聖杯奇譚 魔王降臨   作:ヤッサイモッサイ

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たっはー、辛いわー!出演確定して辛いわー!プレイアブルキャラとか辛いわぁー!……お願いです運営さん。私はちゃんとした信長が好きなのでちゃんとした絵できてください……

え?何の話かって?この作品とは違うちゃんとしたノッブの話だよ言わせんな!ってわけでどうも作者です。展開に悩み成績に悩む今日このごろ……手から携帯が離れません。思えば携帯小説を読み出してから勉強が手につかなくなった気がします。インドア趣味って勉強から離れる理由になるよね、学生は気をつけてね。
さてここから小説の話。オルレアンのことを書いていたはずなのに気がついたらオケアノスを書いていた……オケアノスのストーリーが楽しかったから仕方が無いね。投稿するのは来年なのにね。てか来年中にオケアノス行けるのか不安だよね。今回の話とか一度書き終えたのに中身がキモくてかきなおしたからね、1から。

オルレアン難しいんだよ……だって敵が悪いヤツなんだもん。他の特異点はなんか美学に沿って動いてる感あるけどここの敵狂人だもん。描写したくないよ……さて、とりあえず無駄な話で長くなったので本編どうぞ。

追記 先日第1話修正投稿しました。大きな変化はなく、読みやすい文を意識して幾つか添削したのみですがよければどうぞ


黒き厄災、天より出流

地獄を味わいながら海を渡った。ここは遥か遠い異国の地。優雅な空の旅がどうしてこうなったのやら……帰ったら本気であの爺共を殺してやる。

上を見上げても、空だけは変わらない……少し荒んだ気持ちが落ち着いた。

目標の施設があるのは山の奥だったはずだ。歩いていくのは少し厳しいだろうが、まぁ厳しい程度なら喜んでこなそう。ここから先、如何に絶望的なことがあっても諦めることなんてできないのだから。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

「ぐッ、なかなかやるわね。まさかタラスクごと私をドツける女がいるなんて」

「いや、貴様もなかなかのものじゃった。聖女なんぞという割には骨がある。今回ばかりは貴様の信仰心が邪魔をしたのぅ」

「……ふん、バカいうんじゃないの。これは神が悪いんじゃないわ、私の信仰が与えられた試練を超えるに至らなかっただけ────いえ、或いはあんな魔女に付き従って仕出かした事に対する……罰のようなものよ」

 

そろそろ日の出という頃、久しぶりの絶好調にテンションを上げた信長と竜使いとの決着がようやく付いた。

途中で合流したモーツァルトやシロをして呆れる戦い……悪いが今まで休めなかった分、襲ってくるワイバーンとかを数だけはいるサーヴァント達に任せ、俺達は寝させてもらった。

決着がついたとのことで起こされては来たのだが……なんという過去の無駄に暑苦しく爽やかな空気は普通男子の出すものなのではなかろうか?

 

「カッ、是非も無し。今更このような話を持ち出しても、は無意味千万か……ならば、安心して逝くが良い。その悔恨の元は────わしが絶とう」

「……あーぁ、あたしも焼きが回ったわね。こんなバーサーカーよりもバーサーカーらしい奴に喧嘩売るとか、とんだボッタクリだわ」

 

多くは交わした拳の中で語ったのであろう。二人にしかわからないであろう、何かが確かにそこにはあったようで……信長の根拠の無い言葉に、満足した様に聖女マルタは愛竜と共に身体を空へ溶かしていった。

しかしまぁ、それでも美しさを感じるのはそれをしてるのが見た目麗しい少女達故か、聖女の徳故か……はたまた寝ぼけ眼のせいなのか。

何にせよこれで一先ず問題は解決したわけだ。合流も済、目下の撃退目標も撃破に成功。強いていうならば……竜殺し、ジークフリートの呪いを解くためにさらに奔走しなければならないという新事実が問題だが、幸いこちらの陣営は戦闘直後の信長でさえコンディション抜群といった状態だ

 

