マイ「艦これ」「みほ3ん」(第3部)前半コラボ   作:しろっこ

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金剛の”暴走”で煽られる扶桑さんたち。だが意外にも演習会場は穏やかなムードだった。


「みほ3ん」EX回:第126話<無線通話>

「そうですね、最初は怒っていました」

 

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「艦これ」的「みほ3ん」

 EX回:第126話<無線通話>

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<<演習:連射と真面目>>

 

金剛の砲撃につられるようにして、慌ててた扶桑さんと山城さんも砲撃を開始している。羽黒さんが必死に双眼鏡で各艦の着弾を確認しているが、海上の戦艦娘は3人とも、ほぼ連射しているから着弾観測どころではない。

一瞬、着弾誘導するはずの最上の映像が映ったが、もはや戦艦娘たちに無視されていて、なんだか海上でオロオロしている。ちょっと可愛そうだ。

そんな様子を見ている作戦参謀も、苦虫を潰したような表情をしている。でも意外と、会場は穏やかなムードだ。むしろ艦娘たちの乱射を愉しんでいるようにも感じる。

 

そういえば欧米人は割とフランクで、冗談が好きだと聞く。この会場でも、いま一番、演習の様子に”受け”ているのはイタリア勢だ。あの長身のイタリア武官は、もう手を叩いて喜んでいる。

ドイツ人も一般的には日本人と同じくらい真面目そうだ。この会場に来ている二人の武官も、はしゃいでは居ない。ただ意外と金剛の暴走にも理解を示している印象は受ける。長身のほうは、あごに手を当てながら、ちょっと微笑みつつ武官同士で会話をしている。

ホストでもあるブルネイ関係者は、どうなんだろうか?イスラム教徒は真面目そうだけど、あの”王宮男性”にしても秘書官にしても特に気分は害していないようだ。SPのイケメン男性も、単に真面目なだけではない印象を受ける。彼も特に怒っている素振りはない。(SPだから感情を表さないのは当然か)

 

この演習での金剛の”エンターテイナー振り”は、幸いにもミス・マッチではないようだ。特に海外勢には受けている。

 

それに引き換え日本人は生真面目だな。軍隊組織では、なおさらか。

作戦参謀は本省にいるだけあって、もろに真面目っぽいし。技術参謀も、どちらかと言えば真面目な方だろうけど、今回に関しては、さほどでもなさそうだ。腕は組んでいるが、金剛の暴走も、ニヤニヤして見ている。何しろ寛代の親だからな。ちょっと変わっているのかもしれない。

 

演習といえども、いくらかは、お祭り的な要素もあるのだろう。そう思えば金剛のおちゃらけ振りだって、意外と彼女自身の心の余裕から来る”本当の強さ”なのかも知れない。

 

<<演習:無線通話>>

 

作戦参謀は何度か無線連絡をしている。その無線が終わると、今度は羽黒さんと何か打ち合わせをしている。

やがて再び演台に戻った作戦参謀は言う。

『大変お待たせしました。少々見苦しい箇所がございましたが、戦艦による砲撃が終了いたしました。また、視界が晴れるまでの間、10分程度の休憩といたします』

 

……戦艦による砲撃ねえ~。もはや着弾観測どころでは無かったな。作戦参謀が下がると、すぐに武官たちは雑談したり席に戻って珈琲を飲んだりしている。さっきよりは、かなりリラックスムードになっている。やっぱり、あの金剛の”暴走”によって意外と、演習会場全体の場が和んだような気もする。

 

気が付けば、もうお昼に近い。予定よりもかなり遅れているよな。作戦参謀は何度か本省の次官や、ブルネイの政府担当者と話をしている。やはり午前の演習メニューは、これで時間切れかな?

 

【挿絵表示】

 

ちょっと間が空きそうなので、私は祥高さんに話しかけた。

「君はいろいろ演習中の艦娘たちの通信を傍受していたと思うけど、どうかな?艦娘たちは何か演習以外のことを話していたかな?」

 

「そうですね……」

ちょっと考えるしぐさをして、彼女は答えた。

 

「目立ったのは、午前中は参加していなかった天龍さんでしょうか?彼女の”早く出させろ”という声と、それをなだめている龍田さんの会話が良く聞こえました。駆逐艦娘たちは、だいたい大人しく見ていたようです。あとは潜水艦娘たちが、演習メニューに入っていないことに文句を言っていました」

 

「なるほどね~。もっとも潜水艦娘は、臨時で来ているだけだから仕方がないだろうけど」

やはり艦娘たちは裏で、いろんなことを会話している。何となく未来のブルネイでの演習会場を思い出すな。あの時は完全に、お祭りだったけど。艦娘たちは演習しながらでも、いろいろ会話していたよな。

 

こういうとき、あの”インカム”があると便利なんだが、さすがに電池が切れた。あれは多分、充電式なんだろうけど、バタバタしてたから、もう放置している。夕張さんに見てもらえばよかった。

 

「あのブルネイの扶桑さんたちは、金剛に出し抜かれて怒ってなかったか?」

ちょっと気になることを聞いてみた。

 

「そうですね、最初は怒っていました」

やっぱり。

 

「でも、あのブルネイの加賀さんが、比叡2号や龍田さん2号のことで、私たちに迷惑をかけたでしょ?と、諭してくれました。それで、かなり落ち着いたようです」

 

「へえ~」

あの加賀さん、やっぱり美保に欲しいな……無理か。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。

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