博麗神社の居候   作:アマザケ01

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はーい、約2週間ぶりでお久しぶりです♪今回も書いていこうと思います♪


第二話 博麗神社の朝食

私が霊夢に食事を作ってあげた日から約2週間、私は相変わらず霊夢の神社で一緒に生活していた。そして、とある日の朝……。

 

「……ふわぁ……」

 

小人こと、私の朝は早い……とも遅いとも言い切れない時間に起きる。だって、妖怪だもの。好きに生きていいでしょう?

 

「針妙丸ー、起きたのならササッと顔洗って。朝食は作ってあるから食べちゃいなさい」

 

寝ぼけ眼をこすりながら声のする方に顔を向ける。するとことでは霊夢が居間でゴロンと寝転びながら、後ろ姿で手をこっちに振っていた。霊夢のいる居間のテーブルの上には布がかけられた物と、小さめのお箸に食器が置かれていた。

 

「んー……まだ寝」

 

「寝ないの。もう、あんたそれでも小人族の姫なの? だらしないのねぇ」

 

「む、わかったよー。起きる、起きまーす‼︎」

 

私は頬を軽く膨らませながら布団からもぞもぞと這い出る。霊夢は体を反らして出たことを確認すると、くすりと笑いながら再び背を私に向けた。

 

私は洗面所まで飛んでいき、霊夢に言われた通り顔を洗う。朝早くとは言えないけど、そこそこ早い時間である今でも水はヒンヤリと冷たく、頭の中をスッキリとさせ、目を覚まさせることは容易いことだった。

 

「はふー……いい気分だわー」

 

タオル(霊夢のハンカチ)で顔を拭きながら、私は洗面所を後にし、食事が並べてある居間に飛んでいく。

 

「あれ、霊夢はもうご飯食べたの?」

 

私はふと疑問に思ったことを口にした。まぁ、一緒に食べた方が美味しいだろうし、楽しいからと思ったことの方が大きかったけど

 

「……えぇ、食べたわよ。だからあなたも早く食べなさ」

 

グー……

 

「「………………」」

 

霊夢がそこまで言った時、霊夢のお腹からなにやら可愛らしい音が鳴った。そうなった瞬間、霊夢は勢いよく起き上がり、自分が着ている巫女服と同じように赤く頬を染めながら大声で叫ん話し出した。

 

「お、お腹なんてなって無いわよ‼︎ 勘違いしないでよね⁉︎ い、今のは……そ、そう‼︎ 私の中にある博麗の力が暴走しかけて、それを止めるために私が……‼︎」

 

「霊夢、霊夢、それ以上言うと、お腹が鳴ったことよりも恥ずかしい黒歴史を残すことになるだろうから、ひとまず落ち着きなよ」

 

私がそうおしとやかに(誰? 今おしとやかで疑問を思った人は?)言うと、霊夢は頬を染めながら私の向かい側に座り直した。

 

「それで、なんでお腹空いてるの? さっき食べたって言ってなかったっけ?」

 

「……あ、あんたには関係ないでしょ」

 

「むぅ……そんなこと言うと、さっき霊夢が言ってた博麗の力が暴走をみんなに」

 

「わかった‼︎ わかったから‼︎ 言うわよ、言えばいいんでしょう⁉︎」

 

霊夢は先ほどよりも頬を赤く染めながら喚き立てた。あ、これ面白いや。しばらくこのネタでからかおうかな。

 

「……お、お金がないし、食材がないのよ。残った分がほんの少しだったから、あんたの分にしてあげたの」

 

「え? だってこの間、食材買い出しに……霊夢、もしかしてまた……?」

 

「う……」

 

霊夢はギクリとしたように顔を反らす。

 

霊夢は博麗の巫女である。それは当然、幻想郷の秩序を守るために存在する。主な活動としては、人間に悪さを働く妖怪達の取り締まりや、異変解決などである。今までの博麗の巫女もそう、弱きを助け、強きを挫く(まぁ、私達の異変はある意味立場が逆だったけど)といった行動を取ってきたらしい。だが、今の博麗の巫女である、霊夢は、今までの巫女達とは違ったことがあるらしい。それは

 

「……だ、だってあいつら、お腹が空いたーだのなんだのうるさいし? そ、それで人里襲われて私の仕事が増えてもあれだし……そ、それに餓えて死なれたなんてなったら目覚めが悪いってものでしょ? だ、だから仕方なくよ、仕方なく‼︎」

 

そう、霊夢の先代までの博麗の巫女は、妖怪は撃つべし。その理念に適ったように妖怪を退治し続けた。しかし、霊夢は違う。霊夢は困っていた妖怪がいると、手を差し伸べ、助ける手段を講じ、救ってくれる。この私がいい例だ。行き場の無かったこの私を、ここに居させてくれる。普段は何事にも無関心でありながら、ここぞという時に助けてくれる。それが博麗霊夢だと、私は思う。まぁ、周りからは何も知られてないから、ただの貧乏巫女って思われてるみたいだけどね。

 

「……つまり、お腹が空いた妖怪がいたから、食事をあげちゃったってこと? いつ?」

 

「……昨日の夜中……あんたが寝てるときに、両腕広げた金髪の浮遊妖怪が来たから、ちょっとね」

 

金髪? 両腕? 私は首をかしげながらも軽く呆れ返した。

 

「まったく……それで自分の食べる分が無くなるってどうなのさ?」

 

「し、仕方ないじゃない。あいつ、思ってたよりも容赦無く食べて行っちゃったんだから‼︎」

 

霊夢は悔しそうに地団駄を踏み出した。れ、霊夢、揺れる揺れる。私からすれば地震だからやめてください。

 

「あ、あはは……まぁ、とりあえずまだ何も食べれてないってことでしょ」

 

「……まぁ、平たく言えば……」

 

「平たく言わなくてもそうだと思うけど……なら、はい、どうぞー♪」

 

私はそう言いながら、小皿に自分の食べる分の半分を入れ、霊夢の前にコトリと置いた。

 

「え、い、いやいいわよ。これはあんたの分だし……それに、私が食べてもあんまりお腹の足しには……」

 

「それだとしても、少しでも霊夢には食べて欲しいのー‼︎ 食べないと怒るからね‼︎」

 

プクゥっと頬を膨らました私に、霊夢は少し唖然とし……クスリと笑みをこぼした。

 

「ふふっ、何よ、博麗の巫女にそんなことする妖怪だなんて、おかしな子ね。ま、あんたの言うことに免じて、おとなしく食べてあげるとするわ」

 

そう言いながら霊夢はゆっくりと食卓に着く。

 

博麗の巫女にそんなことする妖怪? ふふっ、霊夢の方こそおかしなことを言うね。博麗の巫女だからこんなことするんじゃないよ。私は……。

 

「それじゃあ……」

 

「「いただきます♪」」

 

霊夢だから。博麗霊夢だから、私はこういうことをしたまでさ。




はい、ということで、第2話描き終わりましたー。針妙丸を助けた霊夢さんなら、このぐらいのことはしてるんじゃないかなーと思って書きました。貧困の理由ももしや?と思う感じです。
それにしても、こっちの方はぶっちゃけシナリオが何もないので、書きながら考えていく感じなので少したいへんです……こんなシチュエーションを描いてほしいなどありましたら、言ってくだされば書いていこうと思いますので、是非是非よろしくお願いします♪

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