聖杯奇譚 魔王降臨   作:ヤッサイモッサイ

34 / 46
こんばんは。
今回は短めにローマまでの導入ぶち込みます。前回とかはそれなりにゲームの会話と見比べながら書いていたのですが......携帯の中で画面を切り替えながら書くのがだるい上に、もはやオルレアンの中の会話に原作要素なんて欠片もなかったことを思い出して全部状況整理と今後の話につぎ込みました。
本当はバレンタインイベントで主役張ってる人の赤いバージョンが出るとこまで書こうかななんて思いながらタイトルをつけていたのですが......区切りが悪いのでそれはまた次に持ち越して。
さて、もう受験も終わり四月から新生活が始まるのですが......まぁなんと言いましょうかいろいろ準備もございますし?私も高校時代の友人達と遊びたいというのもあったり?もう一つの作品もそろそろ書き始めないとなぁ......なんてこともあったりで......うん、しばらくはまた不定期です。いや二週間くらい前まで受験を言い訳にしてたやつが言うことではないけどね?(どうせこっちの方が筆は進むしすぐ書きそうなものですけど)
一応、予防線貼っときます。しばらく投稿は不定期です!


はい、じゃ本編どうぞー




すいません。投稿直後に修正が入りました。
序盤のやり取りに信長のセリフが入っているのに、その後の流れではその場に信長が居ないって形になっていたので、信長のセリフを凜くんに置き換えました。


第二特異点 永続狂気帝国“セプテム”
掲げよ、この大地こそ始まりの世界なり


さて、前回までの息つく間もないレイシフトに比べて、今回は随分と長めに落ち着かせてもらえたものだが……今日でそれも終わりである。

というのも、午後には三つ目の特異点の解消に臨まなくてはならないからだ。

 

「という訳で恒例のミーティングな訳だが、その前にまずいくつか話しておかなきゃならないことがありまして」

 

と頭をかきながらドッと疲れた表情をより濃くするロマニ。仕事をしないイメージが定着していたが、俺達が帰ってきてからというもの彼はあっちこっちへと駆り出されて大忙しのようだった。人理修復の本番よりも準備の方が忙しいというのも不思議なことだが、まぁ現場ではなくバックアップ側の事情なんてそんなものだろう。

 

「まず一つ、カルデアの食料庫から勝手に消えてた物資の話なんだけど……マシュがボクを犯人と疑ってたあの件だけど、この度清姫が犯人を見つけてくれました」

「えぇ、見つけました。旦那様、どうか褒めてくださいな?」

 

いきなり全く聞き覚えのない話から入られたので少し眉をしかめてしまったが、遅れて入ってきたダヴィンチちゃんに連れられるその影を見ていやに納得させられた。

髪と衣装を青い色彩で調和させ、そこにアクセントとして赤い双眸を投げ込んだ野性的な男……あぁ、大いに見覚えがある。冬木の地で共闘したキャスターだ。

 

「よう、久しぶりだな!」

「久しぶり……ではありません。この男、私があのフワフワと一緒に“おるれあん”を散歩していたら、森の中から突然現れまして……」

「おぅ、そうだよ聞いてくれよ。この嬢ちゃんとんでもねぇんだ!出会い頭にいきなり炎を吐いてくるもんだからよ、せっかく仕留めた獲物が漏れなく消し炭になっちまったよ」

 

色々とまぁ聞きたいことはあるけれど、いやにその光景が想像しやすいので口に出すのはやめておく。聞くまでもなく、きっと想像が正しい。

 

「……まぁという訳で、実はこのキャスターことクー・フーリンもカルデアに召喚されてたみたいでね。君たちが特異点に行ってた時もあっちこっちで好き勝手していたみたいだよ。清姫の時も言ったけど、契約者は一応シロちゃんって事になっているから、場合によって有効活用してくれってことで……ダヴィンチちゃん、もうそのふたりはいいから連れていってくれ」

