聖杯奇譚 魔王降臨   作:ヤッサイモッサイ

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生存報告がてら書き殴っていたIFというか番外編のようなものを投げつけていくスタイル。
今更って感じではありますがカーマちゃん引いちゃったからね。多少はね。

今回の設定はCCCコラボ、敗北エンドの想定ではありますが細かい設定とかはないです。
単に描きたいシーンを描いたので「え、マジで?」って出来になってます。

リアルの都合というかまんま就活で移動が多くなってきたので筆慣らしにまた番外編をちょくちょくあげると思いますが、だいたいそちらもFGO原作どこいった感ハンパないので閲覧注意という事で。

それでは本編どうぞ



第六天の席次と矜恃

「……なんです?」

 

情欲へと染まった、獣が眼。そんなものが捉えたのは、たった一つの欠片。

ヒラヒラと舞うだけの、弱々しい紅の胡蝶。

 

「火の粉……?」

 

何とも蕩ける光景であるのか。美しき女が、その様な幻想を手に首をしならせる。あぁ、確かにこれは背徳的である。いっそ冒涜的であるとすら言いたいほどに、その様相には魔が宿っていた。

 

「───()()()()()

 

しかし、そんなものは許されぬとは積み上げられた骸が語る。女のその艶やかさとは裏腹に、その中身は何処までもおぞましく、人を喰らいし化生が如く。

 

即ちは───髑髏(しゃれこうべ)が鳴いた

 

「そんな、ありえませんわ。だって貴方は、もうとっくに死んで───えぇ、そうです。確かに殺したのです」

 

女はその目を瞬かせて、目の前に立つ陽炎へとそう投げかける。気が付けば辺りは焔の蝶々が飛び交う楽土へと変貌していた。

無数の骸骨が喝采を挙げる、その様なものへとなったのだ。

 

「貴様は、とんとおかしいな」

「おかしい?何がおかしいのです?そんなことが為に蘇ったとでも?えぇ、忌々しい」

 

女が腕をふるって煉獄の使者を吹き飛ばす。するとまた別の髑髏が喝采を挙げる。

 

「欲を掲げる者が神へなろうなぞと……やはりおかしいではないか」

「ですから!何がおかしいというのです!この、しつこい!」

 

さながらそれは夜灯りに群がる虫のような、さもなくば雨上がりに踊り狂う蚯蚓が如き一幕。

骸が手を伸ばし、女がそれを払い除ける。ただそれだけを繰り返す。

 

「貴様は言ったな。人が愛おしいと、故にすべてが欲しいと───ならんならん。てんでなってない。そんなものは欲ではない」

 

足を───そう、脚を引きずり込んだ。女の美しき四肢に、湖面の白鳥が涙すら弾いたその太股に1匹の骨が噛み付いていた。

 

「この!」

 

それを叩き割っては立ち上がる。薙ぎ払っては1歩引く。注ぎ流しては天を仰いで叫び散らす。

天女が吠える。狂いし、されど狂おしいまでに美しい。何をしようともその美しさが損なわれることは無い。

 

「なぜ、人は愛を欲すると思う?あるいは金でも、地位でも名声でも構わない。なぜ欲する?なぜ求める?」

「何を言うかと思えば、そんなもの()()()()()に決まっているじゃありませんか」

「然り、欲しいからこそ、愛なぞ不要。金なぞ不要、地位も名誉も必要ないと、切り捨てる。何故ならばそれらが欲しいから、欲しいもの以外は要らないからこそ、その欲は欲足り得る。特別となる」

 

骸たちが動きを止めた。連動するように、絶え間なく動き続けていた女も、漸くその肉体を落ち着ける。

 

「ハハッ、ハハハハハハァッ!そうだとも、全てが欲しいなどと、そもそも人間は思わない。際限なく次は、次は、その次は!……などと思いはすれど、全てが欲しいなどと言う矛盾は得てして思わぬ。身分とかの話ではない、それが欲の本質だからだ」

「……えぇ、ですから私は神へと至るのです。強欲ですから、我儘ですから。だって私はすべてが欲しいんですもの」

 

