マイ「艦これ」「みほ3ん」(第3部)前半コラボ 作:しろっこ
「良いものですね、艦娘たちの絆」
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「艦これ」的「みほ3ん」
EX回:第98話<艦娘たちの絆>
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<<鎮守府入口:艦娘たちの絆>>
私たちはブルネイ泊地の鎮守府ゲートの車列の最後尾につけた。すぐに、衛兵が駆け寄ってきたが、ブルネイ政府関係の車だと悟ると、さっと敬礼をした。女性秘書官と私たちは、その場でいったん下車した。
彼女は、英語で言った。
『今日の演習が、滞りなく行われるよう、祈っています』
『ありがとうございます。精一杯、取り組ませて頂きます』
私も改めて敬礼しながら応えた。気付くと、祥高さんと、比叡2号も敬礼している。女性秘書官も、ピシッと敬礼をした。板についているな、さすがだ。
私たちは徒歩でゲートに向かい、チェックをした。ふと見ると、ゲート内の鎮守府本館前の広場には、他の艦娘たちが、比叡2号を待っていた。そこには、ブルネイ側の山城姉妹だけでなく、美保側の金剛やオリジナル比叡、日向や伊勢もいた。私は内心、"お前たち、演習準備は良いのか?"と思った。
しかし彼らの後ろには、あの技術参謀も立っていた。それを見て、私は、"ああ、これが艦娘たちの絆なのかな?"と思わざるを得なかった。比叡2号は、すぐに金剛や、美保の比叡たちに包まれた。
やはり金剛が、先陣を切って、比叡2号の頬に手を当てて、確認するようなしぐさをしている。
「Oh~、ダイジョウブね?」
その隣は、美保の比叡。
「心配しましたよ!」
「ごめんさい・・・」
比叡2号は、申し訳無さそうに頭を下げるが、安堵したような表情だった。
その周りには、ブルネイや美保の艦娘たちがいる。昨日は、いがみ合っていた山城と日向も、何事も無かったように同じ場にいる。それは、ホッとする光景であった。もっとも、この二人に関しては、また演習とかになれば、対立するかもしれないけど。
とはいえ、この場に集まったほとんどの艦娘たちにとっては、量産型や試作型、あるいはオリジナルといった区別はないのだろう。ただ純粋に"艦娘"というだけで、すべての壁がなくなるように感じた。
その関係については、私ごときが口をはさむものではないとも思う。いや、むしろ私自身が鎮守府の提督として、もっと積極的に彼女たちの輪の中に、入っていけるように切磋琢磨すべきだろう。
正直、女性(異性)は苦手なのだが、それを越えるべき使命は感じた。
<<鎮守府入口:始動>>
「良いものですね、艦娘たちの絆」
まるで、私の心中を察するかのように、祥高さんは私の隣で呟く。
「そうだな」
そういいながら、ふと見ると、ブルネイ司令も出てきている。彼の姿を見た技術参謀は、手を叩いて注意を促す。
「よし、もうそれくらいで良いだろう。知っての通り今日は演習だ。すぐに準備に取り掛かれ!」
『はい!』
艦娘たちは、一糸乱れぬ・・・とはいかなかったが、全員がその場で敬礼をした。そして、すぐに演習準備の為に、各自が散らばっていく。
ブルネイ司令が私の隣へ来た。
「いろいろ心配をかけてすまなかったな」
「いや、慣れているから気にしていないよ」
私は半分本気、半分冗談で応えた。
「フッ、お前も艦娘に揉まれて、少しは強くなったか」
彼は笑った。私も笑った。ただ、彼の言葉を聞いて改めて、そうだな、私が艦娘たちと出会い、美保鎮守府へ着任したことは、いろいろな意味があるのかも知れないなと、思わざるを得なかった。
少し風が出てきたようで、広場にある掲揚台の日本とブルネイの国旗が、朝の風をうけてバタバタとはためいていた。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。