マイ「艦これ」「みほ3ん」(第3部)前半コラボ 作:しろっこ
「あの娘は、意外と考え込むタイプのようだから」
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「艦これ」的「みほ3ん」
EX回:第89話<失踪>
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<<病室:失踪>>
直ぐに技術参謀が続けて入ってきた。
「おい、比叡2号がどこにも居ないらしいぞ!」
「えぇ!」
ブルネイ司令ではなく私のほうが驚いた。なにしろ"比叡"と聞くとつい美保のオリジナルの方を連想してしまう・・・彼女が失踪するということ自体あり得ないからなあ。
やっぱり艦娘って量産化すると性格違ってくるのかな。妙なところに感心した。
「あの比叡(2号)は龍田さん(2号)の死を見て何かショックでも受けたのか?」
私が言うとブルネイ司令も応えた。
「そうだな・・・あの娘は意外と考え込むタイプのようだから」
それを聞いて、ますます美保の比叡とは違うタイプだぞと思った。
私は振り返って聞いてみる。
「寛代、比叡2号の探索コードは無いか?」
彼女は窓辺で耳を澄ますような格好をしていたが・・・反応無さそう。首を左右に振っている。
「さっきまでは分かったけど・・・」
なるほど遠くなると難しいか。まあ~大海原とは違ってここは街中だもんな。技術参謀が続ける。
「ずっと探索は続けているが河べりの方角へ向かった事しか分からん」
私は提案する。
「手分けして探そう。とりあえず会議室に艦娘を召集してはどうかな」
「それで良い」
ブルネイ司令も異議は無さそうだ。
私は直ぐ寛代に言った。
「寛代、すぐに艦娘たちに伝達を・・・」
「もうやっているよ」
技術参謀が応えた。さすが素早い対応だ。
ブルネイ司令が技師に確認をする。
「あの比叡は数値的にはどうなんだ?安定しているのか?」
技師が応えた。
「そうですね・・・結局今残っている比叡と伊勢、この二人は五月雨の次くらいに数値が安定しています。その分、戦闘には不向きなのですが」
「へえ・・・そうなんだ」
思わず反応してしまった私。血の気の多さと試作型艦娘の寿命と何か関連があるのか?
・・・しかし艦娘にも性格とか個性があるのは興味深い。量産型といいながらこのムラ(個体差)が彼女らが単なる工業製品ではないことを示しているともいえよう。ふと見ると日向は少し微笑んでいた。きっと伊勢のことを考えているのだろうか。
「そうか・・・あいつは・・・」
彼女はそんなことを呟いていた。
<<会議室:探索作戦>>
早朝の会議室には美保の艦娘とブルネイの新造艦が集まった。強制ではなかったがブルネイ側は山城姉妹に加賀さん、天龍さん、最上と伊勢もいる。ほとんど揃ったな。
美保側も金剛に比叡、赤城さん、日向、龍田さん、夕立。また夕張さんと祥高さん、寛代に青葉さんもいる。こっちも全員いるな。
ブルネイ司令が作戦概要を説明する。
「早朝から申し訳ない。知っての通りブルネイの比叡が行方不明だ。恐らく龍田の死にショックを受けたものと思われる。比叡の探索は以下の要綱で行う」
ブルネイ司令は壁の地図を見ながら鎮守府を中心にエリアを区切り二人ずつペアで割り振っていく。なお航空機が運用できる正規空母に航空戦艦、そして最上は鎮守府本館の屋上から航空機での探索を実施する。
伊勢は自由参加だったが自ら志願したようだ。いっぽう同じ試作型でもある五月雨たち駆逐艦娘はメンバーから外された。
非常事態ではあるがこれだけの艦娘たちが一斉に作戦行動に出るのはめったに無いことだろう。なかなか壮観だ。
私は補足説明を行う。
「私とブルネイ司令で南北のエリアを周回する。発見次第近い者が現場へ急行する。それぞれ秘書艦または相当艦を補佐につける」
ブルネイ司令が続ける。
「午前中は演習もあるからあまり時間も労力もかけられない。短時間だが07:30でいったん捜索は打ち切る。後は状況次第だ」
突発事態ではあるが予定のスケジュールもこなさないといけない。鎮守府を束ねる司令の辛い立場だな。
「質問がなければ、すぐに作戦開始だ」
ブルネイ司令の命令に全員が敬礼をした。作戦開始だ。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。