「え?あの2人は今回連れていかないのか?」

「いやー、運用自体には問題ないんだけど……宝具に使う魔力がねぇ。現界させるだけならカルデアが代理で魔力を補えるけど、流石に宝具ともなれば君たちから貰わなければならない。回復にもカルデアの補助があるとはいえ、シロちゃんは結局素人でしかないからね」

 

なるほど。まぁ、そういう点では本当にこういう特異点解消に向いたマスターだと言えるけどね。

カルデアに召喚されたサーヴァントは一騎しか扱えないとはいえ、現地で聖杯によって召喚されたサーヴァントであれば魔力の問題を気にせず運用できる。であれば複数の使役を可能とする彼女のマスターとしての格はやはり武器だ。

逆に、サーヴァント一騎の使役しか出来ない俺は、普通の聖杯戦争ならまだしもこういった戦いには向いていない。仮契約なんて大した恩恵もないからね。

 

「まぁとりあえずボクとしては誤解が解ければそれでいいんだ。うん、余計な仕事が増えたことなんて何も残念なんかじゃないからね!いや、ホント!」

「ドクター、早く次の話をしてください。先輩が立ったまま寝そうになってます」

「あ、はい……ゴホン、それじゃ次の話だけど、これは君達に直接関連することでね?ここ数日間、信長が自分の衣装を作り直しながら二人の予備礼装を作ってくれている。というのも、シロちゃんは未だに上手くその礼装を使えていないし、凜くんにしてみれば似たような効果を自分の魔術で出せるだろう?だからまた別の効果を仕込んだ礼装を用意しようって話になったんだ……けど」

 

あぁ、それでこの後に及んでまだ信長がその研究室?とやらから帰ってきてないのか。

俺も被詠紙を量産するために地下の一室を借りているけれど。確かにここの設備は目を見張るものがある。この服一つとっても感嘆したものだが、この短期間によくもまぁ作れたものだ。

 

「けど?なんか問題でもあったのロマン?」

「あぁ、うん。シロちゃんが女の子らしく服のことで目を輝かせてくれるのはいいんだけどね。信長に任せていたらデザインが凄くなんというか……偏ったからね。残念ながら今はダヴィンチちゃん監修の元で作り直し中。今回には間に合いそうにないから、実用は次回に持ち越しかな」

「あぁ、信長って髑髏とか軍服とか南蛮由来のものとかに目がないからなぁ……任せたらきっと漫画の魔王とかが付けてるようなゴテゴテのが出来上がると思うよ」

 

それを早く言って欲しかったなぁ、とはロマニの弁だ。

まぁそんなことを今更言われても、俺としては信長自身の服を作っているのだと思っていたから仕方が無い。

 

「はい、それじゃ次からが本題だ。今から2時間後には三回目のレイシフトをしてまた新しい特異点に行くわけなんだが……その行き先というのが西暦60年代のローマ────つまり古代ローマ帝国だ」

「ローマ!?ローマってあのローマ!?一日にしてならなくてどこに行っても気がついたら辿りついちゃうローマ!?」

「え、何?ローマ好きなの?」

 

あまりの食いつきに思わず聞いてしまったのが問題だったか、ずいっと詰め寄ってきたシロにやたらと濃いローマトークを食らってしまった。やはり変なところで女子力が高い。

 

「……うん、話が終わったようなんで続けるよ?今シロちゃんも言ってたけど、この時代のローマを統べているのは五代皇帝ネロ。暴政とか芸術系統の逸話が有名な彼だけど、彼がこの特異点の原因なのかは判明していない。先日のオルレアンの様に、大勢側だからといって大して関係していない可能性だって大いに有り得る……しかし、こと今回はローマ帝国、百年戦争時代のフランスとは規模が違う、注意しておくに越したことはないと思うよ?」

「結局いつも通り、まずは状況理解に務めてねって事だろう?前回は居なかったけど、今度こそレフとかが介入してくる可能性だってある」

 

どうしたって後手に回るしかない以上、どんな時代に行ったってやることは変わらない。行って、見て、勝つ……それだけだよ

 

