聖杯奇譚 魔王降臨   作:ヤッサイモッサイ

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こんばんは、突然書き出したので12時過ぎてましたね......かと言って一日待つのもめんどくさいので上げちゃいます。
今回は日常パート。登場人物2名、ほとんど会話。ただし内容はめんどくさい。
軽く読み流してください、作者理論しか書いてないので。一応所々ほのぼのさせてるのは癒しのつもりです。

前にもどこかで言いましたが、作中で一番ぶっ壊れのチートなのはシロちゃんです。二つ前くらいの話で凜くんに例えさせた神の視点というのは言い得て妙なんじゃないかとちょっと1人で悦に入っておりました。
本気で長いのと、あまりシロちゃんについて掘り下げるつもりは無いので読まなくてもいいですよこの話。ではでは、どーぞ


無数の私

真っ青な空に空いた、大きな穴。

特異点に浮かぶ、虹の円環。

 

 

それらを見た時、私はどうしようもない既視感に襲われた。初めての体験ではなかった。言ってしまえば私は常にデジャヴと生活しているようなものだったから、それは別段珍しいことではなかった。だから気にもとめなかったし、深く考えることも得意じゃないからすぐに忘れる事にした。

 

だけれど、聖杯なんてものを目にした私には分かる。あれはきっと……そう、きっと─────私のルーツ。聖杯によって開かれた黒い太陽こそが、私という存在のルーツなのだ

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

金属の扉がスーッと開いて、見慣れたオレンジ色の髪がぴょこんと飛び出す。

 

「いえー!こんにちは凜くん!」

「……はぁ?」

 

おっと、予想以上に冷たい声が口をついて出た。

そりゃまぁ一人で落ち着いてる時に邪魔をされたら心もささくれ立つというもの。

 

「てかその袋どうしたのさ?」

「ん?コンソメポテチだよ!」

 

そう言って抱え込まれたビニールから取り出されたのは、金色に光るパッケージが眩しいお菓子の定番。

 

「……え、冬山に持ち込んだの?」

「いやいや、凜くんの部屋に来る途中にカルデアマートで買ってきたの。見てほら!期間限定!なんと五割も増量してる!」

「待ってごめん、ツッコミが追いつかないから出直していただけるかな?」

 

カルデアマート?期間限定ってなんだよ。本社どこで支部はどこだ。問い合わせてやる、連絡先をよこせ、責任者を出せ。

そして許可もしてないのに勝手に部屋で袋を開けるな。ベッドに座るな。

 

「食べないの?」

「いや貰うけどさ。コンソメ好きだし」

 

一応見た目は慣れ親しんだアレと変わりないので、ブツクサと言いながらも有り難く摘ませてもらう。

 

「それで、何の用?先に言っておくけど魔術の練習なら付き合わないよ、管轄外だからね」

「あー、いやいや!私は新しく覚えるのが苦手だからね。魔術はいいや……そうじゃなくて少しお話をしに来たの。マスター同士、親睦を深めよう!って奴だよ」

 

……オルレアンの特異点を解消してはや数日。何だかんだと次のレイシフトまでは平和な時間が過ぎていたりする。突然清姫がカルデアにやってくるなどのトラブルを除けば、生活自体はそう悪いものでもなかった。

だがこうしてやってきた少女を見ていると、やはり空恐ろしいものを感じてしまう。平和の中に紛れ込んだ、明らかな異常を、俺は再確認してしまう。

マスター同士親睦を深めよう等と彼女は言うが、そもそも今更特に俺達で話すような事はそう多くない。だというのに彼女は、こうして見事に二人きりになれる時を見計らってやってきた。

行動の読めない信長が、自分の衣服を再生することに熱中している今。

本格的に次のレイシフトに向けて、ロマニやダヴィンチちゃんが集中している今。

それらの補佐の為に、マシュがサーヴァントの身体能力であちこち走り回ってる今。

フォウをマシュから預けられて、今もどこかで面倒を見ているであろう清姫がいない今。

邪魔する存在は誰もいない。見事に、的確に、彼女はこの数日間で唯一生じたこの幕間を狙ってきた。

 

「本当に、良くやるね。で?何が聞きたいのさ俺の昔のこと?魔術の事?それとも恋愛事情でも聞いてみる?」

「アハハハ!いや確かにそれも高校生……では無かったね、うん。まぁ学生らしくていいんだけどさ!ここはほら、まずは私のことから話させてもらおうかな!魔術師の過去って血みどろだってロマンから聞いたからね!うん、そういうヘビィなのはお菓子が美味しくなくなっちゃう!」