「さて、ようやく彼女も満足した様だし?自己紹介から始めようじゃないか。どうせマリーの事だ。混乱に乗じて一方的に済ませたりしたんだろう?」

「あらアマデウス。私これでも王族なのよ?挨拶や礼儀、作法の類なら問題ないくらいに心得てるわ!」

「誰だって自己流を頭に付ければ万能を超えて全能さ。君の憧れた聖女の前だ、しっかりしなよ」

 

そんな空気の中、まず始めにしたことは自己紹介だ。現在この場にはマシュや信長を含めたサーヴァントが男二人、女は四人だ。俺や信長からすれば見知らぬ存在が三人も増えてるわけで、向こうからしてもそれは同じこと、その流れになるのも当たり前の話だった。

やたらとキラキラ輝く無敵節一直線な少女はマリー・アントワネット。プラチナブロンドの長髪を二つに分けて束ね下ろし、赤い服のアクセントにしている。でかい帽子も彼女の存在感を強調する良い小道具だ……というわけで彼女に関しては、俺はアイドルという印象だ。実際先程から彼女の歯止め役の男の口調の節々や、本人の言葉から当時、彼女がそんな風にあったことが伺えてくる。史実のイメージとはかけ離れるが……今更そんなものは驚く事でもない。

そしてその抑え役……の割には当のマリーに変態と呼ばれ、マシュをしてシロと二人きりにする事に顔を青ざめさせる長身細身の男。彼はヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト、言うまでもなく……語るまでもなく、神に愛された天才作曲家にして演奏家、先の少女と同時期に生きたフランスが誇る芸術家だ。クラスはキャスター。色の薄い金髪を撫で付け後ろに流してはいるが、所々飛び出したりクルンとカールしているのは彼が見た目を気にしなかったからか、はたまた芸術家故の特殊な感性故か……何にしてもマリーに負けじ劣らず衣装の、特に帽子のサイズがでかい男だ。また、変態かどうかは置いておいてもロマニ同様、人間的にはクズという感じがする。俺が鍛え上げたレーダーは伊達ではない。きっとマシュが青ざめたのもそういうことなのだろう、良くも悪くも芸術家……英雄とかよりもさらに理解しづらい人種だろう。

そして最後に控えるのが一度だけその流れる金髪を拝見させていただいた救国の聖女、百年戦争において活躍したジャンヌ・ダルクその人だ。この人は前のふたりに比べると些か常識的である、あくまでも比較した結果ではあるが、元々農民の出という事もあり、また英雄となったのも彼女が神の啓示を受けたことが始まりであるからかやはり感覚的には近しいものを感じる。だがまぁ自身の処刑に対して、怨みを持たないという聖らかさは、やはり彼女が英雄であるということなのだろう。マリーアントワネットも似たようなことを言っていたが……「当時の人が望んだことならば受け入れる」、「仕方がない事だったのだから私はこの結果に満足している」……信長の欲を尽くしたが故のそれとは方向性が真逆、震えるほどの滅私だ。

 

「まぁ、往々にして聖人なんてものはそういうもんじゃ。そうでなくとも善性の英雄はその善の規模を個人で持たなかったから逸話になったものがほとんど、わしから言わせれば極まったアホじゃがな」

 

そう断じた信長や他のメンバーについては、今更説明を加えるまでもないだろう。俺に信長、シロにマシュというカルデアペアに、先日仲間に加わった竜殺しのジークフリート。加えて通信機越しのロマニが主な今の仲間である。

 

「……そういう君も、大概な有名人だけどね。君ほど苛烈に神に牙剥いた存在も他にいないだろう?さっきの竜との大立ち回りもその辺にカラクリがあるんじゃないのかい?」

「そこの惚けた小娘二人のことを気にしとるなら、別にわしは噛み付く気は無いからそう身構えんでもよい。わしは神を否定のではなく、楯突く尽くを破壊したのじゃ。概念ではなく文化として、わしは焼いてせしめた。そうでなければ芸術家サーヴァントこそもっとも早く打ち抜いとるわい」

「まだ諦めてなかったんですか!?」

 

マシュ、うん。もうツッコミは君に任せようかな?よくもまぁ疑いの目を向けられながらもそんな変な言い方ができるよね!?ホント!