炎が、高まっていく。宛らそれは極点とも言うべき楽土の中心で、何かを孕むかの様に脈動して。

 

「神……そう、それだ。なぜ神であるのか。神話の神は満たされていたか、天に奉ろう者共は誠に至福であったのか。否否否、そんなはずが無い、そうであるわけが無い」

「仰っている意味が分かりませんね。万能であるが故の神。全能であるが故の神。全ての人間は自身のためのリソースで、自身こそがすべて……誠に至福でありましょう、満たされていないわけがない」

 

───やがて、極点は破裂する。

その内側に飼っていた真の化け物を、ついに吐き出した。

 

「───戯けめ」

 

その姿は小さきもの。女の背にすら届かぬ、女児が如き髑髏妖怪。黒く、ただ熱い、そんな程度のものである。

 

「見る眼を持たん」

 

既に何かを見る瞳はない。溶け落ちている。

 

「聞く耳を持たん」

 

既に何かを聞く耳はない。焼け落ちている。

 

「感じる肉を持たん」

 

既に何かを感じる肌は無い。蕩け落ちていた。

 

「欲とは持たぬ事だ。かつて人はその弱さの余り、神すら脅かした。あぁ、つまりは神は人に恐れをなした」

 

正真正銘、己すら薪にしたそれは彼女の世界。

故の骸、確かに彼女の霊基は消滅間際まで消耗していた。そこまでして、第六天魔王(自身の領分)を犯した愚か者を罰する事こそ、彼女は人の営みであるとした。

 

「人の持つ武器───それこそが欲である。比べて何ぞ神の持つたるや可愛い欲よ。初々しいにも程がある」

 

故に、女に対して思うことはなく。ただ神仏を焼き付くさんとした炎のみを従えて、骸は進む───貴様を殺すと。

 

「つまりだ、欲を掲げるものが神になんぞなろうとするから、愚かにも可憐な美少女に、“勝ちたい”などと言う欲を与えるハメになる」

 

気がつけば辺り一帯は灼熱地獄。数千数万にも及ぶ肉を失った亡者が集う。

 

「呵々ッ、さらばだ最も新しき神話よ。自らの物語の末路まで、存分に語って逝くが良い」

 

亡者が行進を開始した。

 

「そんな……っ!自らの五感を焼いたと言うのですか!?」

 

女に逃げ場なく、自らが咲く自らが咲く極楽浄土が中心にてただ煙に炙られる。

 

「嘘です嘘です嘘です!あれほどまでに膨大なリソースが、私がくべられていく?神が、剥がされてイクゥ!?」

 

燃える世界と共に、女はただ踊る。舞台の幕切れを祝うプリマドンナであるか。否、そうではない。

 

「聞こえなくともわかる獣がごとき唸りよ、如何に美しく、物理的に溶ける様な声であろうともプリマは務まるまい」

 

なればそう、貴様の役目とは即ち───エトワール。

七天の海か、あるいはこの電脳の海洋にて、世界の大欲に打ち破れた───(エトワール)の敵に相応しい役回りよな

 

「いや、いやよ!だって私まだ……まだァ!満足してないのにィィィ────イイイイ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ、南蛮の言葉はちと硬いのが難であるな」

 

消し炭しか残らぬ、かつては極楽浄土であった煉獄にて、少女は燃え尽きる。

 

「カカッ、約束くらいは果たせたかのぅ?」

 




