聖杯奇譚 魔王降臨   作:ヤッサイモッサイ

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お久しぶりです。後期は暇だとは誰の言葉だったのか、プロジェクトの活動で時間を取られに取られ趣味が文字を書く事から図面を引くこと、家の構想を考えることに変わりかけていた作者ですどうもこんにちは。

さてさて、皆様時は流れまして今年も終わりという頃にございますが、皆様カルデアではいかがお過ごしですか?人理は修復出来ましたか?それとも寒い外が嫌でカルデア内のこたつに引きこもり、ソロモンの神殿に足を運んでないマスターもいらっしゃるのでしょうか?



───私はマーリンを引きました(問いかけからの唐突過ぎる自慢)
いや、ほら、今だけ忙し忙しい言ってるのにいきなり半年分のゲームの話をしますと......ねぇ?遊んでただけだろっ!ってなっちゃうじゃないですか?一応前書きとして高説っぽいことたれとけばごまかせるかなぁなんて......すいません邪ンヌまで引き当ててます!(謝罪と見せかけた唐突過ぎる自慢part2)

っと、まぁここからは普通のテンションに戻りまして、八月九月辺りから随分と経ちましたが、FGOのモチベーションはなんとか維持しつつちゃんと進めております。終章も最後の魔神柱が倒されてすぐに攻略致しました。まぁ、肝心のバルバドス?とかはあまり回ってなかったのですが、まぁあれは朝起きたら死んでいたとかいうギャグなんでしょうがないですよね......そろそろ長いな。話したいことも多いので、また後書きにでも書き殴ってます。今回紹介するサーヴァントも多分いないでしょうし、丁度いいです。それでは本編どうぞ


そこは正しく歴史に輝く一番星なり

とある三日月の夜。静けさが空へと溶け込み、さながら全ての生物が死滅したのではと疑ってしまうほど、無音でもの哀しきとある夜。

 

「───────。」

 

その恐ろしくも艶やかな空間に彼女は座していた。

大胆に肌蹴た着物は、いじらしくも少女の肢体にまとわりついてその身を秘める。月明かりだけが世界を証明するこの空間にあって、彼女は月明かりよりも鮮明だった。俺はその少女のことをよく知っている。

 

 

 

だが、その少女のイメージと今の姿はどうにも被らない。

確かに、窓際にて物憂げに枝垂れている彼女の姿は美しい。正しくこの夜に相応しい、深窓の令嬢そのものな様相だ。

 

それ故に、俺の知る彼女との乖離が激しい。彼女はそのような表情をする人間ではない。彼女は決してそのような慈悲を見せない。そも、彼女が弱さを見せること自体......有り得るはずもない

 

「人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり」

 

───遠い、彼女との距離がこんなにも遠い。

 

夢であれ、夢であれと俺は希う。こんな狭い世の中で、生きるような彼女は夢であれ。こんなにも弱々しい、生娘のような彼女こそ幻であれ。

儚くあれ、虚しくあれ。俺なんぞの夢は、今ここで打ち破れろ

 

「───魔王、か」

 

少女は、自嘲するかのように呟いた後、自ら立てた足の狭間へ、額を落とす。

 

 

 

 

その晩、彼女の震えが止まることは無く、彼女が再び面をあげることも、また無かった。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

花の都ローマ。

現代人は言うまでもなく、口の減らない作家であろうと、皮肉を投げることに定評のある未来人であろうと、その美しさには感嘆の声を上げるばかりである。

こうして歴史に聞くローマを、生で見たのは初めてだが、街並みだけではない。

人の営みが完全に都市と一体化し、其処を街として完成させているのだ。

活気溢れ、風が薫る街並みこそ絢爛の証。これぞローマ、世界の中心であると、都市そのものが見るものに訴えかけてきた

 

「────おぉ……おぉ!おぉっ!?なんと!見ろ小娘!この造形、この細工!そしてあの構造!これぞ南蛮か!これが南蛮か!?えぇ!?ちょっと凄くない!?」

「────ふぉぉぉぉぉ!!!凄い!凄いよ信長さん!私にも見せて見せて!ちょーくーるじゃん!えきさいとじゃん!」

 