 

「別に庇ってるわけじゃないんだけどね、言ってしまえば生きるも死ぬもマリーの自由だ。ボクにはなんの関係もない……でもこれから仲間として振る舞うにあたっては話が別だろう?」

「応とも、話は別じゃ。だからわしも今回ばかりは、今回に限り、特別に刀を収めておるのよ。それが何よりもわしの安全性を証明しとる、それで納得しておけ」

 

相変わらずの暴論だなー、しかしまぁ口では二人ともぶつかってはいるが空気は悪くなさそうだ。両方共、人間性に問題があるとはいえ、それ故に「人を見る目」の良さはピカイチなのだろう。

シロやフランス少女ふたりは天然が入ってるからかイマイチ話をわかっていなさそうだし、ジークは元々自分の意見を持たないスタンスであるということも聞いている……まぁそんな自分を変えていくつもりらしいが、今はそんなことはどうでもよく、残った俺とマシュは諦めることに慣れているわけで、ここは何の問題もない、という事だ

 

「それじゃ無事に仲良くなれたみたいだし、マスターとして今後の方針をはなすよ。まず最優先は戦力の確保、傾向を見るに呼び出されたサーヴァントは聖人、フランス、竜に関わりの深い存在が多い。向こうの戦力を考えると、バランス的にこちらにもあと数名分、野良のサーヴァントがいてもおかしくない」

『うん、まずはボクらが訪れてない街を訪ねることから始めよう。幸か不幸か、ワイバーン達が各地で暴れるお陰で人の往来と情報の行き交いが激しい……目立つ人間、サーヴァントの情報は集まりやすいだろう』

 

しかしまぁ、聞くところによると敵は黒いジャンヌ・ダルクらしいので街への潜入はメンバーを考えなければならないが……最悪非常時でも合流が簡単な距離だろうからその時でも問題はないだろう

 

「……ただ気になるのはどうしてこっちのサーヴァントは攻撃性が極端に無いのかなぁ」

 

芸術家、王女は言うまでもなく、またジャンヌもルーラーという審判に近いクラスで召喚されている上に力の殆どを黒いジャンヌに取られているらしく、ステータスが宜しくない。マシュはやはり防御的なサーヴァントだし、信長はピーキー、唯一の戦士は負傷中な上に呪いまでかけられている。

 

「……すまない、俺が不覚をとったばかりに」

「そんなに暗い話をしてもしょうがないわ!それに敵のサーヴァントに囲まれてまだ生きてるってだけで驚きよ、ねぇジャンヌ?」

「え、えぇ。マリーの言う通りです、敵は強大、戦力が厳しくとも諦めるわけには行かないのですから、良いところを考えましょう、マスター方。先程も言いましたがジークさんの傷はもう一人聖人がいれば治せるようになるものです。そうなれば戦力は一気に増えますし、信長さんのお力も敵からすれば大きな脅威、それがまだ知られてないというのは大きいです」

 

……まぁ、いいところを考えれば、である。それで問題は無いが俺といえば起きた時のことを考えてしまうのだからしょうがないのだ。

 

「……うん、というわけで今から早速行動開始だ。まずは森を抜けて西へ向かおう」

『いや、ちょっとタンマ。今はもっと奥に逃げるべきだ、凄いエネルギーがサーヴァントと一緒に近づいてきている』

「凄いエネルギーですか?ドクター、それは……サーヴァント以外で、ということでしょうか?」

『あぁ、これはサーヴァントなんかじゃ断じてないぞ。恐らくはワイバーンなんて亜竜じゃない、正真正銘の邪竜────』

 

ロマニの突然の報告に戸惑いを隠せない俺達に、その幻想は突如舞い降りて来た。

ワイバーンとは比較にならないその巨体。タラスクの堅牢な甲殻が全身に広がったかのような黒い鱗は、何処か焦げ臭く、また吐き出された呼気が含む熱は、それだけで光を捻じ曲げ、空を歪めた。

