聖杯奇譚 魔王降臨   作:ヤッサイモッサイ

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はい、今日を持って連日投稿は終了です。
こっからは適当に仕上げたら上げていきますね。ただもう一つの方と違い原作を読み込んだり設定ミスを恐れて悩んだりしなくていいぶんすごい気楽でいいです。じゃんじゃんかけるよやったわー。勉強はその分できてない模様

今回くらいの分量が個人の理想ですね。軽く仕上げられていいわぁ、でも暇だわぁ
それにしてもグランドオーダーそろそろ新しいサーヴァント出してもいいのよ?どうせ全員が全員ストーリーに絡むわけではないのでしょ?信長とかノッブとか魔王とか全裸教とか相性ゲーの人とか炎髪灼眼のゴッドキラーとか“『運命』を終わらせるもの”とか出してもいいのよ?
では本編どうぞー


第一特異点 邪竜百年戦争“オルレアン”
相性ゲーマー故の悲劇


長いなぁ、というか長かった。ただひとつの礼装を作り終えるのに何年費やしたことか。

自身の血液と刻んだ魔術により樹木を育て、特殊な製法で術式を染み込ませながら紙へと加工する。製法に駆動法、利用法……既存のものを組み合わせるだけでなんとかなるものだ。中学生活丸々使ったけれど、まぁおかげで外面の良さにだけは自信を持てるようになったな。

問題は最近の爺達の小言だ。研究の為に宝石魔術のことを研究し続けていたのだが、それが不満だったらしい。近衛の魔術は趣味じゃない。流動的なものに意味は無い、確固たる物にこそ、確固たる正しさがあるのだから

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

「それで、申し開きがあるのならば聞くぞ(マスター)よ。無いならわしの時代なりに裁かせてもらうが?」

「いや、君の時代って自白が無いと処罰出来なかったんじゃ?」

「現行犯じゃ、情状酌量の余地すらない」

「裁判長、裁判の意味がありません!?」

 

カルデア中央管制室。起きてそうそうそこに呼び出された俺は入室と同時に縛り上げられ正座のままジャイアン的裁判長の判決を待っていた。

ちなみに申し開きは?と聞きつつこの人ご丁寧に口まで塞がれているので何も釈明出来なかったりする

 

「いやぁ、それにしても大した子だね。単独でサーヴァントの召喚に成功したんだって?いいじゃないか天下の信長君ともあろうものが情けない、マスターの失敗くらい笑って流してあげなくてどうする」

 

そして隣でやたらゴッツイ衣装に身を包んだこの女性は誰だ。何やらいろいろでかい。そして派手だ!

 

「お、ボクは誰だ?って顔だね。いいだろう教えてあげようじゃないか、大サービスってやつだ。私はカルデアに招かれた三人のサーヴァントのうちの一人、名前はダヴィンチちゃんだ。ダヴィンチちゃんでもダヴィンチちゃんでも好きに読んでくれて構わないよ」

 

呼べないし選択肢もねぇよ。てかまたかよまた女かよ史実どうなってんだ

 

「いいじゃないかそんなことはどうでも。どうしてもっていうならダヴィンチちゃんさんとかでも許してやるぜ?」

「というか貴様は私に話しかけてたんじゃないのか!?なんでそっちのけで自己紹介を始めとるんじゃ!?」

「だって君、私の事無視するじゃない、ずいぶんと都合がいいねぇ、それともマスターを他のサーヴァントに取られるのは嫌かい?そういうのを現代では────あぁ、いや君風に“新しく”表現するとツンデレ……というらしいぜ?」

 

……黒い信長に赤い色はよく映える。それは大人になっても、魔力じゃなくて照れから来る赤面でも変わらない。ついでによく見ればだが大人になってからは髪にも赤みが加わってなんとも綺麗な色合いだ

 

「あ──────貴様ぁぁぁぁ!!」

「アッハッハッハ!なんだなんだ、魔王様と言っても結局女の子じゃないか。いやぁ可愛いもんだ、私は好きだよ?なるほどなるほど、好きな子は虐めたくなるものなぁ?ひょっとしてマシュへの当たりが強いのもそのせいかい?えぇ初々しいねぇ!」