……そしてそうした街へと入るやいなや……いや、そうした街が目に入るやいなや唐突にそわそわしだしたのがこの2人。

言わずと知れた革新者(ミーハー)、織田信長と、歴女ならぬ癖女、宮平シロである。

 

「うむ、そうであろうそうであろう。ローマにあるもので誇れぬものなど何も無い。ローマにおいてはすべてが格別!店主よ、この林檎を頂こう。なに、勝利の凱旋だ!」

 

そしてそんなヨイショにさらにテンションを上げてきたのがこの人、ネロである。

街に入るやいなやパレードの始まりである。門を抜け、通りをまっすぐ抜けながら、脇にある露店へと顔を出しては「皇帝様、皇帝様!」と呼ばれながら土産を増やしていく。

その際人々に溢れる笑顔からは、ここの皇帝が如何に慕われているかが如実に伝わってくる。

 

「……シロはいいとしても、あれだけネロを目の敵にしていた信長はどうしたんだよ」

「まぁ、史実の織田信長はこうした南蛮渡来の物に目がないことで有名でしたからね。西洋の街、それもフランスオルレアンのように破壊されたわけでもなく、こうして文明として、文化として残された都を見たら、ああなるかと」

『後はあれだね、一緒に騒げる人がいたら余計にテンションって上がるよね……あれ皇帝様とシロちゃん、そして信長で組んじゃいけない三打線が出来上がっちゃってるよ』

 

その三打線、敵に回すのも嫌だけど味方っていうのもそのまま嫌だなぁ。

三人揃って連続レッドカードのハットトリックでも決めて永久に出場停止していて欲しいくらいだ

 

さて、まぁそんな冗談は置いておいてこれで確定したことがひとつある。

 

「……うん、嘘だとは思ってなかったけどやっぱりあの痴女が皇帝ネロだね」

「はい、つまり彼女の言っていたこと────帝国連合なる存在も、確かに存在していることになります。この場合きっと聖杯の所有者というのはその連合の代表という事になるんでしょうか」

『皇帝様の話からすれば、先鋭だらけのローマ兵の中から脱走兵が出るという程だ……最悪、歴代皇帝と総当たりなんてこともあるかもしれない。凜くんが戦ったって言うカリギュラの例もあるしね』

 

……そうだ、カリギュラ。俺達は結局彼を倒しきることは叶わなかった。それに彼がそこに存在するだけで月そのものが敵になるという圧倒的な能力。サーヴァントならばまだしも、魔術師の俺であれなら下手な兵士では大惨事に陥る可能性もある。シロも前に出すのは危険だろう。アレは中身の異常さとは無関係に、意識を持っていく。

とはいえ、魔術師である俺をしても脅威の能力。加えてバーサーカーとしての異常なまでの戦闘力......理想としては純粋なるステータスで上回ったサーヴァントによる正面衝突だ。相手の小細工はサーヴァントに通用するレベルでなく、バーサーカーである以上まともな知性はない。正面からの殴り合いとて、ステータスが上ならば概ね負けはないだろう......が、しかしどうにも特異点に置いて、聖杯が呼び出したサーヴァントは曲者が多く、正統派と呼べるサーヴァントは少なく感じる。前回もまともなサーヴァントはジークフリート位のものだった。もちろんそれ以外のものの実力が劣るわけでもなく、その尊さが失われたわけでもないが......

