなっちゃったの?ひとりぼっち?」

 

尋ねるが羽ブタは唯ちいさく鳴くだけだった

 

「……アリシア、一緒に連れて行くかい?」

 

ウェルキンの言った言葉にアリシアよりもパンサーの方が驚いた

 

「……正気か?」

 

戦場に動物を連れて行く、これは鳴き声や行動次第では此方の存在がバレ、奇襲の効果がなくなってしまう恐れがある。これに対しパンサーが厳しい表情で尋ねる

 

「僕たちは義勇軍です、誰だって隊員になる資格はあります」

 

何時も通りの笑みを浮かべながら答えるウェルキン。数週間だが、戦場を共にし、同じ飯を食った仲なので、ウェルキンがこういう性格なのは承知していたパンサーは溜息を吐きながら

 

「指揮権はそっちにある。勝手にしろ」

 

そういいパンサーはその場を離れた。

 

「悪く思わないでくれ、パンサーも仲間の事を思って言っているんだ」

 

デュースがフォローを入れる

 

「大丈夫、わかっているよ」

 

どうやらウェルキンもパンサーが心配して言ってくれているのを理解していたみたいだった

 

「良かったね!今日からきみも第7小隊の仲間だよ」

 

自分のことのようにアリシアが喜ぶと、羽ブタも鳴き声を上げた。その鳴き声は先程のにくらべ嬉しそうだった。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

       AFOウルフパック

   

 

帝国軍補給基地周辺は鳥が囀り、いたって平和そうだった。そう、まるで嵐の前の静けさの様に

 

≪戦車確認、数は1。門には対戦車兵に地雷が設置されています≫

 

レンジャーの1人が報告する

 

≪こちらパンサー、了解。裏道を通り奇襲を仕掛ける。正面で派手に暴れてくれ≫

 

裏道の方から進行するのはデルタと第7小隊の隊員数名。正面には機甲部隊と主戦力による攻撃をしかける所だ

 

「よし、行くぞ」

 

パンサー達は静かに進んでいく。少し進んだ所に小屋らしき建物があり、警戒しながら近づくと

 

≪ウルフパック、こちらヘルドッグ≫

 

ヘルドッグ……彼らは同じくこの世界へと飛ばされてきたアメリカ海兵隊武装偵察部隊(フォース・リーコン)である

 

≪そちらに対戦車砲があるらしい。確認できるか≫

 

下からの要請に、小屋を回り込むように進むと、土嚢と対戦車砲、それを構えている兵士と、護衛の兵士の2名がいた。それを確認すると

 

≪こちらウルフパック。対戦車砲を確認、これより破壊する≫

 

無線で報告すると

 

≪ヘルドッグ了解、迅速に頼む≫

 

返事がくると、デュースとダスティーにハンドサインで指示をだす

 

(コンタクト、2名、前方、始末しろ)

 

それに頷くと、アサルトライフルをしまいハンドガンを取り出しサプレッサーをつけた。小屋から土嚢へと進み、敵兵2人に近づく

 

 

     Potential『暗殺技能』『隠密行動』

 

 

敵兵二人は何かされてと自覚する前に始末された

 

「エネミー、クールダウン。クリア」

 

排除完了を知らせると小屋から出てきたメンバーが周囲を警戒する。その間にデュースがバックパックからC4爆弾を取り出し設置する

 

「設置完了」

 

全員に知らせると、皆がある程度離れたら起爆スイッチを押した。その爆発力によって対戦車砲は粉々に破壊された

 

≪こちらウルフパック、対戦車砲を無力化≫

 

無線にて破壊成功の報告をする

 

≪こちらヘルドッグ、助かったこれより攻勢にでる。そちらは後方から仕掛けてくれ≫

 

≪ウルフパック了解、派手に暴れてくれ。アウト≫

 

パンサーが皆の方を見る

 

「敵はこっちの存在に気付いているだろうが、正面に殆どの人員を送っているだろう。少ないからと舐めてかかるな、気を引き締めていけ」

 