雲を割って現れたのは竜……とてつもなく強大な────1匹の邪竜

 

「ファブニール……なるほど、俺が呼ばれたのはこのせいか」

 

ファブニールと言えば、ジークフリートの逸話に出てくる悪竜である。彼はそれをその身を持って討ち果たし、その血を持って不死身の力を手に入れた

 

「さっきから鬱陶しいのぅ、竜ってのはいちいち風で人様の髪を崩しよるから気に入らん」

「そんなことを言ってる場合ではないでしょう!マシュさん、私たちで一撃防ぎますよ!」

「はい!」

 

信長のマイペースを切って捨て、ジャンヌとマシュがそれぞれの得物を地面に突き立てる。

御旗からはドーム状に異空間が広がり、盾からは紋様をそのままに巨大な魔法陣が展開される。

世界最高峰の聖剣すら防ぎきったマシュの盾、そこに加えて裁定者が持つ最大クラスの守り……これだけのものを持ってしても、悪竜の灼熱の咆哮は空間を軋ませる様に、壁を越えて俺達へ牙を突き立てる。

一面の白、あまりの光量に目が仕事をしていないのだ。そんないつ打ち出されたかもわからないただのブレスに俺達はそこまで翻弄されていた────たった一つの発砲音が、世界を切り裂くその瞬間までは

 

「主共は置いて置くにしても、サーヴァントが揃いも揃って情けない。戦いのものではないとか、そういう言い訳は聞かんぞ?英雄だというのであれば竜なんぞむしろ喜び勇んで飛び掛らんかい」

 

信長が突きつけた銃口の先で、絶対強者(ファブニール)が確かに苦しんでいる。ブレスの最中に頭部に弾丸をぶつけられて、攻撃を中断してしまったらしい

 

「────なんて無茶苦茶な」

「ハッ、堅実さで世界を変えられるなら聖女(キサマ)が道半ばで倒れることもなかったろうよ……折角人が気持ちよく余韻に浸っていたというに、よくもまぁ無粋にもそんな悪趣味(ドラゴン)を持ち出したもんじゃ」

 

信長のあまりにもな行動に口を開いたジャンヌに対し、その本人は横ではなく竜に目掛けて応えを返した

 

「なんだ、見えんか?でっかい竜の背中に隠れて、あの色男(オペラ)よりも、さらに辛気臭い顔を浮かべとる奴が居るじゃろ?」

 

言われるがままに視覚を強化し、竜の上に目を凝らすと……確かに黒い人影がある。

こう言うと勘違いを招きそうだが、この場合は文字通りの意味で……黒いのだ。影が黒いのは当たり前だがそうではなく、髪の色に装飾品、眼に肌まで……ただ単に黒いのではなく、モザイクの様に元の色の上から黒い膜でも被せたかのように黒っぽい

 

「……(ジャンヌ)と同じことを言うのは尺ですが、不意打ちとはいえファブニールを傾かせるとは……たしかに無茶苦茶ですね────腹立たしい、死んでしまえばいいのに」

「おいおい、そっちが先に攻撃を放ってきたから、わざわざ真正面から反撃してやったのよ。それを不意打ちと言うのは流石に無理があるじゃろ?なんじゃ、同じ聖女でも貴様の方は随分冗句にキレがあるのぅ」

 

……表面上は、まぁいつもの流れなのだが。何故か信長が弾を装填し直さない。何時もならばお喋りの最中にでも新しい銃を取り出すというのに、である

普段と違い、やはり向ける言葉には刺があるし、向ける敵意と何時もとは段違いに濃い……何が彼女をそこまで駆り立てるのかは知らないが、それとは対照的な行動に少し俺は冷静になってしまった。うん、こんな事ではあるが竜を前にして落ち着いてしまうほど、彼女にしては違和感のあることなのだ

 