 

「ローマか。因縁があるサーヴァントはそれこそ腐るほどいるだろうけど......曲者も腐るほどいるんだろうなぁ」

 

華の都に入ってこんなことを言うのもなんだが───気が滅入って仕方がなかった

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

「さて、今後の方針を決めようか」

 

絢爛なる都の名に恥じぬ王宮、その奥にある玉座にて、皇帝ネロはそう切り出した。

如何に危機に陥ろうと、どうやらこの皇帝は自身の豪華絢爛(アイデンティティ)を捨てる気は無いようである。

 

「方針も何も、さっき話し合ったとおりだろう?俺達は前線へ出て、君達を助ける。そして聖杯を手に入れる。君たちは俺たちをこき使う。そして勝利を手に入れる」

「うむ、話したな。その通りだとも、道中話したとおり。それを違えるつもりはない」

 

......さて、ではどういった意味だろうか。俺のリーディングスキルが足りないのか、はたまた彼女のスキルの中に狂化等という余計なものが備わっていて会話にならないのか......まぁそもそもサーヴァントではないけれど

 

「なに、単純な話よ。今一度ここで定めねらばならぬ方針、それすなわち───今宵の宴、その方針に決まっておろう!!」

「このド派手レッド馬鹿な───っ!?」

 

余計な事を言おうとした信長の口を物理的に塞ぎ、皇帝の様子を伺う。

自身に当てられた言葉であるとすら気づいていない様子に少し胸を撫で下ろし、手を離す。

 

「お主も大概失礼なことをしておった気がするがの、何を今更?」

 

それはそれ、これはこれである。便利な言葉があって何よりの現代だ。

 

「皇帝陛下、時間に余裕があるのなら、折入って頼みがございます」

 

そう切り返すのは我らがもう一騎のサーヴァント、シールダーのマシュである。

シリアスモードなんて皆無な彼女のマスターに、我ながら問題児過ぎるこちらのペアの頼りない面々の良心である彼女が居なければ、話なんて進みやしない。

 

......え、ドクター?もちろん論外だ。滅んだ人理の中で、何故か更新の続くネットアイドルにご執心の男のことなんぞ知るか。

 

「む?申してみよ、とく許す」

「実は私達には他にもやらねばならないことがあり、時間があるのであればその用事を早いところ済ませてしまいたいのです。一日もあれば十分に済ませてしまえる用事なのですが......」

 

ふむ、と相槌をうつ皇帝様だが、恐らく事情はほとんど理解していまい。というか、カルデアの物資を受け取るためのポータルを設置しに行きたいのですなんぞ言ったところで、この時代の人間にわかるはずもないのだから、あえてマシュもそのことは告げなかったのであろうが

 

「ともあれ、話は一日の自由が欲しいということだな。構わぬ、好きにするが良い───と言いたいところであるが、ここに一つ問題があってな」

「───問題?」

「左様。貴殿らと合流するより前に、余は遠征軍をガリアへと送っていた。そこより伝令が来てな、いわば応援要請というやつよ」

 

流石は皇帝、と言うべきなのだろうか。先程までとは身に纏う空気が違う。俺の真横で「わしだってちゃんと締める時は締めるもん」とか抜かしている何処ぞの魔王とは大違いだ。

 

「無論、強制は出来ぬがこちらに来てもらえるのであれば心強いのは確か......そちらの用事を済ませてとなると早くとも二日後の出発となる。それは少々不安が残るのだ」

「確かに......私たちはともかく、マスターや凜さんのような通常の人間に帰還してすぐの強行軍は無理がありますね」

『かと言って、サークルを設置せずに行動を開始するのは不安がある。この先猶予がいつあるかもわからないし、不測の事態が起きてからじゃ遅いんだ』

 

時間的な制約......まぁ、相手がサーヴァントという時点でわかりきっていた話だが戦いのペースが早すぎる。これではもはや戦争だ。

 

「まぁ何処の特異点もやってることは実際(いくさ)じゃろう。特異点とも呼ぶべき世界、人理側も敵の魔術師側も、構える戦力は一騎当千の猛者ばかりよ。人間のペースで考える方が愚かじゃてな......さて!それじゃこういうのはどうじゃ?」

 

停滞しかけた流れを、仕切り直しとばかりに信長が張り上げた声が砕いていく

 

「別に盾子の用事はわしらを連れ立っていく必要は無い。いささか貧弱なきらいがあるとはいえ、まぁそんじょそこらの有象無象に負ける程そこの二人は脆弱ではない。ここらでまた別行動をとるというのは、そう悪い事でもなかろう」

