マイ「艦これ」「みほ3ん」(第3部)前半コラボ   作:しろっこ

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探索を続けるブルネイと美保の艦娘たち。だが提督はつい妄想に耽ってしまい祥高さんにたしなめられる。


「みほ3ん」EX回:第92話<祥高さんも涙>

「司令が倒れると、本当に周りが迷惑するんです!」

 

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「艦これ」的「みほ3ん」

 EX回:第92話<祥高さんも涙>

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<<ブルネイ市街:探索>>

 

ブルネイの市街も夜明けと共に徐々に賑やかになってくる。ふと見上げると時おり私たちの上空を艦娘たちの偵察機が飛んでいるのが見える。

 

「空母機動部隊だけでなく扶桑さん姉妹も偵察機を出しています。今のところ目立った発見はないようです」

祥高さんが無線を受けて逐次報告してくれる。扶桑姉妹が偵察機と聞いて昨夜の山城さんと日向のバトルを思い出してしまった。扶桑さんも山城さんも準備をすればきちんと偵察機は飛ばせるんだよね・・・。

 

そう思いながら私たちは大通りから路地へ入り緩やかな下り坂をどんどん歩いていく。恐らくこの先に河があるのだろう。小さい路地を歩いていると祥高さんが急に無線を聞き直している。もしかして比叡を発見したのだろうか?

 

「・・・そうですか直ぐに沈みましたか。分かりました。司令には私から使えておきます」

祥高さんは通信を終わった。比叡発見の知らせではないようだ。

 

彼女は少し立ち止まって私のほうを向いた。

「赤城さんの偵察機が水上集落脇の河で深海棲艦のものと思われる潜望鏡を確認しました。残念ながら敵は偵察機に直ぐ気付いたようで潜航してしまったようです」

 

「そうか・・・念のため寛代にも知らせて技術参謀に伝えてくれ」

私は祥高さんに指示を出した。

 

「了解」

すぐに彼女は連絡を取っている。

 

私はふと昨夜見たあの"茶髪の艦娘"の夢を思い出した。以前の"悪夢"であれば私はきっと思い出したくもなかっただろう。だが今はさほど嫌悪感を覚えない。なぜだろうか?その理由は良く分からない。

 

ただあの"不思議な彼女"はあの夢の中で私たちと同じように成長しその怒りや混乱といった感情も時と共に徐々に整理されているのではないか?そんな思いがした。

 

<<ブルネイ市街:お疲れ?>>

 

「・・・司令どうかされましたか?」

ふと我に返るとまた祥高さんに呼びかけられていた。なんだか最近こういうパターンが多いぞ・・・大丈夫かな?私。

 

「司令お疲れでしょうか?」

祥高さんが心配してチョッと覗き込んでくる。彼女は割りとショートヘアなんだがその髪の毛が私の顔に触れるほどの距離だった。

 

いかん、またドキッとした。

どうも艦娘は女性型だから何気ないしぐさでもいちいちどぎまぎしてしまう。私も初心(ウブ)な中高生か?・・・と呆れてしまう。

 

「いやそういう訳ではないが・・・あまりにも最近は突発的な事が立て続けに起きるものだからねえ~」

私はまた半分苦し紛れに応えた。最近ホント言い訳ばっかりしている。

 

「そこに公園がありますから少し休みましょう」

祥高さんは私の手を引いて強引に公園に引っ張り込む。この押し(引き)の強さは彼女ならではだよな。

 

「わ、分かったから・・・」

何となく日向を連想した。彼女も結構強引だったよな。

そうこうしているうちに私は公園のベンチに"強制着陸"させられた。何だろうね、この強引さは。

 

「司令は私たちの中心ですから、もっと身体をいたわって下さらないと。もし倒れたら私たちも困りますから」

祥高さんが言い訳のように話しかけてくる。

 

「ああ済まないね」

何で私が謝るんだ?言いながら自分でも良く分からない。

 

だいたい昨夜の私は変な夢は見たけどよく寝たんだ。体調が悪いわけでもない。私がちょっと妄想に耽っただけですぐに体調が悪いと決め付けられるのも不本意だよな。

 

「司令が倒れると本当に周りが迷惑するんです!」

いきなり立ち上がって強い口調に変わった彼女。いったいどうしたんだ?彼女の強引さと私の事情は関係なく判断してくる態度にさすがの私も、ちょっとムカついた。

 

「倒れるって言ったって私はそんなに・・・」

ここまで言って私はハッとした。彼女が目に涙を・・・うわぁ~それだけはやめてくれ~!

 

<<ブルネイ市街:祥高さんも涙>>

 

目に涙を溜めた彼女の姿とさっき彼女が発した「司令が倒れると周りが迷惑する」という言葉に私も思わずボロ負けした舞鶴海戦を思い出した。そうだよアレも結局、当時の舞鶴提督が倒れたから私が不慣れな指揮をして艦隊を全滅させたんだ。

 

そこまで連想すると急に"私が悪いぞ。艦娘には心から済まなかった"・・・という思いが湧いてきた。反省の気持ちが出てきた私は心を入れ替えて彼女に向き直ると素直に頭を下げた。

「申し訳ない。この通りだ・・・そうだね。ちょっと休むよ」

 

今回は真剣に詫びた。それで気が済んだのか彼女も脱力したように私のベンチの隣に腰をかけた。

「いえ・・・司令、私の方こそ出しゃばってスミマセンでした」

 

彼女も落ち着いたのか頭を下げてきた。何となくわけ有りかな?

「はい。司令の舞鶴のお話は伺っていましたが私にも似たような経験があったのでつい・・・」

 

ここで彼女は胸が詰まったのか、いったん会話を停めて何かを堪えているようだった。だがポツポツと語り始めた。

「私がかつて戦っていたとき・・・提督が戦闘中に亡くなったことがありました」

 

「えっ?」

いきなり核心的な話だな。

 

「そう提督にトラブルがあったというよりはある艦娘を庇(かば)って亡くなったんです」

あれ?艦娘を庇って?どこかで聞いたような話だが。

 

「戦闘中に指揮官がいなくなるとその部隊は大混乱に陥ります。もちろん通常はすぐに代役が立ちますがそのときは立てなかったのです」

え~っと誰の話だっけ?

 

「立つはずの代役も立てない。それほどまでに艦隊は形勢が不利でした」

やだな・・・舞鶴の海戦を思い出してしまう。

 

「その提督が庇ったのは私の姉である技術参謀です。彼は姉の夫でもありました」

あ~それそれ。その話だよ・・・って、あれ?

 

「え~~~!」

思わず叫んでしまった私。あの~祥高さんアナタのその思い出話のほうが倒れるくらいに衝撃的なんだけど。

 

その時艦娘の放った偵察機が上空を横切って行った。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。

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