「あれだけ逃げ回った上に、二人もサーヴァントを増やしてもバーサークライダーを倒すのにこれ程時間をかかるだなんて……タダのまぐれを勝ち誇るのはみっともないですよ?」

『いや、ライダーに関しては色々あったから────うわっ!?またコンソールが燃えだした!?呪うのはいいけどコンソールはやめて!』

 

せっかく信長が真面目なのに……ロマニめ。

しかし疑っていた訳では無いがあの黒いサーヴァント、確かにジャンヌ・ダルクそっくりである。だからこそあの全てを憎むかのような、本人とはかけ離れた表情が余計に恐ろしい。

 

「……戯けの一人遊びは放っておくにしても、これで確定かのぅ」

「何の話だ?さっきから一々お前は誰に向かって話してる?」

 

信長の芯から逸らすような話し方に、とうとう相手が苛立ち始めた。

非常に珍しいことだが、前述の通り今回は俺も少し信長の態度が恐ろしい。いや、何を仕出かすのか不安すぎる。それが言動からわかるから怖いのだ。いつもと違って明らかに何かを企んでいるというのが

 

「いや知っての通り、竜を殺すのはわしもプロ級なんじゃがの?プロ級とプロの間には確かに壁があると言いたいのよな。増してや因縁の対決、これは流石にわしが出しゃばるの良くない。さっきの一撃は負傷していることを差し引いてのサービスじゃよ」

 

しかし相変わらず要領を得ない。他のみんなも「何を言っているんだこいつ」という表情で……なんか今、突然魔力を持っていかれた気がする。そう、感覚的にいえば“使役しているサーヴァントが宝具を使う直前”の様な

 

「……バーサーカーか?反応は純然たるアーチャーの物なのに────いや、この反応。まさか竜殺しと契約して……?ファブニール、後退です!早く退()がりなさい!」

 

信長がバーサーカー扱いされるのも、最早当たり前の流れになってきた。しかしルーラーの力で確認しても信用出来ないほどとなれば、最早狂化でなくとも精神汚染や頭痛持ちといったスキルでも密かについているのかも知れない────さて、そんな話はどうでもいいのだがあの黒龍が凄い勢いで上昇していく。シロ何かはここまで来ても理解出来ていないようだが、先ほど魔力を持っていかれたあたりから、後ろで魔力がドンドン高まっているのを感じる

 

「信長公が作ってくれたこの好機、逃しはしない────宝具開放『幻想大剣(バル)────天魔失墜(ムンク)ッ!!!』」

 

放たれたのは面の形を持つ斬撃。竜種の存在を許さない、破戒の結界。

斬撃はいずれ木々を超え、天へと逃げる竜へと追い付く────

 

「ファブニール!避けなさ────ッ!?」

 

……抵抗虚しくも、邪悪なる竜はそのまま蒼き境界へと飲まれていった。

ジークフリートの持つ宝具は『幻想大剣・天魔失墜』、竜種殺しの概念を持つ、信長の言葉を借りれば所詮相性ゲーの両手剣。いかに強大であろうとも、竜種であるファブニールにとっては……致命傷になり得る一撃だ

 

「────やったか!?」

 

明らかに確信犯であろう信長の言葉に、少し嫌な予感を覚えさせられた

 

「……倒したのかい?ボクの目には完全に捉えたように見えたけど?」

「えぇ、竜には可哀想だけれど、是非とも私もあれで終わって欲しいところだわ」

 

フランス組の二人の言葉に、しかしジークフリートは沈黙で答えた。それはつまり、倒せていない……ということだろう

なんとなくそんな予感はしていたけれど、誰かさんのせいで。

 

「倒せなかったか。まぁしょうがないさ、相手はルーラー……いくら気を引いてもあそこまで来れば気付かれる」

 