 

……どうやら俺のことを聞きに来た訳では無いらしい。予想外な事ではあるが、となるとどうしてここまで他者の介入を嫌がったのか、少し気になる。

まぁ、それが女の子というものなのだろうと適当に納得してしまったのだが。それは別にいいだろう。

 

「うん、いや何と言うか……ぶっちゃけた話私も自分のことはよくわからないんだ!」

「自分語りの第一声でそれが飛んでくるとは思わなかったよ。もうお開きでいいってこと?」

 

人様のベッドに倒れ込みながらのたまった彼女に若干イラつきながら、しかし提供してもらったお菓子の分は黙っていようと、今度はチョコレートを摘む。うん、やはりチョコはオーソドックスなタイプが一番だ

 

「違うよちがーうー!これが私なりの出だしなんだって!」

 

あぁうん、それは出だしじゃなくて出オチと言うんだ……とは言わないでおこう。きっと話が進まなくなる。

 

「……まぁこの数日、凜くんもそれなりにいろいろ考えてたみたいだけどさ?私だって思う事ぐらいはあったんだよね。いつも思うことだらけの私だけど、それでもやっぱり英雄なんて人たちと絡んだら、いつもの何倍も思っちゃったりするわけで」

 

当たり前だとは思う。わかる感情ではある。英雄なんて存在は、他人に強く影響を及ぼすプロである。だからこそ、俺達が影響されるのは当たり前だ。無理もない。

 

「そしたらさ、私の中の私たちが口々に言うんだ、“羨ましい”ってさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「─────私たち?」

 

 

「そうだよ、私たち。うぃー、あわー、あす!わ・た・し・た・ち!いえー!」

 

……私たち。一人称、複数形で集団を表す言葉。決して個人に用いる言葉ではない。

普通に考えれば、きっとそれは多重人格や、あるいは故人が今も自分の中にいる的なことを表すのだと思う。あるいは何らかの精神疾患か、そうでなければ悪霊かなにかに取り憑かれているか。

だがもちろん、そんな気配は彼女にはない。専門ではないが、しかし日本の陰陽術にはそういった非実体系の存在に対しての記述も多いのだ。俺はそういったものも、それなりには収めている……しかし見えない。

確かに二重人格を疑うような言動の変化はあるが、戦闘中の興奮状態であると考えれば異常というほどでもないし、そもそも彼女は“スイッチの様なもの”と表していた。それは二重人格と言うよりは意識の切り替えのようなもので、やはりどうにも繋がるようなものではない。

 

「まぁそこから話さなきゃだよね─────凜くんは、自分の中で葛藤したことってある?例えば自分が欲しいものを前にした時、所持金とその品物の値段を見て、悩んだ事とかって……ある?」

「……そりゃまぁあるさ。人間なら誰だってあるだろう?そこで悩まない人間とか人間じゃない」

 

悩まない人間、そんなものは本能で生きる動物と何ら変わらない。思考の間もなく、即断即決─────いやいや、そもそもその決断というプロセスを挟む間もなく選択しているからこその、“悩まない”という言葉だ。

であればそんなの、悩むまでも無い、当たり前の行動意外に、反射的な行動以外で出来るはずもない。

 

「だよね。でもそれって、いわば自分の中で複数の意見が対立しているからでしょ?欲しいっていう意見と、お金を使い切るのはどうなんだって言う意見……どうしても交わり用の無い、どちらも自分の意見だからこそ優劣が付けづらいんだ。片方が他人の意見なら、それを聞いて自分の物として思えなければ、人間なら簡単に切り捨てられるもんね」

「そうだな、そいつが正論を言っていたとしても、響かなければ意味が無い。自分の考えを優先するのは当たり前だ」

 

何もおかしくはない、素直にうなづいてしまうだけの説得力が、そこにはあった

 

「そうだね、それ自分の中にある価値観が単一のものだからこそ起こりうる事なんだ。一つしか答えとして出せないから、複数の意見は対立する────逆に、複数の価値観なんて持っちゃったらどうなると思う?例えば絵画を見て、それを全く自然に美しいと思いながら、醜いとも思えたとしたら?どうする、どう思う?」

 

美しいと思いながら醜いと思う?