「えぇい、黙れ黙れ黙れ黙れ黙れぇーい!!何じゃ!?何なのじゃ!?勝手な推測で勝手に人の心境を解説するな戯け!」

 

……というかここまで狼狽える信長も初めて見たなぁ。確かにこうして見ると普通の女の子だ。ジャイアニズムとサディズム分を抜けばという前提条件こそあるが……いやあと身長が伸び縮みすることも抜かなきゃな

 

「あぁ、リンくん。今それ外してあげるから待っててね。いやぁそれにしても意外だね。信長様の天敵がレオナルド氏とは……いや本当にわからないねぇ」

「ぷは……あぁいえ性格からしてからかわれるのは苦手だと思ってましたよ。ただし実行に移すほどの勇気がある人間はそういないでしょうけど」

「……違いないね。さて、盛り上がってる女子2人────というのは違和感があるけどもまぁ向こうは置いておいて、アレからどうなったか……理解してるかい?」

 

アレから……というのは崩壊の最中意識を失ったあとという事だろうけれど、無論意識を失った後のことなど当の本人の預かり知るところではない。もちろん、こうして無事に帰ってきている以上はちゃんとレイシフトに成功し帰還したということのはずだが

 

「そうだね、なんとかレイシフトは間に合った。シロちゃんもマシュも無事さ。今は休んでいるけどね」

「はぁ……えっと、それで?」

 

ロマ二の意図がいまいち読めない。事の顛末の話であればさっさと言ってしまえばいいし、言い含むような事も無いだろう。所持品は間違いなく残ってた、魔術回路も体調もバッチリ、信長とのパスも変わらず安定している

 

「あぁ、これはシロちゃんにも聞いたことなんだけどね?カルデアに残された時間はあと一年もない。その限られた時間で残されたマスター、そしてサーヴァントは発生している特異点全てを消して人類の消滅を食い止めなければならない……できるのは君たちしかいないんだ。それはつまり君たちに、世界の命運がかかっているということになる」

「カルデアに残されたって……それは外の世界が既に終わってる、という事ですか?」

「そう、なるね。外に探索に出た研究員が戻ってこないのがその証拠だ。あらゆる機関に通信を出しても繋がらないしね」

 

────滅んだ。世界が一度滅んでしまった。

要するにそれは一度は守れなかったということだ。決意も何も関係なく、努力も何も無意味に、容赦なく世界は勝手に滅んでしまった

 

「……それなら聞くまでもないじゃないですか。俺はそのつもりでカルデアに来ましたし、どちらにせよやらなきゃ死ぬんです。やるしかないでしょう」

 

それに、それならば俺は取り戻すまでは止まれない。

 

「うん、そうだね……ってそのつもりで来た?君ひょっとして事前に情報をぶっこ抜いてたね!?どうりでサーヴァントの召喚だの唐突なレイシフトだのに対応できたわけだ!」

 

……口は災いの元か。

まぁ過ぎたことだ。俺は気にしない、どうせロマ二も気にしない、そして生き残った中でトップの権限を持つロマ二がきにしなければ問題にはならないのだ

 

「はぁ、所長の言う通り君は問題児だったわけだ────あ」

「……気にしなくていいですよ。これでも魔術師として育てられてきましたから。今更背負うものに潰されるほど優しくないです」

 

気遣われたのだろう。だが決別なら既に自室で済ませてきた。身勝手だろうがあれが俺にとっての覚悟だ

 

「……そうだね。さて、向こうでじゃれてる二人を止めてブリーフィングを始めよう。起きて早々で悪いけど元々そのつもりでシロちゃんとかも呼んじゃってるからね」

「問題ないですよ。お腹の中は今宝石が占領してますから」

 

─────え、という声が周りの研究員の方々含め自分のサーヴァントからも飛んできたのは少しショックだった

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

未だに噛み付く信長を宥め、ついでに魔王化とやらを解いてもらいようやくいつものちんまりとした少女に戻ったところでシロを連れてマシュが到着した

 

「あ、起きたんですね。おはようございます近衛さん」

「あぁ、おはよう二人とも。魔力を無茶な使い方した上サーヴァントの召喚までしたからね、少し長く寝すぎたよ」

 