「......ん、つまりなんだ?シロとマシュは用事を済ませに、リンとチビッコは先にガリアへ行くと?」

「───少しばかり思うところがないわけでもないが、ここは大人なわしが飲み込んで黙ってやろう。ともあれ、内容に相違ないわ。わしらが先行し、その遠征軍とやらに先に合流しておこう。皇帝は小娘たちが帰ってくるのを待ってから、またゆっくりとくれば良い」

 

王がそう軽率に動くものではない、とたしなめる姿に思わず驚愕してしまったが、ドヤ顔の彼女を見ていると、どうせさっきの話への意趣返しなんだろうなと理解出来てしまう。

 

「......わかった、俺の負けだ。織田信長ッという英霊は、確かに王様だった」

 

まぁ、俺の敗北宣言に満足気に鼻を鳴らしてふんぞり返る姿は、王様というよりはただのガキ大将だけどね

 




......さて、前回の投稿からだと、多分水着イベントのあとなのでプリズマイリヤとか以降の話ですかね?
イベントもなかなか手が込んでいて、配布鯖が命な無課金勢として全力で回って再臨素材やら宝具重ねやらを頑張っているのですが......なかなか信長の別バージョンは来ませんね。不思議だなぁ、これだけファンメールを送っているのに。某イラスト投稿サイトを見ても、織田信長の人気の無さには泣きたくなります。可愛いのに!チートキャラなのに!終章でもギャグキャラ扱いですよ!?てかなんなんですかね「魔神柱」の癖に神性無いって!まじかよこの小説で信長無双させようとしてたところだったのに神性無いんだったら勝ち目ねぇよどう住んだよ豆鉄砲三千丁構えて物理で殴れってかそうですかそうします......まぁ普通に最終章に出てくれただけで満足なんですがね。可愛かったよノッブ。
よし、信長のステマはこの程度にしておくとして、ストーリーの話ですかね。3章配信あたりからストーリーにハマり投稿し始めたこの作品だった気がするのですが、六章でまたさらに盛り上がった感がございます。規模がでかくなるだけでなく、英霊1人1人、人間一人一人の物語がしっかり見えるので入りやすかったですね。何よりも主人公の「世界を救う存在」感が増してきて、気持ちよく戦えたというのもあります。またダークなところが垣間見得るのも一つのフェイトらしさと申しましょうか......まぁ濁しましたけど、7章のアレとかの悪趣味具合というか気持ち悪さというかおぞましさという......表現出来ないと言うよりかは、負の言葉適当に並べてたら全部当てはまっちゃって困っちゃう感じのあいつらほんと死んでくんないかな。ストーリー飛ばして一通り戦闘終えてからストーリー一気見したので、あとから自分が何をしてたのか思い出してマジで悲しくなりました。いや、だって......サンドバックがあったらとりあえず殴るでしょう?そんな感じです。おじいさんの忠告も知らず、選択肢は適当にギャルゲー的にこっち?みたいなニワカ知識で選んで見事にハズレを引きまくるし。知らずに挑んだルチャリブレネェさんは勝てるまでに3回ほどチャレンジするハメになるし。ガチャから出てこないし!


......んん!えっと......あぁ、そうそうあとはガチャの話ですね。所持している星五がピーキーすぎる性能の方ばかりで、何とも使いづらいって言う時に邪ンヌが来てくれたり、耐久パで遊びたいって時にエルキドゥとかマーリンが来てくれたので割と最近は充実してます。まぁ、福袋ガチャで孔明とジャックが来ていたのでだいぶワガママというか贅沢なんですけど(三度襲い来る自慢)

とまぁこんな風に、なんだかんだと充実したFGO生活を送ることが出来ました2016年。皆様もぜひ一年の思い出、振り返ってみたら意外と面白いかも?年末なので作者に話し相手はいないんですけども、読者の方と話せたらすごく楽しいと思います。折角なので年内にあと数話投稿できたらいいのですが、出来るかな?出来たらいいな。なんて思いながら、ひとまず今回はここまでということで......あぁ、サンタさんか親戚の誰かでもいいや、お年玉で構成力とか色々くれねぇかなぁ

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