一応簡単に言えば、「信長やられる」→「マスター死ぬ」→「パラディる」→「信長地獄の底から復活からの残った世界でこれ」です。まぁツッコミどころは多いですけど、ほとんど考えてません。
一応倒し方を簡単に言えばキアラさんの「万色悠滞」の効果を自身の五感を焼き潰すことで無効化し、所詮SAN値チェックを無視、魔人であり神としての座を目指す彼女はセラフの深度が深くなればなるほどに完成されていくわけですが、そこを逆手にとって波旬で焼き殺しに行ってます。両者共に崖底に落ちるのが確定したチキンレースのようなもので、今回の本編の数秒後にはノッブも消滅してます。単独行動に頼って活動していた事もありますし、自身ですら危ないと噂の波旬を全力で解放したので霊核的なサムシングが死んでるアレです。
ロゴスイーターなどもそもそも上記の理論で万色悠滞が聞いていないので無効、ネガセイヴァーもそもそもセイヴァーやルーラーでは無いので無効です。言うて残された物理攻撃とヘヴンズホール、コードキャストとついでにKPによる諸々もなかなかやばいのですが、物理攻撃は作中通り物量で、ヘヴンズホールは隙を与えず、コードキャストは小技なので致命傷にならず、KPはそもそも存在を焼かれるということに対する防御は無いでしょうというガバ理論で無視してください。

さて、ここまでが今回の決着の話ですがここからはキアラさんの説明に移りましょう。自分自身誰をあとがきで説明して誰をしてないとか覚えてませんが、まぁ多分書き覚えはないので初めてです。

殺生院キアラ、初登場はエクストラシリーズのCCCからです。立ち位置としては黒幕のその後ろにいたラスボスですね。マスターの1人としてアンデルセンを連れたって登場しているのですが、しばらくは頭の愉快な痴女と皮肉が凄すぎて骨ならぬ本音は何処状態なツンデレイケボショタとかいうギャグ要因としか思えない状態です。サラッと用いるコードキャストが化け物で、今回のコラボやフォックステイルの方にもコードキャストが出張する程度には活用されています。精神と肉体を分ける的な効果の奴ですね、剥き出しになった心に攻撃するから物理面でのあれこれを無視しやがるチートコードです。今回のコラボではそれをスキル万色悠滞として使ってきます。まぁそもそもなんでそんな愉快な痴女がそんなチートコードを?って段階で嫌な予感がしますが正直コイツのリアルチート具合はそんなものじゃない。
例えばですがこの人、パッションリップを素手で殴り倒してます。あの、体重がトンで表現される圧縮系女子を、殴り殺す.......パワーワードというかもはや理解したくないですね。アンデルセンの補佐はあったのでしょうが、それにしたって酷いです。山育ち故に体術が極まっているとしても.......あぁ、何だ、山育ちならしょうがないね(白目)
加えて上記のようなコードキャストを作れるほどのウィザードでありながら、リアルの彼女はエクストラ時代では絶滅危惧種というかもう存在しないんじゃねーのレベルの扱いをされるメイガスとも例えられています。何が違うんだという人に簡単に説明すれば、エクストラの時代ではもうほぼ魔力がないのでstaynightの時代のように純粋な魔術師は絶滅してます。故に時代に合わせた魔術、コードキャストを操るウィザードが現れたわけです。よりわかりやすく過剰にいえば、神代の魔術師であるメディアさんレベルの魔術をstaynightの時代の生まれの魔術師が使ってるくらいの話です。あくまでもコードキャストの腕を見たネロの発言なので実際のメイガスとは違うのかも知れませんが、リアルでも法術が使える当たりあながち間違えてませんよね。
ここまで持ってさらにあるのか、という話ですがまだあります。彼女は現代におけるおそらくは最期の聖人です。もう一度言いましょう、彼女は聖人です.......すごい、パワーワード。語彙力も消し飛びますね。
まぁ説明すると長くなるので端折ると、リアルカリスマもすごいよと思ってください。手段は少し公の電波には載せられません。


え?ここまで喋った限りサーヴァントじゃなくて人間だよね?って?.......人間だったか?と真剣に悩みそうになりますがここまでは一応人です。
何故FGOにおいてはサーヴァント化し、あるいはビースト化してしまったのかと言いますと、簡単に言えばBB達を利用してムーンセルに接続、アンデルセンの宝具も使って“神になりました”。
マジでこいつの詳細を書いてると頭がいてぇ。読んでいて分かると思いますがコイツは濃い癖に面倒臭いし重いし強いし長いです。正直全然書ききれていませんがCCCは端折ります。