いや、それにしてもマシュは帰ってきてもサーヴァントスタイルのままなんだね。うん。

 

「はいはい、話はあとだよ。さて、みんな揃ったところでまずは方針の確認だ。まず当面の第一目標は“特異点の調査、及びに修整”だ。特異点は人類の大きな分岐点に存在したシミのようなもの……時代の転換期に起こるものが多いから舞台は自然と英雄が闊歩する戦乱の時代になるだろう、下手をすれば幻想種と出くわす可能性もある」

「加えていうならあの胡散臭い緑ジジイ共のぅ。まぁなんにせよわしはむしろそういった存在が本来の専門じゃ、化生の類が出たら任せよ。その日の晩飯に出してやろう」

 

いや、いらないよ。そんなもの信長が生きていた時代でもやってなかっただろうに……しかも殿様なんだからなおさらだ

 

「……まぁ信長様のことは置いておいてそれが大原則だ。何が出て来るかはわからない。油断せず、驕らずに万全の体制で持って望むようにね」

「ロマンさんそれ確実にひとりを指名してるよね……?」

 

シロの躊躇いがちな声にその場の全ての視線が吸われるように黒い少女へと向けられる。当の本人とくればその視線に含まれる今を理解してないのか急激にしぼんだ胸を張っているが……どうしてこうこのサーヴァントは頼りになるのにここまで残念なのだろうか?

 

「ゴホンッ、とにかくこっちでもフォローはする。特異点についたらマシュの宝具を使ってパスをつなぐことを忘れないでね。物資も必要だろうからね。そして二つ目が……“聖杯の調査”だ」

「万能の願望器ですねキャスターさんが言ってました。冬木の地で行われた闘争はそれを求めたマスターとサーヴァントによって起こされたものだと」

 

万能の願望器、これもまた魔術師の界隈に詳しい人間ならば一度は耳にしたことがあるかもしれない。眉唾ものだと思っていたがもし先日回収したものが本当に噂通りのものならば多くの魔術師にとって、確かに戦争を起こしてでも手に入れたいものにはなるだろう。

────魔術師の悲願を叶えてくれる、それこそ夢の様な代物だ

 

「うん、多分だけどレフは聖杯をどこからか入手した、それが特異点を形成している原因……核になっているのだと思う。そうでもなければ歴史の改変に時間の旅行なんて不可能だ、それこそ本当の今での魔法だよ」

「逆に特異点の数だけ聖杯を用意する無茶苦茶をやってのけちゃってるわけですけどね。」

「全くだよ。どういった手段を使ったのかさっぱり検討もつきやしない……とはいえ無限に作れるような代物でもない。現在確認されてる特異点、とりあえず今はこれらの分だけあるとしておくよ」

 

普通の人間ならば一つ手に入れただけで一生分の満足を手に入れたと言っても過言ではないどころかまだ足りないというのにどれだけの贅沢だよと。

 

「まぁ要は特異点に行ったらとりあえず聖杯を回収するなりぶっ壊すなりやってくれということじゃろ?それで一石二鳥、万事解決じゃ。改めて話すようなことでもなかったのぅ」

「まーた君はそんなことを言っちゃって、君のそういった性格が魔王と呼ばれる原因じゃないか、少しは周りに合わせたまえよ」

「じ ゃ か ら !なんでわしが貴様のような頭のネジが二本も三本も跳んで、むしろ掛け合わせて六本も無くしてそうな人格破綻者に説教されねばならんのじゃ!おかしいじゃろ!」

 

……やはりレオナルド・ダ・ヴィンチと信長の相性はあまり宜しくない

というか話した感じダヴィンチちゃんも相当ぶっ飛んでるのに信長にだけは無駄に隙無く責め立てるものだから受ける信長もストレスがたまってきているのだろう

 

「アッハッハ!ダメだねぇ魔王様、君の時代の芸術家がどんなだったかは知らないがもしこれから先、私と同じく芸術系のサーヴァントにあったとしたらもう敗因は脳内の血管のことごとくが切れて死亡で決定しちゃうよ」