さて、先程までの話の流れからすれば……対立しないということなんだろう。例えば、ブサカワいいなんて表現は「ブサイク」という印象と「可愛い」というものが対立し、最終的に「可愛い」が勝った結果だ。あるいは「ブサイク」から派生して出た感情が「可愛い」だったという事になるんだろう。それは同時に出た感情ではなく、両立された感情でもない。どちらかがそれなりに妥協した結果の感想だ。

 

「……想像出来ないかな。そりゃ全く干渉しないような別の意見なら分かるけれど、美しいと醜いなんて、ストレートに美醜を判断する真逆の事じゃないか。関心を抱きながら、しかし無関心を貫けみたいな無茶な話だよ」

「面白い例え方するね。まぁ、大体正しいよ。複数の価値観を持つなんて不可能だし、なまじっか出来てしまったとしても、それは人間に表現できる次元にない出来事なんだ。少しでも何かについて考えてしまえば、際限なく無数の感想が自分の身体の中を通り抜けていく。対立しないからブレーキがかからない、でも体が一つだから選べる答えは一つのみ、時間をかければかけるほど、出てくる感想は増えてくる────パンクだよね」

 

……先程の買い物の例えでいえば、どうしようもなく買いたいけれど買いたくない、なんて不思議な状態になるから行動できないという事だろうか?

 

「まぁだいたいそんな感じだからさ。そういうのとは別にストッパーがいるんだよ。全く考えない、深く考えない、思考しない、理解しない……そんな、超直感的な人間が。思考停止型の存在が必要になる。何かものを見て、途端に溢れ出てくる無限にも近い感想の波を無理やりせき止め、そんな状態でありながらそれらの印象の中から本能的に一番正しい解を選べる様な……そんな存在が必要になる」

 

……まぁ、えらく話がそれた気もするが、元を辿ればこれはシロの話で。となればもちろん、話が落ち着く先もシロという事になる。

 

さて、しかしこれが分からない。

シロは一般人であるし、もしも仮に魔術師であったとしても、そんなおかしな価値観キメラの様な人間になる理由もなければ、技術的にも無理がある。

人間のものを再現するというのは割と苦労があるもので、有名なところではホムンクルスなどがあったりもするが、アレでさえ純粋な人間と変わりない動きをするのは余程のノウハウを持つ名家のものに限る。

ましてや皮ではなく中身ともなれば、その領分は魂……もはややっていることは魔法の真似事だ。

 

「……あぁ、それで?その例えばなしの落ち着く先を聞いてもいいかな?」

 

パリッ、と芋のフライが弾ける音が話を区切る。

例えばなしに意味があるのか否か、そんなものは俺が考える必要は無い、なぜならば話そうとしている相手がそこにいるのだから

 

「そうだね、まぁだいたい察してくれてるとは思うけど、そのストッパーっていうのが私。宮平シロの正統所有者で……入り混じった価値観を頑張って使って見せてるの」

「……それにしては自分のその無数の価値観についてよく考えられてるあたりがすでに矛盾してるわけだけど」

「だから、言ったじゃない。こと私に関して思考はいらないんだよ。例えば、情報は何にも勝る武器だけどさ、普通の人にはどう頑張っても純粋な情報ってのは手に入らないんだよね」

 

……さて、いよいよ意味がわからなくなってきたところだ。この子のその複数の価値観とやらの所在もよく分からないし、どこから来たものなのかもよくわからない。

加えて禅問答かトンチの様な不思議なセリフまで出てきたとなれば……意味不明としか言いようが無い

 

「通じないかー、まぁそりゃそうだ。さっきの絵で話せば、人によってはカッコイイと思うだろうし、人によっては可愛いと思うかもしれない。そういう答えの出ないことっていうのは世の中には沢山あると思うけど、それって要は誰も“完全なる客観性”を持ってないから発生することなんだよね。自分以外の意見を持てないから、自分の偏見を交えた視点しか持たないから真実が見えてこない、出せない」

「暴論な気がするけど?要は、人間は自分というフィルターを通してしか情報を得られないから、そのフィルターを通さない生の真実を知ることは出来ないって事だろ?それってつまりそんなものは存在しないってことじゃないか。だって誰も証明できない。カッコイイと思う人が世界の人口の99%なら、それはカッコイイが真実だ。複数の価値観の一致じゃないか、これを真実と言わずして何を真実というのさ?」