ではFGO世界ではどうなのかという話です。彼女の物語は幼少期において分岐が入ります。簡単に言えば病気の彼女に誰がどういった風に手を差し伸べるかで分岐します。電子ダイブをオススメしに来た変態信徒ルートが上、普通の医者がFGO、誰も来ないパターンがエミヤオルタとかだったかな?たぶん。
医者によって助けられたキアラはCCCの頃のように歪む要素がなく、目立つ事こそ無いもののまさしくその行いは聖人と呼ぶに相応しいという成長を遂げ、セラピストになります。しかしセラフという油田基地で働いていた彼女の元に不幸がやって参ります。そう、ゼパル君です。もはや名前だけで面白い魔神柱はお前とバルバドス位のもんだよ。
ゼパル君は弱っていたので彼女に寄生して悪い事をしようと企みますが、その際に余計なことをします。平行世界の記録の閲覧です。それの何が悪いか?.......だから、殺生院キアラは平行世界だと.......地球規模の痴女だって言ってるだろいい加減にしろ!
はい、聖人だった殺生院キアラは平行世界の自分を見た結果ここでも変遷します。痴女チェックです。それと同時にゼパル君に利用されている状況もだんだんと変化していきます。簡単に言えば、ゼパル君は完全に乗っ取られ、メス落ちし、挙句ポイッと捨てられます。殺生院キアラの常套手段ですね、依存関係にさせておいて満足したら捨てる。
そしてゼパル君より計画を乗っ取った彼女は、既に出来ていた特殊な特異点に月のルールを持ち込み、繰り返される聖杯戦争を開始、その全てのリソースを独占します。彼女の目的はCCC時代と何ら変わっちゃいません。全ての人間を愛して快楽を得るために神になる.......です。結果としてFGO世界ではビーストIIIの片割れRになり、やってきた主人公達に何やかんやで敗れ、何やかんやでカルデアに呼ばれ、何やかんやで世界漂白後の大奥で元気にやっております。


また色々端折ったけどもーいーでしょ?どうせ長くなればなるほど読む人減るじゃない。
というわけで最後簡単にFGOにおける性能だけ述べて終わります。FGOにおいてはアルターエゴのクラスで実装されました。アルターエゴ特有の攻撃四騎士有利に加えスキルでのルーラーへの有利を持つため、おそらくはゲーム史上最多の5属性有利を持つサーヴァントです。また全てのスキルが複合スキルであり、デバフからのNP50回復、デバフからのチャージターン減少、無敵クリティカルアップ回復量アップなどのバフの代わりにHP消費という強そうででもチャージターンのせいでイマイチ使い勝手は宜しくないラインナップをしています。ただまぁ決して一つ一つの効果量や働きは小さいものでは無いので、考えなくともある程度は機能してくれますけどね。アルターエゴということもあってやはり器用貧乏感は拭えません。言うたらとがった性能のはずなのに器用貧乏とか何を言ってるのかって感じですが、本当にそんな感じなんです。
他にもクラススキルも豊富で、そちらにもクリティカルアップが入っていたはずなので必然とクリティカルの威力は高いです。カード性能は可もなく不可もなくですが、アーツデバフとNPチャージスキル、宝具もアーツなのでアーツカードが多く、クリティカルが乗れば倍ドンで割と宝具は打てます。宝具は全体宝具でダメージ系ですね。攻撃の後に回復が入るのでそこそこの頻度で連射できれば耐久にも使える感じです。
ただやはり防御系のスキルがチャージ減少と無敵(HP減少)しかないことに加えて、防御有利が現状フォーリーナー以外に存在しないため意識した立ち回りなしにはそこまで耐久ができるようにも感じませんでした。
デバフ持ちNP50チャージ可全体宝具、有利多しって段階で使い方は多いので、軽く使うのであれば普通に優秀な部類だと思います。ガッツリ使うとなれば少し難しく、またリターンが多いかと言われると悩みどころですね。やはり便利というイメージです。



はい長くなりました。あまりキアラさんに詳しくないうえ、この人複雑なのでガバ知識やエアプ晒していたらすいません。それではまた次回の更新で会いましょう

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