不気味に思っていた信長の行動だが、ここまでくれば流石に理解も及ぶ。

何せ先も言ったとおり、ファブニールというのはジークフリートの出典、『ニーベルンゲンの歌』でいうラスボスだ。

信長は史実をなぞらせようとしたわけだ。傷さえなければ彼女が何をするまでもなく、ジークフリート一人でなんとか出来たであろうが、今はそうもいかない……まぁぶっちゃけるならば無駄なこだわりを捨てて自分でやれば仕留められた気もするのだが

 

「あぁ、いや。そりゃわしもガチでぶつかれば倒せる可能性が高いがのぅ……属性的に相性が良くとも武器的には良くないのよ」

「そう言えば、タラスクを相手にしていた時も弾かれてましたか」

「聖女殿の言う通り、弾かれるのもあるがの。あれ程でかい場合は寧ろ到達するまでに風で流される。そりゃ見境なくぶっぱなせば落とせるじゃろうが相性が良すぎて視認できないところまで吹き飛ばしかねんからの。やっぱり確実に殺すという点では竜殺しの力を使うのが一番じゃったよ」

「……すまない。手応えはあったが手傷を負わせる程度が精一杯だった」

 

まぁ、あの傷で剣を振りかぶり、魔力を振り絞り、真名を掲げてあそこまで出来ただけ、充分上等だろう。時間稼ぎに信長が意味不明なことを言っていたのが相変わらず残念だが

 

「……?いやいや、無駄な問答はしておらんよ。言ったじゃろう?黒くなっていようが、聖女という肩書きが反転することは無い。真っ当な方法ではのぅ」

「それはつまり────(黒いジャンヌ)が真っ当なサーヴァントではないと?」

「……さてのぅ?じゃがよく考えてみよ。“呪い”というのは他人を害することを前提にした魔術。自身が他者の勝手で殺されても尚、“誰も憎んでなどいない”とほざいた小娘が、反転した程度で簡単に使い散らすものか」

 

……言われてみればそうだ。黒いジャンヌとジャンヌ・ダルク、二人の関係を考えると納得のできない事がある

 

「そういえば、その事で少し気になることがあるんだけど」

 

────そんな風に口火を切ったのは予想外にも、こういう事には一番理解の無さそうなシロだった。

 




今回はサーヴァント増えましたね。てか今溜まってるのがzeroとstaynightを除いてもマシュ、オペラ、マルタ、マリー、ジャンヌ、アマデウス……弁慶はやったっけ?次の話でさらに増えるし?ナニコレだるい。
でもやるよ、だって後書きで話すことないんだもん。
今回はオペラ座の怪人、ファントム・オブ・オペラです。映画や舞台を見たことがあるという人も多いでしょう。彼はその作品の中心人物、劇場で起きた殺人事件の犯人にして地下に潜む悲哀の殺人鬼です。実際モチーフになった人間がいるらしいですが、彼は殺人鬼ではなく変人なことで有名な演者?らしいですね。何でも「給金が多すぎる!減らせ!」と雇い主に食いかかったとか。ここからは再び怪人の話ですが焼き爛れた顔をマスクで隠した歌の上手い、教育も上手い紳士って感じですね。ゲームで手に刃がついているのは爪付きの手袋を凶器にしていたかららしいです。ゲームでは再臨すると手から直接爪が生えたり、仮面の下の美貌が見えますが火傷が無かったりと、無辜の怪物の影響か容姿に変更が見られます。かなりイケメンなのでぜひ見てみてください……グロいけどね。ちなみにクラスはアサシン。物語的に妥当なクラスですね。近代のサーヴァントであり神秘も薄いので信長の苦手なサーヴァントですね。宝具は生前の犠牲者で作られたパイプオルガン。名前はクリスティーヌ・クリスティーヌと……うん、愛が見えるよね。重すぎるけど。この名前は作中、怪人が恋したプリマ見習いのヒロインの名前です。興奮した人は「ヤンデレ」とネットで検索すると好みのジャンルが増えるかも知れません。心臓が弱い人にはおすすめしませんが
……さて、色々書きましたが本当に作者に知識が無いのでまとまりのない文になっております。読みづらくて申し訳ないです。……締りも悪いですが今日はこの辺りで、ではまた次回!

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