そう喝を入れると、第7小隊のメンバーは冷や汗を流すがウルフパックの面々は落ち着いて汗も流さない。このような状況など日常茶飯事だった彼らに焦りなどない

 

「よし、行くぞ」

 

再び進行する。途中に敵兵を見つけるが発見される前に排除していく。下では激しい銃撃戦をしているのか、砲撃と銃声が轟いている。そのおかげか、多少の物音を隠してくれた

 

裏口につくと、見張り台にスナイパーが2人いた。パンサーとデュースがそれぞれ片方ずつのスナイパーに照準を合せる。

 

 

    Potential『鷹の目』(パンサー)

 

 

合図と共に発砲、見張り台の2人は排除された

 

あまりにもの手際の良さについてきたイーディーは唖然としている

 

「ちょっと、アリシアさん。あの人たちいったい何者ですの?ただの傭兵には見えませんわ」

 

小声で隣にいたアリシアに尋ねると

 

「う、う~ん、私もよくわからないけど……でも同じ仲間ってことは確かよ」

 

笑みを浮かべながら言うとイーディーも頷き

 

「そうですわね、(わたくし)も助けてもらいましたし、信用できるのは確かですわ」

 

そう喋っていると

 

「お喋りはそこまでだ、そろそろ侵入するから静かに頼むぜ」

 

ベガスが喋っている二人に注意すると、二人はバツの悪そうな顔をした。その後すぐにパンサーから侵入の合図がでて、基地内へと侵入した

 

 

 

       アメリカ海兵隊武装偵察部隊(フォース・リーコン)

 

 

一方正面では

 

「エネミーダウン!」

 

まさに“戦場”だった

 

「照準よし」

 

「ってー!」

 

ウェルキンの合図と共に徹甲弾が敵戦車へと命中し爆散した。戦車の後ろからハンヴィー2台とM2ブラッドレー現れ、制圧射撃を行う。ブローニングM2の12.7mmに鹵獲した重機関銃、25mm機関砲が火を噴く。近くのバリケードに隠れていた対戦車兵に向けられ2人の敵兵はミンチと化した

 

「援護する。地雷撤去を頼む!」

 

リーコンの隊員が支援兵の前に膝付き援護する

 

「隊長!」

 

戦車の陰に隠れながら敵兵を射殺しているアメリカ海兵隊武装偵察部隊(フォース・リーコン)・ヘルドッグ隊長、ジョー・ラミレス中尉が声の方を向く

 

「どうした!」

 

マガジンを交換しながら要件を訪ねると

 

「あちらに獣道を発見しました!恐らく敵基地の側面に回り込めるはずです!探索の許可を!」

 

隊員が指さした方向には確かに獣道があった

 

「許可する!2人でいけるな!」

 

激戦となっている正面で他に行ける人員は無い僅か2名で敵基地の側面を攻撃しにいくのだが

 

「問題ありません!やってみせます!」

 

 

    Potential『威力偵察』

 

 

2人の隊員にはやってみせるという気迫があった

 

「……グラハム!こいつたちについていけ!」

 

近くでMINIMIを掃射していた隊員、グラハムが声を上げてこっちにきた

 

「いいか、行くなら絶対に成功させろ!失敗はゆるさん!そして、生きて戻ってこい!これは命令だ!わかったなっ!」

 

大声を上げて隊員に喝をいれる

 

『ウ~ラッ!』

 

3人の隊員は銃声に負けない大声で返事をする

 

「撤退!」

 

「クソくらえ!」

 

「2-1!」

 

「撤退クソくらえ!」

 

そう叫ぶと3人の兵士は獣道へと突っ込んでいった

 

「地雷撤去完了しました!」

 

支援兵がそう叫ぶ

 

「よし!行くぞお前達!陸軍(アーミー)共に後れを取るな!」

 

ラミレスが言うと、残りの海兵隊共が声を上げて正面へと進行する

 

海兵隊(マリーン)共に遅れるな!帝国共に目に物見せてやれ!行くぞ!」

 