「アハハ、噛み付くなぁ……まぁ、リンくんはそう思うだろうと思ってたけどさ。カッコイイにも種類があるし、そのカッコイイの度合いにも違いがある。思い方にも違いがある。それを大衆向けの“カッコイイ”何かでひとまとめにしたって、それは意味が無いよ。漠然とし過ぎてる。信長さんを表すのに、“我が儘”なんて一言で表すのと同じだよ」

 

嫌に納得させられる一言だ。確かに、その情報は正確だが正確じゃない。真の情報かと言われればだいぶ違う。

彼女のワガママはワガママなんて可愛げのある言葉で表現するものではない。儂が侭とか、そういう信長専用の言葉を作るべきだ

 

「まぁそういうこと。私は自身からはそんなフィルターとっぱらっちゃったから。とっぱらうしかなかったから。私が見る世界は答えそのままなの。ポテチは美味しい!コーラも美味しい!世界は綺麗!」

 

そう言って満足気に彼女は持参したボトルを煽る。

男前な飲み方だことで、大変よろしゅうございます……─────え?

 

「……え?話終わり!?」

「え?うん。凜くんが化物でも見るような目でこっちを見てたからさ。教えといてあげようと思って。別に頭がいいとかじゃないんだよ?ただ、人とは目線が違うの。情報量も違うし、文字通り価値観の基準が違う。他の人が一から百までの価値で物事を見ているのなら、私の中の私達は一から億まで、いやもっと上の段階の価値を知ってる。彼らもまた、私っていう無色のフィルターを知ってるからね……信長さん風にいえば、経験が違うってことなのかな?」

「いやいやいや!その複数の価値観とやらの話は!?」

「あー、それね。それはあれだよ。私も忘れてたけど、小さい時に聖杯?かなんかにお願いしたんだよ。いやぁ凄い火災があってね?“人を救いたい”なんて真面目に考えていた頃の私だったから────あ、いや今も考えてるけどね?」

 

脱 線 さ せ る な

 

 

「ア、ハイ。でまぁどう受け取ったのか知らないけど、魂?って言うの?救われない奴。なんか私の体に叩き込んできまして……いやだからあまり深く考えられないんだけれどもね?それでも当時の判断からしたらそんな感じだったなぁ」

「だいたい聖杯がある時点でいろいろ突っ込みたいし、その他口を開けば限りがないほど意味不明が大安売りされてるんだけど……え、なに?要は君の中には価値観と言うか……文字通りの精神が沢山あるってこと?」

「しゅあーしゅあー!まぁ正確には過去形かな?昨日の聖杯を見てようやくわかったんだけど、元々その聖杯あまり良くない状態だったらしくて、悪意で私にそんな事をしてきたらしいんだよね。まぁ当たり前だけど、さっき言ったとおりそんなことしたら頭破裂しちゃうって話でさ?魔術のこともわからないけど……ほら?格?とかそんな感じであるんでしょう?きっと普通は耐えきれないんだけど……偶然なのか私がすごいのか!こうしてバカになることで耐えられたって寸法ですよ!」

 

うぇいとうぇいと。シロでは無いけどちょっと待って欲しい。聞かなければよかった……頭が痛い。

 

「……昔の君は一体何だったのさ?」

「いやー、昔とか振り返ってたら長考に入るからね?覚えてない……と言うか流石に当時のその衝撃が強すぎてよく分からない。バカになっちゃった辺り、聖杯に触れる前の私と触れた後の私は全くの別人だからね。うん、仕方が無いよ!」

 

グシャッ、と思わず未開封のポテチの袋を潰してしまった。

ウン、シカタガナイヨ!

 

「わわ!?ポテチが!?勿体ない!」

「頭痛で頭が痛い……あ、違う。普通に頭が痛い」

 

要はあれだろう?何があったか知らないけれど聖杯なんて言うキチガイ礼装の悪意に、ただの人間の少女が打ち勝ってしまった……そういう事だろう?

