マイ「艦これ」「みほ3ん」(第3部)前半コラボ 作:しろっこ
「サンキュー・ベリマッチ!」
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「艦これ」的「みほ3ん」
EX回:第94話<確保>
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<<川べり:発見>>
私たちが公園を出て5分も立たないうちに川べりの別の公園があった。
「あ、あそこに・・・」
走りながら祥高さんが指差した方向に比叡2号は居た。最悪の事態も想定していた私はホッとした。
もっとも艦娘の場合は入水自殺は出来ないのが不悶でもあるが。
「え?」
なぜか祥高さんが敏感に反応する。
「いや・・・」
私は誤魔化した。不謹慎だった。
よく見ると比叡2号の横に長身のはっきりした顔立ちの男性が・・・
あれ?何処かで見たようなというか昨日の"王宮男性"のSPじゃないか?
彼とはあまり言葉を交わしていないが・・・片言の英語は通じるかな?
私は彼の傍まで行くと敬礼しながら英語で話しかけた。
『昨日はアリガトウございます・・・日本海軍の美保鎮守府提督です』
彼は比叡2号をなだめていたがこちらを向いて言った。
『おお助かりました。この艦娘英語はダメなんですね。同じ型のもう一人はナチュラルに話されていたのでてっきり大丈夫かと・・・』
私は思わず詫びた。
『申し訳ない。この艦娘・・・比叡は日本生まれなので・・・あいや、この娘はブルネイで出生していますが・・・』
くそう英語だと自分で何を言っているのか訳が分からなくなってくる。
だが彼はにこやかに微笑んだ。
『事情は分かりますよ。とにかくあなたたちが来て助かりました。とても深刻な顔をしていたので心配して・・・言葉は通じないのに』
『私たちもこの娘を探していて・・・本当に助かりました』
あれ?祥高さんがカットイン。貴女も英語話せるんだ。私の驚きは無視して彼女は比叡2号に日本語で話しかけた。
「比叡さん・・・戻りましょう」
祥高さんが話しかける。抵抗するかと思った比叡2号だが意外にも祥高さんの顔を見ると急に目をウルウルさせて祥高さんに飛びついた。
私はその姿を見て美保の比叡を連想した。そしてこの娘はもう大丈夫だなと思った。
それは、SPの男性も同様に感じたようだ。
『大丈夫そうですね・・・安心しました』
そう言って彼は立ち上がった。よく見ると彼はトレーニングウエアを着てランニングをしていたようだった。
私は改めて礼を言って詫びた。
『本当に感謝します。ご迷惑をお掛けして申し訳ない』
彼は首を振って応えた。
『いえいえこれも何かの縁でしょう・・・私で良かったとも言えますし』
彼は意味ありげな言葉を使った。そうだよな。もしこれが変な人に捕まっていたらそもそも艦娘なんて軍事機密だから。まずかった。
オマケに比叡を鎮守府から出してしまったことも今後は注意すべき事項だ。
『有り難うございました』
比叡2号をなだめながら祥高さんが頭を下げた。それを横目で見ながら、私も慌てて頭を下げた。
『あ、有り難うございました』
いろんな意味で確かに彼が確保してくれて良かったといえる。
そう思っていると、彼は微笑みながら付け加えた。
『わが国と貴国の今後の関係を象徴しているのかも知れませんし・・・では私はこれで失礼します。また今日お会いするでしょうし』
あそうか。今日は演習だよな。そう思っていると彼は手を振りながら爽やかに立ち去った。
そのとき、祥高さんにしがみついていた比叡2号が、突然顔を上げて・・・涙でくしゃくしゃになってはいたが彼の方を向いた。
「サンキュー・ベリマッチ!」
いきなり大声で手を振ってお礼を言ったのだ。彼は振り返って笑顔で手を振ってくれた。
なんだかあまりにも爽やかな情景で苦笑してしまった。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。