第75レンジャーも負けずとエーデルワイス号と共に基地内へ進行する

 

 

       AFOウルフパック

 

 

既に補給基地内へと侵入しているパンサー達は少ない敵兵と激戦の真っただ中だった

 

「右から2人!」

 

 

    Potential『対人攻撃の極み』

 

 

デュースが右から来た2人を撃ち殺し、パンサーが目の前の敵兵を排除すると、隣の物陰から敵兵が現れるが

 

 

    Potential『連続行動』

 

 

すぐさまホルスターからハンドガンを引き抜き撃ち殺す。少ないと言えど、やはり基地と言うことで人数は多い

 

 

    Potential『中距離戦闘技術』

 

 

集団できた敵兵をダスティーがM4下部に装備しているグレネードランチャーで吹き飛ばす。戦車もあり、不利かと思えるが……突如として戦車が爆発した

 

パンサー達が敵兵を引きつけている間に、第7小隊のメンバーが戦車の後方へと回り込みラジエータ目がけて対戦車兵がラジエータの破壊に成功したのだ

 

敵兵達がアリシア達の方に行こうとすると、パンサー達とは別の方向から撃たれた。その方向には迷彩服を着て、ヘルメットには星条旗のワッペンをつけている海兵隊だった。側面からの攻撃が成功しパンサー達の援護に回れたのだ

 

後方からはエーデルワイス号とブラッドレーの駆動音が聞こえ、作戦終了とおもいきや、ベガスは逆の方向を向いていた

 

別の駆動音が聞こえた気がしたので、その方を向いた……そして現れたのは……戦車だった

 

「エネミータンク!インカミン!」

 

ベガスが叫ぶ、第7小隊はその意味が分からず声の方向を向くがアメリカ軍の兵士は直ぐに意味理解し、近くの第7小隊のメンバーを引っ張り物陰に隠れた

 

そして砲撃音が響く、砲弾は真っ直ぐ飛んでいき……エーデルワイス号に直撃する。車内に激しく揺れイサラは悲鳴を零した

 

「損害報告!」

 

ウェルキンが急いで状況を確認していく

 

「 出力よし、放熱状況よし、油圧若干不良・・・・・・!正面装甲中破!」

 

イサラが状況報告をしていると驚いた表情になった、一撃でエーデルワイス号の装甲を持って行かれたのだ

 

「履帯の損傷は軽微、攻撃は可能ですがもう一度攻撃されたら持ちません!兄さん!」

 

イサラはウェルキンの方を向き指示を仰ぐ

 

「前進を継続!支援兵は直ぐに装甲の修理を!イサラ、無茶を言うけど被弾する際には当たり所を選んでくれ」

 

そうとう無茶な要求をするが、イサラは頷き前進する

 

「おいおい、今の砲撃で中破程度だと、確かに相手の戦車は規格外だな」

 

増援にきたのはイェーガーが乗る重戦車ヴォルフである。通常の重戦車よりも大口径の主砲をもち、装甲も従来の比ではない

 

「だが、あの兵士の動き……明らかに実戦なれしてやがる」

 

イェーガーが注視したのはアメリカ兵達の動きだ、戦車がきた途端に物陰に隠れたのを見逃さなかった

 

「あれが例の傭兵団か、こりゃあ相当の腕利き揃いだぞ」

 

相手の出方を伺っていると、倉庫から火の手が上がった

 

「この森はガリアの自然遺産だそうじゃないか、こんな所で火の手があがって森に燃え移っては大変だな~」

 

などと笑いながらいうと

 

「よし、お前達!速やかに撤退だ。装具も忘れるなよ、急いで逃げたと思われたら癪だしな」

 

そうして火消をするガリア兵達をしり目に帝国軍は撤退した

 




さて、こうも更新が酷い状況ですが、頑張って完結させようとおもっています。見捨てずに見てくだされば幸いです。

感想、指摘などのお待ちしております。一言でも書いてくれれば作者は泣いて喜びます。また更新が遅れるかもしれませんが、皆様よいお年を(・ω・)ノ

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