「あ、カエサルでしょ今の。ゼラの戦いの時、ガイウス・マティウスに送られた勝利の知らせ!カッコイイよね!」

「あ、うんそこまでは知らなかったけどね?」

 

この子どんだけローマ好きなんだよ、怖いわ。

 

「でも、ロマンが言いたいのはそこじゃないと思うよ?」

「そこじゃないって……それ以外に何を警戒しろと?」

「あー、うんまぁ……君たちもわかってるとは思うけど、特異点に呼ばれるサーヴァント達には何らかの共通点がある事がほとんどだ。土地であったり性質であったり逸話であったり……少なくとも、今回はローマに縁のある存在が多く来るだろう。味方だけじゃなく、敵として」

 

妙に歯切れの悪いロマニの言葉を継いで、今度はシロが最後まで言い切った

 

「簡単な話、きっととんでもない敵も出てくるってこと。ローマ帝国程の古さにもなれば、神話と交じるような話も少なくない。オルレアンのドラゴンさん達も強かったけど、きっとこっちも一筋縄じゃいかないだろうね……まぁ、マシュがいるから私は安心だけどね!」

「任せてください先輩!直前まであんなにも眠そうだったのに、好きな話になると途端に饒舌になる先輩も素敵です!」

 

果たして褒めてるのだろうか、なんて感じの後輩の言葉にも何故か照れたように返すシロを、冷めた目で見ながら俺はその言葉にどうしようもなく嫌な予感を覚えた。

悪い意味ではない。嫌な予感ではあるが、決して不吉なことが起きるとかそういうことではないのだ。

単に神の時代に縁があるなんて言われれば、誰だって思うこと……うちの頼りになるサーヴァント様が、また何かやらかさないだろうかという─────いやに悲しい心配である。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

──────アンサモンプログラム スタート。

霊子変換 を 開始 します。

レイシフト 開始 まで 後 3、2、1……

全行程 完了(クリア)

 

グランドオーダー 実証 を 開始 します

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『第二特異点 AD.0060 永続狂気帝国セプテム 薔薇の皇帝 人理定礎値 B+』

 




なんか私この画面で初めて三千文字代を見た気がする......けどまえにもあったな、やっぱり。そんな事をいつだ書かいた気がするもの。

今回はサーヴァントも居ないので本編の補足説明。

まずは「カルデア式召喚」について詳しく書きます。
まぁ要はゲーム形式の召喚法であり、触媒無しで本人との相性とかも無視して召喚するための魔力さえ用意すれば無制限に英霊を召喚できるシステムです。ただし呼ばれる呼ばれる英霊は完全ランダム。反英雄もいるしイレギュラークラスもいる。同一存在も呼ばれるしなんてカオス具合ですが、全くの同じ存在は呼ばれないって感じです(ゲームだとキャスターメディア二体は呼べるけどこの作品では呼べません。しかしリリィの様にちょっとでも違うのは呼べる)
現界のための魔力はカルデアが用意してくれるけれど、宝具の使用や現界以外の魔力を使った行動にはマスターを経由する必要がある。マスター自身にも魔力をよこしてくれますが、元々は英霊用の魔力なので人の為に調整するために時間がかかるって感じですね。だからシロちゃんは宝具を乱打するのは不可能です。

ただし現地に直接召喚されたサーヴァントに関しては、現地の聖杯からの魔力供給があるのでマスターの魔力は使いません。


ぶっちゃけここらへんの設定とかあまり使わない気しますけどね。

あと信長のやけに高い技術者的能力はカルデア職員を顎で使いながら学習した結果です。こだわりのものは自分で作りたいってありますよね?自分だけのものを!と。自分はそのタイプだと思ったので、彼女にもそれなりの技術力を持たせてます。
礼装はまんまゲームのやつしか出しません。オリジナルとかはないですよ。そのセンスはない

なんか書きたいことはあったんですが、後書き書いてる間に少し休憩置いたら忘れてしまいました。なんか本文で説明がない謎設定があったら教えてください

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。