「確かに芸術家ってなんかズレてるイメージというか話をよく聞くもんね。ピカソとか私未だに良さがわからないや」

「いや作品と本人の人格に関係はないから!」

 

まぁ影響されてる作品は多いだろうけど……

 

「あ、知ってます。これフラグっていうんですよね?たてるともう回収する以外の未来がないという」

「やめろ、わしが本気で死ぬ。あぁクソならばみかけたサーヴァントは片っ端から!口を開く間もなく!デストロイ、デストロイじゃ!!」

「なんかもうバーサーカーのクラスと間違えてないかないろいろと……まぁ時間的におふざけはここまでだね。さっそくレイシフトの準備をするけど、いいかな?」

 

少し腹持ちが心配だがまぁ支援があるのであれば問題ないだろう。礼装の残量が心配だが……まぁ幸いカルデアは広いし設備があればここでも作れる。だからこれも手持ちで問題ないはずだ

 

「もちろん」

「私もいつでも行けますよ!」

「そうかい、今回は二人の専用のコフィンもある。安定した旅になるだろう。選んだ特異点も観測された7つの中では一番安定した時代だ。イージーモードから徐々に慣らしていくって寸法だね」

 

ゲームじゃないでしょうに……それにしても現時点でも7つ。予想はしていたけどずいぶん先は長そうだ。年内に終わらせ無ければという制約も随分と大きい。先の特異点でこそ泊まりになるなんてことはならなかったがこれから先はどうなるかわからない。そういう点ではやはり魔術師だからどうこうというよりも以下にサバイバルに慣れているかが大事か……ちなみに俺の場合は冬山で慣れました。迎えの便に間に合わなかったからね!

 

「繰り返すけど向こうについたらまずはパスを繋ぐ、そしてその時代で起きている異変を探すんだ」

「そして聖杯を見つけて回収する───行きましょう先輩。世界に平和を、時代に平穏を、成すべきことは変わりません」

 

……そうだね、その通りだとも

 

「行こう、信長」

「カッ、言われんでもついていくとも。主じゃからの」

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

──────アンサモンプログラム スタート。

霊子変換 を 開始 します。

レイシフト 開始 まで 後 3、2、1……

全行程 完了(クリア)

 

グランドオーダー 実証 を 開始 します

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『第一特異点 AD.1431 邪竜百年戦争オルレアン 救国の聖処女 人理定礎値 C+』

 




三千文字かなーなんて思ってたらそれでも五千かよ多いんだよクソ。
えー、今回のフェイトトークはそうですね。今回出てきたダ・ヴィンチちゃんことレオナルド・ダ・ヴィンチ。ゲームではオープニング、ストーリー、ショップと若干優遇(?)されてる美人さん。
なお実装はまだですがバトルキャラとしても使えますね。尚のことなぜお前が商人をしている?声と喋り方好きだからいいけどさ?
そしてコイツも女体化サーヴァント......ただしノッブやアーサー達とはちょっと異なりますよー。
彼らは型月世界の歴史において本当に女だったという女体化ですがこの人のは────女体化願望ありきの英霊の座に招からる際に男からガチの女体化を果たしたお方ですね。モチーフはモナ・リザ、本人の理想とする女性だそうでまぁたしかにイラストは綺麗ですけども......さて、とはいえあまり自分の小説だと変態に見えませんがこの人のこの主張はやはり常人には理解できませんね。美しきは正義を他人に求めるでなく、男性が、女性としての美しさを求めた結果ですから。もちろん現代にもいらっしゃるでしょうからひょっとしたら共感できる人も......いるのかな?
特徴は取り敢えずでかい。見た目の身長、胸もまぁそうなんですが何よりも謎の左手。左手だよ。DEBUUUUUUもそうだけどつけるもののスケール間違えてんだよなお前らは!?鎧?篭手?知らないけど作品かなにかですか!?神ノ道化じゃねぇんだから自重してくださいな。ついでに杖も馬鹿でかい。しかも色違いの巨大な聖晶石つき。おいそれよこせよ。何回分だ?お?
てなわけで戦い方は変な光よりも左手による物理の方が強そう、なダヴィンチちゃんでした。ちなみにカルデアでの役職は技術開発部門長だったかな?......ホワァイ?

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