 

「意味がわからなすぎる……」

「ホント不思議だよねー。まぁ、それがわかっただけでもここに来たかいはあったかな。私ってカルデアに来る前は詳しい調査とかしてなかったんだけどね?昨日ダヴィンチちゃんに正確に測ってもらったの」

「……何を?おバカ度?」

「冷たい!?目が非常に冷たいよ凜くん!そうじゃなくてサーヴァントを使役する為の格?というか容量?」

 

……あぁ、俺が信長以外のサーヴァントを使役できない理由みたいなやつか。

ぶっちゃけた話、そんなものが必要なのはカルデアとかそういう専門的な研究くらいのものだと思うけどね。普通の聖杯戦争なら使役するのは一騎だけな訳だし。複数運用も魔力を代わりに供給してくれるカルデア式あってのものだ

 

「そうそう、そしたら私すっごい容量が大きいらしくて?それでほら、きっと原因は他の私たちの分があるんだろうなーって思ったらなんかテンション上がって来ちゃって!」

「あぁ、うん。そういう良くわからないのでテンション上がれる辺り、やっぱりシロも最近まで女子高生やってただけあるよね」

「えー?そうかな?てか凜くんセリフがオヤジ臭いよ?」

 

 

 

 

………………。

 

「─────!?────────!?!?───────────────────────!!!!」

「おっとなんだぁ?突然俺の礼装がシロの口を塞ぎに行ったぞぉ?」

 

うん、ポテチがうまい。難しいことは考えないに限る。

彼女がなんでこんなことを話しに来たのか、俺にはいまいち理解出来ないが……さて、バカを自称する彼女の事だ。本気で“化物を見る目で見られたから”なんて思っていてもおかしくない。

 

結局、彼女も彼女でだいぶおかしな過去を持っているということで、俺の悩みに繋がるようなことでは無かったな……あぁいや、絶対の基準を持っている……という辺りでは俺の対極に存在してるか。

 

何にせよ、幸せなようで何よりだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「─────うん?っておいちょっと待て。分かった、被詠紙は今外すからそのコーラを下ろそう。人のベットの上で蓋を開けるんじゃ──────っておい!!」

「────ぷはっ!やっぱり紙は液体に弱いね!次からはラミネート加工しておく事をオススメするよ、凜くん!」

「ラミネート加工したら形変えられないだろ!?」

 

 

 

いや、もう本当に勘弁してくれ

 




一応軽くまとめますね
旧シロちゃん聖杯の被害に合う→正義を願う→聖杯くん「救われないやつに救いを上げるって事でいいな?ちょうど魂なら有り余ってるんだ受け取れ小娘」→旧シロちゃん思考があっちこっち飛びながらもすべてを同時進行でかつ止まらないという現象に陥る→やべぇ、もうバカになるしかねぇ→思考停止、新シロちゃん誕生→カルデア「魔術の素養があって、しかもマスター適性ある一般人はっけーん!」→今に至る

な感じです。シロちゃんの「直感」というのは自分の中にいる複数の価値観がシロちゃんの目を通して感じた第一印象の総まとめな感じ。シロちゃん本人の役目は、その第一印象をそこから先へ発展させないストッパーと第一印象の中から最も適当な答えを「完全なる客観性」の元に選び出す作業です。
元となった衛宮士郎との類似点は、過去に聖杯によって事故にあったこと、その場で自信の内に何かを埋め込まれたこと、正義目指してる事とかです。と言っても彼女の場合は正義厨ではありません。完全なる客観性を持つために割とそういうの捨て去ってるので、名残でそんなものもあったなぁーって感じ。
加えていうなら過去の記憶とかも考え出すと止まらなくなる性質のおかげで、基本振り返ることがないためにボヤーっとしてます。
歴史が得意という設定は単に暗記ものだからというのと、事実であり、変動することがないが故に思考を働かせることなく学べる為。数学とかは直感で答えは出るけど途中式を考えられなくてダメ。政治経済系は未来のことを考えとなのでやはりダメですね。語学は特に問題なしでネイティブな発音も問題は無いのですが......基本的におバカキャラなので作中では平仮名伸ばし棒というアホっぽい感じで英語使わせてます。今後の口癖にしようかな。

あと最後にコーラで礼装破られた凜くんですが、あれは紙として使っていたからであり、形を変えて性質を変化させると紙の「水に弱い」性質が変化するために破られなくなります。ラミネート加工の必要はありませんよ。えぇ。
あと信長は衣服の他にもでっかい実験室を二つほど借り受けてます。首謀者はロマン。名前の通り、信長の語るロマンに騙されて協力していますが......さて、そのうち切り札として爆だ───おっとAZUT─────おっと......なんてものも出てくるのか。いや、悩んでたりする

さてでは今回はこの辺で。個人的には番外の括りですねこんなの。次の話にはもうローマ行きたいと思います。ではでは

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